バカとテストとウチの弟   作:グラン

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今回は野球部のお話


第百八十九問 合宿

今日は祝日が絡んで連休となったとある週末

 

 

「・・・来るよ」

 

「いよいよね」

 

「頑張ります!」

 

「葉月も頑張るです」

 

 

ある部屋で明久、美波、瑞希、葉月の四人はそう呟く

直後、聞こえてくる多数の足音

 

 

「さぁ・・・嵐がくるよ!」

 

 

明久のその言葉を聞いて全員が持ち場に着いた

 

 

 

『おかわり!』

 

『こっちも!』

 

 

ここは文月学園の運動部専用合宿所の食堂

本来、こういう場合の食事は料理部が担当することになっているのだが、たまたま料理部の大会と野球部の合宿の日程が被ってしまった

中止も考えられたが、それを聞いた明久が食事係をすると言い、美波、瑞希も手伝いとして参加したのだ

なお、葉月は自宅に両親不在のため、事情を説明し特別に参加している

 

 

「くっ!調理が追いつかない!」

 

「こっちも下拵えしておいた食材が尽きたわ!こいつらどんだけ食べるのよ!?」

 

「美波!そっちは大丈夫!?」

 

「なんとか・・・でも応援に行くのは無理!」

 

「師匠!お手伝いします!」

 

「アタシも手伝うわ」

 

「ありがとうあやかちゃん!優子さん!そこの野菜、片っ端から切って!」

 

「瑞希お姉ちゃん、その料理はそっちのテーブルじゃないです!」

 

「あわわ、ごめんなさい!」

 

 

マネージャーの仕事を終えたあやかと優子の参戦し、一同はなんとかその日の昼食を乗り切った

 

 

「・・・お疲れ・・・」

 

「ホント、疲れたわ・・・海人が小食だから、甘く見ていたわ」

 

「まさかこんなに食べるとわね」

 

 

ぐったりした様子でそう言う一同

 

 

「あやかちゃん、優子さん、簡単な物だけど、昼食作ったから食べて。後片付けは僕達がしておくからさ」

 

「え、でも・・・」

 

 

食堂の散乱した食器を見てそう呟く優子

 

 

「いいからいいから。二人は午後からも練習に参加しなきゃいけないんでしょ」

 

「じゃあ・・・お言葉に甘えて・・」

 

 

そう言って二人は昼食を食べてグラウンドへと戻っていった

 

 

「さて、片付けますか」

 

「葉月、海人の練習を見に行っててもいいのよ?」

 

「葉月はお仕事でここに来たんです!葉月もお手伝いするです!」

 

「そっか、じゃあさっさと片付けましょ」

 

「みんなでやればきっとすぐに終わりますよ」

 

 

そう言って食器を回収し、皿洗いを始めた

 

 

「姫路さんもツイてないね。せっかく北条君と付き合い始めたった言うのにこんなことになるなんて」

 

「仕方ないですよ・・・もうすぐあの星凰との再戦が行われるんですから」

 

 

星凰学園

夏の大会の決勝戦で海人達が惜しくも敗北したチームだ

とは言っても、公式戦ではなく練習試合

だが、ある理由によって公式戦以上に注目されている

それは数週間前に遡る

 

あるインターネットのサイトで『高校生最強の投手は誰だ?』という議論が行われた際、ほとんどの人物が『星凰の新藤』と回答したのだが、一部で『文月の島田』と書かれ、最初は『誰?』という意見が多かったが、誰かが投稿した動画で海人の投球を見た人たちが『球種多すぎw』『切れ味やべー』『可愛い』など、投稿し始めネット上で騒ぎになり、ニュースにまで発展

そのニュースでプロの選手が『将来が有望な選手』とコメントしたことにより再びお祭り騒ぎに・・・

さらに、『どっちが上か?』という話題になり、バラエティ番組で取り上げられるほどの事態に発展

そこで文月、星凰の学園長は『ならば戦わせてみよう』ということで練習試合が決定したのだ

球場の確保、練習試合では異例の観覧チケット販売(販売開始初日に完売)

世間の注目を大いに浴びているのだ

 

 

「それにしても学園長も太っ腹だよね。合宿の費用を全額負担してくれるなんてさ」

 

「『金はいくら使ってもいいから必ず勝ちな!』とか言っていたわね」

 

「なんでも、星凰の学園長とはライバル関係で仲が悪いみたいだよ。前回負けた時も散々嫌味を言われたみたい」

 

「生徒以上に燃えていましたよね」

 

 

気合の入りまくった学園長の姿を思いだしながら苦笑いの三人

・・・三人?

 

 

「お姉ちゃん!おっきいお兄ちゃんたちが来たです!」

 

「おいっす、明久」

 

「・・・手伝いに来た」

 

「ワシも料理を運ぶ位ならできるのじゃ」

 

「美春も実家の手伝いでそれなりに自信がありますわ」

 

「みんな!来てくれたんだ!」

 

「ごめんなさいね。本当はお昼に間に合わせたかったんだけど渋滞に引っかかっちゃって」

 

 

葉月に連れられて他のメンバーが集合

雄二達は補習免除に釣られ、女子一同は自身の彼氏が行くならとついてきたのだ

 

 

「みなさーん。部屋に案内しますよー」

 

 

勝亦先生がひょこっと顔を出して声を掛ける

ちなみに雄二達をここまで連れてきたのも勝亦先生だ

 

 

「・・・雄二と同室じゃない・・・」

 

「部屋の数に限りがあるんだから当たり前だろ」

 

 

雄二と別室なのを見て肩を落とす翔子

部屋に荷物を置いた一同は食堂に集まり、役割を分担して作業を開始

康太と愛子は新聞部から依頼を受けた写真撮影に向かう

雄二と翔子は勝亦の車で追加の買い出し

残りのメンバーは夕食&朝食のメニューを決める(決まり次第、雄二達に連絡)

 

そして気合を入れて夕食に嵐に備えた一同だったが、夕食は昼食の時と違い、その後に練習があるわけではないため、誰一人慌てて食べなかったので拍子抜けする結果となった

 

 

 

  ※数分後※

 

 

「ん・・・ふぁ・・・やば、寝ちゃってた・・・」

 

 

夕食を終えて部屋に戻った優子はいつの間にか眠ってしまっていた

 

 

「お風呂に入らなくちゃね。えっと、浴場の使用時間の割り振りは・・・」

 

 

~21:00 女子

21:00~23:00 男子

23:00~ 女子

 

 

 

そもそも男女混合の部がこの合宿所を使うことが無いため、ここには大浴場が一つしかない

故に使用時間は事前に話し合い、選手の都合を最優先に決めておいたのだ

 

 

「時間は23:30か・・・思ったより疲れていたのかしらね・・・」

 

 

壁に掛けられた時計を見て、思ったより時間が経っていることに若干驚きながら着替えを用意する

 

 

「まぁいいわ。ちょうど入浴時間だし、さっさと入って早く寝よう」

 

 

そう言って部屋を出て行く優子

しかし、彼女は気付いていなかった

 

 

  ※数分後※

 

 

「あっれー?木下先輩いないなー」

 

「本当だ。どこに行ったんだろう?島田先輩の所かな?」

 

「あの二人仲がいいもんなー。まぁいいや、それより、九時からのドラマが始まるよ。今日、最終話だったよな?」

 

「うん。一時間半だから見終わった後にお風呂に行こう」

 

 

壁に掛けられた時計が・・・電池切れで止まっていることに・・・

 

 

現在の本当の時刻、20:58

 




止まった時計で時間を見間違えてしまった優子
トラブルの予感w

次回も頑張ります
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