バカとテストとウチの弟   作:グラン

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最後に書いたおまけに久々にあの人が・・・


第百九十六問 始球式

「いよいよね」

 

「智也君達ならきっと勝てますよね」

 

 

球場のスタンドで美波と瑞希がそう話す

いつものメンバーは合宿に貢献したということで学園長がグラウンドに近い良い席を用意してくれた

ちなみに葉月は帰国してきた両親と合流し、そっちに行っている

ここにいるのは野球部三人と記録員としてベンチ入りしている優子以外のいつものメンバー、それと常夏コンビと智花と琴音だ

が、一同はいくつかの違和感を感じていた

まず一つ

 

 

「ウチの隣、なんで席が二つ空いてるんですか?」

 

「すぐにわかるさね」

 

 

ニヤリと笑いつつそう答える学園長

次に・・・

 

 

「あのチアの人たちと応援団。ウチの生徒じゃないですよね?」

 

「よく気づいたね。そうさ。実業団の方から雇ったのさ。プロ野球なんかでもパフォーマンスをしている正真正銘のプロだよ。星凰の学園長だけには負けられないからね」

 

「・・・そこまでするか・・・」

 

 

学園長の笑みに雄二は呆れたように言う

 

 

「あれ?でも向こうにもチアがいますよ?」

 

「な、何だって!?あっちは男子校のはずだよ!?」

 

「向こうも雇ったんじゃないですか?見たところ外人みたいですし・・・」

 

 

学園長は双眼鏡で向こうのスタンドを覗く

すると、金髪のチア集団に気合の入った感じの応援団、高そうな楽器を構えた吹奏楽団がおり、一番前の席には星凰の学園長と思われる年配の男性がニヤリと笑って座っていた

 

 

「くっ!」

 

(((((大人げない・・・)))))

 

 

両学園長のくだらない見栄の張り合いに溜息を漏らす一同

そして最後の疑問

 

 

「なんで・・・神崎先輩はそんなにソワソワしているんですか?」

 

「あぁ、琴音の好きな有名人が始球式に来ることになってんだよ」

 

「へぇ、始球式までやるんだ」

 

「っと、始まるな」

 

 

『おまたせしました。これより、星凰学園対文月学園の試合を開始します。それではまず、始球式を行います。投げるのはこの方』

 

 

そう言って出てきたのは文月学園の制服を着た金髪の少女

そして・・・一同はこの少女の事を知っていた

 

 

『現在、ドイツで人気急上昇中の現役女子高生モデル、フローラ・アルベルトさんです』

 

「フローラ!?」

 

「えぇ!?」

 

 

驚く一同

 

 

「ん?知ってんのか?」

 

「知ってるも何も、ドイツにいた頃の幼馴染ですよ」

 

「・・・その話、詳しく」

 

「速っ!?そして近っ!?」

 

 

後ろの段の三つ隣にいたはずの琴音が目の前に現れたことに驚く美波

 

 

「あ、後で説明しますから。それよりほら、始まりますよ」

 

『そして捕るのはドイツのU-18の正捕手、カール・フランツ君です』

 

「か、カールまで・・・」

 

「ってか、カール君ってそんなに凄い人だったんだ」

 

 

再び驚く一同

 

 

『実は二人は文月学園のエースの島田君の幼馴染なのです。今日はこの試合の為にわざわざドイツから駆け付けてくれたのです!』

 

 

司会の人が場の空気を盛り上げる

 

 

『それでは打席には今回は特別に島田君に入っていただきましょう』

 

 

司会者に言われ、打席に入る海人

 

 

「いくよ!海人君!」

 

「うん!」

 

 

振りかぶって投げるフローラ

海人はそれを空振り、カールはしっかりとキャッチした

会場は拍手に包まれ、フローラは笑顔で観客席に向かって手を振りながらカールと共に去って行った

 

 

「ま、まさかフローラが来ているなんて」

 

「あ、もしかして美波の隣の空いてる二席って・・・」

 

 

 

  ※数分後※

 

 

「久しぶり、美波ちゃん。他のみんなも元気にしてた?」

 

 

笑顔で手を振りながらフローラがやってきた

 

 

「ビックリしたわ。まさか日本に来てたなんて」

 

「美波ちゃんってば試合のこと教えてくれないんだもん」

 

「ご、ごめん。ただの練習試合だからわざわざ呼ぶのも気が引けたのよ」

 

 

頬を膨らませてそう言うフローラに美波は申し訳なさそうに謝る

 

 

「久しぶりダナ、ミナミ」

 

「あれ?カール、日本語・・・」

 

「アァ、フローラに少し教わったんダ。ヨシイも久しぶりダナ」

 

「うん。久しぶり」

 

 

カールはそう言うと明久の耳元で・・・

 

 

(ミナミを泣かせタラ、殴りに行くカラナ)

 

「?」

 

 

そう呟いた

美波はカールの言葉が聞こえず、首を傾げている

 

 

(やっぱり・・・カール君、美波の事・・・)

 

 

カールの想いに気付いた明久

彼の目を真っ直ぐに見据えて

 

 

「その時は、迷わず僕を殴ってくれ」

 

 

そう言い放った

 

 

(コイツなら・・・安心だ)

 

 

明久の覚悟の決まった態度を見て満足そうに微笑むカール

 

 

「あ、あの。フローラ・アルベルトさんですよね。私、神崎琴音って言います。私、あなたのファンなんです。サインください!」

 

 

一方その頃、琴音は持っていた鞄から色紙を取り出し、フローラに頭を下げていた

 

 

「ファン?私の?うわー嬉しいな。ありがとうございます」

 

 

色紙を受け取りながら笑顔でそう言うフローラ

 

 

「はい。これからも頑張るから応援よろしくお願いします」

 

 

笑顔で色紙を渡し、握手をするフローラ

琴音は嬉しそうに色紙を抱きしめている

 

 

「なるほどね。ファンが増えるわけだわ」

 

 

フローラの心優しい性格を知っていた美波だったが、今のやり取りを見て、人気が出るわけだと納得する

 

 

「にしてもグラビアモデルって男性に人気が出るのはわかるけど女性のファンもいるものなの?」

 

 

明久の発言により琴音にスイッチが入る

 

 

「吉井君は何もわかっていない。まず彼女はグラビアモデルじゃなくファッションモデル。顔の可愛らしさやスタイルの良さもさることながら、性格の良さ、ファンを大事にする精神、ファッションセンスもよく学力も優秀と聞く。彼女こそ完璧な女性と言っても過言ではない。決して見た目だけで売れているわけではない」

 

「ご、ごめんなさい」

 

 

ズイズイと迫りながら言葉を放つ琴音の威圧感に圧倒される明久

 

 

「こ、こんなに饒舌な琴音を見るのは初めてだ」

 

「あ、あはは・・・そこまで褒められるとなんだか照れちゃうな」

 

 

驚く常村と照れくさそうに笑うフローラ

 

 

「フローラさんもごめんなさい。決して見た目で売ってるとかいう意味で言ったんじゃないんだ」

 

「うん。吉井君がそういうことを言う人じゃないことはわかってるから大丈夫だよ」

 

 

明久の謝罪に笑顔で答えるフローラ

 

 

「・・・人気が出るわけだ」

 

「?」

 

 

その笑顔に内心ドキッとした明久だった

 

 

「そう言えば優子ちゃんはベンチに入ってるんだね」

 

「あ、うん。えっと・・・」

 

 

言葉を濁す美波

 

 

「大丈夫だよ美波ちゃん。もう吹っ切れてるから。むしろ二人が仲良くしてるのを見てホッとしてるよ」

 

 

海人と優子が付き合い始めたことは伝えているが、想いを寄せていた相手が他の女性と一緒にいるというのは辛いのではないかと思った美波だが、フローラは笑顔で二人の恋の成就を祝福する

 

 

(よかったね、優子ちゃん)

 

(((((人気が出るわけだ)))))

 

 

その場にいる全員がフローラの人気の秘訣を理解したのだった

 

 

 

 

  ※おまけ※

 

 

「ところでフローラ達は何で文月の制服着てるの?」

 

「ウチの応援席に呼んだからアタシが用意したのさ」

 

「えへへ、どうかな?似合う?」

 

「よく似合ってるわ」

 

「素敵ですフローラさん」

 

 

 

 

  ※おまけ2・彼女の知らない日本の文化?※

 

 

「えへへ、美波ちゃんビックリしてるだろうな」

 

 

合流する少し前の事

フローラは美波に会うのを楽しみに応援席へと向かっていた

 

 

「あ、あれは・・・」

 

 

と、その時

応援席で異様な光景を目撃する

 

 

「椅子が動くんじゃないよ!!」

 

「は、はい!すいません!」

 

 

四つん這いになった男子生徒とその上に座っている女子生徒

 

 

(なんて酷い事を・・・)

 

 

心優しい彼女はいじめを見過ごすことは出来ない

注意しようとしたが・・・

 

 

(あ、あれ?笑ってる?)

 

 

男子生徒が嬉しそうな表情をしていることに気付き、足を止めた

 

 

「しっかりしな!頑張ったら・・・これで踏んでやるよ」

 

「最高のご褒美です!!」

 

 

ピンヒールを取り出し、そう言う女子

男子生徒は嬉しそうに叫ぶ

 

 

(・・・日本にはどうやら私の知らない文化があるらしい)

 

 

フローラは静かにその場を離れた

 

二年Aクラス鳴資洲当夜君

ドSな彼女を手に入れ、毎日幸せにいじめられていますw

 




M化した鳴資洲君の登場でした

次回も頑張ります
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