バカとテストとウチの弟   作:グラン

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優子に一体何が・・・



第二百二問 優子のピンチ?

試合から数日後の休日

海人は自宅でのんびりと読書をしていた

 

両親は仕事でドイツへ

なんでも今の仕事を引き継いだら日本に戻れるらしい

 

葉月は修学旅行で不在

『お土産をたくさん買ってくるです!』と言って出発した

 

美波は久しぶりに明久とデート

海人に『たまには羽を伸ばしておいで』と言われ、うきうきしながら出て行った

よって、今、島田家には海人しかいない

 

 

「・・・もうこんな時間か」

 

 

海人は本を置きリビングへ

テーブルには美波が用意した昼食

海人は紅茶を入れて椅子に座り、テレビを点けた

 

 

『緊急ニュースです!文月市で強制わいせつの容疑で逮捕された男が搬送中に警察官を殴り倒し逃走。現在行方を追っています』

 

 

「うわっ!この近くじゃん!?物騒だなぁ」

 

 

そう呟く海人

ふと、自身の恋人の事を思いだす

 

 

(そういえば優子さんも今日は家に一人って言ってたな)

 

 

そう、海人も優子をデートに誘おうとしたが、溜まっている本を読みたいからと断られたのだ

その時に聞いたのだが、秀吉は部活。両親も用があり、今日は家に優子一人らしい

 

 

「・・・大丈夫かな?」

 

 

この状況で女の子が一人で家にいるのは危険なのではないか?

 

 

「電話してみよう」

 

 

不安に駆られた海人は優子に電話することにした

数コールした後、電話が繋がる

 

 

「あ、優子さ・・・」

 

『きゃあああああああ!!!』

 

「ゆ、優子さん!?どうしたの!?」

 

『いやぁああああ!!こっちに来ないでぇぇぇええ!!』

 

 

電話口の向こうでは暴れるような争うようなそんな音が聞こえる

 

 

「優子さん!?何があったの!?優子さ・・・」

 

 

海人がそう言うも返事は無く、電話は切れてしまった

 

 

「くっ!」

 

 

海人は勢いよく家を飛出し走り出す

 

 

(優子さん・・・無事でいて)

 

 

そして彼は優子の家に到着

走り疲れて乱れる息を整えて、ドアを開ける

 

 

(やっぱり優子さん一人)

 

 

玄関には優子のものと思われる靴が一つ

犯人はおそらく靴を履いたままだろうと推測

海人は犯人を刺激しないよう足音を立てないよう歩く

 

一部屋目・・・いない

二部屋目・・・いない

秀吉の部屋・・・いない

リビング・・・いない

そして優子の部屋・・・

人の部屋に勝手に入るなど、普段の海人なら絶対にしない事だが、そんなことは言っていられない

中を覗くとそこには衣類や本が散乱。まるで誰かと争っていたかのような形跡があった

しかも優子の姿はない

 

 

「優子さん?いないの?」

 

 

どこかに隠れているのではと思い、声を掛けるが返事は無い

部屋を出て警察に電話しようとするが、自分が携帯を家に置いてきたことに気付く

家の電話を借りようとリビングに向かう

が、その時・・・

 

 

(ガタッ!)

 

 

一つの部屋から物音が聞こえた

 

 

「優子さん!?」

 

 

勢いよくドアを開ける海人

しかし、彼はその部屋が何の部屋か確認するべきだった

その部屋は・・・

 

 

「か、海人・・・君!?」

 

 

・・・浴室だった

そして中にいるのは全裸状態の優子

シャワーでも浴びていたのか身体は水浸しだ

普段の海人なら顔を赤くして部屋を出るだろう

しかし・・・海人は勢いよく優子を抱きしめた

 

 

「か、海人君!?」

 

「よかった・・・無事で本当によかった・・・」

 

 

そう呟く声は弱弱しく震えていた

服が濡れるのも気にせず海人は優子を強く抱きしめる

その行為に優子は本気で心配してくれているのだと感じる

 

 

「か、海人君。落ち着いて。一体何があったって言うのよ?」

 

「えっと、それは・・・」

 

 

ゆっくりと優子から離れる海人

そこでようやく優子が全裸であるということに気付く

 

 

「ごご、ごめん!!」

 

 

顔を真っ赤にして部屋を出ようとする海人

その瞬間、優子は・・・

 

 

(海人君が・・・行っちゃう)

 

 

瞬間的に海人が自分の元を去って行くと錯覚

込み上げてくる不安

捨てられる恐怖

一瞬のうちにそれを感じた優子は海人の腕に抱き着いた

 

 

「ゆ、優子さ・・・」

 

「行かないで!何でもするから!何してもいいから!悪いところがあるなら全部直すから!!だからお願い!行かないで!アタシを捨てないで!!一人にしないで!」

 

大声で自身の気持ちをぶつける優子

 

 

「お、落ち着いてよ優子さん。捨てるって何なの?」

 

「だって・・・海人君ってばこの間の試合で一気に有名になっちゃったじゃない?海人君は優しいし可愛いし、これで女の子を選び放題でしょ?そうなったらアタシなんか用済みなんだって捨てられちゃうんじゃないかって不安で・・・」

 

「優子さん・・・」

 

 

海人は『とてもいい笑顔』で優子の頬に手を当て・・・摘まんだ

 

 

「ふぁ、ふぁいふぉ君?」

 

「そんなおバカなことを言うのはこの口かなぁ!?」

 

 

優子の頬を横に引っ張る海人

 

 

「いふぁい!いふぁいよ!ふぁいふぉ君!」

 

 

そしてゆっくりと手を離す

 

 

「優子さん、不安にさせたことは謝るよ。でもね、これだけ自分の事を想ってくれる最高の彼女がいるのに他の女の子と付き合ったりなんてしない。どれだけ可愛い子が告白してきても優子さんを裏切るような真似は絶対しないよ」

 

「・・・うん」

 

 

未だに不安そうな優子

 

 

「・・・優子さん。僕は今回の試合で決めたことがあるんだ。星凰学園のみんなと戦って、もっと強い人と戦ってみたいって思うようになった。だから僕は・・・プロ野球選手を目指すよ」

 

「う、うん」

 

 

なぜ、今その事を話すのかわからないといった表情の優子

 

 

「そ、それで・・・その・・・優子さんにはその時、僕の隣にいて欲しいんだ。だから・・・プロ野球選手になれたら・・・僕と結婚して欲しい」

 

 

優子は驚きの表情を浮かべる

しかし・・・

 

 

「・・・それはダメ」

 

 

優子の返事はノー

 

 

「・・・そっか・・・そうだよね。僕なんかじゃ・・・」

 

「違うわよ。だってそれじゃあアタシはお金目的で海人君と結婚するみたいじゃない。アタシは嬉しい事や楽しい事だけじゃなくて、辛い事や苦しい事も海人君と一緒に乗り越えて行きたいの。だから『プロになれたら』なんてダメ」

 

 

そう言って優子は海人に次の言葉を期待するような目で微笑む

 

 

「わかったよ優子さん。じゃあ訂正するね。高校を卒業したら、僕と結婚してください」

 

「はい!喜んで!」

 

 

優子は満面の笑みでそう言い海人に抱き着き、二人の唇が重なった

 

 

(そういえば・・・電話の時のあの悲鳴は一体・・・?)

 

「えへへ・・・海人君♪」

 

(・・・ま、いっか)

 

 

疑問に思った海人だったが、少なくとも襲われたわけではなさそうなのでまぁいいやと優子を抱きしめる手に力を加えるのだった

 

 

 

 

 

 




海人の決意
そしてプロポーズ
優子からのオッケーも得て後は『娘さんをください』イベントだけですね
最終回まであと少し
最後までお付き合いお願いします

ちなみに優子の悲鳴の理由は次話で語ります



次回も頑張ります
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