バカとテストとウチの弟   作:グラン

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10年後、彼らはどうなっているのか?
今作品はこれにて完結です


最終話 そして10年後

時は流れ十年後

文月学園と星凰学園の激闘で野球ブームが巻き起こり、野球選手を目指す少年が増大

結果、プロ野球チームが倍以上に増えるという事態になっていた

そんな中とあるレストランでは

 

 

「ハンバーグ1、オムライス1よ」

 

「了解」

 

「こっちはエビフライ2ですっ!」

 

「わかった!」

 

 

注文を受け、料理を作っているのはこの店『レストラン吉井』の店長の吉井明久

 

 

「おまたせしました。ハンバーグセットとオムライスです」

 

 

お皿を持って行く女性の名は吉井美波

明久の妻である

オムライスとハンバーグには、文月市が誇る野球チーム『文月サモナーズ』の旗が立てられている

 

 

「やぁ美波ちゃん。弟さんのチーム、今夜も勝てたらいいね」

 

「ふふ、応援してくださいね」

 

「おうよ!」

 

 

料理を受け取った中年の男性が美波にそう言い、美波も笑顔で受け答えをする

この店の評判はとても良く常連客も多い

今の男性もその一人だ

 

 

「海人は相変わらずの人気だね」

 

「ま、当然よね」

 

 

嬉しそうな表情の美波

ブラコンは未だ健在のようだ

 

 

「アキ義兄さん、エビフライ1ですっ」

 

「あ、うん。了解だよ、葉月ちゃん」

 

「あ、それなら僕が・・・」

 

 

注文を受けてきたのはこの店でバイト中の島田葉月、現在大学三年生

料理を作り始めたのは葉月の大学の後輩でキッチン担当のバイトの男の子

そして葉月は料理を運び戻ってくる

 

 

「バイト君もだいぶ手際が良くなったですね」

 

「え、あ、ありがとうございます」

 

 

頬を赤く染めて嬉しそうにそう言うバイト君

そう、彼は葉月に恋をしているのだ

しかし・・・

 

 

「あ、あの。葉月先輩。僕の名前は・・・『すいませーん』『はーい』・・・」

 

 

未だに葉月に名前を憶えられていないのだ

余談だが、彼の父親はさやかの母親編で登場した『後輩君』である

 

 

「・・・どんまい」

 

「・・・店長と美波さんは僕の名前、憶えてますよね?」

 

「・・・さ、仕事仕事」

 

「う、ウチも片付けしなくちゃ」

 

 

そそくさと去って行く二人

はぁ、と溜息をついたバイト君も仕事に戻るのだった

 

 

 

  ※数時間後※

 

 

お昼のランチタイムを終え、時刻は午後三時

ここから午後六時までは休憩時間とし、お店を閉めるのだが・・・

 

 

「美波ちゃん、こんにちは」

 

 

瑞希と友香が来店

今日はみんなでお茶することになっているのだ

 

 

「あれ?優子と翔子は?」

 

「翔子ちゃんはお仕事の都合で来れないそうです」

 

「優子は出版社に原稿を届けてから来るって。もうそろそろ来るんじゃないかしら」

 

 

なんて会話をしていると・・・

 

 

「こんにちは」

 

「噂をすれば・・・ね」

 

 

スーツ姿の優子が来店

現在、彼女は小説家として活躍中なのだ

 

 

「にしても普通、出版社の人が取りに来るもんじゃないの?」

 

「まぁそうなんだけど、ちょっと前作がいまいちだったから、何人かに読んでもらおうと思ってね」

 

 

苦笑いしつつ席に着く優子

そこに美波も席について女子会スタート

 

 

「それにしてもアタシ達も全員母親とはね、時が経つのは速いわね」

 

「なにをしみじみと言ってんのよ」

 

 

彼女たちも現在は結婚しており、苗字もそれぞれ、島田、北条、中島に変わっている

さらに彼女たちにはそれぞれ子供がいる

 

 

「愛子も来れればよかったんだけどね」

 

「仕方ないわよ。今日は大事な日だからね」

 

 

愛子は現在、文月サモナーズのチームドクターだ

おまけに今日は日本一が決まるかもしれない大事な一戦の日

休めるわけがない

旦那の康太は新聞社のカメラマン

持前の嗅覚でスキャンダルを激写する日々だ

 

 

「にしても愛子も優子も翔子も凄いわよね。家事と仕事を両立しているんだもん。アタシなんて主婦業だけで手一杯よ」

 

「アタシは夢だったやりたいことをやってるだけよ。家事だって空人が手伝ってくれるからそんなに負担じゃないし」

 

 

友香の言葉を否定する優子

ちなみに空人というのは海人と優子の息子だ

 

 

「今日の試合、みんなで翔子の家で応援なんでしょ?いいなぁ・・・」

 

「なんだったら美波も行ってきていいよ」

 

「そうはいかないわよ。お店の方だって忙しい時間だし、仕事すっぽかして応援に行ったなんて海人に知られたら怒られるわ」

 

 

試合開始は午後六時

お店の夜の部の開店時間も午後六時

 

 

「とは言ってもまぁどうせ・・・」

 

 

 

  ※午後七時※

 

 

『打ったぁぁぁ!!文月サモナーズの中島選手!セカンドランナーの野村選手は三塁を蹴り、一気にホームへ!間に合うか!?判定は・・・セーフ!!タイムリーヒットで一点先制です!』

 

「おっしゃぁぁぁ!!」

 

「きゃあああああ!!」

 

「やったぜぇぇぇぇ!!」

 

「・・・こうなるよね」

 

 

大騒ぎの店内

野球ブームが巻き起こっている現在、日本一が決まるかもしれない大事な一戦ともなれば客も一緒になって大騒ぎするのは当たり前

これは珍しい事ではない

日常茶飯事なのだ

 

 

「やれやれ、今日も掃除が大変そうだ」

 

 

溜息を漏らしつつ、キッチンに戻る明久だった

 

 

 

 

  ※文月スタジアム※

 

 

『中島選手の見事なタイムリーヒットにより、一点を先制した文月サモナーズ。一点を追う星凰キングスも負けていません!日本シリーズ6日目、文月サモナーズ三勝、星凰キングス二勝と、今日文月サモナーズが勝てば、日本一が決定いたします!優勝を決めたいサモナーズ!それを阻止し追いつきたいキングス!!いよいよ最終回、キングスの攻撃、守る文月、中継ぎの藤本選手からバトンを受け取りマウンドに上がるのはもちろんこの人!文月の守護神!島田選手だぁぁぁぁ!!』

 

 

実況の新野すみれの紹介により、会場のボルテージは一気に上がる

 

 

ゆっくりとマウンドに上がる海人

 

 

『六番ファースト武蔵丸』

 

 

「ガハハ、先日はやられてしもうたが、今日はそうはいかん。勝たせてもらうぞ」

 

「僕だって負けないよ」

 

 

そう言って海人は振りかぶり投げた

それを武蔵丸は打ち返し打球は三遊間を・・・

 

 

『おっと!ショートの夏川選手!これは見事なダイレクトキャッチ!後輩の島田選手を助けます』

 

 

海人にボールを返す夏川

その目にはまるで『後ろは任せろ』と言っているような心強さがあった

 

 

『七番キャッチャー、カール』

 

 

「思い切って日本に来てよかったゼ。おかげでこんな熱い戦いができるんだからナ」

 

 

『この大会の始球式にも登場した元モデルで現在はファッションデザイナーのフローラさんの旦那さんであるカール選手。ここは観客席で見ている奥さまの為にも一発打ちたいところです』

 

 

フローラはカールとの結婚を機にモデルを引退

二人で日本に来日したところ、神崎グループの幹部となった琴音にスカウトされ、ファッションデザイナーとして働いている

 

 

『おっと!!カール選手打った!!センター前ヒット!!』

 

カールは海人の変化球を華麗に打ち返しシングルヒット

そして八番の選手が送りバントでツーアウトランナー二塁

あと一人でサモナーズの勝利となった

 

 

『九番ピッチャー新藤』

 

 

『おっと!ここで両チームの守護神同士の対決だ!高校時代からのライバル同士の勝負!はたしてどっちが勝つのでしょうか!?』

 

 

「やれやれ、また俺が最後のバッターか高校の時からコレで何度目だろうな」

 

「ふふ、そうだね」

 

「ま、最後にする気は無いけどな。後ろにつないで逆転してやるぜ」

 

「させないよ。ここをきっちり抑えて僕達が勝つんだ」

 

「「勝負だ!!」

 

 

振りかぶる海人

勝負の結果は・・・

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日

朝刊には・・・『文月サモナーズ優勝』という文字が大きく一面を飾ったのだった

 






次回作は全く考えておりません
もしネタが思いついたら、チラシの裏に投稿している『連載はしないけどネタを思いついたので投稿してみた作品集』の方に投稿するかもです
気が向いたら読んでやってください

次週、『10年後の彼らは何をしているのか?』を投稿する予定です
小説ではなく、箇条書きの設定集みたいな感じです


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