そしてこの話で一旦、小休止を挟みたいと思います
理由は・・・
ちょっと今、仕事が忙しい
ストックができていない・・・などなど
なので次回の更新は8月1日を予定しております
それでは本編へどうぞ!
NO SIDE
(カキーン)
「やったで!逆転サヨナラや!」
ヒットを打った少年の名は中島英雄、小学五年生
「ナイスバッティング!」
「さすが英雄だぜ!」
仲間から声援を受ける
彼は五年生でありながらリトルリーグで四番を務めており仲間からも『ここぞの場面で必ず打ってくれる』と信頼が厚かった
楽しそうに野球をする少年たち
だが、この幸せが近いうちに崩壊することをこの時は誰も知る由はなかった
SIDE OUT
SIDE 英雄
俺の名前は中島英雄
野球大好きの小学生や
勉強は苦手やけど野球なら誰にも負けへんで
「アンタって野球やってるとき凄く楽しそうよね」
俺が素振りしてる横でそう言うのは幼馴染の小山友香
「もちろんや!俺はこのバットで世界一の大打者になるんやからな」
「アンタみたいなバカがなれるとは思わないけどね」
「む、バカって言う方がバカなんやで!」
「はぁ!?アンタよりアタシの方がバカですって!?毎回テストの点数一桁の癖に!」
「うぐっ!・・・野球のテストがあれば満点間違い無しやのに・・・」
「んなもんあるわけないでしょ・・・まぁたしかに野球してるときの英雄はカッコイイけど・・・(ごにょごにょ)」
「ん?どうしたんや?顔赤いで?」
「う、うっさい!バカ!」
「あっ!またバカって言ったな!!」
そして俺と友香は再び言い争う
これが俺の日常や
せやけど・・・その翌日の事やった
親父が・・・人を殺した・・・
話によると、酒を飲んで酔っていたところをチンピラと口論になった
そして親父は・・・近くにあったビール瓶でチンピラの頭を殴った
そして・・・運が悪かった
バランスを崩したチンピラはそのまま倒れ、後頭部を強打
当たり所が悪く、そのまま死んでしまった
酔っていたとはいえ、人を殺したのは事実
しかも絡んでいったのも先に手を出したのも親父だった為、何の言い訳もできず、親父は殺人罪で逮捕されてしまった
その日から俺は、人殺しの息子として周りから見られるようになった
友達やと思ってた奴らはみんな掌を返したように俺から距離を取り始めた
距離を取られるだけならまだマシやった
それからさらに数日後、悪質な嫌がらせが始まった
靴を隠されたり机に落書きは当たり前
時には家に石を投げ込んでくる奴もおった
リトルリーグの方も悲惨なものやった
打席に入ってもあからさまにやる気のない球ばかり投げられたり、守備に入って返球しても誰も取ってくれない
キャッチボールの相手はいないし、監督も何も言わない
試合にも出してもらえなかった
それどころかベンチ入りもできない
まるでいないように扱われた
「なんで・・・なんでや!俺は野球がやりたいだけや!俺が・・・何をしたって言うんや・・・」
その呟きに答えてくれるものは誰一人としていなかった
そして中学生になった
しかし、その中学の半数は同じ小学校の連中やった
子供じみた嫌がらせはなくなったものの、噂は消えず、誰も俺には寄り付かなかった
いや、たった一人だけ、以前と同じように接してくれる奴がおった
「あ、英雄、早く帰りましょ」
幼馴染の小山友香や
友香だけは親父が人殺しとなった後も今まで通り接してくれとる
「友香・・・もう俺には近づかん方がええ。お前まで嫌がらせを受けることになるで」
「はっ、あんな無視しかできない臆病者どもなんか怖くないわよ。それに、アタシまで離れて行ったらアンタ、一人ぼっちになっちゃうでしょ?」
微笑みながら友香はそう言った
その笑顔は凄く綺麗で可愛らしかった
もう・・・俺は気付いていた
俺は・・・友香が好きや
そして中学三年のある日
「文月学園?」
「うん、アタシはそこに行こうと思っているの。英雄も一緒に来ない?そこは試験校であまり問題を公にできない。だから、アンタの・・・お父さんの事もたとえバレても表沙汰にはできない。また野球ができるかもしれないのよ」
「ほ、ほんまか!?」
「うん!だから・・・一緒に行こう?」
そして俺は友香の提案に乗った
友香と同じ学校に行けてまた野球ができる
断る理由はなかった
そして俺は友香と一緒に文月学園に入学した
元々住んでいた場所とは離れていたため、俺の事を知ってる奴はおらん
そして俺は野球部に入部した
また野球ができるんや・・・
毎日が幸せやった
しかし・・・俺はこの時、友香の苦しみに気付くことができなかった・・・
SIDE OUT
SIDE 友香
文月学園に入って数日が経過
アタシは野球部の練習を眺めている
「ふふ、楽しそうね」
英雄が野球をしている姿を見て笑みがこぼれる
あの事件以来ほとんど笑わなくなった英雄があの時のように笑うようになった
「お父さんとお母さんを説得するのは大変だったけど、やっぱりこの学校に来てよかったわ」
そんなことを考えていると・・・
「小山さん、ちょっといいかな?」
「あ、あなたは・・・」
振り向いた先にいたのは・・・根本恭二
あまりいい噂を聞かない男だ
正直言ってアタシはコイツが苦手だ
目つきがイヤらしいし、やたらと馴れ馴れしい
「悪いんだけど、ちょっと急いでいるから」
そう言ってアタシはその場を離れようとする
すると・・・
「幼馴染の・・・中島君だっけ?お父さんが殺人犯だなんて大変だね~」
「!!アンタ・・・なんで・・・」
「さぁ?なんでだろうね~」
根本はニタニタしながらそう言った
「俺はさ・・・ああやって人生を楽しそうに生きてる奴を見ると・・・ぶっ潰したくなるんだよね~」
こいつ・・・まさか・・・
「や・・・めて・・・・」
「ん?」
「やめてよ・・・やっと・・・やっとアイツは笑うようになったのよ?もうあんな辛そうな英雄、見たくない」
「そんなこと知らないね。でも・・・小山さんの態度次第じゃあ黙っててやってもいいよ」
「・・・何が目的よ」
アタシがそう言うと根本はアタシの頬に手を当て・・・
「お前、俺の女になれよ」
「なっ!?ふざけないで!誰がアンタなんか・・・」
「あっそ、じゃあ交渉決裂だね。さようなら」
そう言って根本はその場を離れようとする
こいつ・・・本気だ
その瞬間、笑わなくなった頃の英雄の顔が思い浮かんだ
やだ・・・もうあんな英雄見たくない・・・
「ま、待って!」
「ん?」
「本当にそれで・・・黙っていてくれるの・・・?」
「ああ、約束してやるよ」
「・・・わかった。アタシ・・・アンタの女になる」
「交渉成立だな」
そう言い、根本はアタシに近づき・・・
「むぐっ」
無理矢理、唇を重ねた
・・・初めて・・・だったのに・・・
「ん?もしかしてファーストキスだったかな?くくっ、そりゃあご馳走様」
「うぅ・・・ひっく・・・」
「じゃあな、『友香』。言うまでもねえだろうが、誰かに相談しようなんて考えるなよ?」
そう言って根本は去って行った
これからアタシ・・・どうなるの・・・?
誰か・・・助けて・・・
翌日、アタシは英雄に根本と付き合うことになったと伝えた
その日から、アタシと英雄はほとんど会話を交わすことはなくなった
SIDE OUT
SIDE 英雄
友香から呼び出され、何事かと思い来てみたら・・・
・・・彼氏ができたという報告だった
なるほどな・・・彼氏ができたのに俺が周りにおったらあかんな
そっか・・・俺の恋は終わったんやな・・・
俺は・・・『お幸せにな』と言い、その場を離れ、泣き出しそうになるのを堪え、部室に駆け込んだ
これでええんや。友香が幸せやったらそれでええ
俺は人殺しの息子
俺じゃあ友香を幸せにすることは出来へん
せやから・・・これでええんや
はぁ・・・俺も新しい恋でも見つけるかな・・・
(ガラッ)
「アノ・・・入部希望なンでスけど・・・」
ドアが開き、そこには・・・可愛らしい女の子が立っていた
入部って・・・マネージャー希望かいな?
「自分、可愛いなぁ~俺と付き会わへん?」
せやけどこの子・・・なんで男子の制服着てるんや?
両想いなのにすれ違う英雄と友香の心
はたしてどうなるのか・・・
さて、最後に登場した女の子?の正体は・・・?
言葉使いが片言の理由を考えればわかるはず・・・
前書きでも書いた通り、一旦小休止に入ります
次回は清涼祭編を8月1日の朝7時に投稿します