SIDE 明久
「ムッツリーニ!本当にこの辺りなの!?」
「監禁するには確かにうってつけだが・・・倉庫の数が多すぎるぞ」
「ここから探すのは難しいのう」
「・・・もっと精度が良いものを用意しておけばよかった」
ここは海の近くの倉庫が並んでいる場所
使われていないのか、土曜日だからかわからないが、周りには誰一人見当たらない
「大声で叫んでみる?」
「やめろ、こっちは人質を捕られているんだぞ」
それもそうか
でもどうすれば・・・
『・・・い!・・・やめ・・・お願・・・もする・・・て!海人・・・野・・・奪・・・で!』
「!!」
「どうした明久?」
「今の声・・・」
「声?何か聞こえたか?」
雄二はムッツリーニと秀吉に聞くが二人は首を振る
空耳・・・?
いや、違う!
確かに聞こえた!あれは美波の悲鳴だ!
「こっちだ!」
「お、おい!ったく、しゃあねえ俺達も行くぞ」
「「了解(じゃ)」」
そして辿り着いたのは一つの倉庫
・・・中から人の気配・・・ここに美波が・・・
僕達は中を覗いてみる
するとそこには・・・
捕まっている木下さんとなぜか下着姿の美波、そしてボロボロになって不良の足を掴んでいる海人の姿があった
「ちっ!だったらてめえの腕へし折ってやらぁ!無様に泣き叫べ!」
「「やめてぇぇぇぇ!!」」
不良の一人が鉄パイプを振り上げる
や、やばい!
僕は慌てて海人の元に走った
「くっ!秀吉とムッツリーニは俺達があいつらの注意を引きつけている隙に木下姉と島田姉を救出してくれ」
後ろでそんな会話が聞こえるが振り向く暇はない
急がないと海人が危ない
そして・・・ギリギリのところで海人と不良の間に割り込んで鉄パイプを受け止めることに成功
不良たちは驚いているようだが、そんなことはどうでもいい
なぜ海人はこんなにボロボロになっている?
なぜ美波と木下さんは泣いている?
全部・・・こいつらのせいか・・・?
そう思った瞬間、僕の中で何かがキレた
SIDE OUT
SIDE 優子
海人君に向けて振り下ろされた鉄パイプを吉井君が受け止めていた
そして・・・パイプを持った男を蹴り飛ばした
「テメエら、よくもやってくれたな!全員ブチ殺してやる!」
そう言って奪い取った鉄パイプを折り曲げた
・・・あれってそんなに簡単に曲がるものだったかしら・・・
「調子に乗ってんじゃねえ!」
「テメエ一人で何ができるってんだ!」
周りにいた二人が吉井君に向かっていく・・・が
「いつ一人って言った?」
「そう言うことだ。オラッ!」
一人を吉井君が、もう一人を走り込んできた坂本君が蹴り飛ばした
そして・・・
「や、やめろ・・・来るな・・・」
「「死んでろ。クソ野郎が!」」
リーダー格の男に二人同時に拳を叩きこんだ
「くっ、てめえら!こいつらがどうなってもいいのか!?」
そう言って傍にいた不良2人がアタシと島田さんを羽交い絞めにしてナイフを突きつける
「いいか?大人しくしろよ?さもないと・・・」
そこまで言った瞬間にバチッという音が聞こえ、不良たちが糸の切れた操り人形のように崩れ落ちる
「・・・危機一髪」
「おのれ貴様ら、姉上に気安くベタベタ触りおって・・・」(バチバチバチ)
振り向くとそこにはスタンガンを持った土屋君とアタシを羽交い絞めにしていた男にスタンガンを当て続けている秀吉の姿が・・・
秀吉・・・さすがにやり過ぎじゃない?ってか、怒るところそこなんだ・・・
「海人!」
島田さんは自分が下着姿なのも忘れて海人君を抱きしめている
「・・・落ち着け、気を失っているだけだ」
「とにかく早く治療しねえとな。俺とムッツリーニはこいつらから情報を聞き出す。お前らは先に戻ってろ。それより島田・・・いい加減、服を着たらどうだ?」
「ふぇ?」
その言葉に、島田さんは自分の格好を確認
そしてだんだん顔が赤くなっていき・・・
「きゃあああああああ!」(バチンっ!)
「な、なんで僕だけ・・・」
吉井君に平手打ちを決めて、慌てて服を着た
その後、吉井君が海人君を背負って、アタシ達はその場を後にした
SIDE OUT
SIDE 翔子
もうすぐ四回戦が始まる
なのに・・・
パートナーの優子がまだ会場に来ていない
海人の応援に行ったっきり、帰ってきていない
優子の性格を考えると、遊びまわってるとは思えない
おかしいのはそれだけじゃない
Fクラスに行ってみると、雄二、島田姉弟、吉井、木下(弟)、土屋もいなかった
手伝いをしていたAクラスの生徒に話を聞くと、雄二、吉井、木下(弟)は、土屋から何かを聞き、慌てて教室を出て行ったらしい
おまけに四回戦の第一試合の島田姉弟は会場に現れなかったので不戦敗となっている
一体・・・何が起こっているの・・・?
「おい、聞いたかよ」
声が聞こえる
あれは・・・次の対戦相手のBクラスの世古と緋堂だ
どうやら私には気づいていないようだ
「『あの連中』、島田美波と木下秀吉を拉致したって話だったけど、間違えて姉の木下優子を拉致したらしいぜ」
「マジかよ!ってことは俺達不戦勝じゃん。超ラッキー」
(・・・こいつら・・・今なんて・・・?)
私は隠れて聞き耳を立てる
「でも、いいよな~今頃あいつらヤリまくってんだろうな~二人とも見た目はけっこう可愛いし・・・おまけにあの島田海人をボコボコに出来るんだろ?こんなことなら大会なんか出ずに俺達も混ざればよかったぜ」
「仕方ねえよ。俺らは吉井と坂本の優勝を阻止しなきゃいけねえんだ」
「ま、どうせあいつら如きが勝てるわけねえけどな」
そんな会話をしながらあいつらは去って行った
あいつらが言ってることは、どういうことなのかよくわからなかった
わかっているのは・・・あいつらが私の友達を傷つけたと言うこと
戦う理由はそれで充分
あいつら・・・絶対に許さない
そして私も会場に入った
するとそこにはニヤニヤとイヤらしい笑みを浮かべた世古と緋堂の姿があった
『霧島、木下ペアも・・・おや?来たのは一人だけのようです』
「・・・優子は来ない」
『えー・・・つまり棄権ということですか?』
「・・・違う、棄権はしない。私一人で戦う」
そして私は世古と緋堂の方を向き・・・
「・・・あなたたちごとき、私一人で充分」
そう言い放った
海人、優子、美波の救出に成功
そして秀吉にシスコン疑惑が浮上!ww
さて、一人、敵に立ち向かう翔子の運命は・・・
次回も頑張ります