バカとテストとウチの弟   作:グラン

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これにて清涼祭編終了
閑話をはさんで強化合宿編に移ります


第四十五問 打ち上げと仲直り

  SIDE 夏川

 

 

清涼祭が終了し、俺と常村は北条に指示された場所に来た

・・・が

 

 

「みんな、清涼祭お疲れさん。まぁ堅苦しい挨拶は抜きにして、打ち上げを楽しもうぜ!乾杯!」

 

「「「「「乾杯!!」」」」」

 

 

そこでは2-Fと2-Aの生徒が打ち上げをしていた

なんで俺らはここに呼ばれたんだ?

 

 

「あっこれはこれは先輩方!」

 

「どうぞこちらへ!」

 

「聞きましたよ!後輩の為に自らを犠牲に・・・最高にカッコイイじゃないですか!」

 

 

俺達に気付いた生徒が近づいてきた

・・・って!ちょっと待て!最後の奴なんて言った!?

なんでそのことを知ってやがる!?

・・・待てよ・・・こいつらが知ってるってことは島田は・・・

 

 

「・・・先輩」

 

 

背後から聞こえる声

それは聞き覚えのある後輩の声だった

振り向くとそこにはボロボロと涙を流している島田と、その背後でニヤニヤしながらこっちを見ている坂本と吉井

そして吉井が何かを書いたスケッチブックをこっちに見せる

 

 

『全部喋っちゃいました♪』

 

 

こいつ・・・殺す

 

 

「ごめんなさい・・・僕、今まで酷い誤解を・・・」

 

 

島田は声を震わせながら呟く

 

 

「気にすんなって、こいつがはっきり言わなかったのがいけねえんだ。さぁ言え夏川!『ウチのエースはお前しかいない!頼んだぜ!キリッ』って言うんだ」

 

「んな恥ずかしいこと言えるか!!・・・でもまぁお前が無事で何よりだ」

 

「でも・・・今回の件で大学のスポーツ推薦が取り消しになったって・・・」

 

 

そう、あの後、放送したのが自分たちだとバレて、教頭への協力と合わせて問題行為として推薦取り消しになった

まぁ退学覚悟でとった行動だ。後悔はしていない

っていうか、あいつら・・・そんなことまでバラしやがったのか・・・

後でコロス

 

 

「おいおい、忘れたのか?俺達はAクラスだぜ?」

 

「そうそう、推薦なんかなくたって一般入試で余裕だぜ」

 

「でも・・・」

 

「じゃあ一つ命令だ。もしこの先、お前の後輩が今回のお前のように困ったときは、今度はお前がそいつを助けるんだ。後輩を守るのは先輩の役目だ。わかったな?」

 

「先輩・・・はい!わかりました!常村先輩、夏川先輩、ありがとうございました!」

 

 

そう言って島田は打ち上げの輪の中に入って行った

やれやれ、世話の焼ける後輩だぜ

まぁこれで一件落着だな

・・・さて、後は・・・

 

 

「「吉井!坂本!ちょっと表に出ろや!!」」

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE 海人

 

 

僕は打ち上げの輪から一旦離れ、近くのベンチに腰かけて休憩している

先輩たちが僕の事をそんなに大事に思ってくれているなんて知らなかった

それに引き替え僕は逆恨みされていると思い込んでいたなんて・・・ホント、最低だな・・・

 

 

(ピタッ)

 

「ひゃわ!」

 

 

そんなことを考えていると僕の頬に何か冷たいものが当たった

 

 

「ふふっ、驚いた?」

 

 

振り向くとそこにはジュースの缶を持った優子さんが悪戯っぽい笑みを浮かべて立っていた

 

 

「お隣、いいかしら?」

 

「あ、うん。どうぞ」

 

 

僕が横にずれると優子さんは隣に腰掛けて『はい』と言って僕に持ってきたジュースを渡す

わざわざ持ってきてくれたんだ・・・

 

 

「ありがとう」

 

「どういたしまして。それで?先輩たちとは仲直りできたの?」

 

「・・・うん」

 

「にしては浮かない顔してるわね?どうせ、『逆恨みされていると思い込んでいたなんて、僕は最低だ』とか考えていたんでしょ?」

 

 

・・・なんでわかるんだろう?

 

 

「その暗い表情を見れば誰でもわかるわよ。・・・いい先輩たちね」

 

「うん」

 

「その先輩たちが今の海人君の表情を見たらどう思うかしらね?少なくとも喜びはしないはずよ」

 

「そ、それは・・・」

 

「それに先輩たちは海人君に笑っていてほしくてあんな行動をとったのよ?なのにアンタがそんな顔してたら全部台無しじゃない。先輩たちの好意を無駄にする気?」

 

 

たしかに優子さんの言うとおりだ

僕が責任を感じて先輩たちが喜ぶか?

答えは否だ

 

 

「そうだね・・・ごめん、僕が間違ってた」

 

 

その言葉を聞いた優子さんは静かに微笑んだ

やっぱり優子さんは、ちょっと姉さんに似てるなぁ

時に厳しくて時に優しい辺りが・・・

 

 

「?どうかした?」

 

「な、なんでもない!」

 

 

僕が見つめていることに気付き、首を傾げる優子さん

そして僕は慌てて視線を逸らし、受け取った缶ジュースを口に含む

そして視線を向けた先では・・・

 

 

『それじゃあ次の曲いっくよー!』

 

『『『『『あ・い・こ!あ・い・こ!』』』』』

 

 

工藤さんが小型のステージみたいなところで歌っていた

周りにはノリのいい生徒が声援を送っている

 

 

「工藤さん、ノリノリだね」

 

「今回は全然出番がなかったから不機嫌だったし、ストレス発散じゃない?」

 

「メタ発言はダメだよ。それにしても歌上手いね」

 

「中の人は歌手だからね」

 

「だからメタ発言は・・・」

 

 

僕がそう言いかけると、何かが肩にもたれかかってきた

・・・優子さんの頭だ・・・

 

 

「ゆ、優子さん?どうし・・・」

 

「すぅーすぅー」

 

 

寝てる・・・?

それにしても・・・

・・・やっぱり可愛いなぁ・・・

・・・あ・・・れ・・・?

なんか頭がボーっとして・・・

なんだか・・・眠く・・・

そして僕はそのまま意識を手放した

 

 

※二人のそばには『大人のオレンジジュース』と書かれた缶が転がっていた※

 

 

  SIDE OUT

 

 

 

 

   ☆おまけ・後日談☆

 

 

「・・・海人」

 

「康太君?どうしたの?」

 

「・・・これを」

 

 

そういって康太が差し出したのは一枚の写真

 

 

「ん?どれど・・・ぶふぉぉぉ!!」

 

 

その写真には海人と優子が肩を寄せてベンチで寝ている姿が・・・

 

 

「なな、何撮ってんのさ!?」

 

「・・・学園祭でのお前の写真の販売の許可を貰いに来た。ちなみに断ればこの写真をばらまく」

 

「それは交渉じゃない!脅迫だ!」

 

 

断れば優子にも被害が及ぶ

なので海人は仕方なく・・・

 

 

「海人君に土屋君?そんなところで何騒いでるのよ?」

 

「ゆ、優子さん!(ポロっ)あっ!」

 

「?写真?」

 

 

優子は海人が落とした写真を拾う・・・瞬間、優子の顔が真っ赤に染まる

 

 

「な・・・な・・・」

 

「ち、違うんだ!これは康太君が勝手に・・・って、いない!?」

 

 

海人が振り向くとそこには康太の姿はなかった

そして再び優子の方に視線を戻すと優子はワナワナと震えている

 

 

「戦略的撤退!」

 

「待ちなさい!!どういうことか説明してもらうわよ!!」

 

 

※リアル鬼ごっこスタート※

 

 

 

「・・・危なかった」

 

「あ、いたいた。ムッツリーニ君」

 

 

優子から逃げた康太、そこに工藤愛子が近づいてきた

・・・なぜか殺気を出しながら・・・

 

 

「ボクね、そこで面白い物拾ったんだ」

 

「!!・・・それは・・・」

 

 

愛子が取り出したのは『秘』と書かれた紙を挟んだ写真の束

これは間違いなく康太の物である

どうやら優子から逃げる際に落としたらしい

 

 

「これ、全部ボクの写真だよね?しかもローアングルやパンチラばっかり・・・本人の許可もなくこれをどうするつもりだったのカナ?」

 

「・・・戦略的撤退!」

 

「逃がさないよ!」

 

 

※リアル鬼ごっこ2スタート※

 

 

 

そして数分後、二人の男の悲鳴が校舎に鳴り響いた




ムッツリーニが『愛子の写真だけ』別にしていた理由はなぜでしょうね~ww

次回も頑張ります
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