バカとテストとウチの弟   作:グラン

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今回は美波と海人の過去を書くための伏線です
伏線のくせにちょっと長くなりましたが・・・ww


番外編
第四十六問 優等生の休日


  SIDE 優子

 

 

清涼祭の翌日、学校は振り替え休日で休みだ

 

 

「・・・暇ね~」

 

 

アタシはソファーに転がりながらそう呟く

ちなみに秀吉は部活に行っているのでウチにはアタシしかいない

 

 

「・・・海人君も今頃部活をしてるのかな?」

 

 

・・・あれ?なんでここで海人君が出てくるんだろう?

 

 

「・・・買い物にでも行こう」

 

 

自分でもわからないモヤモヤする気持ちを胸に秘めたまま、アタシはとりあえず散歩がてら外に出ることにした

そうね・・・本屋さんにでも行こうかしら

 

 

  ☆本屋に到着☆

 

 

「着いたはいいものの・・・特に買うものはないわね」

 

 

などと呟きながら店内をブラブラと歩き回る

 

 

「ん?」

 

 

スポーツ誌のコーナーで足が止まった

一冊の雑誌が目にとまったからだ

 

 

「『文月学園の守護神、島田海人に直撃インタビュー』・・・これはあの時の雑誌ね」(第三十九問参照)

 

 

やっぱり海人君ってすごいのね・・・

と、考えつつアタシはその雑誌を手に取った

そこには野球に関する質問からプライベートな質問までいろいろと書かれていた

 

 

「へぇ・・・ん?『恋人はいますか?という質問に対し、気になっている人ならいますと島田君は顔を赤くしながら答えた』・・・へぇ・・・海人君、好きな人がいるんだ・・・」

 

 

誰かしら?同じクラスの姫路さん?

・・・なんでこんなに気になるのかしら・・・?

 

 

「なになに?『Q、どんな人ですか? A、面倒見がよくてとても優しい人です』・・・誰だろう?」←超鈍感

 

 

気になるけど考えてもわからないかとアタシはページを捲る

 

 

「・・・え?」

 

 

アタシの目に飛び込んできたのは『事故』という文字

よく読んでみると・・・

 

『右利きなのに左投げというのは珍しいですが何か理由があるのですか?という質問に対し島田君は自身の過去について語ってくれました。小学生の頃に事故に遭い、肩に後遺症が残ったことにより、野球ができない状態となった。しかし、彼の姉の支えにより、奇跡的に無事だった左腕を使い再び野球をすることができるようになったそうです』

 

 

そんなことがあったんだ・・・

アタシはようやく、海人君の腕が折られそうになった時の島田さんの気持ちがわかった

もう海人君には左腕しか残っていないんだ

左腕を折られたら今度こそ野球ができなくなる

ずっと一緒にいたから海人君がどれだけ野球が好きなのかを島田さんは知っている

だからあんなに必死だったんだ

でも・・・海人君はあの時、それを承知の上でアタシと島田さんを助けようとした・・・

ホント、優しい子ね・・・

 

 

「あれ?木下さん?」

 

「あら、島田さん。今日は吉井君と一緒じゃないの?」

 

 

何かの本を持った島田さんが声を掛けてきた

見たところ一人のようだ

 

 

「ええ、ちょっと本を買いに来ただけだから」

 

 

そう言って一冊の料理の本を見せる

 

 

「最近、試合が近いからって海人がクタクタで帰ってくるのよ。だから何か美味しいものを作ってあげようと思って」

 

「本当に仲がいいわね。でも海人君なら何を作っても喜んで食べてくれそうだけど」

 

「そうなんだけど・・・だからこそ参考にならないのよね・・・何を作っても美味しいって言うから」

 

「あーわかるわ。アタシもたまに作るんだけど、秀吉も『美味しいのじゃ』しか言わないのよね。それはそれで嬉しいんだけど、もっと細かい感想が欲しいっていうか・・・」

 

「そうそう!アキも海人も美味しいしか言わないんだもん。今度タバスコでも入れてやろうかしら?」

 

 

アタシと島田さんは意気投合し、話し込む

 

 

「っと、こんなところで話し込んじゃいけないわね。島田さん、これから時間ある?ちょっと喫茶店でも寄って行かない?」

 

「いいわよ。まだ夕食まで時間もあるし、それにちょうど木下さんともっとお話がしたいと思っていたのよ(未来の義妹になるかもしれないし)」

 

 

何か引っかかることを言っていた気がするけど、まぁいいや

アタシと島田さんは『ラ・ペディス』という喫茶店に移動した

 

 

 

  ☆ラ・ペディス到着☆

 

 

「ここのクレープが美味しいのよ」

 

「へぇ」

 

 

などと言う会話をしながらアタシ達は店内に入った

 

 

「いらっしゃ・・・」

 

 

店員の女の子がアタシ達に気付き挨拶をしようとしたが途中で固まった

あれ?この子たしか・・・Dクラスの清水さん?

なにやら怯えたような表情をしてるけど・・・

 

 

「二人よ。禁煙席でお願いね」

 

 

沈黙を破ったのは島田さんだった

そして次の言葉を紡ぐ

 

 

「・・・海人に聞いたわ。Dクラスに宣戦布告に行った海人が酷い目に会いそうになったのを庇ってくれたんですってね?『あの事』も海人は許しているみたいだし、ウチももう怒ってないわ」

 

「お姉さま・・・」

 

 

二人の間には何かあったらしい

おそらく海人君絡みだろう

 

 

「ただし、ニドメハナイワヨ?」

 

「は、はい!肝に銘じておきますの!」

 

 

島田さんが殺気を出しながらそう言うと、清水さんは怯えながら返事をした

 

 

「へぇ~そんなことがあったんだ・・・」

 

 

その後、席に案内され、事情を聴いたが予想通り海人君絡みだった

 

 

「ホント、二人は仲が良いのね」

 

「当然よ。大事な弟なんだから」

 

「それにさっきの本屋で見た雑誌に書いてあったわよ。事故で野球のできなくなった海人君を支え続けたんですってね?ホントに・・・(ガシャン)・・・島田さん?」

 

 

そう言うと島田さんはコップを落としてしまった

その表情はどこか辛そうだった

 

 

「ど、どうしたの?事故に遭った弟を支えるなんて素敵な話じゃない」

 

「・・・そんなんじゃない。ウチはみんなが思っているほど立派な姉じゃないわ」

 

 

島田さんは泣き出しそうな顔で俯いている

そして・・・

 

 

「ウチね・・・子供の頃、海人に・・・虐待を加えていたの」

 

 

そう言い放った

 




美波が虐待!?
今の二人からは想像もできない告白!
次回、美波と海人の過去が明らかに・・・

次回も頑張ります
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