SIDE 優子
今日から強化合宿
アタシ達Aクラスはリムジンバス(男女各一台ずつ)に乗って合宿所に移動中
「全く・・・こんなバスを二台も使うなんて、無駄使いもいいところね」
「まぁね~Fクラスは現地集合で案内も無いらしいし、少しはそっちに資金を回してあげればいいのにね」
アタシの言葉に愛子が賛同する
「そうだ!暇だし、これやってみない?」
そう言って愛子は一冊の本を取り出した
それは・・・心理テスト?
「それじゃ・・・『次の色でイメージする異性を挙げてください。①緑②オレンジ③青』」
まだやるって言ってないのに話を進める愛子
「・・・緑→雄二、オレンジ→雄二、青→雄二」
「えっと・・・代表、いつからそこに?って言うか、できれば違う異性を挙げて欲しいんだけど・・・」
「・・・雄二以外の異性に興味ない」
「・・・さいですか・・・」
どうやら代表の頭には坂本君の事しかないようだ
「で、優子は?」
なぜかニヤニヤしながら聞いてくる愛子
「そうねぇ・・・緑→北条君、オレンジ→秀吉、青→海人君かな」
「「へぇ・・・」」
すぐ思いつく異性ってこの3人位よね・・・
秀吉は何となくオレンジが似合いそうだし、海人君は名前の『海』って字が青をイメージさせるし・・・
・・・ん?
愛子と代表が本を覗きながらなにやらニヤニヤと笑っている
「で?コレなんなの?」
「ん~まぁそれは置いておいて」
「いや、教えてよ・・・」
何のために心理テストしたのよ・・・
「こういうイベントでの定番ってやっぱり恋バナだよね~」
「恋ねぇ・・・」
「優子は好きな人とかいないの?」
「アタシ?ん~特にいないかな?」
(あれ?てっきり海人君だと思ったんだけど・・・でも、見たところ嘘をついてるわけじゃなさそうだし・・・)
「・・・私は雄二が好き」
「「それは知ってる」」
「でもさ、優子って最近よく告白されるよね?その中に良いなって子はいなかったの?」
そう、アタシは最近なぜかやたらと告白される
話によると『腐女子だと知って、以前までの話し掛けにくいお堅いイメージが無くなった』とのことだ
・・・そんなにアタシ、話しかけにくい感じだったかなぁ・・・
「う~ん・・・ほとんど初対面の人だからね。付き合うのはちょっと・・・」
「なるほどね~じゃあ優子の好みのタイプは?」
今日はやたらグイグイくるわね・・・
「そうね・・・運動も勉強も出来て優しくて・・・見た目はカッコイイ系より可愛い系の方がいいかな?」
(・・・それってまんま島田のことじゃ・・・)
(おぉ・・・海人君、ゴールは近いかもね♪)
まぁ理想はこんな感じね
でも・・・
「まぁそんな良い人、いるわけないわよね」
(前言撤回、海人君、やっぱりゴールは遠いかも・・・)
(・・・優子は鈍感)
さっきからこの二人、驚いたり溜息ついたり・・・
どうしたのかしら・・・
まぁいいわ、それじゃあ・・・
「次は愛子の番ね。愛子は土屋君のどんなところが好きなの?」
「・・・私も興味ある」
「ちょ、ちょっと待って!なんで僕がムッツリーニ君が好きという前提で話が進んでるの!?」
「見てればわかるわよ」
「くっ・・・自分の事は鈍感なくせに・・・」
「?アタシのどこが鈍感だっていうのよ?」
「「・・・」」
「なぜ黙る?まぁいいわ。ほら、サクサク答えなさい」
そして、アタシと代表は愛子を弄り始めた
この子、弄るのは得意みたいだけど、弄られる方には耐性が無いのよね・・・
「なるほどね・・・保健体育のテストでいつも自分の上に居て、気になり続けて気がつけば好きになっていたと」
「だ、だから違うってば!!」
顔を真っ赤にして必死に否定する愛子
ふふっ初々しいわね
「・・・次は私の番」
・・・代表のは聞くまでもないんだけど・・・
もう話す気満々みたいだし、まぁいいか
そう思い、アタシは代表の話に耳を傾ける
しかし、この判断をアタシは後悔することとなる
☆二時間後☆
「・・・雄二が・・・雄二で・・・雄二の・・・」←ずっと話してる
「み、耳にタコができそう・・・」
「だ、誰か助けて・・・」
結局、代表は合宿所に到着するまで坂本君の惚気話を続けていた
☆そして合宿所に到着☆
「着いた・・・」
「移動時間がこんなに辛かったのは生まれて初めてだわ・・・」
「・・・優子、車酔い?」←原因
「・・・ただの独り言よ。気にしないで」
代表はアタシの言葉の意味がわからず、きょとんとしている
それにしても・・・
「やけに広いわね・・・」
目の前には平原が広がっている
アタシはその敷地がやけに広いのが気になっていた
そしてもっと気になるのは・・・
所々に設置されている短い電柱・・・いや、あれは・・・アンテナ?
「あれは何なのかしらね?」
「・・・そういえばラスト二日で召喚獣を使ったオリエンテーションをするって言ってた」
「じゃあその為の設備なのカナ?」
あの学園長が考えそうなことね
それにしても・・・この資金は一体どこから出てくるのかしら?
「ねえねえ、ちょっと探検してみようよ」
「・・・」(コクッ)
「まぁ・・・まだ時間はあるし、宿舎の中を歩く位ならいいかもね」
そう言ってアタシ達は三人で宿舎の中を歩き回ることにした
見たところ、客室はFクラスもAクラスも同じみたいだ
もしかしたらFクラスは屋根すらないんじゃないかと少し心配だったから安心した
「ここは食堂みたいだね」
「・・・広い」
「まぁ300人いるからね」
大量の机と椅子を横目に、アタシ達は次の部屋に移動した
と、言っても、客室と食堂以外はほとんど学習室のようだ
「うーん・・・なんかつまらないなぁ~もっと面白い物があればいいのにね?エロ本とかさ♪」
「んなもんあるわけないでしょ」
愛子の問題発言を軽く流しながら歩いていると・・・
「なんだろう?この部屋・・・」
何やら大きな扉の部屋が目に入った
取っ手の所にチェーンが巻かれており、南京錠が付けられている
「貴方達、ここで何をしているの?」
「あ、高橋先生。ちょっと散歩していたんですけど、この部屋は何なのかなと思って・・・」
「ここは大浴場ですよ。今は時間外なので施錠していますけどね。それよりもそろそろ集合時間ですよ。玄関前に集合してください」
「「「はい」」」
そう言ってアタシ達は集合場所へと急いだ
そこではこういうイベントの定番と言える学園長の話があり、今日は解散となった
このすぐ後にあんな事件が起きるなんて、この時はまだ知る由もなかった
『あんな事件』・・・とはなんでしょうね~?
次回も頑張ります