バカとテストとウチの弟   作:グラン

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事件発生
予想外の展開に


第五十五問 弟の怒り

  SIDE 明久

 

 

「・・・ワンペア」

 

「僕はツーペア!僕の勝ちだ!」

 

「フッ、甘いな明久。スリーカードだ!」

 

「くっ、やるな雄二・・・」

 

「この勝負は俺の・・・」

 

「フルハウス。ワシの勝ちじゃ」

 

「なっ!?お前、自信なさそうな顔してたじゃねえか!」

 

「この程度の演技、呼吸に等しくたやすいのじゃ」

 

 

ここは合宿所

僕達は今、みんなで就寝時間までポーカーをしている

ちなみに海人はさっき負けて罰ゲームとしてジュースを買いに行ってるよ

(一位がビリに命令するというルール)

 

 

「ビリはムッツリーニか・・・そうじゃのう・・・む?何やら外が騒がしいぞい?」

 

 

ドタドタと足音のような地響きが聞こえてくる

なんだろう・・・?だんだんこっちに近づいているような・・・

 

 

「全員頭の後ろに手を組んで伏せなさい!」

 

 

勢いよくドアが開き、女子生徒がぞろぞろと入ってくる

 

 

「おい、一体何の騒ぎだ?」

 

「とぼけるんじゃないわよ!アンタ達だってことはわかっているのよ!」

 

 

一人の女子生徒が前に出て僕達に怒鳴りつける

本当になんなんだろう?

ここ最近、僕達は女子に反感を買うようなことは・・・

 

 

「脱衣所にこれが仕掛けられていたんです」

 

 

姫路さんが前に出て手のひらにのせた機械を見せる

これは・・・小型カメラ?

しかも脱衣所に?

 

 

「それって盗撮じゃないか!誰がこんなことを・・・」

 

「とぼけないで!アンタ達以外に誰がいるのよ!」

 

 

女子生徒が怒鳴りつける

この子・・・名前なんて言ったっけ・・・?

 

 

「アキィィィィ!!」

 

 

そんなことを考えていると美波が怒り狂ったような表情で僕の首を締め上げる

 

 

「ま、待って美波!僕達はそんなことしてない!」

 

「嘘です!この豚がやったに違いありません!この前だって屋上で美春に『パンツを見せろ』と言ったではありませんか!?」

 

「そ、それはそうだけど・・・『やっておしまい』・・・ちがっ!誤解なんだよぉぉぉ!!」

 

 

僕がそう言うと同時に女子たちは周りを取り囲み、僕達を縛り上げた

そして僕達に暴行を加え始めた

 

 

「・・・雄二、浮気は許さない」

 

「ご、誤解だ!俺は何もしていない!」

 

 

向こうでは雄二が霧島さんにお仕置きされている

 

 

「アキ!お仕置きよ!こんな酷い事・・・絶対に許さないんだから!」

 

「美波!本当に僕はやってないんだ!信じて・・・ゴハッ!」

 

 

僕の言葉に聞く耳を持たずに美波は僕を殴った

・・・完全に頭に血が昇ってる・・・

これじゃあ何を言っても無駄だ

なんでだよ・・・

違うって言ってるのに何で信じてくれないんだよ・・・

理由はわかってる

日頃の行いが悪いからだ

でも・・・他の誰に疑われても・・・美波にだけは信じて欲しかった

そんなことを考えていると美波は拳を握り、こっちに向かって振りかぶる

僕は思わず目を閉じた・・・が・・・

いつまでたっても衝撃が来ない

おそるおそる目を開けるとそこには・・・

 

 

「・・・姉さん、何やってるの?」

 

 

美波の手首を掴む海人の姿があった

 

 

「アキにお仕置きしてるのよ!アキが盗撮なんてするから!」

 

 

美波は大声で怒鳴りつける

・・・美波は逆上していて気付いてないのかもしれないけど・・・

多分、海人は・・・キレている

そして美波は海人の腕を払い再び僕に殴りかかる・・・が、またしても海人に止められた

 

 

「離しなさい!邪魔するならいくら海人でも・・・(バチンッ!)・・・え?」

 

 

乾いた音が鳴り響き、そこで・・・美波の言葉が途切れた

海人が・・・美波に平手打ちした音だ

って、・・・え?

あの海人が美波を殴った・・・?

珍しいなんてものじゃない。少なくとも僕は初めて見た

今の音で他のみんなも争うのをやめ、場が一気に静まり返る

殴られた美波ですら何が起こったかわからないといった表情で呆然としている

 

 

「・・・なんでだよ・・・なんでアキ兄さんの事を信じてあげないんだよ!アキ兄さんはやってないって言ってるじゃないか!姉さんはいつもいつもアキ兄さんの意見を無視してすぐに暴力を振るって・・・いい加減にしてよ!姉さんは他の誰よりもアキ兄さんの事を信じてあげなきゃいけないはずだろ!?なのに・・・なんでだよ・・・」

 

 

海人はボロボロと涙を流しながら美波に怒鳴りつける

知っての通り、海人は温厚で、滅多に怒ったりしない

僕も、長い付き合いだけど、根本に対してキレた時以外は海人が怒ったところを見たことが無い

他のみんなも驚きのあまり怒るのも忘れ、固まっている

そして海人は静かにドアの方に歩いて行き・・・

 

 

「・・・姉さんなんて・・・大っ嫌いだ!」

 

 

そう言い残して走り去って行った

その言葉を聞いた美波は目から光を失い、その場に崩れ落ちた

その目からは・・・大粒の涙が零れ落ちていた

 

 

「美波ちゃん!」

 

「お姉さま!」

 

「と、とにかく早く部屋へ!」

 

 

姫路さんと清水さんが慌てて美波に駆け寄り、外に連れ出した

僕はその姿を眺めていることしかできなかった

 

 

「・・・雄二、ごめんなさい」

 

「翔子?」

 

「・・・島田の言うとおり。雄二の事は私が一番信じてあげなきゃいけなかったのに、疑った。だから・・・ごめんなさい」

 

「あ、いや・・・わかってくれればいいんだ」

 

 

雄二は霧島さんの予想外の謝罪に戸惑っている

そしてその様子を見たみんなは・・・

 

 

「・・・島田君の言うとおりよね」

 

「疑わしいってだけで証拠はないものね」

 

「疑ってごめんなさい」

 

「酷い事してごめんなさい」

 

「生まれてきてごめんなさい」

 

 

・・・最後の人はさすがに反省し過ぎではないだろうか?

女子たちは僕達の縄を解いて、謝罪の言葉を残して去って行った

 

 

「さて・・・問題が増えちまったな」

 

「まさか海人と美波が喧嘩するなんてね・・・」

 

「疑いも完全に晴れたわけではないしのう・・・」

 

「・・・脅迫状の件もまだ未解決」

 

「・・・もしかして・・・脅迫状に書かれていた『実力行使』ってこのことじゃ・・・」

 

「それはありえるな・・・問題が起きて、まず疑われるのは俺達Fクラスだ。島田の性格ならそれを聞けば真っ先に明久にお仕置きしにくる。お前ら二人を喧嘩させるのはたやすいだろう」

 

「でも、喧嘩したのは美波と海人だよ?」

 

「ああ、それは犯人にとっても予定外だったはずだ。付き合いの長い俺達ですら海人がキレるなんて想像できなかったからな」

 

「そうだね・・・さて、僕はちょっと美波の様子を見に・・・「それはやめとけ」・・・なんでさ?」

 

「たった今疑われた奴が女子の部屋の辺りをうろついたりなんかしてみろ。今度は現行犯で捕まるぞ」

 

 

うっ・・・たしかにそうだ

 

 

「メールでも入れておけばいいだろ?」

 

「そうだね・・・」

 

 

僕は鞄から携帯を取り出・・・し・・・

・・・あれ?

 

 

「げっ!携帯持って来るの忘れた!雄二!携帯貸して!」

 

「・・・悪いな明久。またやられたらしい」

 

 

そう言って雄二は携帯を見せる

・・・アドレス帳、一件、霧島翔子

また霧島さんにいじられたのか・・・

となると他は・・・・

 

秀吉&ムッツリーニ→携帯持ってない

海人→行方不明

 

・・・連絡をとる手段が無い・・・

仕方ない・・・明日話をしよう

 

 

「それにしても・・・海人はどこにいったんだろう?」

 

 

その夜、海人は部屋に戻ってこなかった

 

 

  SIDE OUT

 

  SIDE ???

 

 

失敗か・・・

あそこで島田君が出てくるなんて予想外だったわ・・・

次の作戦を考えなくちゃ・・・

恋人同士の中を引き裂くのは気が引けるけど・・・

やるしかないのよ・・・

 




海人と美波がまさかの喧嘩!?
美波と連絡を取れない明久
それが二人の仲に亀裂を生むことに・・・

そして・・・真犯人は一体誰だ!?


次回も頑張ります
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