はたして間に合うのか?
SIDE 明久
「カイトォォォォォォォ!!!!!」
「くっ!なんて速さだ!追いつけん!」
「あ、あいつあんなに足が速かったか!?」
「まさか鉄人が追いつけないなんて・・・」
物凄いスピードで全力疾走する美波
そしてそれを追いかける鉄人
しかし全く追いつけずついて行くのがやっとだ
「あ、あれはモンスターの群れだ!」
「マズイよ!こんなところで点数を消費する余裕も戦ってる暇もないのに!」
戦うしかないのか・・・
そう思ったその時
「ドケェェェェェェェ!!!!!」
・・・美波が召喚獣をまるで無双シリーズの雑魚キャラのように吹き飛ばしていく
「モンスターがまるでゴミのようだ!」
「・・・雄二、美波一人でAクラス戦、勝てるんじゃない?」
「・・・奇遇だな。俺もそう思っていたところだ」
「・・・たしかにアレが来たら勝てる気がしないわね・・・」
「お兄様が絡んだ時のお姉さまは無敵ですわ・・・」
秀吉のお姉さんと清水さんは僕達の後ろを走りながらそう言う
と、そんなことをしているうちに工藤さんが言っていた場所に到着
しかし・・・
「海人は!?海人はどこよ!?」
そこには岩でできた壁があるだけで、工藤さんが言うような洞窟なんてない
「どういうことだろう?ここじゃないのかな?」
「いや、たしかに『☆1エリアの一番東』って言ったはずだ」
「ではどういうことですか?まさか工藤さんが嘘を?」
「それはないわ。あの必死さは演技には見えなかったし、愛子は人をからかうことはあっても悪質な嘘をつくような子じゃないわ」
たしかに・・・
仮に勝つための嘘だとしても悪質すぎるし、相棒の海人がそんなこと許すとは思えない
だとすると・・・
「姉上~!!」
「秀吉!それに代表たちも!」
背後から秀吉と霧島さん、それに小山さんと中島君もこっちに向かって来た
「友達のピンチを放っておくわけにはいかんのじゃ。それより洞窟はどこじゃ?」
「それが見つからないのよ」
「・・・北条、何をしているの?」
霧島さんの視線の先を見る
するとそこでは北条君が少しずつ移動しながら壁を蹴っていた
「・・・!!ここだ!」
「?ただの壁じゃない」
「ここだけ音が違う。おそらくこの向こうは空洞だ」
「なんだと!?」
雄二も慌てて壁を叩き比べてみる
「確かに・・・でもなぜ塞がっているんだ?」
「そんなことどうでもいいわよ!早くしないと海人が・・・」
「そうね!急いでスコップかなにかを・・・」
木下さんと小山さんが道具を取りに行こうとする
でも・・・
「そんなの待ってられない!うぉおおおおおお!!」
僕は・・・召喚獣で壁を殴った!
「ぐっ・・・!」
フィードバックで手が痛む
「アキ!」
「大丈夫!もう一発だ!砕けろぉぉぉぉぉぉ!!!」
僕はもう一発殴りつける
すると・・・壁は崩れ、洞窟が現れる
「洞窟だ!やっぱりここだったんだ!」
「海人ぉぉぉぉぉ!!」
「ま、待て島田!危険だ!戻れ!」
鉄人が止めるのも聞かず、美波は洞窟に入っていく
「僕達も急ごう!」
「ああ!」
「待て!危険すぎる!ここは教師に任せるんだ!」
「西村先生、その教師が来るのにあと何分掛かりますか?その間に海人が無事でいる保証はありません。それでも待てとおっしゃるのですか?」
鉄人の言葉に北条君が反論する
「しかし・・・わかった。ただし、俺も同行する。そして島田弟を救出したらすぐに脱出するんだ。いいな?」
僕達は鉄人の言葉に頷くとすぐさま洞窟の中に入って行った
SIDE OUT
SIDE 海人
「くっ・・・」
もうさすがに工藤さんは脱出しただろう
しかし、今度は新たな問題が生まれた
逃げ回っているうちにゴーレムが入り口側に行ってしまい、外に出られなくなってしまったのだ
「こいつ・・・この図体でなんでこんなに早く動けるんだ・・・」
避けられないほどの速度じゃないけど掠っただけでもかなりダメージを受けてしまう
僕の召喚獣もほとんど点数は残っていない
・・・もうこれ以上長引かせるわけにはいかない
次の攻撃を躱したら一気に走り抜ける
ゴーレムが拳を振り上げ・・・振り下ろす
それを僕はギリギリで躱す
「よし!」
僕はそのままゴーレムからの攻撃に注意しつつ横を通り抜け・・・
「えっ!?」
・・・れなかった・・・
足元を見ていなかったせいで穴に落ちてしまった
な、なんでこんなところに穴が!?
まさかゴーレムが攻撃した跡?
「ぬ、抜けない・・・」
下半身まですっぽり嵌ってしまい、足元の砂がさらさらしていて踏ん張りが利かず抜け出せない
混乱しているのもお構いなしにゴーレムは僕に攻撃を仕掛ける
「くっ!」
僕は召喚獣でゴーレムの拳を横から蹴り、軌道を変える
するとゴーレムの拳は僕の真横に落とされる
そしてそこには大穴が開いた
「こんなのくらったら・・・」
間違いなく死ぬ
そんなことを考えているうちに最悪の事態が起こってしまった
僕の召喚獣がゴーレムの平手打ちによって戦死してしまった
これで僕にはもう戦う術がない
「や、やだ・・・助けて・・・」
無情にもゴーレムの拳が振り上げられる
・・・あぁ・・・僕・・・ここで死ぬんだ・・・
こんなことなら姉さんとちゃんと仲直りしておけばよかった
「・・・姉さん・・・ごめん」
思い出すのは姉さんの顔
これが走馬灯ってやつか・・・
「さよなら姉さん。どうかお元気で・・・」
僕は涙を流しながら目を閉じた
「・・・の・・・」
ん?
「弟を・・・」
はは、とうとう幻聴まで聞こえてきた
姉さんの声が聞こえる・・・
「泣かせるなぁぁぁぁぁ!!!!」
・・・幻聴じゃなかった
走り込んできた姉さんと姉さんの召喚獣がゴーレムにドロップキックを決めた
「ねえ・・・さん・・・?」
「海人!遅くなってごめんね!助けにきたわよ!」
姉さんは僕の顔を見て笑顔でそう言った
そしてゴーレムの方を見て・・・
「ゴーレムだかなんだか知らないけど、ウチの大事な弟を泣かせた罪は重いわよ!覚悟しなさい!」
そう言い放った
海人(弟)のピンチには必ず美波(姉)が駆け付ける
はたして彼らはゴーレムから逃げることは出来るのか・・・
次回も頑張ります