はたしてどうなるのか・・・
SIDE 優子
「ずいぶん遠くまで来たけど・・・海人君はまだ見つからないわね」
「そうじゃの・・・姉上、足元に気をつけるのじゃ」
「わかってるわ」
先行(暴走)した美波は大丈夫かしら
っと、向こうの方に灯りと戦闘の物と思われる物音が・・・
「って、デカっ!!」
「な、なんだあれは!」
灯りの灯った広場では美波が5m位ある召喚獣と戦っていた
隣では西村先生が驚愕の表情を浮かべている
ってことはこれは学園側が用意したモンスターじゃない・・・?
っと、そんなことより・・・
「美波!大丈夫!?」
「ウチは平気!それより今のうちに海人をお願い!」
周りを見渡すと海人君が穴に埋まっていた
必死に抜け出そうとしているようだが、うまく抜け出せずにいるようだ
「戦う必要はない!科目は世界史、承認!」
西村先生がそう叫ぶ・・・が・・・
「な、なぜ『干渉』しない!?」
「『起動!』・・・ちっ!俺の白金の腕輪もダメだ!」
「やるしかないってことだな・・・」
「仕方ない!女性陣は海人を頼む」
「ああ、あの化け物は俺達と鉄人が引きつける」
「わかったわ!」
「・・・雄二、気をつけて」
そう言うと男性陣は化け物に向かっていき私たちは海人君の元に駆け寄った
「海人君!大丈夫!?」
「優子さん!ダメだよ!危ないよ!早く逃げて!」
「アンタを助けたら逃げるわよ!ぐだぐだ言ってないでさっさと掴まりなさい!」
そういうとアタシは強引に海人君の腕を掴んで引っ張る
・・・ダメだ!ビクともしない
そんなアタシの様子を見て、代表と友香と清水さんが手伝う
・・・しかし、やっぱり抜けない
やっぱり女子の力じゃダメだ
「・・・?これ・・・」
「どうしたの?」
「みんな!海人君の周りの土を掃ってみて!」
「掘るつもり!?そんな時間は・・・」
「いいから早く!説明してる暇はないわ」
アタシの必死な様子を見てみんなも土を掃う
すると・・・
「・・・板?」
そう、海人君の落ちている穴は落とし穴だったのだ
板に穴を開けて、そこに薄い発砲スチロールを敷いて土をかぶせて完成というものだ
海人君が抜けなかったのは、敷いてある板の穴に身体が引っかかっていたからだ
そしてその板の上にアタシ達が乗っているんだから抜けるわけがない
でも問題はそこじゃない
こんなものが自然にできるわけがない
誰かが悪意を持って作ったということだ
一体誰が・・・
「・・・優子?」
「ハッ!とにかくまずはこの板を除けるわよ!海人君、両手を上に挙げて」
「う、うん」
そう言うと海人君は両手を上に挙げる
そしてアタシ達は板の四隅を掴んで持ち上げる
肩の部分が引っかかったので、清水さんが何故か持っていたナイフとフォークで少し板を砕くと何とか除けることができた
「次は海人君よ。せーの・・・」
四人で海人君を持ち上げると今度はすんなりと抜け出すことができた
「みんな、ありがとう」
「どういたしまして。でも、まだ終わってないわよ」
「あ、そうだった!早くみんなの加勢に・・・」
「海人君の召喚獣は戦死してるでしょ?そんな状態で向かって行っても足手纏いになるだけよ」
アタシの言葉にしょんぼりする海人君
ちょっと言い過ぎたかな?
でもこれぐらい言っておかないとこの子はまた無茶するから仕方ないわね
「腕輪発動!『炸裂弾』」
北条君が放った弾丸がゴーレムの頭に直撃し、その瞬間に弾丸が爆発した
あれは北条君の腕輪の能力だ
この事はあまり手の内を見せたくないからと、Aクラス内でも一部の人間しか知らない
それを他のクラスの生徒のいる前で見せているということは・・・それほどまでに追いつめられているということだ
「クソッ!キリがないな!」
「鉄人!なんかあいつを倒す方法はないんか!」
「あの点数だ、倒すのは難しい。だが消すことならできるかもしれん」
「?それって同じじゃないの?」
「いや違う。召喚獣を呼び出すには召喚フィールドを張る人間、もしくは設備が必要だ。周りを見渡す限りでは人の気配は無いし、そもそも何が目的か知らんがこんな危険なところに出向くバカがいるとは思えん。つまりこのフィールドはなにかしらの設備によって張られているということだ」
「つまりその設備を壊せばあいつは消えるのね」
「せやけど、ここにある物って松明くらいしかないで?」
「全部消してみる?」
「やめろバカ。暗闇の中でどうやってあいつと戦う気だ?」
向こうはだいぶ苦戦しているようだ
「・・・私も加勢してくる」
「あ、じゃあアタシも・・・」
「・・・優子はここにいて。島田の召喚獣は戦死しているから一人にしたら危険」
たしかに、目を離したらこの子は無茶しそうだし・・・
「わかったわ、代表も気をつけて」
代表はアタシの言葉に頷き、モンスターの方に向かって歩き出す
「・・・ごめんね。僕のせいで・・・」
「気にしないの、仕方ないわよ。アタシ達が来るまで一人で戦っていたんだから」
「そうよ。海人君がいなかったら工藤さんはもっと危険な目にあっていたかもしれないんだし」
しょんぼりする海人君をアタシと友香が励ます
ん?そういえば清水さんは・・・『お姉さまは美春が守りますわ!』・・・あそこか・・・
いつの間にか加勢している清水さんを横目にアタシはモンスターの方に視線を移す
・・・やっぱり戦況は劣勢
代表が戦線に加わったとはいえ点差が圧倒的すぎる
海人君はよくこんな化け物相手に時間稼ぎなんてできたわね・・・
と、それよりもアタシもボーっとしてないでなにか策を考えなくちゃ
「そういえばこいつってどこから現れたの?見たところ入り口は通れそうにないけど・・・」
「中に入ってしばらくしたら上から降って来たんだ。ほら、あそこの洞窟から」
海人君が指差した先には確かに大きな穴と足場のようなものが・・・ん?
足場の近くになんかある
あれは・・・アンテナ?・・・って!あれって外のフィールドに設置されているものと同じじゃない!
「西村先生!あそこにアンテナみたいなものがあるんですけど」
「あれは・・・召喚フィールド生成用のアンテナだ!間違いない!あれがこのフィールドが張られているの原因だ!」
「せやけどあんな高い所・・・どうしようもないで!」
「北条君の銃は?」
「俺の召喚獣には物理干渉能力は無いから無理・・・まてよ、物理干渉・・・」
北条君は何かに気付いたように呟く
「あ、あれ?なんでみんな僕の方を見るの?」
「鉄人、頼む」
坂本君が吉井君の召喚獣を持ち上げて西村先生に渡した
ああ・・・7そういうことね
「西村先生と呼ばんか。まぁいい。吉井、覚悟はいいな?」
「え?ちょ、まさか・・・」
動揺する吉井君を無視して西村先生は吉井君の召喚獣を・・・アンテナに向かって投げた
「く、くそっ!こうなったらヤケだ!うおおおおお!!」
そして・・・吉井君の召喚獣がアンテナを圧し折り、召喚フィールドがなくなり、モンスターも消えた
「ふぅ・・・」
「一件落着じゃな」
「・・・疲れた」
「海人!」
美波がこっちに向かって走ってきた
おっと、邪魔しちゃいけないわね
アタシは美波と入れ替わるように海人君から離れる
「海人!大丈夫?怪我は無い?」
「うん、平気だよ。あの・・・姉さん、大嫌いなんて酷い事言って、ごめんなさい」
「いいのよそんなこと、ウチがアキの事を信じきれなかったのが悪いんだから・・・」
ふふ、こっちも一件落着ね
「戦死者は補習・・・と、言いたいところなんだがな」
「鉄人、それはさすがに空気読めなさすぎだよ」
「・・・」
そんな会話の中、北条君は何かを考え込んでいる
(ガタンっ!)
ん?何の音?まさかまた何か出てくるんじゃないでしょうね?
そう思い、アタシは周りを見渡す
・・・!あ!
「清水さん!危ない!」
「え?」
吉井君が壊したアンテナが落ち、落下地点には清水さんが・・・
ダメ!間に合わない!
「危ないのじゃ!」
そんな声と共にガシャンという機材が地面に当たる音が響いた
っていうか今の声・・・
「秀吉!」
アタシは慌てて秀吉の元に駆け寄る
「間一髪なのじゃ」
そこには清水さんを庇うように倒れ込んでいる秀吉の姿があった
「秀吉!大丈夫!?」
「ワシは平気じゃ、それより清水・・・む?気を失っておるようじゃな。仕方ないのう」
そう言って秀吉は清水さんをお姫様抱っこで抱きかかえる
「う・・ん・・・美春は一体・・・?」
「気づいたようじゃな?怪我はないかの?」
「アナタは木下秀吉!美春は大丈b・・・ハッ!・・・きゅ~」(パタッ)
「む?清水!しっかりするのじゃ!」
『大丈夫』と言いかけた清水さんは自身がお姫様抱っこされているという現状に気付き、再び(今度は顔を赤くして)気絶した
ほぅ・・・これは・・・
「むぅ?頭でも打ったのじゃろうか?」
「はぁ・・・」
「なんじゃ姉上、ため息などついて・・・」
「アンタってホント鈍感ね」
「・・・?よくわからぬが姉上にだけは言われたくないのじゃ」
?
アタシのどこが鈍感だっていうのかしら?
全く、清水さんを抱えてなければお仕置きしているところよ
命拾いしたわね
VSゴーレム戦これにて決着!
秀吉に春が来た?
姉が鈍感なら弟も鈍感だったww
次回も頑張ります