その上内容の薄いこと・・・
SIDE 海人
「ごめんなさい。ホントごめんなさい。忘れてください、そして忘れさせてください」
「よくわからないけど気にしなくていいよ」
必死に頭を下げる優子さん
どうして急にあんな暴挙に出たんだろう?
理由を聞いても『お願いだから忘れさせて』って言って教えてくれないし・・・
まぁいいや。それよりも本題に入ろう
「それで?玲さんはどうだった?」
姉さんが僕に対してそう聞いてきた
どうやら僕が玲さんの元に向かったのはバレバレだったようだ
「えっとね・・・」
SIDE OUT
SIDE 玲
※数分前※
アキ君・・・もう私の事を『姉さん』とは呼んでくれないのですね・・・
わかっていた・・・こうなることはわかっていたんだ
私はアキ君の大切な人を傷つけた
アキ君は一生許してはくれないだろう
「待ってください!!」
「あなたは・・・海人君」
私が振り向くとそこにはアキ君の恋人の美波さんの弟、海人君が立っていた
「僕も・・・つい最近姉さんと喧嘩をしました」
「?」
「辛くて苦しくて・・・ホントは仲直りしたいのに素直に言い出せなくて・・・姉弟ってそういうものなんだと思うんです。アキ兄さんだってホントはきっと玲さんと仲直りしたいと思っているはずなんです!」
そっか・・・海人君は私を励ましにきてくれたんですね
「・・・海人君は優しいですね。でも・・・もう無理なんですよ。私はこれまでアキ君を束縛し続けてきました。そのうえ、アキ君が心から愛した女性を苦しめてしまった。もう私にはアキ君の姉を名乗る資格はありません」
「資格なんていりません!誰が何と言おうと玲さんはアキ兄さんのお姉さんじゃないですか!」
「海人君は優しいですね・・・でももういいんです。最後にアキ君の顔を見ることができた・・・それだけで充分です」
「最後?最後ってどういうことですか!?」
「私が担当する新プロジェクトが本格的に始動することになりました。まだどこに配属されるかはわかりませんが、しばらく自由に動けないでしょう。もしかしたら二度と日本には戻れないかもしれません。なのでせめて最後にもう一度アキ君の顔を見たいと思い、日本に戻って来たんです」
「そんな・・・」
「では、わたしはこれで失礼します。明日の昼には日本を発たなくてはなりませんので・・・」
「ま、待ってください!本当にそれでいいんですか!?アキ兄さんと仲直りできないまま、二度と会えなくなって・・・それでいいんですか!?」
「・・・アキ君に伝えてください。美波さんとお幸せに・・・と」
「玲さん!!」
私は背後から声を掛ける海人君を無視してタクシーに乗ってその場を去った
これでいいんです
私はアキ君とは二度と会わない
それがきっとアキ君にとっての幸せなんです
「・・・さよなら・・・アキ君」
私はタクシーの中でそう呟いた
SIDE OUT
SIDE 優子
「・・・と、いうわけなんだ」
海人君の話を聞いて、アタシ達は静まり返る
誰も何も喋らない
・・・はぁ
「で?どうするわけ?」
「え?」
「え?じゃないでしょ。どうせアンタ達の事だから二人を仲直りさせたいとか思ってるんでしょ?それともこのまま黙って玲さんを行かせるつもり?」
「そ、そんなのダメよ!弟と喧嘩別れで離ればなれなんて・・・そんなことになったら玲さんは気が狂って発狂して死んじゃうわ!」
「・・・それは美波だけだと思うけど・・・」
でも、話を聞いた限りだと玲さんもかなりのブラコン
寂しい思いをするのは間違いないわね
「・・・アキ兄さんは多分意地を張っているだけだと思うんだ。僕も姉さんと喧嘩したときそうだったから」
「ウチがアキを説得するわ。喧嘩別れなんてさせるもんですか」
そしてアタシ達は明日、吉井君を説得する方法を話し合い、解散した
・・・ん?何か忘れているような・・・
SIDE OUT
SIDE 海人
※翌日※
「行くわよ」
「うん、秀吉君、飛行機の時間は?」
「ムッツリーニに調べてもらったのじゃが、目的地を考えるとおそらく13時出発の便じゃろう」
「現在の時刻は10時、ここから空港まで1時間はかかるからあと2時間ね」
「その間に説得しないとアキ兄さんと玲さんは・・・」
「大丈夫よ。絶対に仲直りさせてやるんだから!」
そう言って僕達はアキ兄さんの住むアパートへと向かった
「行くよ」
僕の言葉にみんなが頷く
そして僕はチャイムを押す
すると中から足音が聞こえ、ドアが開く
「あ、みんな。昨日はごめんね」
「ううん、それはいいんだ」
「とりあえず上がってよ。五人位なら入れるからさ」
アキ兄さんに促されて僕達は中に入った
次回は明久説得編
二人は仲直りできるのか?
次回も頑張ります