SIDE 美波
「ただいま」
「お兄ちゃん、おかえりなさいです!」
海人の声を聞いた葉月は勢いよく玄関に向かって走り、海人に飛びついた
「こら葉月、海人は疲れてるんだから飛びついたりしちゃダメでしょ」
「あぅ、ごめんなさいです」
「これ位平気だよ」
そう言って海人は葉月の頭を撫でると葉月は気持ちよさそうに目を細める
ホント、この子ってばブラコンなんだから ←人の事言えない
「お風呂入れてあるから入ってきなさい。その間にご飯の準備しておくから。葉月、手伝ってくれる?」
「はいです」
※夕食終了後※
「海人?もう寝たの?」
「しーっ」
ウチがリビングに入りながらそう言うと葉月が口の前に人差し指を立ててそう言う
そして葉月は視線を後ろに向ける
その視線の先には・・・
「すぅ・・・すぅ・・・」
海人がソファーで寝息を立てていた
ふふ、疲れているのね・・・
「頑張ってね、海人」
SIDE OUT
SIDE 優子
今日は三回戦
対戦相手の桜場火工業
春の大会では一回戦負けだったし、二回戦で去年ベスト8の大光学園が勝ちあがってくると思っていたから完全にノーマーク
おまけに今回は偵察に行けなかったから全く情報の無い状態で戦わないといけない
それにしても今回の大会、ダークホースが多いわね・・・
「俺が調べたところ、なんでも大光学園のエースの調子が最悪だったらしい。四球死球にホームランとボロボロだったとさ。リリーフと変わったが、逆転はできず敗退だそうだ。元々大光学園は守備が強いチームで攻撃力は大したことない。まぁ無理もないだろう」
北条君は独自に調べた結果を話す
それにしても投手一人のコンディションで試合結果がこんなに大きく変わるなんて・・・
やっぱりピッチャーって大変なポジションなのね・・・
「ま、大丈夫や。たとえ海人が大崩れしたって俺がこのバットで全部取り返したるわ」
「お前、前の試合、四球ばっかりでほとんど打ってないだろ・・・」
「中島が敬遠されたら俺が打てばいいだけだ」
「前の試合で舐められて熱くなって凡打した奴が何言ってやがる」
「んだと?」
「まぁまぁ」
みんな笑いながらそんな会話をしている
緊張は全くしていないようだ
一安心ね
「っと、そろそろ到着だな。降りる準備をしておけよ」
地味太r・・・ゲフンゲフン・・・キャプテンの田中先輩がそう言い、みんなは荷物を手に取る
そして球場に到着
バスから降りたその時
「あっ、お兄様!」
あれは・・・Dクラスの清水さんね
「あれ?一人?」
「美春はちょっとお手洗いに行っていたんですの。それよりも試合、頑張ってください。応援していますわ」
「うん、ありがとう。姉さん達も一緒?」
「はい。昨日のメンバーと今日は工藤さんと小山さんも一緒ですわ」
へぇ・・・友香も来ているんだ
『べ、別に英雄の試合になんて興味ない』なんて言ってたくせに・・・
後でからかうことにしよう♪
「おーい海人、早く準備しろよ」
「あ、うん。じゃあ僕もう行くね」
「はい。美春も応援席に戻りますわ」
そう言って私たちは清水さんと別れた
SIDE OUT
SIDE ???
「おい、今の見たか?」
「ああ、島田海人だよな。で、『お兄様』ってことはあれが奴の妹か」
「こりゃついてるぜ。『前の試合と同じように』エースの親族を拉致して脅して甘い球を投げさせりゃ楽勝だぜ」
「んじゃ、早速・・・おーいそこのお嬢さん」
SIDE OUT
SIDE 明久
「まだかな・・・まだかな・・・」
「美波、落ち着きなよ・・・」
「あはは、美波ちゃん、よっぽど楽しみなんだね」
「無理もないですよ。前回は海人君は出なかったですからね」
「ふふ、海人が出るんだからこの試合は楽勝よ♪土屋、ちゃんと写真撮ってよね」
「・・・まかせろ」
「そして海人の写真は全部買うわ」
「・・・毎度」
ホント、ブラコンだなぁ・・・
「島田さんって本当に弟想いね・・・」
「あれ?中林さん?」
声のする方を向くとそこにはEクラスの中林さんが・・・チアの格好で立っていた
あれ?応援団とチアって海人や北条君のファンクラブか赤点取った人がやってるはずだよね?
中林さんの好きな人は久保君だから海人たちのファンクラブじゃない
ってことは・・・
「中林さんって馬鹿なの?(バキっ)ふごっ・・・」
「吉井君、歯を食いしばりなさい」
・・・そのセリフは普通殴る前に言うものだ・・・
「強化合宿の時に事件を起こした罰として強制参加なのよ」
「あれ?前の試合の時いたっけ?」
「あの日はアタシも部活の試合があったから参加しなかったのよ」
「今日は試合はないの?」
・・・あれ?中林さんの表情が固まったよ?
「・・・負けたのよ・・・ええそうよ負けたわよ!それもこれ以上とないぐらいボロボロに大負けでね!そして無様に負けたあげくこんな格好させられて!無様でしょ!?滑稽でしょ!?笑いなさいよ!あはははは!」
「お、落ち着いて中林さん!なにもそこまで言ってないから!」
どうやら僕は地雷を踏んでしまったようだ
「ただいま戻りましたわ」
「おかえり、遅かったわね?混んでたの?」
「いえ、少々ゴミ掃除をしてきましたの」
清水さんは美波とそんな会話をしている
?ゴミ掃除?
※数分後、球場の近くの公園にて、男が二人、気を失った状態でゴミ箱に捨てられているのが発見された※
SIDE OUT
NO SIDE
「ちっアイツら失敗しやがった」
「標的間違えたあげく返り討ちって馬鹿か。拉致するのは『あね』だって紙に書いて渡したのによ・・・」
彼らは気付いていない
彼が書いた手紙には『姑』と書いていることを・・・
そして受け取った側は、それを『いもうと』と読み間違えたのだった
そう、彼ら桜場火工業は『おおばか工業』と呼ばれるほど偏差値の低い学校なのである
「まぁいい。ようするに・・・エースが投げられなくなればいいんだろ?」
男は不敵な笑みを浮かべるのだった
※おまけ・卑怯者たちが送ったメモの内容※
『エースの島田海入には同じ学校に姑がいるのでそいつを裸血して写メを俺に遅れ』
誤字だらけの手紙
彼らの学力はFクラス生より遥かに低い!!
次回も頑張ります