バカとテストとウチの弟   作:グラン

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第九十一問 王者の実力

  SIDE 海人

 

 

「あ、智也君!こっちこっち」

 

 

僕が手を振ると智也君は気付いたようでこっちに歩いてきた

 

 

「さっきのって星凰の新藤君よね?北条君知り合いなの?」

 

「ああ、シュウとは中学時代にバッテリーを組んでいたんだ」

 

「そうなんだ。あのさ、過去のデータで調べたんだけど、新藤君って持ち球がフォークだけになっているんだけど他の持ち球は?」

 

「いや、それであっている。あいつの持ち球はフォークだけだ」

 

「え?それで名門校のエースになれるものなの?」

 

「あり得ない話じゃないんじゃないかな?プロにもけっこういるよ。ツーストライクに追い込んだら必ずと言っていいほどフォークを投げる人。なのにバッターは打てないって話も良く聞くし・・・」

 

 

決め球って奴だね

 

 

「でもよ、落ちる幅がわかっているんならいずれ打たれるんじゃねえか?」

 

「普通はそうですね。でもあいつは握りをわずかに変えてフォークの落差を自在に操るんです」

 

「それ・・・キャッチャー捕れるのか?」

 

「・・・俺もかなり苦労しましたよ・・・種類は大きく分けて三種類。一番大きく曲がるものはストライクゾーンの一番上から一番下くらいまで落ちます」

 

「マジかよ・・・」

 

「あ、始まるわよ」

 

 

ちなみに僕達は観客席で準決勝第二試合を見ている

この試合の勝者と僕達で決勝戦

そこで勝てば僕達は甲子園に行けるんだ

 

 

「星凰の相手は青千商業か・・・」

 

「たしか結構有名なところよね?『守りの青商』だっけ?」

 

「へぇ、韋駄工業の多岐君みたいな人がいるのかな?」

 

「いや、足が速いとか守備範囲が広いわけじゃなく、単純に連携プレイに優れているんだ」

 

「ふーん・・・あ、新藤君が投げてるよ」

 

「どれどれ・・・っっと、けっこう速いな・・・」

 

「俺と組んでる時は140キロ位出してましたけど、また少し早くなっているみたいですね」

 

 

145キロ位かな?

球速だけなら練習試合で戦った剛田さんの方が速いね

 

 

『ストライーク!バッターアウト!チェンジ』

 

 

「三者連続三振か・・・さすがやな」

 

「こりゃあこの試合、お互い簡単には点は取れねえぞ」

 

「そうですね」

 

 

今度は星凰の攻撃だ

 

 

「おっ青商の投手は左のサイドスローか」

 

「ええ、青商のエースの横井ですね。球種はスライダーとシュートです。でも決め球は・・・」

 

 

『ストライーク!』

 

 

「今のはクロスファイヤーか!?」

 

「ええ、あれが奴の決め球です」

 

(ねえ海人君、クロスファイヤーって何?)

 

(投手が自分と対角のコースの投げる直球のことだよ。サイドスローの場合ベースを横切るように通過するから特に打ちにくいんだ)

 

 

隣で質問してきた優子さんに僕が答える

 

 

「横井は身長もありますからリーチが長い。それを生かした投法ですね。あれはそう簡単には・・・」

 

 

(キンッ!)

 

 

「そう簡単には?」

 

「・・・打てないはずなんですけどね・・・」

 

 

あのトップバッターあっさり打ったね

しかも足が速い

守備の強い青商相手に余裕で二塁へ

 

 

「アイツは青葉だな。韋駄工業の多岐ほどじゃないがかなりの俊足だ。おまけに広角打法を得意とする巧打者だ」

 

 

ふむふむ、要注意っと

 

 

「二番は送りバントか・・・手堅いな」

 

「まずは先制点ってことかもな」

 

「次がまた要注意人物だ」

 

 

『三番セカンド紅松君』

 

 

「打撃力もかなりのものですが、それ以上にショートの白沢と共に守備の要となっています。二人合わせて『紅白コンビ』と呼ばれているそうです」

 

 

ウチの常村先輩と夏川先輩みたいだね

などと考えているうちにセンター前ヒットを放ち星凰が一点先制

 

 

「さて、次の奴が打撃面では一番ヤバイ」

 

 

『四番ファースト武蔵丸君』

 

 

「星凰一のスラッガー武蔵丸権三郎だ。こいつはここまで敬遠球以外は全てホームランにしている」

 

「マジかよ!?」

 

「ええ、少しでも甘く入ると・・・」

 

 

(カキーン!!)

 

 

「・・・こうなります」

 

 

打球は軽々とセンター最深部へと運ばれていった

その後も星凰の攻撃は止まることなく続き・・・

 

 

『ゲームセット!』

 

 

9―0で終了

七回コールドだ

しかも新藤君は21連続三振という大記録を達成した

 

 

「すごかったな・・・」

 

「ええ、でも青商は全部三振でしたから守備を見れなかったのは残念でした」

 

「ホント、噂に違わぬ実力ね。ねぇ海人君」

 

 

あの人たちに本当に勝てるのか?

 

 

「海人君?」

 

 

僕の球は通用するのか?

 

 

「海人君ってば」

 

 

もし通用しなかったら・・・

 

 

「てい!」

 

「痛っ!何するのさ?」

 

「なに不安そうな顔してるのよ。始まる前からそんなんでどうするの?勝てるかどうかなんてやってみなくちゃわからないじゃない」

 

「そうやで、たしかに凄い球やったけど、どんな球でも俺がかっ飛ばしたるわ」

 

「俺の視点から見ればお前の球は充分通用すると踏んでいる。自信を持て」

 

「たとえ打たれたってバックには俺らがついてるだろ?」

 

「それとも何か?俺達の実力はそんなに信用できないか?」

 

「そ、そんなことないです!」

 

 

みんなが僕の不安を察したように励ましてきた

・・・そうだよね

みんなで力を合わせればきっと勝てるよね

 

 

「みんな・・・多分たくさん打たれると思いますけど、よろしくお願いします」

 

「「「「「おう!」」」」」

 

 

そして二日後・・・

 

 

『これより、全国高校野球地方大会決勝、星凰学園VS文月学園の試合を始めます』

 

 

戦いの火蓋は切って落とされた

 




いよいよ始まる決勝戦
勝つのはどっちだ!?

次回も頑張ります
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