期待されることに慣れてないので、だれないよう無理せず続けていこうと思います。
あらすじについては、ほぼ見切り発車なので順次補足していこうと思います。コメント欄など、まだまだよくわかってないので、指摘、助言していただけるととても助かります。
一応、公式設定を引用していますが展開が原作と全く違うので(予定)、オリジナルの設定をちょくちょくぶっこんでいこうと思います。ただ、オリジナルキャラクターは今のところ入れる予定はなく、コードギアスシリーズの登場人物だけで完結させたいと思ってます。
ビスマルクを先頭に、ナイトオブラウンズとルルーシュは皇帝の執務室へと足を踏み入れた。
そこには、アンピール様式の椅子とローテーブルが並び、さらにその奥に皇帝のための奢侈ながらどっしりとした執務用の机が鎮座しているのが見え、その左右の壁は全面ガラス張りでちょうど昼下がりの日光が部屋一面に差し込んでる。そして、そこから皇宮の外を眺めていた皇帝シャルルが入ってきた面々に振り返っていた。ナイトオブラウンズが一斉に、少し遅れてルルーシュも皇帝の前へ跪く。ビスマルクが代表して皇帝へ奏上する。
「シャルル陛下、命によりナイトオブラウンズ、ルルーシュ殿下、ここに参上いたしました。」
「よく参った、皆楽にしてよい。さっそく本題に入ろう。ルルーシュの案によれば、ナイトオブラウンズのうち幾人かを北海道へ急襲させる、その指揮はエニアグラムが執るということであったな。ルルーシュ、何人向かわせればよい?」
皇帝の質問に間髪入れずルルーシュは答えた。
「はっ、北海道を占領する方向で進めるのであれば3人、あくまで一撃離脱に留める場合2人がよろしいかと思われます。まず、占領する場合流石にラウンズだけでは戦力が足りませんのでラウンズ麾下の直属部隊と占領地保持のため1個軍団は必要になると思います。次に一撃離脱する場合ですが、突破力のあるラウンズであればおそらく単騎でも被害を与えられると思います。日本軍から宣戦布告をしてきているので防衛部隊はいると思いますが、東南アジア方面への派兵で大して日本本土には兵力は残っていないでしょう、襲撃は容易だと思われます。」
「そうか。・・・占領する場合の軍は1個必要だと言ったが、集められるのか?ハワイが陥落した今、アラスカからかき集めても足りないのではないか?」
「その通りです、陛下。故に、この度は一撃離脱に留めるべきだと私は思います。」
そこでしばらく、シャルルは黙考する。あくまで今回の目的はハワイ奪還だ。アラスカにある兵力を動かしてまで北海道を取るメリットは少ない。むしろ、ハワイへ日本軍が集結する可能性が高い今、北海道の占領は悪手だろう。そこまで考えてシャルルは決断を下した。
「よし、今回は一撃離脱に留める。突破力のある騎士とは言うが、エニアグラムのほかは誰が良かろうか?ここでよいから、お主らで結論を出せ。」
この言葉に、ラウンズの面々がその場で議論し始める。まずは第10席のルキアーノが口火を切る。
「ここは俺だろ。ほら、機体だって攻撃特化だし、俺の趣味皆知ってるだろ?」
そこに第4席のドロテアと第2席のカレンが揃ってつっこむ。
「お前はただ単に剣を振り回したいのと、事務作業から逃げるためだけだろう。それにお前が素直にノネットの指示に従うとは思えん、却下だ。」
「そうよ、あんた、ただでさえいっっつもほかの人に事務仕事を押し付けて山か海に出かけてるじゃない、今回くらい我慢しておとなしく事務仕事してなさいよ。」
「あぁん?毎回勝手にお前らが俺の執務室から書類大量に持っていってんだろうが。それに俺は別に事務が嫌いなわけじゃない。」
「それはあんたが仕事ほったらかしにしてこっちの作業が進まなくなるからよ!それに嫌いじゃないんだったらちゃんとやりなさいよ、こっちも迷惑してんのよ!」
「お前らが勝手に書類持っていくのが悪いんだろうが!いい汗かいてからパパっと終わらそうと思って毎回わざわざ夜に登庁するのに、全然ねーんだもん、骨折り損のくたびれ儲けだぜ、まったく。」
「あ、あーーーんた~~~ねーーーー!!!!!」
流石にこれ以上皇帝の目の前ではマズい、と第3席のジノが割って入る。
「ま、まぁまぁ、紅月卿もブラッドリー卿もその辺にしといて、皇帝陛下の御前ですし。話を戻しましょう。私としては紅月卿かアールストレイム卿が適任だと思いますけど、ヴァルトシュタイン卿はどう思われますか?」
「そうだな、しかし、最近枢木卿が最新鋭の第7世代KMFを受領したと聞いたし、その試験運用を兼ねて枢木卿を派遣するのも良いのではないか?シュナイゼル殿下の特派には我々もかなり世話になっている、向こうが望むことをたまにはしてやっても良いだろう。」
それを聞いて第7席のスザクが張り切って反応する。
「自分も新しい機体をなるべく早いうちに試乗してほしいと言付かっているので、ぜひ、北海道急襲に参加したいです。」
それを聞いて、他のラウンズの面々が少し顔を曇らせ考え込む。しばらくしてカレンがおずおずと、だがハッキリとした声でスザクに問う。
「その、スザク、あんたが日本に行きたいのは皆分かってるわ。でも、その、あんたもあたしも日本の血が流れてるのよ?ごめん、こんなこと言いたくないんだけど、あんたの場合、新機体の試験運用じゃなくて別の目的に囚われてるんじゃないかって思っちゃうのよ。あたしは別に向こうに家族を残してきてるとかじゃないから未練なんてないけど、あんたは違う。そこを分かって行くって言ってるんならあたしは止めない。」
「・・・確かに僕は何としても日本に行きたい。でも、自分ではそっちを優先するつもりはないよ。今回の目的は一撃離脱だ、東京まで行くわけじゃない。だから、我慢、するよ。」
その言葉に皆少し後ろ髪を引かれる思いだったが、最終的にラウンズ全員が渋々納得した表情をしたのを見て、ビスマルクが決定だな、と呟いて皇帝に改めて上奏した。
「陛下、北海道急襲へノネット・エニアグラム卿及び枢木スザク卿を派遣したいと思います。よろしいでしょうか?」
「うむ。では直ちに準備に入れ。ビスマルクを除く残りのラウンズはシュナイゼルから情勢と何か要請を聞き、各自の判断で動いてよい。それと、ルルーシュ。」
「はっ。」
「既にコーネリアが軍を招集しておる。お主はコーネリアの下に就き、太平洋方面軍参謀本部長として参陣せよ。参謀本部長着任の詔書はあとで国防省へ届けさせよう。では卿等の奮闘を祈る!」
「「「「「「「「「「はっ!!」」」」」」」」」」
皇帝の力強い一声を受けラウンズが次々に部屋から出ていく中、シャルルはラウンズに続いて部屋から出ていくルルーシュの女と見間違いそうな細い後ろ姿を見ながら一言、頑張れよルルーシュ、と心中で呟いた。
◆ ◆ ◆
皇帝の執務室を出た後、ノネットとスザクに声をかけてルルーシュはコーネリアのいる国防省へと3人で赴いた。コーネリアのいる作戦会議室までの道すがら、雑談をしながら緊張をほぐす。
「それにしてもお久しぶりです、エニアグラム卿。士官学校でのKMF操縦訓練以来ですね。」
「堅苦しいのはなしだ、ルルーシュ。コゥを通じてよく会うじゃないか、今はお前の友人であるノネットだ。」
「ふふ。あなたはそういう方でしたね。そういえばスザク、ラウンズには慣れたのか?」
「ああ、皆いい人ばかりだよ、ルルーシュ。まだあまり話せてない人もいるけど、大体どんな感じなのかは掴めたと思う。とりあえず言えるのは、ヴァルトシュタイン卿とエルンスト卿には逆らっちゃダメってことかな。」
「おっ、さすがラウンズに選ばれただけあるな、スザク。あたしもあの2人には逆らえないよ、ありゃ正真正銘化け物だ、味方でよかったって思うね。」
「2人がそこまで恐れるのか、ナイト・オブ・ワンとナイト・オブ・フォーは。どういう方なんです?ビスマルク卿は話している分には普通の騎士とそう違いは感じませんでしたが。」
「うーん、ここで言っちゃマズいな。あとで教えてやるよ。」
「そうだね。エニアグラム卿に賛成だ。コーネリア殿下と4人だけのところでだったら大丈夫だよ。」
「・・・それは『目』に関係することか?」
「うん、だからここではダメだ。ちゃんとあとでルルーシュにも教えるよ。」
「ってか、スザク、あたしのことはノネットでいいぞ。エニアグラム卿なんて言いにくいだろ、あたし自身言うのメンドくさいし。」
「・・・じゃあ、ノネット・・・さん。」
「ノネット。」
「・・・ノ、・・・・・ノネット。」
「よし。ラウンズは対等なんだ、呼び捨てでいいんだよ。あ、でも公の場所ではやめろよ?貴族どもがうっさいから。」
「了解、・・・ノネット。」
そんなこんなで、作戦会議室が見えてきたところで、ルルーシュとスザクに向かってノネットが唇に人差し指を当て忍び足で歩き始める。2人は怪訝な顔をしながらもノネットに続いて忍び足でついていく。部屋の前まで来るとノネットは2人に向かって小声でひそひそと喋る。
「いいか、この中にコゥがいる。驚かしてやろうと思うからルルーシュ、なんか策を出せ。」
「はぁ・・・、さすがにここでやるのはマズいと思うんですが。ノネット、あなたが全責任を負ってくれるのなら出しましょう。」
「ル、ルルーシュ?マズくないかい?僕は、」
「スザク、乗りかかった舟だ、おとなしく巻き込まれろ。だいたいノネットの姉上に対する悪戯はほとんどの場合効く。ノネットが全責任を負うのなら俺たちは知らぬ存ぜぬで通せばいい。追及はされるだろうがそこは任せろ、口八丁で丸め込んでやる。」
このルルーシュの言葉にノネットはニヤリと、スザクは呆れ返った顔をしてそれぞれ了承した。
「・・・相変わらず考え方が狡猾だね、ルルーシュ。はぁ、わかったよ、それで?」
「いいだろう、あたしが全責任を負う。これで、ルルーシュもスザクも満足だろ?それで、ルルーシュ、策は?」
「いいでしょう。いいですか、まずはスザクが先頭で・・・、・・・・、・・・。」
こうして3人のコーネリアに対する悪戯計画が説明されたあと、スザクが部屋の扉に手をかけた。ちなみに、皇帝の詔書を携えた文官がこの光景を遠目に見て、何か重要な事を3人が話し合っていると思い込んでコーネリアに告げ口をしたことを3人はまだ知らなかった。
音も立てずに開いた扉から2人は部屋の中へスルリと身を滑り込ませた。部屋はテニスコートと同じくらいの広さで、コーネリアの良く通る声がおおまかな作戦概要を説明しているところだった、すでに会議は佳境を迎えているらしい。そこに現れたスザクとルルーシュの姿を目にしたコーネリアが声をかけ、それを聞いた武官や騎士たちが出入り口のほうへと顔を向けた。
「やっと来たか、枢木、ルルーシュ。ルルーシュ、すでに参謀本部長への着任は承認した。お前抜きでもう粗方ハワイ奪還作戦の概要は詰めてしまった。ん?ノネット先輩はどこに行ったのだ?」
「遅れてしまって申し訳ありません。皇帝陛下へ謁見し、北海道への急襲についてラウンズをお借りすることの許可を得ていました。エニアグラム卿は先にシュナイゼル宰相閣下の下へ赴いて情勢の確認をしてくるとのことです。」
「そうか。では、ルルーシュ私の横の席へ。枢木、じゃなかった、枢木卿はルルーシュの隣でいいだろう。」
コーネリアの催促で、ルルーシュとスザクは席へと座る。それを見たコーネリアは、では改めて、と会議机に居並ぶ面々を見まわして声をあげた。
「我が弟、ルルーシュが今回北海道急襲作戦及びハワイ奪還作戦の参謀本部長として着任した。ルルーシュ、ハワイ奪還作戦については私がすでに大まかな陣立てをしてしまった。残りの北海道急襲作戦について頼む。」
ここで、ルルーシュがテーブルを囲む面々に向かって挨拶する。
「はい、姉上。改めて、今回今作戦における参謀本部長として着任した、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアだ。非才の身ではあるが、よろしくお願いする。では、早速だが、北海道急襲作戦の概要を説明する。当該作戦はハワイ奪還作戦の前哨戦として、ラウンズをアリューシャン列島に沿って隠匿行軍させ、アッツ島より全力出撃、ネムロを直撃したのち、反転離脱する。これを数時間おきに不定期に行い日本軍の目を彼らの本土へと逸らすことによってハワイ奪還作戦を効率的に行うことを目的とした作戦だ。」
ここでコーネリアの横にいる黒髪の眼鏡をかけた騎士が声を発する。
「殿下、1つ質問してもよろしいでしょうか?」
「許可する。」
「作戦目標は理解できました。ですが、アリューシャン列島には兵站拠点がありません。また、現地調達するにしてもエナジーフィラーの充填は難しいでしょうし、食糧もないでしょう。いくらラウンズといえど、補給ができなければ戦うことはできません。その点はどうするおつもりなのでしょうか?」
「その点についてはすでに宰相閣下から物資供給のための補給艦隊ととある秘密兵器を借りることを取り付けた。短期的な作戦の上、消耗に関しても2人のラウンズと、その直属部隊の分だけで済む。問題は補給艦隊をどこに置くかだが、戦略的に考えてアッツ島が良いと考えた。臨時的な基地をアッツ島に建設し、ハワイ奪還作戦期間中だけ運用し、作戦の成否に関わらず作戦終了と同時に破壊する。」
ルルーシュのこの説明を聞いた武官や騎士たちはどよめいた。中には、無理だ、基地なんて建設すればすぐに日本軍に気付かれる、考え直すべきだと言い始める者までいる。そこで今度は先ほどの騎士の横に座っている偉丈夫が声をあげた。
「ルルーシュ殿下、他の者も申していますが、臨時的であっても基地を建設すれば日本軍はアッツ島を占領しに来るでしょう。そうなれば、北海道への急襲など夢のまた夢です。お考え直したほうがよろしいのでは?」
「ふん、来るなら来い。この作戦の重要な骨子は積極的防衛。つまり、奴らの目をとにかく引くことにある。わざわざ向こうから軍を率いて来てくれるのだ、それだけでハワイ防衛に必要な戦力を削ることができる。要は囮の役目を果たすことさえできればこの作戦は半分成功と言っていい。」
「殿下、さすがにラウンズとその麾下だけでは持ちこたえるのは厳しいのでは?」
「問題ない、私も付いていくのだからな。」
これにはその場にいた面々だけでなく、コーネリア、さらには作戦を遂行するスザクも驚いた。
「ルルーシュ、さすがに私は看過できんぞ、初陣で敵の数もわからない、さらには囮で少数での拠点防衛も考えられる局面で太平洋方面軍の作戦立案のトップが最前線に行くなど自殺行為だ。」
「そうだ、ルルーシュ、聴いているだけでも危ないのがわかるのに、そこに君が加わるとなるといくらエニアグラム卿と僕でも庇うことは難しい。作戦を立てるだけならアラスカからでもできるじゃないか。わざわざ最前線に出る必要はないと思うよ。」
なんとかルルーシュを翻意させようとコーネリアとスザクが代表して言い募るが、ルルーシュは首を横に振る。
「だからこそ、私が行くのだ。姉上はハワイ奪還でスザクたちラウンズの行動を見る暇はないだろうし、姉上の立てたハワイ奪還作戦の概略を見たが十分勝算のある作戦だ。それに、方面軍の
なおもコーネリアがルルーシュに言い募るが、遂にルルーシュは首を縦に振らなかった。長い溜息をついてコーネリアも初陣を迎える可愛い異母弟を説得することを諦めた。ただし、ルルーシュに条件を付けることは忘れなかった。
「しょうがない、いいだろう、ルルーシュ。だが、条件がある。文字通りの最前線には行くな。一歩引いた地点でとにかく観察しろ。お前はいずれ宰相閣下と双璧をなす国家の至宝となるだろう。いや、この作戦が終わればすぐにでもなる。お前の命はお前だけの物じゃないのだ、この言葉をこころに刻め。」
「買い被りですよ、姉上。ですが、分かりました。あくまで私は観戦に徹しましょう。では、北海道急襲作戦の概要はこれで終了する。」
「よし、皆の者、直ちにアラスカに急行する!遅れる者は容赦なく置いていく、付いてこれる者だけ付いてこい!では解散!」
コーネリアの一言によって、コーネリアに一斉に挨拶をするとバタバタと皆、部屋から出ていった。ほぅと一息ついたコーネリアは、まず自分の右に座っていた2人の騎士を見、それからルルーシュとスザクに目を向けた。
◆ ◆ ◆
ルルーシュとスザクに向かってコーネリアは声をかけた。
「お疲れ様、ルルーシュ、それに枢木もな。そう言えば紹介がまだだったな、私の選任騎士のギルフォードと、直属の部下であるダールトンだ。」
ここで紹介のあった2人がそれぞれ挨拶をする。
「お初にお目にかかります、ルルーシュ殿下、枢木スザク卿、アンドレアス・ダールトンと申します。お二人のお噂は
「同じくお初にお目にかかります、ギルバート・G・P・ギルフォードと申します。コーネリア皇女殿下の選任騎士を仰せつかっています。」
「ダールトン将軍というと、あのグラストンナイツを養育なさっているダールトン将軍ですか?自分は一度グラストンナイツを見る機会がありましたが、動きもいい、連携がきちんととれた良い部隊だと記憶しています。」
「まさか、ナイトオブラウンズに褒められるとは・・・。奴らも枢木卿の言葉を聞いたらさぞ喜ぶでしょう。」
スザクの反応にダールトンも少し照れたようで、しかし誇らしい顔をしていた。
「あなたが『帝国の先槍』か。それにしても姉上、よくこのような立派な騎士を見つけ出しましたね。俺はてっきり姉上のことだから、選任騎士など持たずナイトオブラウンズでも目指すのかと思ったのですが。」
「うるさいぞ、ルルーシュ。それに私とてラウンズになれればそれに越したことはないが、あいにくそこまでの突出した才能は私にはない。なら一軍を率いる将として大成してみせようと思ったのだ。それにラウンズになるのであれば、ルルーシュ、お前のほうが適任だろう。体力はからっきしだが、それ以外の分野であればラウンズに余裕で届く。父上もルルーシュがご自分の騎士となってくれると聞けば大いに喜んでくらっしゃるだろう。」
「失礼ながら、姫様、姫様でも十分ラウンズはお勤めできるのでは?ルルーシュ殿下はラウンズにもなれますが、いずれは我が国そのものを背負う重職にお就きになるでしょう。」
「そうは言うがな、ギルフォード、私以上に適任なのがお前の目の前にいる私の
最後の言葉を聞いてルルーシュはピタッと固まり、スザクは即座に明後日の方向を見て、これから準備しなきゃいけないのは・・・、などとあからさまに部外者の態度をとった。そこへあちゃーっと声がした。いきなりの声にギルフォードとダールトンが飛び上がった。
「バレてたのなら仕方ないか。よっ、コゥ!」
「お久しぶりです、ノネット先輩。それで、いつ入ってきたのです?」
「んー、ルルーシュがラウンズについて最前線に行くって言った時。ピッタリのタイミングで入ったのに、なんでバレた?」
「はぁ、先輩、部屋の前で3人が肩を寄せ合ってヒソヒソと話をしていればあからさまです。何か重要事項を直接私に言うのではないかと気を利かせた文官が私に教えてくれたのです。それにルルーシュがノネット先輩と密談という時点で、私には確信がありました。まったく、ルルーシュもルルーシュだ、小さいころからユフィとよく悪戯をしていただろう、私が気付かないとでも思っていたのか。」
「・・・あ、姉上、俺はノネットに提案をしただけであって、最初に悪戯を仕掛けよう、実行しようと言ったのはノネットです。それに、協力すると言わなければ何をされるかわからない。俺には選択肢がなかったんです。姉上もノネットに弄ばれた経験があるでしょうし、わかるでしょう?」
「ルルーシュ、それはあたしにひどくない?確かに全責任を負うとは言ったけど、お前もノリノリだったじゃん。それにスザク、お前はいつまで部外者のフリしてんの。」
「枢木もか・・・。順調にルルーシュに毒されているようだな。そのようだと、当分はユフィをお前と一緒にはしておけん。」
「なっ。お、お待ちください、コーネリア皇女殿下!ぼ、僕は止めようとしたんです、だけどルルーシュもノネットも参加しないと後が怖いぞって・・・。だから僕は一切悪くないんです!だから、どうか、ユフィに会えなくなるだけは!どうか!」
「スザク、責任転嫁はよくないぞ。俺は、確かに乗り掛かった舟だ、巻き込まれろとは言ったが、巻き込まれなければならないとは一言も言っていない。つまり、お前は自分の意志で参加したんだ。まぁ、ノネットが全責任を負ってくれると言ったから俺とお前は無罪だが。」
「ゆ・う・ざ・い、だ。ルルーシュ、枢木、後で覚えておけよ。」
「な、なんだと・・・。姉上、それではノネットはどうなるのですか!?」
「ノネット先輩はどうしようもない。だが、お前たちが別だ。」
コーネリアの答えにガックリと肩を落とし、茫然と立ち尽くすルルーシュ。スザクに至っては頭を抱えて、ユフィが、ユフィが、と呟きながらカタカタと震えていた。それを横目に眺めて少し満足したコーネリアはノネットへ向き直った。
「それで、先輩、兄上は何と仰っていました?」
「それがさー、E.U.の動きがどうにもおかしいって。つい先日までE.U.圏内で権力争いしてゴタゴタしてたはずなのに日本軍が東南アジアを占領したあたりからピタッとまとまって軍備を整え始めててさ。あと、中華連邦もたぶん日本と密約を交わしたんじゃないかって、動きが日本を追認する形になってるのが気になるって。」
「・・・確かに、ブリタニアと並ぶ超大国2つが同時に日本に有利な状況を作ろうとしてるのは気になります。下手をすれば、広大な戦線を大西洋にも向けて持たなければならない可能性はできるだけ排除したいですね。」
「そうなんだよなー、一応シュナイゼル殿下が内部工作を仕掛けてみるって言ってたけど、あまり期待しないほうがいいかもね。それに殿下としてはハワイをちゃっちゃと奪い返して日本を一時占領後、正当な政権を立てて撤退ってのが理想って言ってたし。」
「正当な政権?どういうことですか?」
「うーん、スザクには残酷な話になるけど、枢木ゲンブ首相が以前は日本国の実質的な指導者だっただろ?それが、なにが原因だったのかは知らないけど、軍部が暴走してキョウト六家とゲンブ首相がブリタニアに亡命しようとした事件あっただろ?」
「ありましたね、その時期に枢木が帝都に来たのでよく覚えています。」
「あのあと、ゲンブ首相はどうなったのか知らないけど、軍部が結局キョウト六家とゲンブ首相引き戻して、新たに、ス、ス、スラメギ?だか日本の象徴だかを軍部が担ぎ出してキョウト六家の政権ができた。それがシュナイゼル殿下曰く、当時の日本国憲法に違反する不当な政権交代なんだと。」
そこでダールトンが口を挟んだ。
「スメラギ、ですね。カグヤ・スメラギ。確か日本の皇帝一族最後の直系だったはずです。日本国が民主主義へと移行してから国の象徴として、国事行為を国民を代表して行う特別な一族だったかと。」
「そう、それだ!なるほど、言われてみればあくまで象徴のはずだったそのスメラギが政権のトップとして機能してるのはおかしいな。」
そこで、部屋の一か所が急に重たく冷たい雰囲気になる。その中心にはスザクが立っていた。
「・・・・・・・・軍部が反乱を起こしたんだ。もう少しでハワイに着くってところで、日本軍の船に補足されて、奴らに捕まった。キョウト六家の人たちは大人しく捕まったけど、父と僕は違った。父は暴れまくって、僕が逃げる機会を作ってくれた。それで、父に通じていた藤堂さんっていう軍人に縄を切り
「・・・そうか、スザク、お前、そういう
「そうだよ、ノネット。おそらく父はもう殺されてる。たぶん神楽耶たちキョウト六家は軟禁状態だと思う。僕は、僕は、・・・・・俺は日本をあいつらから取り戻す。そのためにブリタニア軍に入った。たとえ、戦争にならなくてもブリタニア軍で身に着けたことが、日本を軍部の支配から解放することに役立つと思うから。」
スザクの目には復讐の炎が静かに揺らいでいた。それを見て取ったコーネリアは、穏やかな口調でスザクを諫めた。
「枢木、お前の復讐への熱望は私にはわからない。だが、今はまだその復讐心は抑えろ。ハワイ奪還作戦が上手くいけば、確実にトウキョウへ攻め込むことになるだろう。そう長いことではない。それまでの辛抱だ。」
「・・・イェス、ユアハイネス。」
「ふぅ・・・。さて、我々もそろそろ準備をしなければ。そういえば、ルルーシュ。」
ようやく立ち直ったルルーシュがコーネリアに答える。
「なんです、姉上?」
「いつ、兄上に補給艦と、なんだ、秘密兵器?の借用を取り付けたんだ。そんな暇なかっただろう?」
「簡単ですよ、姉上。ノネットについでとばかりに頼んだんですよ。それにどちらにしろ、本作戦には補給艦隊が必須です。無断で持っていっても兄上なら笑って事後承認して下さいます。さすがに秘密兵器のほうは渋るでしょうがね。」
「あの兄上相手によくそこまでできるな・・・。私には絶対に無理だ。恐ろしくておくびにも出せん。まったく、どこまで計算しているんだ、お前は。」
「ふっ。できる限界までですよ。では姉上、ご武運を。」
「お前こそな、ルルーシュ。死ぬんじゃないぞ。ノネット先輩、それではまた。枢木もな。ギルフォード、すぐに直属を集めろ、ダールトン、部隊の編成は任せる。」
「「はっ。」」
颯爽と部屋から去っていく3人を見送りながらノネットが残ったルルーシュとスザクに向かって音頭をとる。
「んじゃま、あたしらも行くとするか!」
「あぁ。」
「うん。」
ノネットの姐さんの一人称がわからん・・・。やっぱり手元に資料がないのはつらい。4月になったら一通り揃えて、おかしいところあったら適宜修正だな。それまでの間は、コメントなどで指摘していただけるととても助かります。