不死者の王と害虫の王   作:仮面の人

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沢山のお気に入り登録ありがとうございます。まさかこんなに沢山の人に読んで頂けるなんて思いませんでした。これからは失踪しない様に書いていきたいと思います。

戸折巣狩さんからコメントを貰い、パンドラズ・アクターの台詞を変更しました。情報有り難うございます。


第2話

現在の時刻は0時5分、本来ならばサーバーダウンによりユグドラシルからの強制ログアウトが行われてる筈であった。しかし、モモンガとローチはログアウトしていなかった。

 

サーバーダウンが延期になったのか?いや、それなら運営から何かしらの形で発表される筈。なら、何かしらの要因によってユグドラシルが現実になった?そんなバカな!あり得ない、ならここはユグドラシルIIとか?訳がわからない。

 

モモンガは考えられる可能性全てを現在発生している異常と照らし合わせ原因を考えていく。

 

「これは一体何なんだ!」

 

モモンガの悲痛の叫びに応えられるのはローチだけであったが、ローチは現状把握に忙しく応えられなかったが、モモンガとローチ以外の声が玉座に響く。

 

「如何なさいましたか?モモンガ様、ローチ様?」

 

その声の主は先程まで玉座の前で頭を下げモモンガの指示に従い跪いていたアルベドであった。

 

「失礼いたします」

 

アルベドは立ち上がり、モモンガの側へと歩みを進める。

 

「何かございましたか?」

 

覗き込む様にしてモモンガの顔を見るアルベド。アルベドからは女性特有の香りがモモンガの鼻に届く。

 

「…………GMコールが効かない様だ(嗅覚が働いてる⁉︎アルベドが喋ってる⁉︎表情がある⁉︎あり得ない!NPCが勝手に動いて喋るなんてあり得ない!)」

 

モモンガは冷静さを感じさせる口調でアルベドに返答する、内心は動揺している。

 

「申し訳ありません、無知な私ではモモンガ様の問いであられる、GMコールなるものに付いてお答え出来ません。ですがこなアルベド、この失態を払拭する事が出来るのならそれに勝る喜びはありません。どうか御命令を」

 

アルベドの表情は、モモンガの期待に応えられなかったからか捨てられた仔犬の様な表情をしている。

 

「いや、アルベドが知らないのも無理はない。故に許そう。セバス」

 

「は!何なりと御命令を」

 

「大墳墓出て、周辺地理を確認せよ。もし仮に知的生命体がいた場合は交渉して交友的にここまで連れてこい。交渉の際は相手の条件をほぼ聞き入れても構わない。行動範囲は周辺1キロに限定。戦闘行為は極力避けろ」

 

「了解しました、モモンガ様。直ちに行動します」

 

セバス直ぐに立ち上がりセバス伸ばし、扉に向かい歩く。

 

「待て、プレアデスから一人だけ連れて行け。もしお前が戦闘に入った場合は即座に撤退させ、情報を持ち帰らせろ」

 

「了解しました。では誰を連れて行けば宜しいのでしょうか?」

 

「ふむ…………ソリュシャンが適材か」

 

ソリュシャン・イプシロン。プレアデスの内の一人。種族は不定形の粘液(ショゴス)である。彼女のビルドは暗殺向きであり情報を持ち帰るには持って来いの人材である。

 

「ソリュシャン、頼めるか?」

 

「勿論で御座います。至高の御方の御命令とあらばこのソリュシャンこの身を捧げる所存でございます」

 

「うむ、では行け。一時間後に帰って来い」

 

「「は!」」

 

セバスとソリュシャンは直ぐさま扉から玉座を出て情報収集に勤しむ。

 

「さて、第一関門はクリアしたと考えても良さそうだな。次は《伝言(メッセージ)》」

 

《ローチさん!ローチさん!起きてください!ローチさん!》

 

《は!す、すみませんモモンガさん。余りにも現実離れしていて意識がどっか行ってました》

 

《仕方ないですよ。僕だってアンデット特有の精神鎮静が発動していなかったら意識どっか行ってましたし》

 

《あぁ、だから視界に緑色のオーラが見えてたんですね。殆ど否定しながら見てましたけど》

 

《それより今は現状把握が一番です。セバスとソリュシャンにナザリックの外を偵察に出てって貰っているので後一時間で何が起こってるのか分かります》

 

《でしたら、階層守護者達を何処かに集めて私達の印象を聞くのは如何ですか?》

 

《やっぱり考える事は同じですか》

 

《一時間後に第六階層に集めましょう。序でにスキルとか魔法が発動出来るか実験するにはぴったりの場所ですし》

 

《そうしましょうか》

 

《あ、私は宝物殿に装備取ってきていいですか?もしかしたら外の敵が100Level以上だったら必要なので》

 

《げっ⁉︎ま、まぁ仕方ないですし構いませんよ》

 

《序でに指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)が正常に動作するかのテストも兼ねて。では》

 

ローチは指輪に意識を集中させ、宝物殿前に転移する。

 

「ふう、取り敢えず指輪は正常に動作するようですね」

 

《モモンガさん、指輪は正常に動作してますよ》

 

《わぁ!!か、確認ありがとうございます。で、では装備の回収頑張って下さい》

 

「何故あんなに焦っていたのでしょうモモンガさんは?」

 

実はこの時モモンガはアルベドの胸を揉んでいた為過剰に反応したのであった。

 

「さて、宝物殿に入りますか」

 

宝物殿に着くまでにあらゆる罠が仕掛けられている、その中で最も脅威を振りまくのがブラッド・オブ・ヨルムンガルドというアイテムで効果は猛毒を振りまくアイテムである。状態異常無効化のスキルを持たない者が此処に足を踏み入れると三歩で毒死する。ローチはとあるアイテムであらゆる状態異常に+50%耐性があるがこれでも宝物殿に辿り着く前に死ぬだろう。そのアイテムは世界級(ワールド)アイテムで名前が緊箍児(きんこんじ)。装備者のステータスを-50%する代わりにあらゆる状態異常に対する耐性を+50%する装備品である。処で話は変わるがテラフォーマーはLevel1で凄まじい速度を出せる、現実換算して一歩目から時速320㎞出せる。ローチはLevel100の祈る者。其処から-50%したとしても一歩目で時速500㎞出せる。つまり何が言いたいかと言うと、ローチは毒で死ぬ前に全速力で走れば毒の範囲から逃れられると言う事だ。

 

「やはりこの身体は凄まじい身体能力をしていますね。確か此処は………アインズ・ウール・ゴウンに栄光あれ」

 

ローチの言葉にはまだまだ余裕が残っていた。ローチが合言葉を言うと宝物殿の扉に英文が浮かび上がる。

 

『Ascendit a terra in coelum’ iterumqne descendit in terram' et recipit vim superiorum et inferiorum』と書かれていた。

 

「やっぱりタブラさんは凝り性ですね」

 

その声色は懐かしさと楽しさが混じっていた。

 

「かくて汝、全世界の栄光を我がものとし、暗きものは全て汝より離れ去るだろう」

 

パスワードを言い終わると扉の真ん中に黒い穴が表れ、扉が穴を中心に呑み込まれて消えていく。ローチは扉が完全に消えたのを確認してから宝物殿に入る。

 

「貴方様は至高の方々のお一人!ナザリックが誇る害虫の王、ローチ様ではありませんか!今日はどの様な御用件で?」

 

「私の装備品を全て回収に来ました。パンドラズ・アクター」

 

「畏まりました!直ぐに持って来ますので少々お時間を」

 

宝物殿の中でローチを待ってたのは顔は鼻などの隆起を完全に摩り下ろした、のっぺりとしたものだ。目と口に該当するところにはぽっかりとした穴が開いている。眼球も唇も歯も舌も何もない。子供がペンで塗りつぶしたような黒々とした穴のみ。ピンク色の卵を彷彿とさせる頭部はつるりと輝いており、産毛の一本も生えてない。服装は黄色の軍服に茶色のコートを片腕だけ通して羽織、頭に軍帽を被っている。

 

「ローチ様!此方に御用意しました!」

 

「感謝します、パンドラズ・アクター」

 

「いえ!至高の方に感謝される程の事ではありません!」

 

「私はそう思いません、ですから感謝しますよパンドラズ・アクター」

 

「勿体なき御言葉有り難うございます。ローチ様、その、私の創造主のモモンガ様は御元気でしょうか?」

 

「元気ですからそんなに心配しなくても大丈夫ですよ」

 

「御答えして頂き、有り難うございます!」

 

「ではこれで、これからモモンガさんと一緒に階層守護者達に逢いに行くので。後、モモンガさんに此処に来る様言っときますので存分にお話しして下さい」

 

「おおおお!!お気遣い感謝します!ローチ様!」

 

ローチは後ろ手に手を振りながら宝物殿を後にする。

 

《モモンガさん、装備品の回収は終わりました。私は如何すれば?》

 

《今、第六階層で守護者達が集まったのでなるべく早く来て下さい》

 

《了解しました、でしたらモモンガさんが合図を出して下さい。それに合わせて登場するので》

 

《割と無茶振りですね》

 

《モモンガさんなら出来ると信じてますので》

 

《ずるいですよ。そんな事言われたら断れないじゃないですか》

 

《期待してますよ》

 

《えぇ、期待して下さい》

 

二人はこの後少しの間笑いあった。

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