主人公のジンは最終試験会場に向かっていた
宙に浮きながら俺は天井を真直ぐ見つめていた。
周囲に居る人間は全員がノーマルスーツを着ていて、もちろん俺もだ。
俺の目の前にある窓にはモビルスーツが7機程置かれている。
俺の隣に座っている奴も、緊張している。
周囲いる人間も同じようで、緊張している事が良くわかる。
「ジン、緊張しないのか?」
俺の後ろに座っている親友のリュウもどこか緊張がうかがえる。
「別に…俺には関係ないし」
ここに居る人間はみんな国連軍に入隊する為にいる、最終試験は宇宙で実際にモビルスーツを動かす事だ。
と言っても俺は、もうすでに受かっているようなものなので試験のくそもない。
「いいよな…優秀な人間は」
「お前がただ単に、バカなだけだろ?」
「ガンダムとかいうモビルスーツを与えられるんだろ?」
「らしいな」
俺は既に入隊が決まっていて、配属は特務隊らしい。
卒業後に月のグラナダでガンダムアクセルを受ける予定になっている。
「特務隊配属予定者の5人は早く来い!」
ドアの奥から出てきた人は、俺達に向かって指示を出した。
俺を含めた5人は部屋を出ると、モビルスーツに乗り込んだ。
手慣れた手つきで俺は、モビルスーツを動かす。
『一番から順序良く出ていけ!』
通信機の奥から試験管が大きな声で叫ぶ。
俺は一番なので先にカタパルトデッキに乗る。
「行きます」
スキーの要領で俺は外に出ると、途中で止まり他の奴が出てくるのを待った。
5人が出るのを確認すると、試験官のモビルスーツが出てくる。
『一番から奥に見える的にペイント弾を当ててこい!モビルスーツに当たったペイント弾一つにつき一点減点だ』
俺は“Gコア”の機動を確認すると、試験宙域に向かっていく。
試験宙域に入ると、的に付いている銃からペイント弾が出てくる。
俺は弾を確実に回避すると、的に向かって銃を撃つ。
「1,2,3」
後ろに大きく移動すると、左にある的に向かって二発撃つ。
「4,5」
後的は5個であり、的に向かって機体を走らせる。
弾を避けて行きながら、的に弾が当たって行く。
すべての的に当たると、試験官が大きな声で指示を出す。
『試験終了!船に戻れ!』
「了解」
機体を船に向けると、俺は3年前の事を思い出していた。
3年前に俺達はこの世界に飛ばされた。
ここか何処かは分からないが、俺達の生きていた地球とは違った。
此処は西暦ではなくED歴と言って、モビルスーツが発展している。
俺達はこの世界で生きていく術が無く、俺達は仕方が無いように士官学校に入隊した。
ちなみにこの世界に来たのは俺を含めて200人ちょうどである。
すべての移転者がこのコロニーに居るわけではない。
半分は地球に居て、今まさに試験を受けているはずだ。
俺達は元の星に戻る事は出来るのかは分からない。
それでも戦うしかない。
生きていくために…
試験が無事終わると、俺はさっさと船を下りて学校に戻った。
しかし、その途中で俺は不運にもリュウに見つかってしまう。
「今から制服をもらいに行くだろ?」
「まあな…」
リュウは俺と同じく移転者だ、この世界に来て初めて会ったのがこいつだった。
別に悪い奴ではない、むしろ良い奴だろう。
しかし、今は少し機嫌が悪かった。
「まだ怒ってるのか?」
「当たり前だ」
実は試験が無事に終わったかと思うと、的の一つにエラーが見つかり実弾を放出したのだ。
俺は何とか攻撃を回避すると、ビームサーベルで的を切り裂いた。
後少し間違っていたら死んでいた。
「教官も誤ったんだし」
「そう言う問題じゃない!」
そうやり取りをしていると、服屋の前に俺達は立っていた。
俺達は既に遅れていたらしく、服屋の前には既に行列が出来ていた。
「これ全員今年の卒業者?」
「らしいな」
行列の最後に並ぶと、俺達は適当な雑談をして待っていた。
「赤いカードが特務隊の服だろ?」
「そうだけど…」
俺は手元に持っているカードを見つめている。
カードの色は赤色だ。
「黄色が普通兵だろ?青が通信兵で、緑が整備兵だったよな?」
「お前は今頃そんな事を確認してどうするんだ?」
ちなみにリュウは黄色のカードを持っている。
リュウは服屋の方をただ見つめている。
「だったらあいつは一般兵だろ?」
「…!!!」
服屋から出てきた女(?)は身長だけでも2メートルあり、横幅もとても大きい。
体重だけでも2キロはありそうだ。
「モビルスーツに入るのかな?」
「だから…一般兵になっているんだろけど」
怖い…
とっても怖い…
顔も化粧で埋め尽くしているのに、妖怪にも見える。
店の中に入ると、ちょっとずつ進んで行く。
「もうすぐで買えるな」
「長かったな」
「でもさ、そんなに早くに服を買える物なのか?一般兵ならともかく、特務隊は年に3人程度だろ?」
「確かそのはずだ」
「だったら…」
「簡単に言えば、服はすべてのサイズが全て整っている」
「なるほど」
そんな事を話していると、ようやく制服を買うことが出来る。
リュウが先にカードを出すと、奥の方から灰色の制服が出てくる。
俺も隣のカウンターでカードを出すと、奥の方から特務隊用の青色の制服が出てくる。
「あれって特務隊だろ?」
「じゃああいつが成績優秀のジン・ライゴウ?」
「ガンダムを託されるっていう」
周囲の人間はみんなしてこそこそ話している。
俺の存在は学校のみんなに届いているようだ。
俺は服を持つと、さっさと店を後にした。
「しかし、人気者だな?」
「面倒なだけだよ…」
寮への道を歩いていると、町にある大きな画面からニュースが流れる。
そこには地球の太平洋で、ベア軍との戦いが放送されていた。
国連軍が何とか勝利を得たらしい。
「結局さ…ベアって何?」
「お前は…」
ため息を吐きながら答えてやることにした。
「ベアはコンピューター名だ。そのスーパーコンピューターがこの世界を救うのに叩き出したのが、人類の半数を抹殺する事だった。それに賛成したのが、ベア軍だ」
「賛成したのって、世界にある国の半分だっけ?」
「ああ、だからこそ俺達は戦うんだろ?」
ちなみに国連軍に加担しているのは多くいて、連邦や連合もそれに入っている。
しかし、モビルスーツを開発しているのは、国連軍とベア軍だけだ。
リュウに戻ると俺はさっさと部屋に戻って、ベットにダイブした。
学校では卒業式の為に何人者人間が準備をしている。
俺はそれを横目に、特務隊の制服を着用している。
周囲の人間が、俺の方をちらちら見ているのが分かってしまう。
「俺が歩くだけで、ちょっとした騒ぎだな」
リュウも朝から呼び出されていて、俺は少し暇になっている。
自分の教室に向かうと、リュウが自分の席に座っていた。
「どうしたんだ?」
「疲れた…」
かなり参っているリュウもかなり珍しい。
教室の一人また一人と戻ってくる、その様子を窺っていると先生が教室に入って来た。
「作業が終わったものから、体育館に行け!」
俺はリュウを連れて体育館に移動すると、体育館ではすでに半数の生徒が座っている。
俺は自分の席に座ると、卒業式が始まるのを待った。
そして、卒業式が始まった。
最後に全校生徒での校歌を歌うと、無事俺達は卒業していく。
体育館を出ると、自由解散になった。
「じゃあな!」
「またどこかで」
会えるか分からないが、少なくともリュウが配属する隊は安全なはずだ。
俺は学校の校門に急ぐと、学校の前で兵が1人待っていた。
「港まで案内いたします!」
車に乗ると、港に移動していく。
船に乗ると、船は月に向かって移動していく。
窓に写っている宇宙はどこか俺を安心させる。
宇宙の向こうで少し輝くと、それが戦禍だと気づくのは少し後になってからだ。
「懐かしいと感じるのは、なんでだろう…」
この世界に来るまでは、俺は宇宙に来たことが無い。
俺の世界には宇宙に上がる技術はあっても、生活することは無い。
「懐かしい…か」
窓の向こうに月面基地である、グラナダが見えてきた。
船の中に居る人間はみんな軍人だ。
そのほとんどが、士官であることが分かる。
「ガンダム…」
手元にある資料にはアクセルガンダムと書かれていた。
アクセルガンダムは、エンジンである“Gコア”を使った最新鋭機である。
“Gコア”は地球圏内で、見つかった石からエネルギーが放出されていたを切っ掛けで、見つかったエンジンだ。
エネルギーは永遠であるが、それだけに扱いが難しい石だ。
量産機はエネルギーの7割が抑えられている。
このアクセルガンダムは、エネルギーの7割を使う事が出来る。
その反面、通常の兵が使うのは難しい。
「もうすぐか」
グラナダはもうすぐだ。
グラナダに着くと、開発局に移動する。
開発局に入ると、眼鏡を掛けた美女が走ってきた。
「ジン!久しぶりね?」
「お久しぶりです!メアリーさん」
この人はメアリーであり、アクセルガンダムを作った本人だ。
そしてガンダムパイロットに俺を選抜した本人。
「こっちよ」
メアリーさんの後に付いて行くと、大きな格納庫にたどり着いた。
明かりが付くと、そこにはガンダムフェイスと言われている機体が出てくる。
機体の色は胴体は青と白で出来ていて、背中のバックパックも青で出来ている。
バックパックは加速の為に羽が付いており、展開するときは二枚羽になるはずだ。
右手にビームライフルが、左手には盾がついている。
「これをあなたにあげる」
ノーマルスーツを着ると、ガンダムのコックピットに乗り込む。
機体を起動すると、天井が開いて行く。
「アクセルガンダム!ジン!行きます!」
アクセルガンダムのアクセルを踏むと、俺は戦場に向かっていく。