みんな俺です。
「刃鬼ちゅうぁ〜ん、ママ久しぶりにお休み貰えたから一緒に遊ぼぉ〜」
この鬱陶しいのが母です、今日は俺が個人的に決めた人格矯正の日だからシカトを決め込む。
産まれてからすぐに情報収集を開始して分かったことが二つ。
ここはとあるの世界だったということ。
「刃鬼ちゃん、おいでギューしてあげる」
俺の家がメイドやら豪華な裏庭やらを普通に所持してる程度の世界的な富豪だったということ。
このメイドさんの存在は非常に役に立った、メイドさん同士の世間話はイイ情報源になったし、なにより目の保養になる。
うん、ナイスおっぱい。
こんな死亡フラグ満載の世界に転生させるとは、神様もといファッキン悪魔野郎は、よっぽど俺を苦痛のどん底に叩き込みたいらしい。
「なんだぁ〜照れてるのか〜コノコノ〜」
ひとまず両足で立てるようになった生後6ヶ月頃から魂さんの記憶を元に修行を開始した。
前にも述べた通り物凄い量と質だった。
近代格闘技の粋から果てには琉球王国の秘伝まで、おそらくこの世の全ての格闘技術がそこにあった。
「あれ?いつもの冷めた目は?」
そしてなにより驚いたのは、その技術体系を6ヶ月でマスターしてしまった自分だ、しかしマスターと言っても対人経験なしでひたすらシャドーを繰り返していただけなので、そこは心配だが、それでもお釣りがくるほどの技術量だ。
いくらとある世界でも余程強いやつが来ない限り大丈夫だろう。
「お〜いなんの反応もないと寂しいゾ〜☆」
そしてそれに準じて身体も恐ろしいまでの発展を遂げている。
身長100cm
体重40キロ
ベンチプレス最大270キロ
100mを裸足で11秒フラット
チンパンジー並みの能力である。
念のために言っておくが、この記録は一歳児のものである。
な、何を言ってるか分からねーとおもうが俺も分からねー。
勿論あの変態共(両親)には内緒にしている…ってかこんなこと言っても誰も信じちゃくれねェッて。
「ノォックしてもォしもォ〜し」
さて俺が高校生になるまで後14年も残ってるわけだが正直暇すぎる。
後俺に足りないのは実戦経験とコネクション位だろうか、純粋な身体能力に関しても確かに一歳児にしては化け物クラスだがまだ心許ない、とは言ってもこればかりは時間をかけて変えていかなければ仕方がないだろう。
実戦経験とコネクションはどうしようか…うーん、いや案はあるんだが……まぁ物は試しだ聞いてみるだけ聞いてみよう。
「お母さん寂s「母さん俺傭兵になりたい」やっと反応してくrファ!?」
「で、でも傭兵って大変なお仕事だよ〜…危ないしぃ〜…」
さっきまでの表情から一転その端正な顔を焦りに染めた母さん。
こういう時は大体認めてくれないんだが
「ダメぇ……?」
世の中にはなににも抜け道というものが存在する。
必殺の涙目上目遣いである。
「うっ……」
一瞬たじろぐ母さん。
ここで畳み掛けるが吉!!
「ダメっていったら母さんのこと嫌いになるからっ!」
プイッと可愛らしく顔を背けることも忘れない。
「あばばばばば!!くぁwせdrftgyふじこlp」
白目をむいてガタガタ震えだす母親、こう改めて見てみるとくっそ気持ち悪いな。
早く折れろ、こんなこと自分でやってても気持ち悪い。
「わわわ分かったは、ひひひとまずパパと話し合いましょう、ね?ね?」
流し目でチラリと母さんの顔を見る。
一瞬母さんの表情がパァッと明るくなる。
それを確認してすぐにパッと顔を逸らす。
「!?分かったわ!!母さん刃鬼の味方をしてあげるわ!!」
落とし所としては十分だろうか。
「母さんだいすきー(棒)」
「ふへへへ母さんも刃鬼のこと好きー」
ちょろい(確信)
後はこの要領で父さんをおとすだけだ。
我が野望の実現も近い!
「話は聞かせてもらったぞッッ!」
そういって傍らに設置してあったさプラスチック製の馬が弾け、中から
父親が四つん這いで飛び出す。
これじゃあまるで夜這いだッ!
「オォン!息子の冷たい目が最ッ!高ォ!に気持ちいいッ!!」
最高に気持ち悪いです、父さん。
母さんもお願いだからその手があったかってメモし出すのやめて下さい。
「そうと決まれば家族会議開始だッッ!!」
長い戦いが幕を開けた。
〜〜〜〜〜〜〜
「まぁ座れ」
父さんはポンポンと自分の膝を叩くが、勿論無視して向かいの席に腰下ろす。
「息子よ、何故傭兵になりたい?」
「…強くなりたい」
「なぜ強くなりたい?」
勿論自衛のためですよ。
「そんなの当たり前じゃん、……世界最強の雄になるためだッ!」
あれ?口が勝手に?
「この世に漢として生を受けたからにはッ!譲れぬものがあるッ!!」
身体が燃えるように熱い。
まるで、あの悪魔に魂を無理やり飲み込まされた時みたいだ。
てか十中八九あの魂が原因だろ、これ?
きっとオーバーソウル的なサムシングに違いない。
「うぬ、それが世界最強ってわけか…」
父さんは腕を組み、静かに目を閉じる。
「よし認めよう。だがこちらからも条件だ、傭兵になるのは小学校卒業からそれと毎日パパにおはようのチューだ」
ガタッ!?
母さん落ち着いて。
てかしれっと気持ち悪い条件追加すんなや糞親父、絶対嫌だからな。
「刃鬼ちゃんがチューを許してくれるわけないzy「小学校入学からにするならば、おやすみのチューも追加だ」ファッ!?」
おいコラ
これは俺の本意じゃない!!魂が!!勝手に!!
「うぬぬ、ではチューは3回ずつだ」
「よかろう交渉成立だな」
「あばばばばば」
こ れ は ひ ど い
「異議あり!!異議ありなんだよ!!」
手をブンブン振り回して母さんが叫んだ。
まさか母さん俺を助けてくれるのか?
これまで戯れに母さんを無視してみたり、メイド達に根も葉もないアホみたいな噂を流しまくったり散々酷い扱いをしてきたのに、それでもなお親子としての責務を果たそうとしてるのか!?
俺これからの母さんとの接し方を考え直そうと思う。
「私へのキスも追加で!!」
あの程度じゃ足りなかったのだ、これからはもっと本気で迫害しにいこう。
「まぁ良かろう、減るものではないしな」
減る減らないじゃねぇんだよアホか!!
もうどうにでもなーれ。
「……フッフッフッ…パパ?確かパパはチューでいいんだよね?」
「えっお前なにいってるんだ、それ以外ないだろ……ッッ!?お前まさかッ!!」
「そう私はしっかりキスといったわ」
「き、貴様ァ!!」
「フッフッフッ…恨むなら自分の浅はかさを恨むことね」
もういいや、いつのまにか身体の熱さを引いてオーバーソウルま終わったから、俺もう今日は休む、うん、そうしよう。
「じゃあ、おやすみなさい」
ドアに手をかけた、その時。
「待つんだ刃鬼」
「んん、ん?」
「なにか忘れてないか?」
くっそ後少しでバックれられたのにッ!!
「ほらおいで、パパとチューをしよう」
ヴォエ‼︎(嘔吐)
言いたいことは色々あるが、ひとつだけ、柔らかかったとだけいっておく。
〜〜〜〜〜〜〜
さきほどまで家族会議が行われていた部屋。
あの喧騒が嘘のように、我が物顔の静けさの中に浮かぶ、寄り添いあった二人の男女。
「あの子はこれからもっと大きくなる」
「ひょうね(そうね)」
「このシリアスな状況でふざけるのは、どうかと思うんだよ」
「ひや、ばきひゃんにひたかまれひやって(いや、刃鬼ちゃんに舌噛まれちゃって)」
決してふざけてるわけではない。
何を隠そう、この女さっきのキスの時、キスだけでは飽き足らず舌を入れようと試みたところ案の定刃鬼に舌を強めに噛まれたのであった。
「うぬ、なら仕方ないね」
さっきから冷静な顔をしてるが、唇をパンッパンッに腫らしている。
この男もこの男でキスの時腹いせとばかりに刃鬼に思いっきり吸われたのであった。
「まだ一歳の子が傭兵になりたいだなんていうか?普通」
半分面白がってるような優しい顔でそういった。
「まっ!約束しちゃったんだ、僕達は僕達にできることをしっかりやろう」
パンと手を叩く。
「お呼びでしょうか鋭一様」
最初からそこにいたような錯覚さえ覚える程の迅速な対応であった。
「栗谷川、来週の予定を空けといてくれイギリスの旧友に会いに行く」
「了解致しました」
そうとだけ言った後栗谷川と呼ばれた男性は軽く一礼をしその部屋を後にした。
「世話のかかる息子だよ、まったく」
「ばきひゃんはかくひてるつもひみたいひゃけひょ、みんなにないひょでとっくんひてるみたいひゃしね(刃鬼ちゃんは隠してるつもりだろうけど、みんなに内緒で特訓してるみたいだしね)」
「えっ!?マジ??」
「まひゃかひらないなんてことないとおもふけひょ(まさか知らないなんてことないと思うけど)」
「…あ、あ〜あれねあれね、ハイハイハイいや、でもあっちかな〜?どっちかな〜?ま、まぁ確認のために一応どんなことやってるか聞こうかなぁ〜…」
「ひや、ひゃっひゃりいまのはひかなかったひょとしにて(いや、やっぱり今のは聞かなかったことにして)」
そういって席を立つ江珠。
「まっ、待ってよ!」
それを追うように急いで席を立つ鋭一。
「ひや〜こんひゃはひゅっしゅりねむへほー(いや〜今夜はぐっすり眠れそうー)」
「僕はこのままじゃ寝れないよぉぉお!!」
夜の屋敷の中に彼の声が響いた。
文章力はパロディでカバーだぜ