史上最強の弟子の相棒   作:アフィーと

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短いですごめんなさい


第1話 梁山泊

 兼一達に誘われるまま二人が案内する方向へと足を進める。

 

「へー、じゃあ風林寺さん家は道場をやっているんだ」

「ええ。と言っても門下生は兼一さんただ一人ですけど」

 

 どうやらこれから行く場所は風林寺さんの実家で、なんでも武術の道場を経営しているらしい。

 ただ門下生が兼一のみって運営は大丈夫なんだろうか……。

 

「そうなのか。でも何で兼一は武術を? 失礼だけど、とても武術をやりますっていう風には見えないぞ」

「…………」

「あぁ! 兼一さん元気だして下さいまし」

 

 オレの一言で何やらショックを受けてしまったらしく、その場に座り込みイジイジといじける兼一。

 

「どうせボクには才能がありませんよーだ……。どうせ万年白帯ですよ……」

「悪かったって、んで何でさ?」

「それはボクの平和な学園生活のためというか自分の信念を貫くためというか……」

 

 顔を青くしたり、ちらちら風林寺さんの方を見て赤くなったりしている兼一。

 

「色々大変なんだな」

「キミもそう思う? ボクは平和に暮らしたいんだけど、周りがねぇ……」

 

 しみじみと呟き遠い目をする。

 

「本当に大変そうだな」

 

 その話を皮切りに次々と愚痴り始める兼一、結局それは道場に着くまで続いた。

 

「着きましたわ、ここですの」

 

 やっとこれで開放されるかと思うと心がすっと軽くなる。

 

「梁山泊?」

 

 少し古びた、用はボロボロの門の上に梁山泊(りょうざんぱく)と書かれた大きい板がかけられている。梁山泊……何かどっかで聞いたような……。

 

「ええ。ここが私達の家、梁山泊ですわ」

「えーと凄く広いね、あととても味のある感じの佇まいだね」

「正直に言って良いんですのよ……ただボロいだけですわ」

「あはは……」

 

 風林寺さんの言葉に思わず乾いた笑みがこぼれる。

 

「えと、とりあえず入ろうか」

「そうですわね」

 

 二人の言葉に頷き、敷地内に入る。兼一が門を開く際に苦しそうに開けていたがそんなに重い門なのか?

 中に入ったら、二人がオレの方に向き直り

 

「「ようこそ、梁山泊へ」」

 

 そう言って迎えてくれた。

 

 

 

 

 

 そのまま居間に通され待たされている。二人は着替えるために別室に行ってしまった。

 手持ち無沙汰になりどうしようか考えていると、居間の入り口から二人の人影がこちらを見ていた。門下生はいないって言ってたし此処の住人かな? 

 

「あ、こんにちわ。初めまして、オレ風林寺さんと兼一のクラスメイトの不破翔馬と言います」

 

 無視するのも失礼だと思い、人影に向き直り挨拶をする。すると一瞬ビクっと反応した後で隠れていた人たちがこちらにやって来る。

 

「くせものじゃな…い?」

「アパ! くせものじゃないよ」

 

 出てきたのは、長い黒髪をリボンで結い丈の短い着物を着て、その下に太股まであるタイツのみという何とも悩殺的なスタイル抜群のお姉さんと、短髪にハチマキをしてタンクトップにボクサーパンツという格好の二メートルはゆうに超える大男だった。

 

「えっと、くせもの?」

「…(こくり)」

「アパ! とんがり耳のくせものよ」

 

 えーと、もしかして新島のことかな? やっぱりオレ以外の人もアイツは怪しいって認識なんだな。

 

「お待たせしましたですわ――あら? しぐれさん、アパチャイさん。お二人ともここで何をしているんですの?」

 

 着替え終わったのか手にお盆を持った風林寺さんとその後ろから兼一が部屋に入ってきた。

 

「べつ…に」

「くせものを捕まえに来ただけよ」

「お二人ともこの人は新島とは違いますから」

「つか兼一、ここでは新島はくせもの扱いなのか?」

「ん? 新島だし別に良いんじゃない?」 

 

 新島の扱い酷いな、まぁ宇宙人だし良いのかな……。

 

「はい、どうぞですわ」

「お、ありがとう。いただきます」

 

 そんなことを考えていると、横からスッとお茶の入った湯飲みとお茶菓子のどら焼きを渡される。ついでに疑問だったことを聞いてみる。

 

「えと気になってたんだけど、この人達は誰? 家族……ではないだろうし、兼一しか弟子っていないんでしょ?」

 

 着物の女性の方はまだ家族って言われても信じられるが、大男の方は明らかに日本人ではないだろう。

 

「えとそうですわね、単刀直入に言うと兼一さんの師匠の方々ですわ」

「えっお前の師匠って二人もいるの!?」

「えーと正確には五人かな……」

 

 あはは、と笑いながら答える兼一。

 

「はぁ!? 五人ってそれでモノになるのか?」

「師匠曰く、してみせると……」

「ホント、色々凄いなお前って」

 

 関心半分呆れ半分といった感じで言うと、また居間に誰か入ってくる。

 

「おや、お客さんかね?」

「あっ岬越寺(こうえつじ)師匠!」

 

 今度の人は着物に袴姿の口ひげが特徴のダンディーという言葉を体言したような痩せ型の男だ。

 

「お邪魔してます。二人のクラスメイトの不破翔馬と言います」

「不破? 失礼だが、お父さんの名前は?」

「え? あっはい。父の名前は遼一(りょういち)ですが……」

 

 オレがそう答えると、岬越寺さんはそうか……と呟き何かを考え込んでいる。

 

「あの、父が何か?」

「いや、私は君のお父さんとは古い友人でね。君にも小さい頃に会っているんだよ」

「そうなんですか、すいません覚えてないです……」

「覚えてないのも無理はない、なんせ君がまだ物心つく前だったからね」

 

 どうやらこの人は父さんの知り合いらしい、オレにも会っているとのことだがそんな小さい頃のことなんて殆ど覚えていない。

 

「ご両親のことは災難だったね……。私も親友だった男を失くして残念だよ」

「いえ父も母もそう言ってもらえて喜んでると思います」

「…………」

 

 オレがそう言うと岬越寺は何ともいえない表情になった。

 

「あの、もしかして岬越寺さんは両親の事件の事情を何か知っているんじゃないですか?」

「……いや、私も事故としか聞いていないんだ。すまない」

「……そうですか、いえありがとうございました」

 

 岬越時さんは口ひげに手を当ててそう答える。

 

「そうですわ、不破さんも武術を何かやっていらっしゃいますの?」

 

 重くなった空気を変えるように聞いてくる風林寺さん。

 

「翔馬でいいよ。うーん父さんの影響で剣術を少しかな」

「でわ私のことも美羽と呼んでくださいまし、剣術ですか……でしたら兼一さんと少し組み手していってはどうですか?」

「え、ボクッ!?」

 

 予想もしない一言で跳ね上がるように驚く兼一、内心オレも驚いているんだが……。

 

「ふむ、良いかもしれないねぇ。兼一君も我々の修行だけだとつまらないだろう?」

「で、でも翔馬君は剣だし上手く行きっこないですよ~」

「そうだな、オレも素手の人とやったことはないし、お互いに怪我しちゃいますよ」

「そんなものやってみなければわからない! 翔馬君も初めてなのだろう? きっと今後に役立つはずさ!」

 

 オレ達は反対の意を唱えるが、そんなことは関係ないとばかりにカッ!という擬音とともにそう言い切った岬越寺さんの一言で半ば強引に決まってしまった。

 

「何でだろう、オレってお茶をご馳走になるために来たような……」

「諦めよう翔馬君、こうなったらもうこの人は止められないよ……」

 

 何かを悟ったような表情の兼一がそう語りかけてくる、その言葉で観念したオレは横でうな垂れている兼一とともに皆の後を追い道場へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




早く原作に入りたい……
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