史上最強の弟子の相棒   作:アフィーと

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休日の方が平日より忙しいって何なんでしょうね……
執筆時間が殆どありませんでした。


第4話 長老襲来

 

 その日の梁山泊は何かが違った、何がというと上手く言えないが何と言うか胸騒ぎがした。

 

「次、これ…ね」

「はい!」

 

 今日も学校が終わってからそのまま梁山泊に行き、しぐれさんから指導を受けている。

 今やっているのは、クナイを用いた手裏剣術だ。これが中々難しい……まず真っ直ぐに飛ばないのだ。投げると弧の小さい放物線を描いて飛ぶのだが、目標に届くまでに失速し目標前に落ちてしまう。

 

「うーん、しぐれさんみたいにいかないなぁ」

「焦らな…い、少しずつ…だけど良くなって…る」

 

 最初は剣術を習うために弟子入りしたのだが、最近はこういった物の他にも鎖鎌や槍、トンファーなども習った。ただメインは剣術なので気分転換のお遊びみたいなものだ。

 続けていると、どうも居間の方が騒がしい……何かあったんだろうか。

 

「……じじいが…帰ってき…た」

「え?」

 

 いきなりそんなことを言いだした。

 

「一度、戻る…ぞ」

 

 そう言うと歩き出してしまうしぐれさん。

 

「えっ、ちょっと!? しぐれさん!」

 

 言うが早いかそのまま居間に向かって行ってしまう、あわててそれについて行く。

 

 

 ☆

 

 

 居間に着くといつもの見慣れた人たちの中に一際目立つ髭の長い白髪の大きいお爺さんが座っていた。さっき言っていたじじいというのは、たぶんこの人のことなんだろう。

 

「おお! しぐれや、今戻ったぞ」

「…………(こく)」

「いやぁ、今回の旅も実りは多かったのぅ」

「…………(こく)」

 

 何かお爺さんが一方的に喋っているだけの様に見える、果たしてあれでコミュニケーションが取れているのか……。

 

「おう翔馬! 修行お疲れさん、どうだった?」

 

 お爺さんが持ち帰ったお土産らしき物から酒瓶を取り出した逆鬼さんが、こちらに気づいたのか近づいてきた。

 

「どうもです、全然命中しませんでしたよ。ところであちら方は……」

「ん? あぁ、美羽の爺さんだ」

「美羽ちゃんの?」

「あぁ、似てねぇだろ?」

「そんなことないですよ」

 

 口ではそう言うが正直あんまり似てない……、いや前髪の感じとかはそっくりだな。

 

「ちょっと挨拶してきますね」

「律儀なやつだなぁ無視しとけ無視しとけ、ガハハ!」

 

 この人は……、早くも酔っ払ったのか上機嫌にそう言い放つ。

 酔っ払いは放って置いてお爺さんの元に向かう。

 

「あの、初めまして新しくここでしぐれさんに剣術を教わっている不破翔馬と言います」

 

 そう言って頭を下げる。 

 

「ほっほっ最近の若者にしては感心じゃな……ふむ君が翔馬君か、今しぐれから聞いておったところじゃよ」

「…(こくり)」

 

 驚いた……あれでちゃんと会話が成立していたのか。

 

「そうなんですか? しぐれさん何言ったんですか?」

「ひみ…つ」

 

 どうやら教えてくれる気はない様だ。少し気になるが、まぁ変なことはたぶん言っていないだろう。

 

「ほっほっ、まぁ良いじゃないか……。おほんっわしは風林寺隼人(ふうりんじ はやと)そこにおる美羽の祖父じゃ、まぁ何の変哲もない只のじじいじゃな、一部を除き(みな)からは長老と呼ばれておる」

 

 どう考えても只のお爺さんには見えないが……。

 

「じゃあオレも長老って呼びますね」

「ほっほっ好きに呼びなさい」

 

 しゃべり方から優しい人だと思ったが、その通りくだけた感じの人だ。

 

「時に翔馬君。君は今、家からこの梁山泊に通っているそうじゃな?」

「あ、はい。近くのアパートに住んでますね」

「ふむ。しぐれからも提案があったのじゃが内弟子というものに興味はないかね?」

「内弟子?」

 

 内弟子って何だろう……、普通の弟子と違うのか?

 すると横から話を聞いていたのか、岬越寺さんが入ってくる。

 

「内弟子というのはだね、簡単に言うと道場などに住み込みで修行する弟子のことさ、用は一日中武術のために時間を割けるということだよ」

「はぁ、なるほど。じゃあ兼一のことですね?」

「そうだね」

「内弟子ですか……」

 

 既に兼一は梁山泊に住み込み、朝から晩まで武術漬けの毎日を送っている。

 あいつには何か信念がある様なので強くなるためにはそれも良いだろう、だがオレはどうだ? 剣士として一人前にはなりたい。もちろん一朝一夕で一人前になれるとは思わない、それこそ途方もない時間がかかるだろう。だがそこまで急いで強くなる必要もない、心苦しいがここは……

 

「すいませんが、今は……」

「そうか……」

 

 残念そうに肩を落とす長老、横でしぐれさんも心なしかシュンとしているような気がする。

 何だろう、罪悪感が襲い掛かってくる。

 そんな風に罪悪感に苛まれていると、また岬越寺さんが語りかけてくる。

 

「……翔馬君、私は君に内弟子になって欲しい。強引に入門させるつもりなどないが、出来ることなら入って欲しい」

「……何故ですか?」 

「それは……今は言えない」

 

 苦虫を噛み潰したように顔を顰める、どうやら何かワケがあるらしい。

 

「今は、ということはいつか話してくれるんですね?」

「ああ、時がきたら必ず話そう」

 

 ふむ、あの岬越寺さんがそこまで言うんだ必ず話してくれるだろう。そしてそこまで内弟子になって欲しいのにもそれ相応の理由があるのだろう、オレに強くなって欲しいのだろうか……。

 

「わかりました。そこまで言って下さるならこれからよろしくお願いします」

「うむ、よく言った」

「すまない翔馬君」

「大丈夫ですよ、オレ梁山泊(ここ)のことは好きですし」 

 

 岬越寺さんが申し訳なさそうに謝ってくるが、さして気にしていないのも本当だ。

 確かに今まで以上に修行は辛いだろうがその分強くなれるのだ……それに岬越寺さんの言っていた話せない理由のこともある。正直こちらの方が重要だ。

 

「それでは、翔馬君。今日よりお主を梁山泊の正式な弟子とする」

「はい!」

 

 長老が神妙な雰囲気でそう告げる。

 

「そういえばオレはこのまましぐれさんの弟子ってことで良いんですか? それとも兼一みたいに梁山泊全員の弟子になるんですか?」

「うむ、どうしようかの秋雨君?」

「そうですね。基本は彼女に任せる形で私は良いと思いますよ、必要とあらばその都度指導すれば良いですし」

「そうじゃのう」

「ただ、基礎体力面でやや不安なのでそこは兼一君と一緒に修行させようと思いますが」

「うむ。まぁ結局いつもの成り行き任せで何とかなるじゃろう」

「えぇ」

 

 何やら途中から不穏当な会話が聞こえてきた、本当にこの人たちに任せて良いのだろうか……しぐれさんが主体とはいえ不安になってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




まだまだオリ技募集していますのでよろしくお願いします。
別に感想などもあったらお気軽にどうぞ。作者の力になります(笑)
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