SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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第1話 [八幡の能力?]

-----健全なる“魂”は

 

健全なる“精神”と健全なる“肉体”に宿る-------。

 

ならばノットの時代から一人で行動したからこそ身に付いた健全なる鋼のような精神を持ち。誰にも頼らなくても生きていけるように日々鍛えて精進して身に付けた肉体を持っている俺は健全なる魂と言えるのではないだろうか?

 

パートナーとウキウキアハハなリア充野郎共は不健全な精神を持っている。と言えるのではないだろうか?

 

つまり何が言いたいのかといえば悪人の魂(鬼神の卵)を回収し鬼神復活の阻止にかこつけてるリア充共砕け散れ!

 

「何故呼び出されたか分かるか?」

 

「.......」

 

俺の目の前には死神武器職人専門学校、通称死武専の講師をしているシド先生が俺を睨んでいる。

 

「どうした?無視をするなら仕方がない、貴様には後でシュタイン先生と一騎討ちで居残りをしてもらおう」

 

なん....だと?死武専広しと言えどシュタイン先生の名前が上がれば皆俺と同じ反応を示すこと間違いないだろう。ただシュタイン先生の存在は一部の先生と俺しか知らない。と思う。もしかしたら死神であるキッドは知ってるかもしれないが。キッドと言うのは死神様の実の子供らしい。

 

あの人はやばい、何がヤバイって人間を普通に人体実験の道具にする時点でやばい。

 

先生がそんなことするはずないって?あの人に会ってから言ってもらいたいものだ。

 

「まっ。俺は一度のミスは許す男だからな」

 

「すいません、直ぐに書き直すのでそれだけは勘弁してください」

 

誠心誠意を込めて頭を下げる。

 

ん?プライド?プライドより命の方が大事だ。

 

「良い答えだ。ところでだが比企谷、お前は誰かパートナーを見つける気はないのか?」

 

「ないです」

 

「何故だ?お前の成績なら誰か良いパートナーが見つかると思うが」

 

シド先生は腕組をしながら俺に聞いてくる。親身になってくれるのはありがたいがそもそも俺が死武専に入った理由は別にデスサイズになりたいからではない。

 

「シド先生。俺は別にこの学校にデスサイズになりたくて入ったわけではありません。単純に俺が武器だったのと将来の夢の為です」

 

「将来の夢?それこそ武器ならデスサイズになるじゃないのか?」

 

普通死武専に入学した奴の大半はそうなのだろう。だが俺はその大半になるつもりはない。

 

「俺の夢は専業主夫ですから」

 

「ぶっ!」

 

盛大に吹かれてしまった。ちょっと傷つくがこの程度でめげる俺ではない。

 

俺は無言の圧力をかけながらシド先生を睨む。

 

「わ、悪かった。だからその目で睨むな」

 

散々腐ってると言われてきたがそこまで酷いのだろうか.....。

 

「それではそろそろ教室に戻っても良いですか?」

 

「ああ、明日までに書き直して提出するんだぞ」

 

シド先生に言われなければ期限を言われなかったのでと言ってはぐらかそうと思っていたが俺の思惑は見破られてしまった。

 

「.....分かりました」

 

「あ、比企谷」

 

出ようと扉に手をかけた所でシド先生に呼び止められる。

 

「なんですか?」

 

「ソウル=イーターとブラック☆スターを呼んできてくれ」

 

「俺と同じ内容ですか?」

 

「いや。テストで赤点を取って補習をサボったからだ」

 

またか、と思いながら俺は教室に戻った。

 

 

教室の扉を開けると件のブラック☆スターが凄い勢いで俺の目の前まで走ってきた。

 

「よう、八幡!お前なに呼び出しされてたんだ?この俺様より目立ってんじゃねーよ!!今から勝負だ!表に出ろー!!」

 

そう言いながら指を外に向けるブラック☆スター、相変わらずせわしない。

 

「別に。ただこの間の授業の時に提出した感想文あっただろ?あれの再提出を言われたんだよ」

 

「へえー。八幡君て頭良いのに意外だね、どんな感想文書いたの?」

 

俺に話しかけてきたのはマカ=アルバーンでこのクラスで2番目に成績が良い優等生だ。俺?俺は3番目だ。

 

「頭良いって自分より頭良い奴に普通使わないか?」

 

「別に良いでしょそんなこと。頭良いのは変わらないんだし」

 

そう言って笑顔を見せてくるマカとはノット時代からの付き合いだ。

 

「私から見たらマカちゃんもハチ君も頭良いと思うけどね」

 

「椿ちゃんだってクラスで4番目なんだから変わらないと思うよ?」

 

「毎回思うがハチ君ておかしくない?」

 

今話しかけてきたのはブラック☆スターのパートナーの中務椿。武器として非常に優秀な多変型高性能魔武器だ。なんと一人で5種類もの武器になれる。非常に優秀なのだがブラック☆スターの性格のせいで鬼神の卵と化した魂の回収が未だに一つも出来ていない可哀想な子なのである。

 

「おかしくないと思うけど....マカちゃん変かな?」

 

「え?別に変じゃないと思うけど」

 

「まぁいいよ....」

 

何故ハチ君と呼ばれてるのかは少し前に起きた事件のせいなのだがいまはいいだろう。

 

「よっと。八幡、ブラック☆スターとやる前にこの前の決着を俺と着けようぜ」

 

マカのパートナーのソウル=イーターが話しかけてきた。

 

ソウルとは何故か初めて合ったときから同じ武器同士だからか折り合いが良く俺の初めての友達と呼べる人物だ。

 

因みに勝負は全て俺が勝っている。

 

「このあと家に帰って飯作って録画しておいたプリキュア見るから無理。それよりシド先生が呼んでたぞ」

 

「げっ」

 

ブラック☆スターは忍び足でこの場を去ろうとする。だが残念ながらその方角は詰んでるぞ。

 

ブラック☆スターは少しずつ下がっていき誰かにぶつかり後ろを振り返る。

 

「ブラック☆スターどこにいく気だ?」

 

「ひぃぃぃいい!!つ、椿!アルカポネ討伐に行くぞー!」

 

「駄目よブラック☆スター。呼び出しの用件が済むまで待っててあげるから行ってきなさい」

 

「そ、そんな.....」

 

「よーしマカ!俺達は鬼神の卵と化した99個目の魂を取りに行こうぜ!」

 

「ソウルも駄目。早く補習なんて終わらせてきなさい」

 

「補習なんてCOOLな男がやるような事じゃねーんだよ」

 

「COOLな男なら逃げないでちゃんと受けないと」

 

「うっ.....分かったよ」

 

「それじゃあ、ソウル=イーターとブラック☆スターはしっかりと後で来るように」

 

ソウル達は既に98個も魂を取っていたのか....うっ椿さんが死んだ魚のような目に....。

 

「マカちゃんとソウル君はもう98個の魂を集めてたんだね.....」

 

止めて!そんな目で俺を見ないで!なんのフォローも出来ないから!

 

「あ、うん。でもそんなに大したことじゃ....」

 

おい馬鹿か!そんなとこで謙遜したって嫌味にしか聞こえないわ!

 

「そんなに凄い事じゃ....は、はは.....」

 

ほら見ろ!どこか遠いとこに行っちゃったじゃねーか!

 

「まあまあ椿気にすんなよ!俺様が直ぐにお前をデスサイズにしてやるからよ!」

 

「.....うん、知ってる」

 

椿さんは優しく微笑みながらブラック☆スターに頷く。やはり良いパートナーなのかもしれない。

 

「まっ!八幡も同じ0だしなっ!」

 

馬鹿!お前!俺の成績知ってる椿がそれ言われたら.....。

 

「.....ブラック☆スター」

 

「ん?どうしたよ椿」

 

「ブラック☆スター知らないのか?八幡は俺達より魂集めてるぞ?全部死神様に渡してるけどな」

 

「なぁーにー!?本当か八幡!!」

 

「......ああ」

 

デスサイズに興味が無い俺にとって退学にならないために一応鬼神の卵と化した魂を集めて死神様に渡している。魔女の魂だけは一度も狩れていない。

 

「たくっデスサイズにならねえとか。何しに此処に来たんだって話だよな」

 

先程シド先生にも言われた質問をソウルにも言われてしまったが俺の答えは変わらない。

 

「そんなの専業主夫になるために決まってるだろ?」

 

「え?八幡君て専業主夫になるために此処に来たの?」

 

「ああ」

 

だって後々便利だし、死武専卒業ってだけで良いとこに就職出来るし給料も良い。最初働きあとはのんびり暮らすつもりだ。

 

「なんだそれ全然COOLじゃねえな」

 

「COOLな男は補習するのか?」

 

「うるせーよ!くそっ!おいブラック☆スター早く補習すませちまおうぜ」

 

「ああそうだな」

 

ソウルとブラック☆スターは教室を出ていき俺とマカと椿さんが残った。

 

「それにしても武器だけで不便は無いの?」

 

「んー....無いな」

 

実際今のところ皆無である。ブラック☆スター程ではないが職人と同程度動けるしあとは俺の能力にも関係あるが。

 

「まあ八幡君の能力ってチートだもんね」

 

「チートってなんだよ....」

 

「マカちゃんは、ハチ君の武器の姿を見たことあるの?」

 

「あるというかなんというか....うーん....」

 

顎に手を当てて考え込むマカ。確かに俺の能力は説明しずらいわな。因みに何故マカが俺の能力を知っているかと言えばノットの時の授業で一度組んだことがあったからだ。あの時のマカは本当に男を毛嫌いしており俺に触れることすら嫌がったが余ってしまったのだから仕方がない。

 

「どう言えば伝わるのか分からないけど....八幡君の武器の姿って統一性がないんだよ」

 

「どういう意味?」

 

「んー例えばだけどね、椿ちゃんも色々な武器に変身できるよね?」

 

「うん」

 

「でもそれは暗鬼武器のはず。でも八幡君はそのくくりがないって言えば良いのかな?」

 

「それってどういう....」

 

「うーん....ものは試しかな。八幡君久し振りに良いかな?」

 

久し振りにと言われてもソウルと組んでからは初めてのような気がするが....。

 

「まあいいけど....」

 

そう言って俺は姿を大鎌の形に変えてマカの手におさまる。

 

色は上から下まで混沌とした黒色で他の色は一切ない。  

 

「ハチ君って大鎌だったの?それに普通に持ち上げてるってことは魂の波長も合ってるって事だよね?」

 

まあ当然の反応だよな。

 

「まず一つ目だけどね、八幡君は他の武器にもなれるよ」

 

「......はいはい」

 

俺は大鎌の次に刀、鎖鎌、ナイフ、ハンマー、盾等に変身して元の姿に戻る。

 

「俺はどんな武器の姿にもなれる」

 

「そう、それが八幡君の凄いところだけど本当に凄いのは別にある」

 

「今以上に凄いことがあるの?」

 

「うん。八幡君はどんな人とも魂の波長を合わせることが出来るの」

 

そう俺はどんな相手にも自分から魂の波長を合わせることで例え初めての相手でも俺を使うことが出来る。それは俺が魂感知能力に優れていることと単純に人の顔色を常に伺ってきた負け犬根性の賜物だろう。

魂の共鳴だけは誰一人として出来たことはないんだけどな...そんなに深く信用できる相手はいないし。そもそも俺のは信頼ではなくただ単純に相手に合わせているだけだ。こんな状況で魂の共鳴なんて出来るはずがない。

 

「も、もしかして....ブラック☆スターとも魂の波長を合わせられるの?」

 

凄い心配しながら聞いてくる椿さん....ああ、これが青春って言うのかな。べ、別に羨ましいとか思ってないし!

 

「合わせられるがあれの面倒を見れるのは椿さんだけだろ。俺には無理だしやる気もない。なんならマカの方がマシなまである」

 

「そ、そっか....」

 

安心してるんだよな....うん凄く分かりやすい。そして隣で私の方がまだマシってどういう意味!って若干怒りながらマカが言っているが無視だな、無視。

 

「無視すんなぁあああ!!マーカーチョップ!!」

 

「痛っ!!それチョップじゃねえだろ....」

 

俺はマカがどこから取り出したのか分厚い本で脳天を直撃されて床に崩れ落ちるのだった。

 


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