SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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第14話[残された日記帳?一色いろはを探す者達]

「それでも俺は知りたいです」と言った俺の言葉に返ってきた言葉は翌日にメデューサ先生が休養を終えて来る筈だから直接聞きなさいという事だった。

 

俺は焦る気持ちをなんとか抑え込みデスルームから出て自分の家に向けて歩き出す。家に着くと当たり前だが部屋の中は真っ暗で明かりはついておらず誰かがいる気配もない。

 

頭にフラッシュバックするように飛び込んでくるのは「お帰りでーす、先輩♪」と言うあざとい後輩の笑顔。

俺は部屋の明かりも付けずに部屋のすみに腰を下ろす。部屋を見渡せば月明かりに照らされて見える一色の荷物。

 

俺は立ち上がり一色の荷物の前までいき旅行鞄の前までいく。一色の手掛かりがあるかもしれないと思うと自然と手は一色の荷物のジッパーを引っ張っていた。

 

一色の匂いが鞄の中から溢れだし鼻腔を擽るが鞄の中に日記帳が見え日記帳を慌てて手に取り部屋の電気を付けた。

 

俺は椅子に座り日記帳を捲っていく。

 

 

ー○月×(晴)ー

 

今日は特別な日です!なんとわたしにパートナーが出来るかもしれない日らしいですっ!しかもノットのわたしが組むことになるのは一ツ星の先輩らしいです!聞いた話では男性みたいなので少し楽しみです♪

 

 

ー○月××日(晴)ー

 

紹介された先輩は目が腐っていました、少し残念です.....。しかもわたしの事をあざといとか言ってくるとかどんな目してるんですかね?あー腐った目でしたね....。でも実力はあるみたいなのでギリギリ合格点あげましょうかね?なんかチョロそうですし♪

 

ー○月A日(くもり)ー

 

昨日の夜納得いかない事がありました。武器と職人は一緒の家で暮らすのが基本です。なのでわたしも先輩と住むことに決めたのです。なのに先輩からは猛反対です!かなり傷付きましたよ!ていうか普通は喜ぶ所じゃないですか!?まぁ多々音 めめさんが同じ寮にいるので戻るわけにもいかないのですが.....。はぁー....どうしてシャウラさんと偶々会ったときに一緒にいた職人の子がいるんですかっ!操られていたようでしっかり覚えている事はないと思いますが危険な事にはかわりありませんし....魔女として追放されたわたしを利用していたようでしたがなんとも...ノットに倒されるとは魔女として情けない限りです。

 

 

なんか凄い事書いてあるんだけどこんな証拠みたいなの残してほんと抜けてるんだよな.....。

 

 

ー○月B日(晴)ー

 

今日はビックニュースです!なんといよいよ明日、わたしと先輩の初デビューが決定しましたっ!先輩はめんどくさそうでしたがわたしは何処か楽しみです♪あーイタリアなんて先輩とデートみたいで照れますね...でもやっぱり楽しみです!初めての戦闘でマカ先輩とソウル先輩も来るみたいですが上手く別行動になれれば良いなーなーんて。こんなこと考えるなんておかしいですかね....わたしは正体を先輩に隠しているのに。

 

ー○月D日(.......)ー

 

わたしのせいで先輩は.....わたしがボーッとさえしていなければ....いえ。それだけじゃないですね。わたしが魔女であることを先輩に隠してさえいなければ先輩がこんな大怪我を負うことも無かったんですもんね....はは....流石じゃないですか。魔女からも意味嫌われる[災悪の魔女]と言われるだけはあるじゃないですか....“あの人”にも言われました。わたしが一緒にいるだけで不幸や災いになるって....なら離れるしか無いじゃないですか....。先輩と離れるしか.....嫌....嫌だよぉ........誰か助けて....先輩助けて下さい......。

 

 

...........。

 

 

「一色......」

 

「あーあー....何かってに人の私物見てるんですか?先輩」

 

俺は今一番聞きたい声が聞こえ振り返ると玄関に一色が立っていた。

 

「何泣いてるんですか?先輩」

 

「え?.......あ」

 

俺は涙を流していた。自分でも知らないうちに日記帳を閉じて目をこすり一色を見る。俺が最後に見た一色と全く同じだった。変な言い方かもしれないが実感が湧かないのだ。これ程までに会いたかった相手が急に目の前に現れると。

 

「はー....それじゃあ荷物返してください」

 

「あ、ああ。悪かったな勝手に見て」

 

「いえ良いですよ...これで最後ですし」

 

「は?.....一色?」

 

俺は一色のその言葉を最後に何者かに首を強打され意識を手離した。

 

 

 

 

 

目を覚ますと太陽は既に上がっており既に授業が始まっている時間だった。

 

「一色!!」

 

俺は急いで立ち上がる。その時胸の傷口が傷むが歯を食いしばり手で抑えることで我慢して外に飛び出した。

 

走って走って兎に角走った。

 

デスタウンを隅から隅まで走った。

 

だが一色の姿はどこにも見当たらなかった。

 

「一色何処にいるんだ....」

 

俺が呟くと後ろから声をかけられた。振り返ると黒髪のツインテールの女の子と茶髪で短髪にリボンを付けているある一部分がやたらと主張している女の子と金髪碧眼のTHEお嬢様みたいな女の子がいた。

 

知り合いでもなく話しかけられる覚えがない俺は一瞬俺が話しかけられたのではなく俺の近くにいる相手に話しかけたと思ったがお嬢様みたいな女の子に「そこの目の腐った貴方に言ってるんですよ!無視しないでくれますか?」と言われ俺だと分かった。

 

「あーと....俺全く君達のこと知らないんだけど知り合いだったっけ?」

 

「あ、いえ。その....あまりに思い悩んだ顔をしていたので」

 

「そうか...」

 

どうやら初対面の女の子にすら心配されるほど俺の顔は今酷いらしい。

 

「何なんですかその態度は!折角つぐみさんが心配してくれているというのに!」

 

「あ、アーニャさん、私は気にしてないから。それにこんなに思い悩んだ顔してるんだもん。きっと何かあったんだよ」

 

「つぐみさんは優しいね~」

 

そして何故か俺の前で抱き合う二人。正直かかわり合いになりたくなかったが目の前の女の子達はノットであることが分かったので聞いてみることにした。

 

「なあ一色いろはって知らないか?」

 

「え?いろはちゃん?」

 

「知ってるのか?」

 

ツインテールの女の子、恐らくつぐみさんと呼ばれているのでつぐみさんと言うのだろう。知っているようだった。

 

「一色さんならノットでの有名人ですわ。知らない人の方が少ないんじゃないかしら」

 

こっちのお嬢様みたいな子はアーニャさんでしたっけ?どうやらノットなら知っているらしい。

 

「一色さん?...誰?」

 

どうやら全員は知らないようだ。

 

「えー!メメちゃん知らないの!?」

 

「メメさん...貴女は普段の授業中寝てるから知らないんですのよ。もう少し起きて授業を聞くように心がけてください」

 

話が脱線しそうなので要件だけ聞くことにする。

 

「それでなんだが一色いろはが何処にいるか知らないか?」

 

「え?いろはちゃんの居場所?うーん...最近学校休んでて寮も出ていっちゃったから何処にいるかは...」

 

「そうか...」

 

やはりそう簡単には分からないか。

 

「貴方は何故一色さんを探しているんですの?」

 

アーニャさんに聞かれた俺は理由を言ってしまおうと思ったが目の前の3人の女の子を巻き込む事は違うと思い俺は適当に礼を言ってから帰ろうとするが何故かつぐみさんに回り込まれていた。てかアーニャさんとメメさんにより囲まれていた。

 

え?何この状況。

 

「質問に答えてください!何故一色さんを探しているんですか?」

 

俺はこの時しまったと思った。俺が寝ている間にメデューサ先生は一色に攻撃されて魔女だと言うことが分かった。それならノットである目の前の女の子達も一色の正体を知っているのかもしれない。

 

それなら魔女を探している俺は不自然に映っても仕方ないと自分の考えなしの行動を悔やんだ。

 

「あの!私達もいろはちゃんを探しているんです!」

 

つぐみさんは両手を拡げながら俺に言ってくる。つぐみさんの目を見て俺は分かってしまった。この目は心配している目だ。

 

「あいつとはどういう関係なんだ?」

 

「友達です!」

 

俺の質問に即答で答えたつぐみさんは両手を拡げたまま俺の言葉を待っている。

 

本当に一色の事を心配していると分かったが尚更巻き込むわけにはいかないと思った。

 

「そうか...でも悪いな。俺からは何も話せない」

 

「そんな....」

 

「つぐみさん待ってください。貴方のその言い方、何かを知っているんじゃないですか?」

 

「....」

 

「やっぱり....話なさい!」

 

アーニャさんの声からはハッキリと怒気が混じっている。その程度で俺は話したりしないけどな。

 

「どうしても話さないつもりですか?」

 

「ああ」

 

「分かりました。つぐみさん....武器に変身してください」

 

「え!?アーニャさん?」

 

「話してくれないなら仕方ありません。無理矢理聞き出します」

 

「俺が一ツ星の武器だと知ってて言ってるのか?」

 

「そんなこと関係ありません!!つぐみさん!ネネさんもやりますよ!」

 

「え、あ..う、うん!」

 

「つぐみちゃんがやるなら頑張る」

 

つぐみさんはハルバートタイプの武器らしく変身してアーニャさんとネネさん二人で構えている。

 

武器一人に職人二人とは珍しいな。それにしても....ハルバートに刃が無いが舐めてるのか?

 

「そんな刃が無い武器でやるつもりか?」

 

「そんなことありません!つぐみさん!ネネさん!」

 

「はい!」

 

「「「魂の共鳴!!!」」」

 

「なっ!」

 

ノットで魂の共鳴が出来るものなのか?一ツ星でも出来ない奴はいるのに....それに武器一人に職人二人でなんてかなり難しい筈だ。そう言えば一色の日記帳に書いてあった魔女がノットに負けたと言うのはこの三人のことか....それにメメさんって....こいつが操られていたやつか...。

 

なら余計に教えるわけにはいかないな。

 

俺は右手と左手を銃に変身させて距離を取る。

 

さあ...久し振りのリアルファイトだ。魔女を倒したなら相手がノットでも全力でいくべきだろう。




ノットも登場。あまり違和感ないように書ければと思います。

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