SOUL EATER ~八幡cross~ 作:ハッチー
現在俺はある洞窟の前まできている。
理由だがマカとソウルは魂集めにブラック☆スターと椿さんはアルカポネの魂の回収に行っていていないため若干教室にいずらいのだ。
他に話し相手がいない俺に原因があるのだがそこは良いとしよう。そこで図書室に籠っていると『EXCALIBUR』という本を見つけ気になったため今この場所にいる。間違っても教室にいずらいから伝説の聖剣を見つけるという理由にかこつけて来ているわけではない。
洞窟の中を見渡すと一面水で浸かっているのが見えて右手だけをグローブに変身させた。
「氷弾丸(アイスブリット!)」
俺は右手を勢いよく水に向けて降り下ろす。
チャプンという音の後にカチ....カチコチというテンプレ音よろしく水は氷っていき足場が出来たのでグローブの変身を解いて氷の上を歩いて奥に進む。
途中で妖精の攻撃にあったが無視だ、無視。
それにEXCALIBURについて聞こうとすると青筋を浮かべてどっか飛んでったし。そんなに大切な物なのか?
まあ伝説の聖剣なんて選ばれた奴しか抜けないらしいし俺じゃ無理だろ。俺自身武器だしな。
暫く歩き続けると大きく開けた場所に着き真ん中には剣が1本地面に刺さっていた。
間違いなくあれが本に載っていた聖剣だろうことは一目見て理解できた。俺は聖剣の前までいきそして剣の柄を掴み一気に引き抜いた。
............引き抜けてしまった。
「は?え?こんなに簡単に?」
自分の手に握られた聖剣を見ながら呟くと聖剣が光だした。
俺は目を閉じて再び開けると目の前には.....⚪ーミンがいた。
何を言っているのか分からないと思うが大丈夫だ。俺も分かってない。
「良く来たな。若者よ」
「.......」
一瞬の静寂を破ったのは⚪ーミンだった。
「挨拶が遅れたな。私の名前がエクスカリバーである」
「....いや⚪ーミンだろ?」
「ヴァカめ!!私の名前はそのような可愛らしい存在の名前ではない!エクスカリバーである!」
杖を此方に向けながら言ってくる⚪ーミン、モドキ。
「....それじゃあお前が噂の「ヴァカめ!!」....」
「私の伝説は12世紀から始まった」
だからなんなんだ......。
「あ、すいません。俺用事あるのでそろそろ「ヴァカめ!!」」
「私が話しているときは静かに願おう。私の伝説は12世紀から始まった」
「............」
「ヴァカめ!!人が話しているのだ、しっかりと相槌を打たないか」
「お前が黙ってろって「ヴァカめ!!」」
「なになに?私の歌が聞きたいか?」
誰もそんなことは一言も言っていない......。⚪ーミン、モドキ....いや長いな。もう、モドキでいいや。モドキは杖をクルクル回しながら歌い始めた。
「EXCALIBUR~ EXCALIBUR ~
From United Kingdom
I'm looking for heaven
I'm going to California
EXCALIBUR EXCALIBUR
From United Kingdom
I'm looking for heaven
I'm going to California 」
無駄に発音が良いところにムカついてくる。
この良く分からない歌を1時間散々繰り返しで歌い続けたモドキは剣に戻った。
「さあ!栄光が欲しければ私を使い共に進もうぞ!」
そして良く分からない戯言を延べたモドキを俺は地面深く突き刺すのだった。
帰りに妖精にあったが御互い顔に青筋を浮かべていた。
数日過ぎるとマカとソウルは死武専に戻ってきていた。噂では99個目の魂を回収してそのまま魔女の魂を回収しに行ったと聞いたが。
「ソウル、久し振りだな」
「あ、ああ....八幡か」
何処か元気が無く何時ものソウルとは違っていた。まさか魔女に負けたのか?
「まさか魔女に負けたのか?」
「あははは......勝ったよ。魔女じゃ無かったんだけどね.....」
「あー......」
隣のマカが言った一言で全てわかった。99個の魂の回収をした後に魔女の魂を食べると武器はデスサイズになることが出来る。だが99個の魂と魔女以外の魂を食べてしまうと99個集めた魂は死神様に全て没収されてしまうのだ。
つまり今この二人は1個も魂回収が出来ていないことになる。
二人は溜め息を吐きながら教室に入っていく。
俺も教室に入ろうとすると後ろから椿さんがやってきた。
「あ、ハチ君。おはよう」
「ああ.....何かあったか?」
椿さんは、マカとソウル程ではないが落ち込んでいた。恐らくまたブラック☆スターが原因で魂回収に失敗したのだろう。ブラック☆スターは一ツ星職人の中でもかなり上位に入る身体能力を持っている。武器を使わずに戦ったら死神である、キッドには劣るかも知れないが他の奴ではまず勝てないだろう。だがあいつの性格と武器があまりにもミスマッチだ。暗鬼職人であるブラック☆スターの本来の戦闘スタイルは相手に気付かれずに暗殺すること。だが目立ちたがりやのブラック☆スターは堂々と相手の前に出てしまうため気付かれずに暗殺なんてことは本来向いていない。
「はぁ.....また失敗しちゃってね。私がもう少し上手く出来れば良いんだけど」
それでも健気に自分を責める椿さん。今度マッカンでも奢ってあげよう。
「椿さんのせいじゃないと思うけどな。暗殺職人なのに先走り目立ちリスクを考えないブラック☆スターに俺は問題があると思う」
「で、でもそれは!」
椿さんは必死に俺に弁明してこようとしているのが分かる。
「分かってる。ブラック☆スターは強くなるためには努力を惜しまない。口だけの奴じゃない」
そう、ブラック☆スターは一度口にしたことは絶対に曲げない。だからこその今の高い身体能力を持っているとも言える。
「だからこそだが。椿さんも努力は惜しんでいないと思うし自分を責める必要は無いと俺は思うぞ?パートナーがいない俺に言われても説得力皆無だと思うけどな」
「ふふ、ありがとう。ハチ君のお陰で少し気が楽になった」
「俺は何もしてないと思うけどな.......まっブラック☆スターに暗殺は向いていない。ならだけどさブラック☆スターが望んでいる暗殺の仕方っていうのもあると思うんだよ」
「ブラック☆スターが望んでる暗殺?」
「ああ。それが暗殺と呼べるかどうかは知らないけどな」
「そんな方法があるの?」
「分からん。けどそれを見つけるのもパートナーじゃねえの?知らんけど」
「そっか.....」
椿さんは何かを考え込むようにして下を向く。
「それに重要なのは魂だろ?ブラック☆スターの魂がどうなるかは椿さん次第だ」
「私....次第」
椿さんはゆっくりと顔を上げて目には何処か決心したような固いものが見てとれた。
「ハチ君ありがとう。私少しブラック☆スターを探してきます!またサボってると思うから!」
そう言って廊下を走らないように早歩きで外に向かう椿さんを俺は後5分で授業始まるが間に合うかなと疑問を抱きながら教室に入るのだった。
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