SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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感想や評価ありがとうございます。やはり付けてくれるのは嬉しいですね。

今回は少し長いです。


第4話[注目の転校生?八幡とデス・ザ・キッド]

シュタイン先生から無事に逃げ切り家に帰った俺はベットに倒れるようにして眠った。そして次の日の朝である。時計を見て俺は手を震わせている。

 

現在の時刻は既に授業が始まってから3時間ほど遅れていた。つまりは寝坊したのだ。

俺は慌てて着替え家を出て死武専に向かった。まぁ向かうと行ってもそこまで距離は離れておらず最大の難関である階段さえ上りきれば直ぐである。

 

死武専の階段前まで着くまでに5分。階段を上りきるのに15分かかった。どれ程長い階段なのかが伺えるだろう。

 

走って来たこともあり汗を拭うと俺目掛けてソウルとブラック☆スターが吹っ飛んできた。

 

咄嗟の事で交わすことが出来ず二人のクッションになるような形でぶつかり後頭部を強打する。

 

「くっそー!俺様達の力見せてやろうぜ相棒!」

 

「おうよ!」

 

そして人の上で腕を組みだす二人に俺は本気で右ストレートをぶつけた。

 

「ぐはっ」

 

「な、なんだ?」

 

二人はよろつきながらも殴った張本人である俺を見る。

 

「八幡じゃねーか!何でいきなり殴るんだよ」

 

「俺様の舞台に横やり入れるとか覚悟は出来てるのか?」

 

「先に俺に向かって吹っ飛んできたのは誰だ?」

 

「あ、悪い巻き込んでたのか」

 

ソウルは素直に謝るがブラック☆スターは俺に人差し指びを向けながら挑発を続けてくる。

 

「おい。余所見をしていても良いのか?」

 

そう言いながら魂の波長が銃弾のように何発もとんできた。こんなことが出来るやつを俺は一人しか知らない。

 

「キッドが何でこんなとこにいるんだ?」

 

キッドは死神様の実の息子であり死神なのだ。生徒ではなく死神であるキッドは死武専には通っていない。ただ鬼神の卵と化した魂集めはしている。よく掲示板に難易度が高い物がいっせいにキッドにより消えたものだ。最近でも難易度の高い魂回収をしたらしいと噂では聞いていた。

 

「あいつ今日から死武専生になるらしんだ」

 

ソウルのお陰でブラック☆スターとソウルがキッドに喧嘩を売った理由が分かった。注目の転校生が気になるソウルと自分より注目されている転校生に僻んでいるブラック☆スターという理由か。

 

「ん?そこにいるのは比企谷か?」

 

キッドが俺に気付いたようで聞いてくる。正直言ってこいつに見付かって良いことがあった試しがない。

 

「いや人違いだ」

 

「ふむそうか....だが比企谷じゃないとしてもだ。その頭のアホ毛はなんだ!」

 

会うと毎回言われるがアホ毛とはなんだと言いたい。俺のアイディンティティーであり俺自身気に入っているのだ。

 

「おい八幡。なんか叫んでるぞ?」

 

ソウルそこは無視で良いんだよ無視で。

 

「貴様の髪型をキッチリカッチリ撃ち抜きシンメトリーにしてやる。リズ、パティ!」

 

意味が分からない事を叫んでくるキッドを見ながら俺は思う。うん俺帰っていいかな?

 

「((魂の共鳴!!))」

 

キッドが叫ぶとキッドの魂は膨れ上がり銃の形も変化していく。

 

俺はキッドがやろうとしていることを理解してなんとか逃げる算段を考えるが目の前の馬鹿二人は何故か今のキッドを挑発している。恐らく魂が見えていないのだろう。そんな幸せな奴等を尻目に俺は逃げようとするがいつからいたのか離れたところで此方を見ているシュタイン先生と目があった。隣にはマカと椿さんもいるようだ....何故だ?

 

「比企谷君遅刻ですよ。後で補習をと言いたいところですがキッド君に勝てたら補習を見逃してあげましょう」

 

この言葉で全て決まった。キッドに勝つしかないと。

 

充填が後少しで完了するようで死刑執行モードに入っている。キッドの得意とする共鳴技のデスキャノンは威力が高いがスピードはそこまで早くない。精々普通の銃弾と同じか少し速いか程度だ。

 

此方に銃口を向けた時の重圧を感じ取ったようでソウルは若干慌てだしたがブラック☆スターは相変わらず挑発している。俺が武器になりブラック☆スターに使って貰えば勝てるような気もするが椿さんの前であまりブラック☆スターと一緒に闘いたくはない。それもキッドレベルの相手を倒してしまえば落ち込む気がする。そして悪ければヤンデレぽくなりそうで怖い。てことでソウルを俺が使うという手しか無くなった。

 

「ソウル!急いで武器に変身しろ!」

 

「はぁ?今はそれどこじゃねーだろ!?」

 

今の状態で武器が武器にならなくてどうするんだと言いたいが今はそんな事を言っている余裕はない。俺はソウルの右腕を引っ張り左側に全速力で逃げる。

 

後ろから聞こえてきたのは爆音とブラック☆スターの悲鳴だけ。

ソウルはその状況を見て少し顔を青くしている。

 

「ソウル、変身してくれ」

 

「分かったよ」

 

頭が冷えたのか素直に大鎌になってくれたソウルを掴む。ソウルの魂の波長を見て自分の魂の波長を合わせる。深呼吸をしながら大鎌を手元で回転させてキッドを睨む。

 

「キッド久し振りだな」

 

「誰かは知らんがそのアホ毛だけはキッチリカッチリ撃ち抜かせてもらうぞ」

 

再装填をしながら銃口を此方に向けてくるキッド。これで会うのは2桁を越えているはずだが、と思ったが自分で先程言った言葉を思い出した。

 

「俺は比企谷だ」

 

「ふん知っていたわ。この戯けが!」

 

知ってたのかよ、と心の中で一応突っ込んでおく。

 

「だいたいお前は何でもキッチリとかシンメトリーとか細かすぎるんだよ」

 

「なんだと.....貴様っ!デスキャノン!!」

 

いつの間に装填が終わっていたのか此方に向けてデスキャノンを撃ってくるキッド。避けるには少し遅すぎたので大鎌を両手で持ち目を閉じる。

 

(おい!どうしたんだよ!このままだと吹っ飛ばされちまうぞ!)

 

ソウルの声が聞こえてくる。俺はその声に信じろ。とだけで返して意識を集中する。キッドの魂とリズとパティの魂。そして此方に向かってくる魂の波長による砲撃。

 

「ふぅ.....」

 

俺は少し息を吐き大鎌を振り上げて魂の波長の砲撃にかすらせるようにしながら斜めに降り下ろした。

 

砲撃は軌道がズレ俺の右斜め後ろで地面にクレーターをつくった。

 

「なにっ!?」

 

キッドは驚いているが俺はただ単純に軌道をズラしただけだ。銃撃、砲撃の類いは魂の波長をとばしていたとしても所詮着弾しなければ意味をなさない。なら簡単だ、着弾しない程度にかすらせて軌道をズラしてやればいい。

 

(おい!今のどうやったんだよ!!)

 

ソウルも叫んでくるがいちいち説明している余裕はない。そもそも魂感知能力が得意な為に目を閉じてより強く魂の波長の軌道等を確かめたから出来ただけで普通の銃弾を撃たれればこんなことは出来ないのだ。まぁ普通の銃弾なら全て弾き落とすが。

 

「やはり一筋縄ではいかんようだな」

 

キッドは死刑執行モードを解き銃も普段の大きさに戻っていく。

 

「死神体術、罪の構え」

 

「あ、出た。チート技」

 

思わず口に出してしまった。右手を上に上げ左手を下に腰はくねらせて足は交差させているこの構えは遠距離にも近距離にも対応出来るチート技だ。ただこの間鏡みながら真似できるかやってみたらおもいっきり腰つって俺では無理でしたマル。

 

「行くぞっ!」

 

キッドはジャンプで跳躍しながら俺に向けて銃を乱射してくる。正直デスキャノンの方が数倍ましだ。あれは簡単に避けれるし隙もでかいがこれは避けるのに精一杯だしそもそも隙が無い。近付いても駄目。むしろ近付いてくるし、離れても撃たれる。しかもこっちは鎌だ。遠距離武器ではない。なら選択肢は一つしかない。

 

「ソウル、突っ込むぞ」

 

(おうよ!)

 

キッドは相手が近距離に来ると何故か万能な罪の構えから防御重視の罰の構えに切り替える事が多い。恐らくだが自分が傷付いてシンメトリーを壊されたくないのだろう。そこがチャンスだ。

 

「まさか武器である比企谷が接近戦をしてくるとはな」

 

全くもってその通りだ。俺ではキッドはおろかブラック☆スターすら接近戦では勝てない自信がある。だからこれは賭けだ。俺の能力も含めた大きな賭け。

 

キッドの銃撃を鎌で弾きながら近付きキッドとの距離は20メートルをきるところだった。

 

俺は鎌を右手だけで持ち左手を大きめの盾に変身させた。

 

「ふんっ!そのような盾くらい.....」

 

キッドの攻撃が突如として止み此方を見ながら震えている。俺の左手が変身したのは盾だ。それもシンメトリー(左右対称)の盾だ。罪の構えから罰の構えに切り替えはしなかったが大きな隙を作ることはできた。

 

俺はキッドが怯んだ一瞬?の隙に鎌で峰打ちだが鎌を振り上げて力強く腹に叩き付けた。

 

「ガハッ!」

 

キッドは唾液を吐き出しながら後ろに吹き飛ぶ。だが死神であるキッドの体は常人より頑丈で今程度の攻撃では気を失ってはいないだろう。

 

砂埃を巻き上げながらキッドは立ち上がってくる。今だ罪の構えのままだ。

 

「くそ...なんて事だ。あそこまで左右対称な盾が今まで存在したか?いやしない。俺は見たことがない....駄目だ俺ではあれを攻撃することが出来ん..」

 

キッドはその場で項垂れる。毎度思うがこの性格本当に直した方がいいと思う。実践でもこんな感じだしよく今まで生き残ったものだ。

 

リズとパティが見かねたのか変身を解きリズがキッドに近付き此方に指を指して何かを言っている。そしてキッドはそれに頷くと立ち上がりリズとパティは再度武器に戻った。

 

「ふん...そのシンメトリーな盾に騙されたが右手には鎌で左手には盾ではないか!」

 

つまりは。

 

「全然シンメトリーではないではないか!!虫酸が走るわ!」

 

また此方に銃を乱射してくるキッド。それを全て盾で防ぐ。キッドは何故かなかなか近付いて来なくなった。まさか武器である俺に対して接近戦が怖くなったとかそういう理由ではないだろう。

 

では何故か......。

 

「キッド。どうして接近戦に持ち込まないでさっきから無駄に銃を乱射してるんだ?」

 

「別に深い意味はない。だが先程話している時に時間を貰ったのでな作戦の時間くらいは待とうと思っただけだ」

 

「それじゃあ撃つのを止めて待ってもらえないですかね?」

 

現在も撃つ事だけは止めないキッドに俺は悪態をつく。実際うっとおしくて集中して作戦考えるとか無理である。

 

「ふむ、それもそうだな」

 

そう言うとキッドは撃つのを素直に止めてくれる。

 

さてどうするか禁じ手を使ってしまおうか.....うん疲れたし使ってしまおう。

 

「キッド」

 

「ん?どうした」

 

「前から気になってたんだが。お前は左右対称でシンメトリーが好きだったな」

 

「それがどうかしたか?」

 

「ならお前の右側前髪にある白い三本線ってシンメトリーじゃ無くないか?」

 

「は?..............え?.........」

 

キッドは自分のポケットから手鏡(常に持ち歩いているらしい)を取りだし鏡を見ながら震えだして血を吐き出しながらその場に倒れた。

 

「お、おい!キッド大丈夫か!?」

 

「おーい。キッドくーん。あははー。つーん、つーん」

 

リズの声にもパティがつんつんしても反応無し、よし俺の勝利である。

 

「よし。ソウルありがとな」

 

俺が鎌から手を離すとソウルは鎌から姿を戻した。

 

「たくっ......最後の勝ちかた。全然COOLじゃねぇ....」

 

「勝てば良いんだよ、勝てば」

 

そう勝者こそ正義である。

 

「いやー凄いですね。本当にキッド君を倒してしまうとは。最後のは、まぁおまけにしておきましょう」

 

シュタイン先生の事だから何か言ってくると思ったが意外にも称賛の声をかけられた。

 

「マカ....」

 

「あんまダセーことしてんなよな。八幡君来なかったらあのままブラック☆スターと一緒に吹っ飛ばされてた」

 

「ああ、全くだな。全然COOLじゃねぇ」

 

「ぷっはははは」

 

「はははは」

 

うん、仲がよろしいようで良いんじゃない?ただね?俺の近くで止めてもらいたい、非常にいずらいから。

 

「さてと。このまま教室に戻りますよ」

 

そう言えば....。

 

「ブラック☆スターは?」

 

「ああ。ブラック☆スターなら椿ちゃんが保健室に連れていったよ」

 

いつの間に.....。

 

「あたしらもキッドを保健室に運んでから行くわ」

 

「えへへへ。お姉ちゃん頑張れ~」

 

「パティも手伝ってよ!」

 

「えー疲れたからやだ」

 

バッサリである。流石姉を尻に敷くパティである。

 

「あ、そうだ。比企谷」

 

「な、なんでひょうか?」

 

怖くてつい噛んでしまった....リズさんは怖いんだよなぁ....昔カツアゲされたことあるし。

 

「次キッドの前髪の事言ったら全部お前に任せるからな?」

 

「すいません....」

 

もうキッドと戦うことなんて無いと思うし大丈夫だろう。それに他にも弱点はあるしな。キッドも保健室に連れていかれて俺とシュタイン先生とマカとソウルが残った。

 

「あ、そうだった。比企谷君」

 

なんだろう...凄く嫌な予感がする。

 

「.....なんですか?」

 

「死神様が呼んでましたよ。直ぐにデスルームに向かってください」

 

「それって....補習無しになった意味ないのでは....」

 

「死神様からの呼び出しなので断れませんよ」

 

ふぅーと煙草を吸いはじめて何時もの笑みを浮かべるシュタイン先生を見て俺は思う。

 

やはりこの先生を信じるのは間違っている。

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