SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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※今回の話でタグを増やしました。詳しくは小説情報に記載してあります。


第5話[死神様からの罰?八幡デスサイズを目指す]

現在デスルームにて。

 

俺は絶賛土下座なうである。

 

「あのー...ちょっとまだ話何もしてないんだけど?」

 

呼び出された原因は恐らく以前のマカ達の補習の件であろう。あの時何かしらの罰があることは分かっていたからな。ならば、だ。何か言われる前に土下座だ、土下座。ん?プライド?俺にプライドなんてあるわけない。この状況がなんとかなるなら靴なめだってなんだって出来る男だぞ俺は。

 

なんの反応も示さずに土下座を続ける俺に呆れたのか死神様は溜め息を吐いてデスルームに誰かは分からないが入って来るように促した。

 

「はぁー。まあ言いっか。えーと~なんか話にならないから取り合えず入っちゃって~」

 

何時もの陽気な声で死神様が呼ぶとコツコツと誰かが近付いてくる音が聞こえて顔だけ上にあげた。

 

「こんにちわ~♪て、どうして土下座してるんですか?.....」

 

半分呆れた、というよりは引いている少女が目の前にいた。

 

「君の罰はね~。デスサイズを目指して貰うことなんだよね~」

 

「なん.....だ、と?」

 

一瞬耳を疑った。いや幻聴であってほしいと今でも思っている。

 

「よろしくお願いします~。わたしーノットなんですけど~本当に良いんですか?」

 

「ああ、良いのー良いの~。気にしないでね~彼パートナーが出来ない可哀想な子だから」

 

俺を他所になんて事を暴露しやがるこの駄死神は....。

 

「あーそうなんですか~?」

 

「あーでも腕だけは確かだから組んで後悔はするかもだけどー損はしないと思うよ!」

 

「んーまぁわたしとしてはー良いお話であると思いますし~良いんですけど一ツ星の先輩はわたしなんかで良いんですか?」

 

上目遣いに瞳に涙まで溜めて現在土下座なうの俺に聞いてくる。なんていうか....あざとい。

 

「いまいち状況が読めないんですが.....」

 

「んー君は確かに強いけど。魔女と戦うとなったら絶対にーパートナーは必要だと思うんだよねー」

 

死神様の言う事は確かに最もだ、と思う。武器一人で魔女を倒すなんて自殺行為この上無い。それに俺の実力なんてたかが知れている。なら何故今までパートナー無しでもなんとかなっていたのか。それは魔女には挑まずに鬼神の卵と化した魂だけを狩っていたからだ。ぶっちゃけ魔女以外なら余程狂気に呑まれていない限りは弱い。ブラック☆スターが未だに一つも魂回収出来ていない理由が分からないレベルで弱い。

 

俺は土下座を止めてその場に座り頭をかきながら死神様に聞く。

 

「魔女を倒すためにパートナーが必要になる。それは分かりました。パートナーが出来そうもないから用意してくれた、納得はしたくありませんが、いらん世話ですがこれも分かりました。ですが何故俺がデスサイズを目指さないといけないんですか?」

 

いくら考えてもこれだけは分からない。デスサイズ志望はあくまで自主的な筈だ。てかなれる人材なんて実際一割未満だろう。皆魔女の魂だけが回収出来ない。ましてや命を落とす職人や魔女との戦闘の恐怖により挫折してしまう者まで現れるくらいだ。

 

「んーとね~。僕が君を使ってみたいって理由もあるんだけどね~。実は他にもあるのよ」

 

死神様が俺を使うとか勘弁してもらいたい。死神様はデスサイズしか使うことはない。その理由は噂だが死神様の魂の波長が強すぎて耐えれる武器がデスサイズしか無くデスサイズになっていない武器を死神様が使うと武器が砕けるらしい。あくまで噂だが恐ろしい限りだ。

 

「それで他の理由とは?」

 

「んーこの頃不穏な気配があちこちで見受けられてるのよねー。それを調査してほしいんだけど頼めないかな?」

 

「嫌です」

 

「即答!?しかも断るんですか?」

 

少女は驚いているがそんな危なそうな話、好きで乗るやつなんて.....結構思い付くから困る。が、俺は嫌だ。めんどくさい。

 

「はぁーー。断られると思ってたよ~。だから罰なんだよね~」

 

「まさか....」

 

「そう!悪いけどそこにいる一色ちゃんと一緒に偵察よろしくねっ!」

 

HEYヨーみたいな擬音が出てきそうな感じで此方に手なのか曖昧な白いハリセンを向けてくる。

 

「はぁ......分かりました。罰はデスサイズを目指す事。偵察をする事。それでいいですね?」

 

「そうそう。物分かりが良いじゃない~」

 

「あのーわたしと組むのは良いんでしょうか?」

 

少女は心配になったのか手を上げながら不安げに俺を見つめてくる。

 

「俺と組んでも良いことないぞ.....」

 

「へ?それって....」

 

「素直に良いって言えないのは相変わらずだね~。じゃっパートナーも決まった事だし。行ってみよっ!」

 

某有名なOPなんかかけさせないぞ俺は。

 

「あ、わたし。一色いろはって言います。ノットで、一応職人です♪」

 

片手を俺に差し出していると言うことは握手を求めているのだろうか......。後ろで笑っている死神様は後で殴ろう。

 

「ああ....よろしくな」

 

俺は握手に答えてからこれからの事を話し合うことにした。なんせ死武専では何故か知らんが武器と職人は同じ家で住むことが多い。マカとソウルもそうだし、ブラック☆スターと椿さんもそうだ。それにキッドにリズさんにパティも一緒の家に暮らしているらしい。武器と職人は常に一緒に行動を共にすることで魂の波長を普段から合わせる練習をするらしい。だが考えて見てほしい。俺は相手に魂の波長を合わせることが出来るのだ。態々一緒にいる必要は無いし一緒にいて微妙な空気になってみろ、それこそ支障しかきたさないわ。

 

てことで、だ。まず最初に話し合うことは。

 

「一色....さん。て言ったか?」

 

「ぷっ....一色で良いですよ。先輩なんですから」

 

軽く笑われてしまった....もう無理だ、死のう。キッドの口癖が移ってしまったようだ。落ち着け俺。

 

「えーと...それじゃあ一色は何処に住むんだ?ある程度近い方が依頼を受けたときに助かるんだが」

 

「わたし、先輩の家に引っ越しますよ?」

 

「は?」

 

この子は何言ってるの?当たり前でしょ?みたいな顔して首を傾げるのは止めなさい、勘違いしちゃうから。

 

「は?ではなくてですね。武器と職人は二人で一つ。常に行動は共にすること。じゃないですか~」

 

ないですか~じゃないんだよ!くそう....どうしてこんな目に....。

 

「あ、あのな一色。武器と職人である前に俺は男で一色は女だ。この意味が分かるだろ?」

 

そう、男女が一つ屋根の下なんて俺には無理だ。

 

「は?何ですか先輩誘ってるんですか?ちょっと上の実力で死神様からも一目置かれてるからってちょっと責めればいけると思ってるんですか?そんな甘い考えではわたしは落ちませんのですいません。ごめんなさい」

 

「.......」

 

なんだ....物凄い早口で罵倒されつつフラれた気がする。

 

「まぁ~先輩と暮らしても何も起きませんよ♪」

 

「嫌だ......一緒に暮らすのは断固拒否する」

 

「どうしてですかっ!?こんなに可愛い後輩と何もないとは分かつていても一つ屋根の下なんですよ?喜ぶべきところであり拒否するところじゃないじゃないですかー!」

 

ぷくーと頬を膨らませながら言ってくる一色を見て少し心が揺らぐがここで了承するわけにはいかない。

 

「いや別に喜ばねーし。てか女子寮あるだろ?」

 

俺の女子寮という言葉を聞いた瞬間、一色の顔色は真っ青になり震えだした。

 

「女子寮....ですか。もう.....あそこだけは..........」

 

なんかぶつぶつと頭を抱えてしまった一色に若干の罪悪感を持つが俺はまだ折れる気はない。

 

「分かりました.....」

 

ひとしきり言い終わると何かを納得したように顔をあげる。

 

「そうかそれじゃあ「先輩の家の玄関の前で寝ることにします」.......」

 

もう言葉すら出なくなりました。この時の俺の顔はさぞ驚愕に染まっていたことだろう。

 

「.......分かった。良いから一緒で良いから玄関とか止めてくれ....」

 

下手しなくても俺が捕まる。

 

「はい♪では先輩これからよろしくでーす♪」

 

ウインクしてくる後輩と一緒に家に帰る道のりは普段より足が重く感じた。


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