SOUL EATER ~八幡cross~   作:ハッチー

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悪評覚悟で今回の内容を書きました。ここは譲れない所だったので.....てかクロナ出せなかった....そこだけは本当にすいません。次回は必ず出てきます。


第8話[イタリアで初任務?パートナーと職人]

現在俺は、マカとソウルと一色と共にイタリアに来ている。今回のターゲットの名前はソンソン・J。課外授業という名目で来ている。決して遊びに来ているわけではない。

 

 

「いやー良いなぁ。イタリア!やっぱりCOOLだよなぁ~。なあなあ皆でなんか食いに行かね?ここまでの道中長くて腹へったしよ!イカ飯、パスタ食い放題だぜ!」

 

「もう!馬鹿!私達は遊びに来たんじゃないのよ!分かってるの?」

 

ソウルの提案には俺も賛成なのだがマカから否定されたためご飯は食べられなさそうだ。

 

「わたしは~お腹空いたので行っても良いかなって思いますけど」

 

「駄目よいろはちゃん。夜までに少しでも情報を集めておかないといけないんだから」

 

今回のターゲットである、ソンソン・Jは夜にしか現れないという情報しかない。だが逆に夜に現れるという情報はあるのだ。マカと俺は魂関知能力が得意だから恐らく現れれば気付くし大丈夫だと俺は思うがここでマカに逆らっても良いことはないのであえて黙っておく。

 

「そ、そうなんですかー」

 

「うん。この情報を集めるか集めないかで大きく戦況が変わったりするんだからね」

 

んーためになる話なんだろうなー....一色がこういった話を真面目に聞いているかは置いておくとしても。マカは真面目だから一色に色々と教えてくれて実際助かっている。このまま任せて俺は帰りたいくらいだ。

 

「へえーそうなんですね~。あっ!じゃあ一つ提案なんですけどー先輩とわたし。マカ先輩とソウル先輩で情報を集めませんか?夜までターゲットは現れないみたいですし。その方が沢山情報も集まってお得だと思うんですよ~。それと午後5時くらいにここから見える時計塔の前に集合すれば良いと思いますしどうでしょうか?」

 

一色は人指し指ですぐ近くの時計塔を指差しながらマカに言っている。

 

「うーん.....うん、それもそうだね。それじゃあ私達は南側を見に行くから北側をお願いしていいかな?」

 

「はい~♪」

 

一色とパートナーを組んで時間はあまり経過してないがこの笑顔だけは何か企んでいる事くらいは分かるようになっていた。

 

マカとソウルは南側に行き俺と一色は反対の南側の方に向かう。

 

「では先輩ご飯でも食べに行きましょうか♪」

 

屈託のない自然な笑顔で言ってきた一色を見ながら一応聞く。

 

「情報集めは?」

 

「勿論“後で”するに決まってるじゃないですか~」

 

やだなーと言いながら俺の肩を押してくる一色。その仕草で何人の男が勘違いしたんだろうなと思いながらも情報集めする気がない事は伝わった。

 

 

 

 

その後だが簡単に言うとイタリアをすっごいエンジョイしてた。ご飯を食べ終えた一色は、俺の手を掴みおみやげ屋さんに駆け込んだ。このおみやげ屋さんでは俺も買いたいものを買えたので良かったのだが一応ここでも情報集めないのか?と聞くと後でやりますよ~。と軽く流されてしまった。

 

そこからは諦めである。端からイタリアを満喫した俺と一色は時間になるまで遊びつくし時間の5分前に時計塔の前に着き、マカとソウルを待っていると時間丁度に二人は現れた。メモ用紙にペンを走らせているマカと疲れきっているソウルを見て俺は若干罪悪感に襲われた。

 

「それで何か情報あった?」

 

マカから発せられた第一声がこれである。本当にどうしようか、一日中遊んでました。と素直に言ったら許してくれるだろうか?いやそれは無いな、と何か言い訳を考えようとしたが俺より先に一色が口を開いた。

 

「えーとですね。南側では結構殺されている人が多いみたいですねー。夜家の外に出るのは論外ですけど窓を割られて殺された人もいるみたいです」

 

何時調べたのか分からないが一色はちゃんと情報集めをしていたようだった。

 

「そっかぁ。此方ではそんなに多くないって言ってたよ。それじゃ南側でソンソン・Jが現れるのを待って現れたら魂回収しよっか。それで今回はどうしよっか?相手は一人だし八幡君といろはちゃんだけでやってみる?」

 

正直ソウル達もいてくれた方が楽だと思う。だがこれはあくまで俺と一色の実戦経験を積ませる為の二人二組。

 

「俺と一色で倒すか」

 

「八幡にしてはやる気じゃねーか。珍しいな」

 

俺の性格を理解しているソウルが俺の言葉に突っ込みをいれてくる。俺だって楽が出来るものならしたいが今回の目的はあくまで俺と一色の戦闘経験の向上だ。それならまずは戦うしかないだろう。

 

「やる気はねーよ。やばくなったら助けてくれ」

 

「はは、八幡君らしいね。それじゃ現在地より南側に移動しよっか」

 

南側に歩きながら向かう時にソウルが一日中情報集めで疲れた、とかなんか不良に絡まれたとか物騒な事を言っていたが俺は気にせずリズムよく鼻歌を歌っている一色を見て戦闘経験が浅い割に余裕そうだなと少し一色に対して不信感を抱いたが単純に一色の性格なら気にしてないだけかと考え直してマカに置いていかれないように歩くスピードを少し上げた。

 

 

 

そして午後6時を回った所で現れました、ソンソン・J。ちゃんと現れてくれたソンソン・Jを見て俺は喉まで出た言葉を押し込んだ。目の前のソンソン・Jは何故かゴミ袋らしきものを被っているのだ。何がしたいのか不明である。

 

 

「先輩、なんで今回のターゲット頭にゴミ袋被っているんですか.....?」

 

一色が遠慮なく嫌悪感全開で俺に聞いてくる。そんな理由俺が知るはずないし興味もないし知りたくもない。

 

「気にすんな....大事なのは見た目じゃなくて魂だから」

 

一色は一瞬真面目な顔になったと思ったら吹き出しながら「先輩その言葉、先輩には似合いません~」と言ってきやがった。後ろで笑ってるソウルは後で殴るとして笑いを必死に堪えてるマカが俺の心を削っていく。俺ターゲットと戦う前にHP0にされそうだ。

 

突如襲いかかってきた、ソンソン・Jにより全員真面目な顔に戻り臨戦態勢をとる。ソウルが変身しないところをみるに俺達が戦うのを見ていてくれるのだろう。

 

先程突っ込んできたソンソン・Jは素手で屋根をぶち抜いていたが手が挟まって抜けないのか必死に引っ張っている。相当今回のターゲットはアホなのだろう。

 

「一色、そう言えば聞いてなかったがお前はどんな武器を使うんだ?」

 

全くもって今更だが俺は未だに一色がどんな武器を使うのか知らないし武器を使っている所を見たことすらない。後ろでソウルとマカが何故か転んでいるが俺のせいではないだろう。足でも滑らしたのかな?

 

「あーそうでしたね~。わたし武器を使うのは初めてなのでお任せします♪」

 

「は?」

 

俺の質問に一色からの答えはあまりにも悲惨なものだった。俺は一応ソウルとマカに倒さない程度に足止めをお願いして一色に向き直る。

 

「.......武器を使ったことがないって職人って言わなくないか?」

 

「あ、勘違いさせたなら謝りますけど。武器はある程度使いこなせますよ。ただパートナーがいなかったので先輩達みたいな武器は使ったことがないってだけですよ」

 

それもそれでどうなの?って思ったけどいくらノットでも武器と一時的に組んで訓練をする授業があるので武器を使ったことがないってのはおかしな事だった。

 

「武器を使ったことがないって授業中はどうしてたんだ?」

 

「勿論パートナーは作りました。一時的にですが。でも誰と組んでも熱かったり重かったりで持つことが出来なかったんです」

 

それはあきらかに二人の息が合っていない時に起きる拒絶反応だった。

 

「武器の子全員にお願いして試したんですけど一人も持つことが出来なかったんです」

 

それは妙な事。だと思った。少なからず初めて同士なら嫌悪感や拒絶の意志がなかったり相性が最悪でなければ持つことくらいは出来る筈だ。酷くても5人に一人くらいは持てるやつがいないとおかしいと俺は思う。なら何故誰一人として持てないのか?それは..........。

 

「一色.....もしかして武器に対して嫌悪感があったりしないか?」 

 

理由は一つしか思い付かなかった。人間とは違う。武器自身に嫌悪感を抱いているのなら全員持てなくても不思議じゃない。

 

「それは.....」

 

思い当たる節があるのか顔を俯かせてしまう一色。まあ武器も考えようによっては化け物だ。人間ではない。その自分とは違う対象に嫌悪感を抱いてしまうのは自然な事なのかもしれない。

 

「一色が嫌なら--------------」

 

俺の口からそれ以上の言葉は出てこなかった。いや出すことは出来なかった。目の前では俺に抱き付きながら涙を流す一色の姿があったからだ。

 

「すいません.....先輩。でも違うんです。先輩が嫌とかそういう理由じゃないです.....」

 

「........」

 

俺は泣きながら抱き付いている一色の言葉を聞いているしか出来ない。頭を撫でてやるのが正解なのか?先程の言葉を無かったことにすれば正解なのか?俺には分からない。でも今この話から目を背けてもいずれ同じ事でつまづくと思ったから俺はなにもせずに話を聞くことにした。

 

「先輩.....わたしは昔。昔と言っても7年前ですけど....実の両親に捨てられました。お前は悪魔の血を継いでいる。化け物だって言われて...」

 

「悪魔の血.....?」

 

情けないが今はこの言葉を聞き返してしまった。

 

「わたしは人間じゃありません......本来なら死武専にいてはいけないんです」

 

「それはどういう....」

 

「すいません.....これ以上は帰ってからじゃ駄目....ですか?」

 

一色はここまで話すと俺から離れて顔を俯かせながら言ってくる。髪の間から垣間見える瞳にはハイライトは消えておりいつもの明るい一色はそこにはいなかった。

 

「もし駄目なら.....パートナーの件は無しで大丈夫です....」

 

一色の手は強く握りしめられてプルプルと震えている。声にも嗚咽が混じり正直かなり居たたまれない雰囲気だ。

 

「重要なのは....魂だろ?」

 

俺が呟くと一色は間抜けな声をあげながら顔をあげてきた。

 

「重要なのは魂だ。姿形なんてどうでも良い。一色が化け物だってなら武器の俺だって化け物だ。お互い化け物なら良いと思わないか?片方が人間だったら気を使わなきゃいけないんだぜ?そんなの疲れるし正直めんどくさい。それに比べてお互い気兼ねなく接することが出来てお互いをカバーしあえる関係なんてwinwinだと思わないか?」

 

一色の頭の上にははてなマークが現在浮かんでいるのだろう。呆けている顔を見れば一発で分かる。

 

「まあお前の正体がなんなのかは知らねーけど。俺の知ってるお前は一色いろはって名前で俺のパートナーだって事だ。他にはなんにもねーよ」

 

一色は涙を溢して泣いている。でも本人も気付いていないのか拭おうとはせず真っ直ぐ俺を見つめながら「そうですか......」と短く言って足止めをしているマカ達の方に振り返った。

 

「槍に変身してください。一番武器で練習を積んだのは槍なので」

 

そう言ってる一色の頬はほんのりと紅くなっているような気がした。


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