慎二が雁夜に憧れたようです   作:祭恩寺

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テスト期間中に投稿。

ヤバイ、全然進まない。超短い。

テスト終わったら本格的に頑張るのでつなぎ程度に思ってください。





慎二、会談する

 

 

慎二は目の前で優雅にお茶を飲むレオナルド・B・ハーウェイと名乗った少年を警戒しながら観察する。

 

ハーウェイ家。その名は魔術師であれば一度は耳にする家名だ。魔術の家系でありながら表社会に進出し成功を収めた。そして、西欧を事実上制覇していると言っていい大財閥にまで昇り詰めた。その正体は魔術教会の表の顔と言っても過言ではない。

 

その絶大な力をもって魔術教会の本部、時計塔に表と裏からあらゆる支援と援助を行っている。故にハーウェイ家縁の者は無条件にて時計塔に入る資格が与えられその恩寵を受けることが出来るという。

 

またその系譜は時計塔の名門であるバルトロメイに匹敵し、かつて魔術教会の組織としての基盤を整理し確立した貴族の一族。魔術師としてもその力は一流で多くの名のある魔術師を輩出している。

 

慎二は頭の中にある情報を纏めて目の前の奴について考える。わずかばかりの嫌味を含んで紅茶の入ったティーカップではなく緑茶の入った湯呑みを出してやったりしたがそれでさえも飲む姿に優雅さと気品が損なわれることがない。

 

「このお茶」

 

「…なんだよ」

 

「美味しいですね。普段紅茶ばかり飲んでますが、たまに他の種類のお茶を飲むと一際美味しく感じられます」

 

「ふん、当然だろ。そいつは取って置きの玉露…って言ってもわかんないか。とにかく最高級の緑茶を僕がわざわざ淹れてやったんだ。美味しいのは当たり前さ」

 

「それはそれは、わざわざすいません。それで、先程の件なんですが」

 

目の前で手を組むと微笑んだ表情のまま問いかけた。

 

「慎二さん、貴方はこういいましたね。Mr.臓硯は既に亡くなっており、今は貴方が間桐家の当主であると」

 

その顔は微笑んでいるにも関わらず目の奥は真実を確かめるように油断なく、かといって警戒しているわけでもなく慢心しているわけでもない。それは絶対的な上に立つものの尊厳をもって投げかけられた。

 

「………ッ!」

 

思わず開きかけた口を慌てて閉じる。もし今口を開いてしまったら目の前の少年の問いに流されて何でも話してしまいそうになったからだ。

 

負けてたまるか!気合を入れ慎二は椅子に掛けなおすと無理矢理に余裕たっぷりに応える。

 

「その通りだよ。だからこれからは認識を入れ替えておいて欲しいね。この僕が、間桐の主だ」

 

「なるほど、分かりました。では改めて、間桐家当主・間桐慎二殿。これまでの非礼、どうか許してください。僕達の情報が間違っていたようです」

 

驚くほどあっさり自分の非を認め謝罪するレオナルドに慎二は肩透かしを食らった気分になるが、頭を下げるレオナルドに気分を良くして鼻を鳴らす。

 

「まっ、ちゃんと分かればいいんだよ。それで?一体何の用で訪ねてきたわけ?」

 

「その前に慎二さんに確認したいことがあります。僕の質問に答えていただけませんか?」

 

「質問の内容によるね。何でもかんでも答えてやるわけにもいかないんでね」

 

「心配要りませんよ。あくまでただの確認、それは間桐の家の深いところにまで問うものではありませんから」

 

怪訝な顔をする慎二にレオナルドは微笑む。

 

「まず一つ目。慎二さんは間桐家の当主であると言いましたね。それは正式に当主の座を受け継いだということでよろしいですね?」

 

「そうだ、当たり前だろ」

 

「次に二つ目。では慎二さんは間桐の魔術を継承していると考えてもよろしいのですか?それは聖杯戦争において聖杯のシステムの管理を含めて」

 

「ああ、そうだ」

 

「最後に一つ、貴方は魔術師としてそれらの技を行使または再現できる、と考えても?」

 

「………いや」

 

慎二が急に苦虫を潰したようなに顔を歪ませて答える。

 

「いや、とはどういうことか窺ってもいいですか?」

 

「………」

 

 

 

「別に僕はあなたを魔術師かどうかなんて疑っているわけではありません。こうして僕を自分の有利な場所に引き入れて周りを無数の使い魔で包囲している時点で疑う余地はありません。加えて言うなら恐らく今この家にいる使い魔のほとんどがこの部屋をまるで結界のように囲んでいる。それほどの数を少しの物音立てず平然と操っている貴方は優秀な魔術師と言えるでしょう」

 

 

 

 

慎二はイラついていた。

 

自分のやっていること。あえて家に入れた理由も、蟲たちを呼んだことも見透かされた。何より目の前のこいつはそれを最初からわかって平然としていた。そこには自ら虎穴に入ろうという気負いが微塵もない。それはつまり、この状態に置いてもこいつは今の状況を危機と感じていないのだ。

 

ギリッ、と奥歯をかみ締める。自分よりも恐らくこいつは優秀であると気づいた慎二に沸々と対抗心と嫉妬が沸いてくる。それはかつても味わった感情。あの憎く、不気味で、醜悪で、それでいて恐ろしい魔術師。そして、今なおその魔術師よりも自分は劣っていると再確認されたようで怒りが沸いてくる。

 

先程こいつが優秀といった使い魔でさえこの程度あの魔術師を含め同じようなことを出来る魔術師は多い。目の前のこいつにあの時以上の対抗心と怒りが沸いてくる。

 

慎二は知らず知らずのうちに戦いの前のような心理に陥っていた。例え自分より優秀だろうが関係ない。あの時もそうだったように、自分には勝つための切り札が―――

 

「慎二さん」

 

はっ、と慎二は顔を上げた。レオナルドは両手を高く挙げ慎二を見つめている。

 

「僕に戦う意志はありません。先程の質問が気分を悪くしてしまったのなら謝ります。ですからそんなに殺気立たないでください」

 

苦笑しながら手を挙げるレオナルドに、慎二は舌打ちすると大きく息をはいた。手元にあったお茶を一気に飲み干すと重々しく口を開いた。

 

「……聖杯の管理に関しては問題は無い。僕でも十分に対処できることさ。けど、同じ事を再現しろとなると…知識はあっても今の僕じゃ出来ない」

 

と忌々しげに慎二は言った

 

「そうですか。質問に答えてくださってありがとうございます」

 

「…次はこっちから質問だ。何の目的があってそんなことを聞いてきたんだよ。わざわざ御三家の一角にやってきて何もない、なんてことありえないだろう?一体何考えてんのか聞く権利はあると思うんだけどね」

 

今度は慎二がレオナルドの目を見ながら問いただした。そして、レオナルドはあっさりと答えた。

 

「ええ、もちろん。そのために今日ここに来たんですから。慎二さん」

 

次の言葉に慎二は驚愕した。

 

 

 

 

 

 

「僕達で、もう一つの新しい聖杯戦争を始めませんか?」

 

 




オリ設定・オリキャラ・オリ鯖がこれからどんどん出てきます。

感想等お待ちしてるのでよろしくお願いします。
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