鋼鉄の咆哮_WARSHIP RANGER 作:Bligh_Drunk
いきなり飛躍した話になりますが、この程度はよくあることでしょう。(感覚麻痺)
もう艦娘なんか必要ねぇんだよ!(超暴論)
―――貴様さえ、貴様さえいなければ、我々は正しく世界を平和的に統治できたのだ!―――
___そんなことは幻だ! お前達の妄言に過ぎない!___
―――・・・多くの兵が、沈んでいった!―――
___お前達が巻き込んだんだ!___
―――違う、全てはお前達の、"お前の"出した結果だ―――
___馬鹿な、そんな、そんな筈は!___
―――・・・我が艦の、この力の前に沈め!―――
違う、俺は、俺はっ! ぐっおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ............
・・・・・・・・・・・・・・・
「だぁっは!!! ・・・・・・・・・。」
まただ... 執務室のソファで横になっていた草加は悪態をつく。此処だけの話、彼は記憶が曖昧な部分がある。彼は、この世界の知識を知っていたしそれまで過ごした記憶もある。
しかし、何か重要な事を忘れている気がするのだ。記憶の中にある違和感、それが思い出せれば分かるかもしれないのだが未だに進展は無い。
あの日、目覚めた時から続く悪夢の様なものを夢に見るばかりだ。艦の中、敵、巨大な影、いずれも全く知らない。俺の記憶と関係があるのだろうか...
「提督、お目覚めですか? 何か廊下の方まで大声が聞こえてきましたが大丈夫でしょうか。」
「大淀... いや、何でもない。出てくる、あいつ等に今日の指示を頼んだ。」
「了解です、お任せください。」
前日にまとめた今日の予定を大淀に渡し、掛けていた黒のジャケットに袖を通す。基本的に提督専用の服があるが、別に義務付けられていることじゃないので問題ない。
一先ずあいつ等と顔を合わせなければ、そんなことを考えつつ連絡棟に行く途中である話を聞いた。
「なぁ、あの噂って本当なんだろうな。」
「真面だよ、マジ。隈栢准将さんのとこの艦娘がボロボロの状態で母港に来たって、女神を持たせていたらしいけど全員意識が無かったってさ。」
「本能だけで、此処まできたってことか? やっぱあいつ等すげぇな。でも、そこまでした奴ってのは一体...」
「巨大戦艦らしいぞ。例の「テュランヌス・0」って奴らの新兵器、40ktを軽く越える速力を出していたらしい。」
・・・巨大戦艦、おかしい、何かが引っ掛かる。此処まで出掛かっているのに...
「・・・! 急がねぇと!」
もう走り出していた。准将の艦隊が轟沈寸前? そこまで追い込まれることが... 「テュランヌス・0」、それは一体... 全力で隈栢の艦隊のいる第3隔領域に向かった。
「隈栢准将っ!!!」
「騒がしいぞ、っとお前だったか。」
荒々しく執務室へと飛び込んできた草加に冷静に対処しつつも、隈栢は彼の焦り具合に驚いていた。普段、そんな姿を見せない彼がこうなっているのは非常に珍しかったからだ。
草加も、隈栢の落ち着き具合を見て正気に戻った。よく見ると、あいつ等4人も執務室に集まったいた。彼ら5人は、隈栢の下で何かと良くして貰っている期待の懸かった提督達なのだ。
「お、ようやく来たか。今まさに呼びに行こうとしてたとこだったんだぜ?」
「一体、何が、どうなって...」
「落ち着け、取り敢えず概要の説明と、聞いてほしいものがある。」
一息ついて隈栢は事の全貌を話し始めた。
「1週間前、俺は元帥の指示の元、ある海域の調査に偵察艦隊を出した。」
「例の轟沈寸前だった艦隊ですね。」
「准将殿、海域の調査とは?」
「つい最近、俺の機動艦隊が太平洋奥を偵察していた折、おかしな艦隊を発見した。初めは深海棲艦の艦隊だと思っていたが、今となってはそこから既に間違っていたんだろう。」
そう言って、5人の前にあるテーブルに写真を出した。そこには、深海棲艦と輸送艦と思しき艦艇、それと艦娘?に見える人型が写っていた。
「そこにいる奴は、艦娘でも深海棲艦でもない。今までに前例の無い、未知の存在、だ。」
「未知の... 何者なんですか?」
「"
「"クロガネ"...」
そいつ等は、「テュランヌス・0」は色々とこの世界の常識から外れていた。
そいつ等は、艦娘と深海棲艦を従え、艦娘に通用する高度な技術と力を持ち、何より現代技術では到底成し得ない巨大な艦の存在があった。
・・・なぜだ、こんな前代未聞の事は初めて聞く筈なのに、俺は"それを知っている"気がする。それは、次に聞かされた音声ではっきりとした。
「それだけじゃない、先日アメリカから情報を提供されたんだが...」
「アメリカ?」
「位置的に近かったこともあったから、偶々捕捉したしたんだろう。奴らが、南極大陸の近くに基地を置きその一帯を占領下に置いていることも分かっている。」
それまでに大量の航空機が犠牲になったらしい、と呆れ顔で話していた。
南極条約のこともあって、それをネタに強引な形で通信をいれたアメリカ政府とのやり取りが音声の内容だった。
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「重ねて言おう、君達がやっていることは今の国際情勢に著しく反することだ。すぐに、武装解除し帰順せよ。」
『しつこい奴らだな、用は脅しをかけたいってんだろ? 回りくどい言い回しは無しにはっきり言ったらどうだ? おい。』
「・・・貴様は、私が合衆国大統領であると知って言っているのか?」
『分かるからこそだ、秩序や法律で俺が縛れると思うなよ? てめぇら人間様とは違ぇんだ、俺にはお前らに出来ないことが出来る。』
「一体、何を...」【大統領ーっ!】
「何だ、今度は!」
「NASAからの連絡で、南極大陸上空に待機中だった人工衛星「エイダム」が、破壊、されました...」
「何だと!?」
『対宙レールガン、宇宙圏の敵を攻撃する為の特殊兵器だ。衛星もお前らが今も使うべきか考えている"神槍"も、簡単に撃ち落せる。』
「お前達の目的は一体なんだ? よもや、世界征服でもする気か?」
『馬鹿な、目的なんて無い。俺はあるべき場所に帰るだけだ、だがそれは国じゃない。まさか、おれ自身が
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「だが、政府はこれを完全に無視し、イギリス・ドイツ・ロシアから艦艇をいくつか集めて連合艦隊を結成、深海棲艦隊の支配域を抜けて攻勢に出た。戦略爆撃機も投入した過去最大規模の作戦に打って出たが...」
「もしや...」
「艦隊も、爆撃機も、1つたりとも戻ってくる奴はいなかった...」
事実上の全滅だ。今は状況がアレだが、国際規模の戦力を相手に渡り合うどころか、圧倒できる程の力を持っていることが証明されてしまった。
ここに居た全員が息を呑んだ、たった1人を除いては...
"鋼鉄"、"巨大艦"、そしてあいつの言っていた"転移艦"、ずっとぼやけていた記憶が一気に蘇る。
――まるで、状況が掴めません。我々は、どうなったのでしょうか?――
――我々は、解放軍第零遊撃部隊。貴艦隊を援護する!――
――これよりお前はゼロ、我々の精鋭であり希望だ――
――我が帝国よ、永遠なれ!――
――艦長! 撤退なさるおつもりですかっ!――
――我コソハ、真ノ兵器――
――これが最後だ、我々がこの悪夢を終わらせる!――
全てを思い出した。そうだ、今まで俺は何をしていた? 戦いが終わり、決着がついたか? いや、まだ終わっていない、俺の戦いは、まだ終わってはいない!
「准将っ! 戦力は! どれだけの戦力があそこに!?」
「落ち着けよおい! 一体どうしたんだお前おかしいぞ?」
「説明している暇は無い、叩ける内に叩かなければ...」
いつもと全く違う草加に違和感を覚える中、その草加の携帯に電話がかかってきた。
「どうした、こんな時に...」
「提督! 対潜警戒に出ていた艦隊から緊急連絡がっ!」
「連絡?」
何やら切迫した様子で話してきた大淀に危機感を感じ、すぐに通信を直通させた。
『こちら五十鈴! 対潜哨戒中に、
「大丈夫か!」
『敵から離脱を図っているんだけど、攻撃が激しいし、駄目! 敵が速くて逃げ切れない!』
すぐに、理解した。あいつ等が相手にしているのは、間違いなく巨大兵器! なら、やらねばならない。これはあいつ等じゃなく、"俺"の戦いだ!
「いいか、何とか耐えろ! 回避に専念するんだ、その間に何とかする!」
『何とかって、一体どうやって!?―――』
執務室を飛び出し、一心不乱に外へと駆け出す。"あれ"がある筈だ、草加はある場所に向かっていた。
今は人がいなくなり、手つかずの港の一角に海に面した倉庫が1つある。・・・轟音を立ててそこに近づく影があった。バイクを繰り、勢い良く付近に置き捨て倉庫へ一直線に入っていく。
無人の倉庫の中には、艦、かなり歪な駆逐艦が1隻鎮座していた。
―――まだ希望は、失われちゃいない... それまで耐えてくれ!―――
たった1人で何が出来るのか、そう思うかもしれない。だが彼にはそれが出来る、伝説の鋼鉄には。
「・・・行くぞ...」
三度、使命を果たす為、目覚めた英雄と共に「聖獣」の核が唸りをあげて動き出す...
鋼鉄の中でも1,2を争う実力者だと思う、C2第零遊撃部隊のエースのエントリーです。
いや、こうでもしないと人類の戦力がクソザコナメクジだからね、しょうがないね...
ちなみに、俺の中での歴代鋼鉄ヒストグラムは...
C2 ≧ C1 > C3 > シュルツ >>>>>>>>>> 一般クソザコ艦長
となっています。やっぱ、1、か2ですかね。
次回は、お待ちかねの超兵器戦になります。
内容から、正体は大体予想できると思いますが、お楽しみに。