鋼鉄の咆哮_WARSHIP RANGER   作:Bligh_Drunk

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久々に実家に帰省したので次話投稿です。
過ごしやすさが、断然違う!

それにしても、話の内容を簡潔に書こうとすると微妙になるし、詳細に書いたら書いたで字数が多くなるし、どうすっかなぁー俺もなぁー...


B-2.零の戦場

『中部海域に敵の大部隊が集結、本国へ向けて接近中。』

 

 

 

この知らせを受けたのがつい5時間前、現在俺は中部西の沖合まで来ていた。あいつらには無茶だ、やめろと言われたが、居ても立っても居られなかった。

これだけ接近に気づくのが遅れた以上、今から戦力を出撃させていては間に合わない。

 

緊急で出せる戦力が必要だった。普通なら死にに行くようなものだ。

 

だが、勝算が無い訳じゃなかった。"奴ら"は既に深海棲艦と何度か戦闘を行っている筈、俺がやってやれないことは無い!

70ktの快速で突っ走って来たおかげで、何とか奴らが構築中の防衛線に到達する前に辿り着くことができた。

 

深海棲艦達も、ようやく俺の艦を捕捉したのか航空機を上げ始めた。

 

「提督! 先行し過ぎです! もう少し到着を待ってから...」

「いや、これ以上は間に合わない。此処で何としても食い止める。」

「・・・支援の航空戦力を全て出しました。協力して戦闘に当たってください...」

「加賀... すまない、恩に着る。」

 

しばらくして、後方から味方航空隊が接近しているのがレーダーで見て取れた。

 

「ここからが、正念場だ。」

 

 

 

 

 

≪・・・!!!≫

 

烈風隊が前へ、

 

≪!! ...!≫

 

紫電隊も出る。

 

いよいよもって戦闘だ。目の前に広がるこちらの倍はあろう敵機を目の当たりにすると、正直逃げ出したくなる。だがそれはできない!

 

玉砕覚悟と腹を決めたその時、突如火だるまとなって数機が落ちていった。よく見ると攻撃したのは駆逐艦、草加少佐だ!

 

「H-02、突出し過ぎるな! H-01、各個撃破を狙え。ぶっつけ本番で悪いが時間が無い! できるか?」

≪!! ・・・!!!≫

 

さあ、戦闘の始まりだ。

 

「!! -‐―......」

「行けるか? よし、こちらからだ!」

 

激しく砲弾などが飛び交う中、標的となっているその艦は驚くべきことにかすり傷一つくらっていない。

 

毎秒5射という凄まじい速度で放たれる主砲が絶え間なく火を噴き、実質回避不能の魚雷が気づかぬ内に突き刺さり、無数の光と鉄の刃が殺到、追い詰める筈の側が追い詰められている状況。

現代の艦からは想像もつかない動きの連続で、敵を翻弄し次々と撃破していく...

 

 

 

かつて、男はその類い稀なる才をもってして、幾度となく立ちはだかる者達を全て打ち倒し、「真の英雄」となったと言われている。

 

 

 

それは、今この世界にいるこいつとて変わらない、伝説は健在だ。

 

「!? ―‐‐......! --!!!」

「#@! ―-..."+^*"!?」

「遅い!」

 

敵の攻撃が殺到する間に、数十隻,数百機を葬り去る様は正しく"異常"だ。味方である筈の航空隊もその戦況の変化について行くのがやっとだ。

 

鋼鉄は鋼鉄でしか倒せない理由、その1つに他がその反応について行くことができないというのがある。

だからこそ、単独戦闘が多い。単純に、常人が行動を合わせられないからだ。

 

「そこだ!」

「・・・!!!」

「左舷空母、次に奥の戦艦6、2時から砲撃、7時へ魚雷回避運動、潜水艦12後方、爆撃3方向急速後退、全速前進目標を右舷へ...」

「―! /-/・‐‐―!!」

「後ろがガラ空きだ。」

 

先日の苦戦が嘘の様に撃破数を伸ばしていく。明確な実力の差が、そこにはあった。そしてそれは、"奴ら"もまた同じ...

 

 

 

壮絶な戦闘の末、残ったのはやはり1隻をおいて他には無かった。

 

「・・・敵戦力残存無し... 作戦成功、当海域を脱出する。」

『ぜ、全滅ですか?』

『むぅ、これを見た後では私の栄光も霞んでしまうな...』

『いや、これは最早どうこう言える次元ではない気がするが...』

 

見ている方からすれば、ただ唖然とするしかない光景。分かっていてほしいのは、"あの世界"においてはこれが常であったという事、

 

それだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハワイ諸島 東部深海基地

 

「何? 南西カラ、コチラヘ接近スル艦ガ?」

<敵ハ、"巡洋艦"1隻。真ッ直グ、コチラヘ向ケ前進中...>

「・・・ナラ、小隊ト航空機デジュウブンダ。人間メ... 愚カニモ向カッテクルカ。」

 

 

 

 

 

『うまく内部に情報を流せました。』

「良くやったネビュラ、後は俺らに任せろ。」

『ふん、ヴィント級の力を思い知らせてやる。』

 

草加が戦闘を始める前頃、ハワイ島襲撃を目論む者達がいた。

南極の物資だけに飽き足らず、深海棲艦が保有する資源に目を付けたアレスは、手始めにハワイを攻略することを決定。

 

深海棲艦が占領後、幾度となく人類の攻撃を退けてきた要衝の1つなのだが...

 

「いいのか? 何なら俺がさっさと突っ込んで制圧してもよかったんだが?」

『馬鹿言え、存在ハイリスク・ハイリターンのお前がヘマやらかして損害を出したらヘッドに顔向けできん。お世辞にもお前や"疾風"は、対空性能が高いとは言えんのだぞ。』

「早まるな、ここは"突風"に任せろ。同型とは思えないコストが掛かってんだからな。」

「くそっ、分かったよ... 次の作戦で俺の快速を披露するか。」

 

無駄話をしながら2つの大型台風はハワイから約600000も離れた位置に停滞中、攻め時を待っていた。

 

本来なら、航空隊の圧倒的物量で一方的に叩くのが速いのだが、肝心の物資も共に燃やしてしまっては意味が無い。

洋上で片を付ける必要があった為、ある策を仕掛けた。

 

 

 

 

 

ハワイの南西部方面、秘密裏に回り込んできた艦が1隻、余りにも目立つ特徴的な蒼い船体、巡洋艦とは括られているがその実、戦艦に近い存在。

 

「・・・来たな。」

 

敵が流した情報だとも知らず、まんまと釣られて戦力を出してきた。複数の水雷戦隊に大量の航空機。

空母棲姫が指揮艦の為か、主力は温存したつもりか知らないが、やけに航空戦力を中心に多く展開してきた。

まあ、これはこれで()()()()()が。

 

「エエイ! 何ヲシテイル!? タカガ巡洋艦1隻ニ、ドレ程時間ヲカケテイル!」

 

怒りを露わにする空母棲姫だが無理もない。事前情報とは全く違い、3()0()kt近くで航行していたと思われていた巡洋艦は90ktに増速、さらに巡洋艦から発せられた謎の光で航空機が次々と落とされていく。たった1隻相手に、この有り様では面目が立たない。

 

「使エヌ奴ラメ...... 残リノ航空機モ出セ! クソッ、ダガコチラニハマダ戦艦ガ残ッテイル。人間メ...」

 

未だに何か勘違いしているのかは知る由もない。だが、この判断が最大の誤ちであった事は確かだ。

 

 

 

さて、件の突風はとにかく暴れ散らしている。実の所、超兵器の中でも対空性能があまりよくないヴィント級ではあるが、こいつは対空パルスレーザーがある分比較的に航空機に対しては強い。さらに...

 

「第1,第2,第3群ロック、粉々になりな。」

 

重苦しい発射音と共に3発のミサイルが放たれる。言うまでもないが、唯の対艦ミサイルなどではない。

 

「!!?」

「ふっ、まさにブラストウィンドだな。」

 

旗艦にぶち当たったミサイルは、蒼い爆風をまきあげ、僚艦共々巻き込み消し飛ばした。

 

『さあ、お前らの出番だ、暴れてこい。』

「よし! 全速で当ててこい!」

「当てられればの話だがな。さっさと行って数を減らしといてくれよ?」

 

 

 

 

 

今になって後悔の念が湧いてくる。なぜ、こんなことになった? どこから間違えていた? そんな事、最早分かる筈も無い。

 

さらに悪いことに...

 

「戦艦... ダト...?」

 

外洋の探知圏外から超高速で基地方面に接近する2隻を潜水艦が発見、直後に即撃沈されたという追い打ちをかけるような情報が飛び込んできた。

 

指揮は完全に混乱状態、残った主戦力を前に出すことしかできなかった。

 

「のろまが! 何処に砲を向けている? スロー過ぎて話にならないな!」

 

しかしながら、その戦闘は余りにも悲惨なものだった。特に酷かったのは戦艦等の砲撃、40kt以上で航行する標的に対し予測と全く見当違いの方向に飛んでいく。普通、そんな相手を想定する筈が無いのだから当然と言えば当然だ。

 

先行してきたシュトゥルムヴィントに一方的にやられ続け、5分遅れでヴィルベルヴィントが来た頃には90%が撃沈されていた。

 

『やはり性能はいいんだが...』

「ノーチラスの奴もそうだが、やはり同型艦とは思えないな。これであの機関の脆弱さがなければ...」

「うるせぇな! 要は当たりさえしなけりゃいいんだ、楽勝だろ!!?」

「ゼロの前でも同じことが言えるとは思えないがな。」

 

過去に不測の事態の連続から「不運の兵器」と言われ、唯一万全の状態で戦い敗れたゼロを警戒するヴィルベルヴィントが苦い表情でものを言う。

 

『残党狩りはやっておく。そちらの処理は任せた...』

「分かった。さて...」

「クッ!」

 

だがこの戦闘も、もう直ぐ終わりを告げる。2隻の巨大戦艦は最後に残った空母棲姫に向き直る。空母とは言っても、今や多少硬い的にすぎない。航空機はその全てがヴィントシュトースによって叩き落された。

 

「貴様等! 人間共ノ差シ金デハナイノカ!?」

「はっはっはっ... 馬鹿なことを。あんな糞の掃き溜め共に従う程、安くはない。」

「ナラ、一体何ナノダ!!」

「そうだな... あえて言うなら、"崇高な目的を持つ、真の統治者の為の特殊部隊(レンジャー)だ。」

「ナ、ニ!?」

 

"疾風"の言葉の意味を理解する前に、突如放たれたβレーザーが四肢を貫き完全に沈黙。

ハワイに展開していた難攻不落の布陣は、数時間たらずの内に崩壊してしまう結果となった。

 

 

 

本来ならば、早急に物資を運び出せばここに用はないのだが...

 

「どうする? 今から俺らで全部積んでいけば終わりか?」

「いや、俺達だけで全て運び出すのは無理だろう。だが、複数で往復するには効率が悪すぎる。お前らは一足先に戻り、あちらに加われ。ここは、俺が引き受ける。」

 

 

 

 

 

「・・・これ位、俺1人で充分だ。」




燃料不足にしょっちゅう機関損傷と、何かと全力を見せられないヴィルの輝きはやはりC2のみか?

いや、作品の中でも輝けるぞぉ!

さぁ、今のお前のパワーで、人類も深海棲艦もこの世から消し去ってしまえー!(無謀)



あっ、次じゃ、ないです。
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