鋼鉄の咆哮_WARSHIP RANGER 作:Bligh_Drunk
投稿者、平野源五郎です。(大嘘)
長らくの修行から戻って参りました。(まあ、また行くんですが)
とりあえず、話進めないとなんで、はいヨロシクゥ!
♪C1.海戦A
「・・・なぁ、本当に大丈夫なんだろうな?」
「私に聞かれても何とも言えん。まあ、提督を信じるしかないだろう。」
「うふふ、天龍ちゃんは本当に怖がりなんだからぁ。」
「んなっ!?」
「ふっ、心配するな。私と長門で何とかしてみせる。」
中部海域の中頃、洋上を航行中の艦娘で構成される2個艦隊があった。
軽巡洋艦2,駆逐艦4の輸送部隊、戦艦,軽空母,駆逐艦各2隻ずつで組まれた艦隊だが、兵装が他の艦娘達とは違った。
彼女達は、ゼロこと草加の指揮下におり、任務として出撃していた。
「だが、そうは言ってもなぁ...」
おもむろに、自身の後方に目を向ける。
「これで、僕も司令官の役に立てるね! わくわくするよ!」
「油断するなよ? 力を過信しすぎては足元をすくわれるからな。」
「そう言う自分が1番過信してなかったっけー?」
「心配するな、ちゃんとフォローはする。」
「今してくれ!!」
「・・・緊張感、無さすぎだろ...」
これを見て心配するなと言う方が難しい。
そもそも、今のままでは状況がはっきりしないのでここまでの経緯を見ていこう(メメタァ!)
♪C2.HLG
事は3日前に遡る。横須賀本部を狙って進攻してきた深海棲艦軍をたった1人で退けた草加は色々と考えた末、1つの結論を出した。
それは艦娘の強化、鋼鉄の使用する兵装の搭載である。これに関しては、実の所前々から言われ続けてきた事だった。
深海棲艦を圧倒して見せた鋼鉄の兵装を使えば、奴らとの戦闘で優位に立てる上にテュランヌスとも渡り合えるかもしれないからだ。しかし、事はそんな簡単なものではない。少なくとも、大きな問題が幾つかあった。
まず、艦娘と鋼鉄側とでは兵装の作りから全く違うことだ。
艦娘の兵装は、艦娘出現と共に現れた"妖精"と呼ばれる存在の力が関係している。
一方鋼鉄側の兵装は、船体なども含めHLG設計システムに対応した特殊な造りで、これにより換装が容易になっている。言うまでもないが、妖精などとは全く関連が無い。
鋼鉄の船体は、HLGシステムに対応していない兵装を搭載できる程に万能ではある。
しかし、兵装その他の部品に関してはHLGシステムに対応していない船体には搭載できない。
つまるところ、特定の船体以外はそもそも載せることすらままならない、それは艦娘達にしても同じだ。兵装を運用する為には、どうしてもHLGシステムに対応した鋼鉄の改造をしなければならなかった。
だが、それは同時に艦娘という存在の定義をあやふやにし、問題を作ってしまうのではないかという危惧があった。本来ならば、それが唯一の方法だった。
だったのだが、ここ数日間明石達と話した結果、もう1つの方法が出てきた。
鋼鉄の兵装などを艦娘の使用装備に改造する、というものだ。
元々、艦娘は妖精という存在の未知の力で造られる装備しか扱えない関係上、素の鋼鉄兵装を使うことができないばかりか、現代兵器も扱うことができない致命的な問題があった。鋼鉄の兵装を妖精の力により艦娘装備に造り変えることで、初めて搭載できるようになる、という算段だった。
実際にこれは奇跡的に成功し、鋼鉄兵装の装備すること自体はできたのだ。しかし、事が早々に上手くいく筈も無い。
本来、最新鋭技術で造られた船体に搭載すること前提で開発された物...
「うぐっ! これが、60口径の、重みと、言うものか...!」
「流石に、大和でもこれは辛いですね...」
60口径以上が標準的な砲、
「うーん、この80㎝酸素魚雷40門は無理があったかなぁ...」
「北上さんでも流石に無理があります!」
「せめて、68㎝の魚雷にしようぜ...」
重量を増した大型魚雷、
「これは垂直離着陸ができるのか? 私には熟れないな。」
「日向はああ言ってるけど、この攻撃ヘリって結構いいんじゃない? 対艦,対空,対潜もできる、最強でしょ?」
世代が一気に飛んだ現代航空機群、
「こんな大型機銃、一体どうやって使うって言うんだ?」
「えっ!? 砲弾自体が誘導を!!?」
「私、ミサイルの扱いなんて知らないんだけど...」
未知の領域の兵装の数々、
彼女達からすれば、このじゃじゃ馬装備を扱うのに悪戦苦闘は必至だろう。
これに留まらず、兵装の改造には大量の資材を消費し、性能を十分に活かすには高度な情報処理能力が必要になる。
100%を引き出すまでは行かないまでも、まずはこの兵装というものに慣れる為に、つい最近深海棲艦が消えたHI諸島の調査任務も兼ねて点在しているという資材の回収、ついでに艦娘の中で1番マシだった面子の実戦慣れもしておこうということで現在に至る。
「諦めろ天龍、確かにお前の言っている事も最もだ。だが、何もせずにはいられないだろう。」
「いずれは、あの准将殿の艦隊のように遭遇する可能性も出てくる。我々が、先んじてその力を見せれば後続の励みになるはずだ。」
「まあ... お2人さんの言うことも一理あるが...」
「そうです! 私は早くこの陣風や橘花を飛ばしたいです!!!」
「瑞鳳、お願いだから落ち着いて...」
不安がるのは仕方が無い。新型装備は、使い始めて1週間と経っていない。しかも、新型装備に対する艦娘間での差が如実に出ていた。
筋が良いと割と早く順応できる者もいたが、酷いものではまともに動くことすら出来なかった。
少々興奮気味になっている瑞鳳の様に積極的に新装備を使っていこうとする者も居れば、今までの装備の方が合っているという者も居た。装備を理解しておらず、問題が起こることもあった。
蒼天を着艦させようとしていた瑞鶴(甲)は、速度に対応できず危うく甲板に墜落しかけた。
15.5㎝砲と80㎝魚雷2基を積んだ島風は、自慢の速力が半分以下に減速した上に沈みかけた。
大和でさえ、50.8㎝砲の試射時に反動で10m後ろに吹っ飛んだ。
「・・・ったく、何かあれば提督の助けが来る、て言っても頼りっぱなしじゃいられねぇ。これじゃあ、先が思いやられるな...」
だいたい、今最も危惧しているのは超兵器と言われるあの巨大兵器のことだ。
現在はまだ詳細が分かっていないが、今回行く"HI"にあった筈の深海棲艦の大型基地を壊滅させたのが超兵器かもしれないのだ。
何故か基地跡に残っている資源についても含めて調査するよう大本営からのお達しがあって草加も仕方なく受けたが、その話を聞いた鎮守府の誰もがその危険性について口々に話していた。
彼の所属艦娘は、いち早く彼が知る範囲の超兵器に関する情報に目を通していたから理解していた。
もし、今の自分達が奴らに捉えられたなら、逃げることさえ叶わずやられる。あの性能だけでもよく分かる。
草加自身も、この指令にはかなり抵抗を持っていたのだが、一部彼女達からの要請があり決行した次第だ。
「でも、仮にテュランヌスが絡んでいてあそこにある大量の資材を狙っているなら、大掛かりな輸送船団も確認できないのはおかしくないかしらぁ?」
「輸送艦だけとは限らんかもしれんぞ? 超高速で動く超兵器なら、輸送艦より遥かに効率的に大量の資材を運べる。」
「ま、記録を見る限り超兵器が戦闘に関係ない運用をされた事実は無いがな。」
ここ最近、南極大陸付近は霧が濃く、動向が全く見て取れない状態にある。
これも超兵器による影響なのか新技術によるものなのかは草加にも分からなかったが、奴らの仕業であることは間違いないらしい。
資材を運ぶ為の輸送船団が見られない以上、鉢合わせすることは無いという判断をしているが、高速超兵器のことを考えると結局は運次第でしかない。
分かってはいるが、もう目的地は目の前だ。低位とは言え、新型装備のおかげかほぼ無傷で来られた。
「やってみなくては分からない。可能性に賭けるしかあるまい。」
不幸にも、彼女達はその可能性を引いていたのだが...
「み、皆さん! 先程、南西500㎞地点に高速で接近する戦艦がっ!」
「何っ!」
「いよいよ来たか。大和に代わり、この私が一肌脱ぐとしよう。」
「深海棲艦共め、無駄な時間を取らせやがって...」
艦抵抗を極力小さくした独自の船体に、特徴的な艦尾推進ブースターを持つ高速戦艦は、ようやくハワイを目前にしていた。
実は少し前まで、アメリカ・カリフォルニア基地方面から流れてきたと思しき装甲空母鬼の率いる部隊と戦闘していたのだ。奴らは、現在霧に覆われ状況が把握できない領域を再制圧すべく、度々戦力を差し向けている。
今回は、偶々出撃が重なったヴィルベルヴィントとぶつかる形になった。
しかし、ヴィルベルヴィントがいくら下位の超兵器だからと言ってその性能差を覆せる筈も無く一蹴りされてしまった。
「予定より多少遅れたが、まあ誤差の範囲... なんだ?」
80%速力で向かっていた疾風は、ようやくハワイに近づく艦隊がいることに気づいた。
「あいつ等... 狙いは物資か? あれは全てヘッドの所有物になったというのに、そうはいくか!」
何度も人間共にしてやられっ放しの俺だったが、もうそうはならない! 今度は...
「今こそ、俺の超兵器としての意地を見せる時!」
俺の力を見せてやるっ!(大真面目)
しかし、疾風人気にDNがカンカンでいらっしゃる。労って差し上げろ。(上から目線)
確かに疾風はイケメン(独自設定)だが、DN氏はホント地味だわ!
折角多少強化したのに、初代の伝統で真っ先にやられた潜水戦艦の男かわいそう...
そ れ は そ れ と し て、次は第2戦。
乞うご期待!