魔法少女リリカルなのは~魔王の再臨~   作:シュトレンベルク

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皆さん、どうもこんにちばんは。
あとお久しぶりです。外出自粛のおかげで大幅に時間が取れたので執筆活動に勤しんでおります。シュトレンベルグです。
今の仕事が時間が不定期という事も相まって中々執筆できないという言い訳はさておき、とりあえず今の期間にかけるだけ書いておきたいと思いますので、なにとぞよろしくお願いします。

では、本編どうぞ。


戦闘勃発

 雷の暴威。

 相手方のバーサーカーの放つ魔力によってできた空間は、まさしくそう称するに相応しい空間だった。無論、その力が相手方にも配慮されていたものか?と問われれば、まったくそんな事はなかった。雷を躱しながら、相手方も赤黒連合に近づいてきた。

 

「バーサーカーめ、少しはこちらに配慮しろというものだ……!」

 

 連続して鳴り響く雷轟に顔をしかめる。森の中とはいえ、バーサーカーの振りまく雷轟はとても邪魔に感じていた。狩人である彼女にとって、聴覚的にも視覚的にも雷というのは邪魔でしかない。それがたとえ彼にとってはどうしようもない物だとしても。

 それを傍で聞いていたランサーは懐かしい光景でも見ているかのように、雷降り注ぐ敵陣を見つめていた。そしてぶつくさと文句を言っているアーチャーに視線を向ける。

 

「おや、余裕がないのだなアーチャー。このぐらいならまだ余裕だろう」

 

「無論、効くか効かないかという話であれば意味がない。だが、この轟音も閃光も鬱陶しいことこの上ない。特に私のような弓兵にとってはな」

 

「そうか。ならばその憂い。この場で断ち切ってやろう」

 

「そう簡単に行かせると思うか?赤のセイバー!」

 

 その言葉と共に、攻撃が交錯する。槍と剣がぶつかり合い、その間に飛び交う矢を紫電が焼き払う。地面を薙ぎ払いながら、激しい攻防が重なる。セイバーは数的不利をモノとはせずに、どころか一部分では押す勢いで戦いを展開していた。

 

「お前らを殺して、魔女も殺す。そうして手柄を立てる。そして次の戦場へ。俺にとって代わることのない日常さ。ただ仕える対象が違う、ってだけでな」

 

「……なるほど。生粋の戦士という訳だ」

 

「いんや、これでも生粋のベルカ騎士だよ。ただ、俺の生涯はその殆んどが戦場と共にあった。だから、俺にとっては王様とか領主様とかの義理よりも、手柄を立てて家族に良い暮らしを、っていう方が重要なのさ」

 

「ほう……そんな現実主義者が態々聖杯を求めるとは。今のお前には、養うべき家族も守るべき仲間もおらぬだろうに」

 

「だから、って奴さ。生前は現実主義で生きたってんなら、死後は忠義とかそういう臭い奴のために生きてみたいと思ったのさ。だから、召喚してもらって信頼してもらう。それさえ叶えば、俺の願いは叶っているのさ。あんたらがどうかは知らないがね?ついでに言やあ、いろんな英霊と話してみたいってのもあるが」

 

 剣の腹で肩に叩きながら、赤のセイバーは子気味良さそうに笑う。彼が主の命令を受けて戦場に立っている時点で、彼の願いは叶っているのだから当然だろう。そして、そんな彼の在り方はある種、英雄らしいとも言えた。

 

「なるほど。近代の英雄にもこれほど英雄らしい者がいるとはな。侮りがたい」

 

「まっ、うちの姫様ほど高名な英雄じゃないがね。天災兵器を止めただけのしがない男なんでね」

 

 赤のセイバーの周囲を紫電が迸る。その電は周囲に降り注ぐ雷の進路を捻じ曲げ、己の被害を回避する。それに留まらず、その自然エネルギーを己の力に変えていく。際限なく高まっていく魔力にアーチャーとランサーは警戒を強める。

 

「俺はかつてとある天災兵器と闘い、相打った。そういう経歴を持った英雄であり、逆に言えばそれぐらいしか特筆した活躍をしなかった男だ。だからこそ、なのかねぇ?そこら辺の描写はやたら細かく、かつ壮大に盛られたんだ」

 

「なに……?」

 

「生前の俺に、こんな力はなかった。ただ、俺の戦った天災兵器――――禁忌兵器(フェアレータ)ってのは、文字通り自然を操る兵器だった。それこそ、こんな嵐の再現すら簡単なぐらいにな。で、だ。後世の人間は思った訳だ。どうやって俺は勝ったのか、ってな?」

 

 周囲を自らの紫電で焼き払いながら、赤のセイバーは口にする。その圧力を先ほどとは段違いの領域に上昇させながら、握りしめるその剣に力を籠める。それと共に刀身に魔力が集中していく。白銀の刀身は紫色に染まり、次第に赤色に塗り替わっていく。

 

「なに、そう難しい話じゃねぇ。本当はここまでの道中みたいに自分に襲い掛かってくる物だけ破壊して近づいて全力の一撃をぶっ放して殺したんだ。だが、後世の連中は荒唐無稽だと思ったんだろうな。だから、連中は俺が相手の攻撃に含まれる(・・・・・・・・・・)魔力を吸収して(・・・・・・・)、その一刀でもって相打ったってな。そっちの方が無茶だろ?

 理論的には収束魔法(ブレイカー)と同じだがな。相手の攻撃に含まれる魔力を一方的に奪い取って?その攻撃を自分の武器に収束させて放つ?そんなもん、俺本来の技量で成しえる業じゃねぇっての。だが、それを宝具にまで昇華させるってんだから、とんでもねぇよな。人の意識ってのはよ」

 

 肩をすくめながら、そういう英雄はどこまでもふざけている。その宝具の来歴からすれば、その宝具を放てばどうなるのか、分からないはずがない。その宝具は命を燃やす宝具。この英雄は端から自分の命を使い捨てにして、自分たちを止めに来た。

 それは先達への尊敬であり、同時にそうしなければ止められないという危機感の表れでもある。多くの英雄に触れあえば、浪漫に心奪われた者であれば、語りたい事も聞きたい事もあった。その機会は多ければ多いほど良いものだ。

 

 それを理解していない訳ではない。しかし、その夢を、願いを放棄してでも力のない民草を守る。それは願い以前に、己自身がなすべき事だと定めた事だ。夢を叶える前に、まずは現実を見て、その現実に向き合わなければならない。それは死後であっても変わることのない彼の在り方だった。

 

 

「……なるほど。どこまで行っても侮れないのは人の願いか。確かにその通りだな」

 

「怖いよな。もしかしたら、この戦闘の後に残ったもので俺は化け物扱いされちまうかも。それは今更な気もするがな」

 

「ならば、死す前に教えてくれ。貴様はその生き方を後悔する事はないのか?」

 

「あん?」

 

「弱者のために尽くす。なるほど、良い言葉であろう。英雄譚に名を連ねるに相応しい信念だとも。だが、その生き方はとても儚いものだ。大きな逆境を前にしたとき、貴様は絶えずその信念を貫けるのか?」

 

「知らねぇよ、んなもんはな。相対した時にまた改めて考えるさ。でもまぁ、なんだ。俺は、俺がその時になすべきと思ったことを為すだけだろうさ。それが善であれ、悪であれな」

 

 そう告げると赤のセイバーは剣を構える。これ以上の問答は不要だろうと、これより先の決着は言葉によって齎される物ではないのだと、言外に伝えながら。その言葉に是非もなしと、ランサーが一歩を踏み出した瞬間に決着はなされた。

 

「宝具解放――――」

 

「なにっ……!?」

 

「アサシンッ!貴様、なにを――――」

 

「余計な事をするな、アサシン!貴様はただマスターの周りをウロチョロしていればそれで良い!」

 

 

「――――汝、深淵に堕ちよ(アム・ラスティオン)

 

 

 その瞬間、赤のセイバーの意識が割断された。宝具に供給されていた魔力が一瞬にして途切れ、構築されていた術式も絶たれた。先ほどまで行われていた何もかもが絶たれ、赤のセイバーの命はこれにて終了――――となる筈だった。

 

「……舐めんな!俺は聖王国の聖騎士(パラディオン)!この程度で死んでたまるか!」

 

「なに……?」

 

 『戦闘続行』スキル。最後の戦いしか目立つところがないと嘯きつつも、彼は何度倒れても再び立ち上がる事から『不屈の聖騎士(レイジング・パラディオン)』と呼ばれた。聖王国の中でも有数の騎士であり、帝国はその実一度として彼を討ち取る事が出来なかった。

 天剣と闘い、それでもその命を落とすことはなく。魔王として君臨した皇帝に手を差し伸べられてもその手を払い。数多の英雄や騎士と闘い、それでも生き残ってしまった騎士。それこそが『不屈の聖騎士』ことネルバス・アスティオンの在り方だ。

 

「誰にも我が膝を折ることを能わず!誰にも我が意を曲げること能わず!そして――――誰にも我が命の終焉を選ぶこと能わず!

 燃えよ、我が命。奮えよ、我が信念。仰ぎ見よ、掲げし我が聖剣を!『我が落陽、其は輝ける星の終焉(オムニプス・アウム・レクリカ)』!」

 

 一度絶たれた剣――――聖剣レクリカに再度、魔力が流れ始める。自分の霊基を文字通り崩す勢いで聖剣に魔力を流していく。自分という器を己が振るいうる以上の魔力で満たして剣に注ぐのではなく、自分という器が崩壊していくほどの魔力を注いでいく。それによって、宝具としての体をなす。

 しかし、それは本来の威力を発揮しえないという事でもある。自分という器以上の力を発揮するのではなく、自分という器を崩すことでなす。それでは十全の状態で発揮するわけではない以上、どうしてもその本領が発揮できないのは仕方がない事でもあるのだが。

 

 本来は雷降り注ぐ周囲一帯を雷撃によって焼き払う宝具なのだが、今回に至ってはその限りではなく。されど、この場にいる三体を諸共に焼き払うぐらいの威力はあった。あったのだが――――

 

「……はっ。よもやよもや、相殺、されるとはな……」

 

「いや、相殺とはいかなかった……私一人だけではな」

 

「クカカカッ……やはり二人同時に相手どろうと欲張ったのが悪かったか。でもまぁ、これも悪くない。不敗神話はここで砕けた訳だが、一流の英雄相手取ってこの様なら悪くない話なんだろうさ。魔王様相手には悪いがな」

 

「魔王……ソロモン王の事か?」

 

「応さ。俺はソロモン王と約束をした。自分の不敗の代価に俺を配下にする事を諦める、っていうな」

 

「……あんたはそれを受け入れたのか?」

 

「ああ。さっき名乗っただろ?俺は聖王国の聖騎士だってな」

 

「……何故だ?何故、あんたはソロモン王に仕えなかったんだ?あの王は絶対の王だ。その配下に仕えていれば、絶対の治世が約束されている。あんたはその恩寵をどうして跳ね除けたんだ?」

 

 

「決まってる。それが嫌だったから、俺は俺の道を自分で決めたいと思ってる。俺が守るべきものを守るためにはあの王の力は要らないし、何よりあの王の存在が戦乱を呼ぶ。少なくとも、俺が生きていた当時はあの王のいるところは戦乱だったからな」

 

 

「戦う事を嫌っているくせに、騎士なんぞ名乗ってるのか?意味不明すぎるだろ」

 

「あん?……さてはあんた、近代か未来の英雄だな?しかも、あの王様に心酔している類の。だったら、分かんねぇだろうな。あの王様はいつだって時代の中心にいる。そして、時代の中心にいる存在っていうのは物理精神問わず、争乱の中心にいる存在なんだってことをな」

 

 その言葉と共にネルバスは退場していった。誰を退場させた訳でもなく、誰に痛痒を与えた訳でもなく、誰かを助けた訳でもない。それでも、ネルバスは後悔する事もなく退場していった。その事実にランサーは惜しい事をしたという表情を浮かべ、アーチャーは申し訳ないという表情を浮かべ、アサシンは気に入らないという表情を浮かべた。

 誰の心にも納得という感情も、勝利したという感慨を残すこともなく、赤のセイバーは落ちた。相手にとって心強い存在であった強敵のサーヴァントを落とし、誰にも喜びを与えなかったという点で魔女陣営にとっては厄介な存在であると言えるだろう。

 

 そして、その脱落をその場におらずともソロモンは感じ取っていた。

 

「ネルバス・アスティオンが落ちた……か。強力な勇士であったが、油断でもしたのかな?さて、あの勇士を真っ向から落とすほどの強者がもしいるのだとしたら……今の天剣では厳しいかもしれんな」

 

「では王よ、いかがなさいますか?今でしたらまだ、手の施しようがありますが」

 

「要らんよ。この程度の難所、俺なしで超えてもらわなければ困る。超えるに足る力は与えた。それを使いこなすにはまだ足らんが……サーヴァント相手に戦えるだけの力は既にある。ならば、俺はただ座して待つだけであろうよ。それとも、連中は俺の手がいるとそう思うのか?」

 

「いいえ、王の決められた事に異を反するつもりはありませんよ。なにより、両陣営のランサーがいれば、この程度は問題にもなりえますまい。王に及ばずとも選定者の目に留まるだけの力を持つ王と、一つの世界を代表するに足る大英雄。彼らの手が及ばない相手ならば、それこそ彼らは生き残れますまい」

 

 ジェイルのその冷たいともいえる言葉に、ソロモンは否定の言葉を述べることはない。彼もまた同じ事を思っており、それ故に彼らに願っている。器の開花を、神器の覚醒を、何より最後のステージへの到達を。かつての天剣と女帝たちが至っていた場所へ、今代たちも至れることを。

 

「世界をかけての大戦争――――といえども、我らにとっては最初の障害であり最初の外殻でしかない。この程度の障害で躓くようであるなら、彼らはそれこそ天剣位を返上した方が良いでしょう。ここから先、そんな生半な覚悟では死を待つ以外にないでしょうから」

 

「随分と厳しい事を言うのだな。道理ではあろうが」

 

「当然でしょう。あなたの娘程度にも劣る騎士ならば、いる意味がないではありませんか。あんな欠陥作品に「ジェイル」……失礼しました」

 

「お前の考えも分かるがな。リーナは確かにそのコンセプトからすれば欠陥と言っても相違ない。しかし、あの娘は俺に及ばずとも王の器だぞ。なんだったら、どこかの世界を任せてみればいい。いずれ、あの子を中心として一つの国が世界を呑み込むぞ」

 

「……あの娘にそれほどの素養があると?」

 

「無論だ。あの子を誰だと思っている?この時代で俺の因子を受け継ぐ唯一の存在だぞ?その程度の事も出来ない訳がない。まぁ、それは管理局のあの娘にも言える事のようだがな」

 

「あの娘、ですか?」

 

「おや、お前にも分からぬ事があるとは。『無限の欲望(アンリミテッド・デザイア)』などと呼ばれるお前にしては珍しい事だな。それはそれで子気味良いがな」

 

 その言葉と共に、ソロモンは再び意識を戦場に向ける。戦場では今まさに、赤黒連合のサーヴァントたちがワイバーンの集団と接敵していた。一騎当千の英霊たちからすれば物の数に入らない敵だが、それでも他の者たちにとっては厳しいと言わざるを得ない相手だった。

 

「アクセルシュート!」

 

「ハーケンセイバー!」

 

 それでも管理局の戦力も加われば、少なくとも退却まで考慮に入れる必要はなかった。だからこそ、サーヴァントたちも各々の役割を全うする事に専念できた。

 しかし、天剣たちには分からなかった。ソロモンが自分たちに求めている役割も、ソロモンが願っている到達点に関しても。ただ、少なくとも分かっていることは一つだけ。手に入れたばかりである『力』をどうにかしなければ、自分たちもどうしようもない事を。

 

「……なるほど。ソロモン王もかなり焦っている、という事なのでしょうか?アレは生半可な努力で手に入る物ではないでしょうに。それこそ――――死を覚悟するレベルでなければ」

 

「?どうかしたのか、ランサー」

 

「いいえ、少しだけソロモン王の目的が読めただけの事です。この大局には欠片も影響しないので、無視しておいてください。それより、進軍率はどれほどですか?」

 

「まだそれほどでもないだろう。なんなら、セイバーの宝具で穴を開けますか?」

 

「そこまでではありません。それに彼の宝具はそんなに頻繁に使うような事態には陥っていない。侮る気はありませんが、欲張って早々にダウンしてもらっては困ります。彼にはまだ求める役割があるのですから」

 

 『黒』の陣営は特に焦ることもなく、この事態に対処していた。彼らからすれば、目の前に広がる相手は恐れるに値しない程度の敵でしかない。それよりも、奥にいるであろう七騎のサーヴァントたち、そして真龍の方が相手としては面倒この上ない。

 ここに至るまでに敵方のサーヴァントの損耗率は非常に低い。相手が意図的にサーヴァントのいない場所にサーヴァントを派遣していたというのもあるが、それでも接敵率が0だった訳でもない。時にはこちらが有利の場面もあった。それでも討ち取れていない辺り、敵の優秀さも窺えるというものだろう。

 

「……あんだと?セイバーが?」

 

「マスターからの報告になりますが、そのようです」

 

「ふ~ん……まぁ、不思議じゃねぇが。その割には、被害が少なすぎるあたりが気になるな。不意でも打たれたのか?あいつにしては珍しいな」

 

「それで、こちらはどうしますか?」

 

「どうするもこうするもなかろうよ。俺たちは俺たちでやるしかなかろうよ。元々、この場限りの同盟で互いに真名を明かしている訳でもないんだ。俺たちでやれる事をやるしかあるまい」

 

「それは分かりますが……」

 

「今から戦いが終わった後の事を考えたってしゃあないだろうが。今は目の前の戦いに集中しろ。この戦いが終わった後に誰が生き残っているのかなんて、誰にも分からないんだからよ」

 

 『赤』の陣営は唐突に強力な味方であるセイバーを失ったことに混乱を隠せずにいた。しかし、リーダー役である『赤』のランサーは戸惑うことなく戦闘に集中していた。無論、セイバーを失ったことが惜しくない訳ではなかった。それでも、それは目の前の戦闘から目をそらしてまで考える事ではなかった。

 少なくとも、この雷降り注ぐ環境を構築したサーヴァントはランサーの見立てでは神霊だ。正確に言うなら、神の血を持った英霊だろう。即ち、自分の同類であり、全力を出せる環境であれば末恐ろしい相手であり、且つ相手は聖杯というバックアップがある。手を抜くことはできない状況なのだ。そんな状況下で余計な事を考えている暇はない。

 

「さて、どんだけ生き残る事が出来るのやら……マスターたちはちゃんと考えてくれてんのかね」

 

 考えてないんだろうなぁ……と思いながら、『赤』のランサーは槍を振るう。その薙ぎ払いで十にも届きそうなワイバーンを殺しつつも、赤黒連合は戦場を突き進むのだった。

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