たとえばこんな緑谷出久   作:知ったか豆腐

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デクくんをヒロインにして爆豪と絡ませれば人気が出るんだな!
そういうニーズがあるんだな?

というわけで書いてみた。

2017/07/12投稿


いずくヒロイン
いずくヒロイン?


 人は生まれながらに平等ではない。

 齢4歳にして緑谷出久が知った現実だ。

 世界総人口の約8割が何らかの特異体質となった超人社会において、それらの特殊能力は“個性”と呼ばれ、当たり前のものとして存在している。

 個性が前提となった社会では、生まれ持った個性によって人生の成功が約束されている場合も少なくない。

 緑谷出久もその例にもれず、大変有益な個性に恵まれた。

 いや、恵まれ過ぎたかも……

 

 

「緑谷くん、お昼一緒に食べよ!」

「あ、私も! お弁当作ってきたから味見してほしいな」

「アタシはお菓子作って来たぜ! デザートにどう?」

 

 女子に囲まれ、次々とお昼のお誘いを受ける出久。

 

「あ、う、うん。ありがとうみんな」

 

 女子たちの勢いに押されてか、オドオドした様子で返事をする。

 頬を少し赤く染めて小さく答える姿に小動物てきな可愛さを感じて、女子たちから黄色い声があがる。

 こんな風景は昼ごろになると毎日見られる折寺中学校の名物的な何かである。

 

 女子たちに割り込むように男子も出久に声をかける。

 

「緑谷ぁ、今度の土曜日空いてるか? 遊びに行こうぜー、海とか!」

「海! いいねぇ。緑谷が行くなら俺もいくぜ!」

「オラもオラも! 乗るしかない、このビックウェーブに」

「海だけにってか? やかましいわ! あ、ワイもいくで?」

 

 男子たちからも熱烈な遊びの誘いがかけられる。

 

「えっと、たしか予定はなかったと思うけど……」

「おっしゃ! じゃあ決まりだな」

 

 遊びに行く予定が決まり、男子たちから歓声が上がる。

 こんな感じで次々と遊びに誘われるため、出久のスケジュールに何もない日は存在しないと言っていい。

 ちなみに、出久に話しかけてくるのはクラスメイトだけでなく、同学年の生徒に先輩と幅広い層から声をかけられる。

 

 まさに学校の人気者。

 誰からももてはやされて手厚い扱いをされる出久だが、その内心はというと――――

 

『うぅ、みんなの目が怖い。弁当やお菓子に変なものは入ってないといいんだけど。

 前はチョコレートの中に血が入ってたし、飲み物の中に睡眠剤とかどっから手に入れたのか媚薬まがいのものとかあったもんなあ……

 ギリギリほかの人が気が付いて止めてくれたけど、あれはホラーだよ!!』

『海かぁ……不安だ。夏服になってちょっと腕とか露出が増えただけなのにわいせつ被害が今月でもう10件。まして水着なんかになったら……

 僕、襲われないよね? 痴漢どころの騒ぎじゃなくなる気がするよ!!』

 

 戦々恐々としていた。

 この不安は正しい。なぜって、周りの声をよく聞いてみれば、

 

「イズきゅん、食べてくれるかな? むしろアタシがイズきゅんを食べたい……」

「イズクたんの水着……ハァ、ハァ」

「ちょっと困ってる顔も可愛くて、イィ……」

 

 危ない発言が聞こえてくる。

 これもそれも、出久の個性が原因である。

 

 緑谷出久。個性:“人を惹きつける個性”

 母親の“物を引きつける個性”が微妙に変異して遺伝した結果、発現した個性。

 男女を問わず、些細な動作やしぐさすら人を惹きつける魔性の個性である。

 

 吐息一つに心がざわつき、視線を向けられれば動悸が早くなる。

 指の動き一つに心が奪われ、座る姿すら魅力に映る。

 

 立っているだけでも人を魅了するこの個性は、厄介なことにオンオフの利かないパッシブな個性だ。

 恐ろしいことに出久の成長と共に強力になって来ており、特に二次性徴がみられる中学からはそれが加速。

 こうした欲望全開、下心満載の状況などしょっちゅうだったり。

 

 そんなときにいつも救けてくれるヒーローがいるのもお約束。

 

「うっせーぞモブども! ギャアギャアとやかましいわ!!」

「げ、爆豪!」

「いつもいつも邪魔しやがって……」

「このセコム野郎!」

 

 出久への接近を邪魔する爆豪に敵意が向けられるが、その程度で怯むような爆豪ではなく。

 

「黙れや、クソモブが!

 つーか、おいこのバカデク! てめえがちゃんとはっきり答えねえからこんなバカ騒ぎになるんだろうが。

 昼飯はインコおばさんに作ってきてもらってんだから断れ! 食わなかった分どうするつもりだったんだ、ああん?

 それに、土曜日は予定無くても日曜日は朝早くから出かける予定だろうが!! 海なんか前日に行って体力持つわけねえだろ! そこ考えて返事しろや!!!」

「あ、うん。ありがとう、かっちゃん。

 そういうわけだからみんなごめんね」

 

 爆豪の怒涛の叱責により、事態は沈静化。

 出久に平穏な昼休みが一時的に戻って来た。

 救けてくれた爆豪にお礼を述べる出久。

 

「いつもありがと、かっちゃん」

「ケッ、なーに礼なんか言ってやがんだ気持ちワリい。近寄ってくんなクソデク」

 

 辛辣な言葉を返す爆豪に、出久は嬉しそうな表情を見せる。

 4歳のころから個性のせいで周りが好意的な言葉しかかけてくれなくなり、若干、人間不信気味の出久。

 なので、罵倒をしてくれる爆豪がすごい嬉しくてたまらないわけだ。業が深いぜ……

 まぁ、個性が出る前から態度の変わらない爆豪に安心感を持っているともいえるのだけど。

 

 そんな人気者(?)の出久から好意的な態度を寄せられる爆豪に周りから嫉妬の目が向けられる。

 こうやって爆豪の胃はキリキリと削られていくのであった。

 

 がんばれ、かっちゃん。負けるなかっちゃん!

 

 

     ==========

オマケ ~爆豪の内心~

 

『こいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデクこいつはクソデク』

 

 個性が効いてないわけじゃないのです。

 単にプライドの高さと根性でレジストしているのです。

 精神力もタフネスだね、かっちゃん!




この話の出久の性別を男とするか女とするかはご自由に。
どちらにしてもホモとレズが湧いてるという。闇が深いぜ……
男の娘? 暗黒面に堕ちたか!!

なに書いてるんだろうか、自分。
きっと悪堕ちのシリアス展開ばかり書いてるのに耐えられなくなったのかね?

次回は1/2の続きかなァ。
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