たとえばこんな緑谷出久   作:知ったか豆腐

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本日投稿二話目です。

2017/10/23投稿


いずくヒロイン その5

 雄英高校に入学した出久と爆豪。

 初日の個性把握テストによる除籍の危機を乗り越えて、オールマイトによる授業を受けることとなった。

 

 昨日の把握テストを思い出す爆豪。

 

 ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。

 どれも出久の個性を活かせない競技であるため、注目していたのだが……

 

 ~50m走、持久走~

「えー、手と足が一緒に出てるのに早い!?」

「うん、ナンバ走りっていう、昔の飛脚さんとか古武術で使われてた走り方なんだよ。体のひねりがないから力のロスが少ないんだ」

「む、そんな走り方があるのか。できればご教授願えないかな」

 

 右手と右脚、左手と左脚を同時に出すという緊張しすぎた人みたいな動きで、素早く走る出久に周囲が驚く。

 古武術由来の動きらしいが、なんだそれは!?

 

 

 ~握力測定~

 

 緑谷出久、握力80㎏!

 

「わー、緑谷って、細腕なのに力あるんだね!」

「うん、鍛えてるから。瞬発力と持久力を兼ね備えた筋肉になるようにちょっと特別な鍛え方をね」

 

 さらっと、肉体改造されていやがる!?

 

 

 ~測定終了後~

 

「ふう、汗かいたなあ」

「うひょお! なんだ、汗をぬぐう姿が色っぺー!!」

「あ、ごめん。って、ちょっと興奮しないで!? えい!」

 

 恋神射抜く魅了の眼(C.C.E)

 

「うっひゃあ! 心臓が跳ね上がるぅ!?」

 

 ブドウ頭のクラスメイトが個性にかかってしまい、飛びかかってきたのを迎撃した出久。

 仕方ないとはいえ個性を人に向けて使ったことで相澤先生から注意がされる。

 

「おい、緑谷。個性のコントロールしっかりしておけ。いつまでも“できません”じゃ聞かねえぞ」

「はい、ごめんなさい。許してください、ね?」

 

 キラッ、と擬音が付きそうなウインク。

 対する相澤先生は赤く目を光らせて睨む。

 

「……今度やったら除籍にするぞ。緑谷ァ!」

「こんの、バカデク! みだりに個性使うなって言ってんだろォがッ!! すみません。バカがバカやってすみません!」

「よーく、言い聞かせておいてくれ、爆豪」

 

 悪戯のように個性を使う幼馴染の頭を無理やり下げる爆豪。

 なンで俺が謝ってんだ。

 など、今更過ぎて口にする気にもならない。もう、目を離すとすぐこれだよ。

 

『『『保護者だ』』』

 

 クラスメイトの爆豪への印象はここで決定したらしい。

 

 

=========

 割と素の身体能力だけで乗り越えたのだったが、割と苦労している気がしないでもない爆豪。

 そして今日は、オールマイトのヒーロー基礎学。

 戦闘訓練とか不安しかないのだ。

 

「頼むから何もやらかすなよ、何も!」

 

 祈るような言葉を口にする爆豪のところへコスチュームに着替えた出久が現れた。

 

「うわあ、デクちゃんくんのコスチュームって巫女服?」

「えーと、どちらかというと古武術で使う胴着かな。けっこう変わったデザインだけど……麗日さんは、なんかすごいね」

「要望ちゃんと書けばよかったよ……パツパツスーツになった」

 

 麗日と会話を交わす出久の恰好は赤い袴に巫女服をイメージした胴着だ。

 生地裏にケプラー素材の防刃処理をしており、インナーも防弾加工済みのボディスーツを着用。

 インナーを着用する理由は防御力を上げるのに加えて、素肌のままだと周囲への影響が多すぎるためだ。ただし、いざとなれば惹きつける力を上げるために露出を増やすべく腕は覆われていない。

 

「ヒーロー科最高!」

「なンだ、てめえは。俺に言うな!!」

 

 二人の会話を聞いていた峰田がなぜかこちらに寄ってくるが、さっさと追い払う。

 同類扱いされたくないわけで。

 まだ出久と麗日の会話は続く。

 

「そっか、他のみんなはサポート企業が作ってくれたんだね。僕は師匠からもらったんだ」

「師匠って、武術の?」

「うん。あ、お礼まだ言ってないや。今度甘いお菓子でも持っていこう。師匠は甘いものに目がないから」

 

 出久の師匠についての話が少し出て興味を持つ爆豪。

 あそこまで出久を鍛えた人物が気になるので耳を傾ける。

 が、すぐにその話は流れてしまった。

 

「そういえば、デクちゃんくんって、男子制服着てるけど女の子みたいだよね。あ、気分悪くしたらごめんね? 気になっちゃったから」

「フフッ、気にしてないよ。それで、麗日さんはどっちだと思う?」

「どっちって、性別がだよね? うーん、どっちなんだろう? ホントわかんないや」

「なら……確認、してみる?」

「えっ……ええっ!?」

 

 目を細め、そっと麗日の顔に手を添える出久。

 なんだか妖しい雰囲気に麗日は赤面してうろたえる。なんだ、この動悸の高まりは!

 

「何しとんじゃ、おまえは!!」

「痛い、痛いよかっちゃん!」

「みだりに、個性を、使うな!」

 

 頭をわしづかみ、怒鳴る爆豪。

 ホント、この幼馴染は。

 クラスメイトを魅了しようとするな、バカ野郎!

 

「あー、そろそろはじめようか、有精卵ども!」(ヤバい、見とれてたぜ)

 

 オールマイトの号令によりようやく始まる戦闘訓練。

 2対2にヒーローとヴィランに分かれて戦う訓練。くじで決められたチームと対戦相手の結果は?

 

 ヒーロー:緑谷&麗日チーム vs ヴィラン:飯田&爆豪チーム

 

 やったね、かっちゃん。幼馴染が相手だよ!

 

「あの、アホめぇええ」

「だ、大丈夫なのか、爆豪くん!?」

 

 訓練開始前から爆豪の胃にダメージを与えるとはやるな、緑谷ァ!




キリがいいのでここまで。
次回戦闘風景です。
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