私の生まれた理由   作:hi-nya

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Epilogue

 

「……そうか。ったく、だからいったじゃねーか」

 

 

「……ああ。じゃあな」

 

 

 電話を切り、独りごちる。

 

 

「……やれやれだぜ。ほんとうに、ひとさわがせなやつらだ」

 

 

 

 

 

「……帰ったぞ」

 

「あっ! パパ、おかえりー!」

「おかえりなさい」

「おかえり、承太郎」

 

 襖を開けると目に飛び込んでくる、和室を飾る畳の上の色とりどりの艶やかな着物たち。

 

「まだやってんのかよ……」

 

「だって! シャルちゃんセンスよくって! 素敵なのがどんどん見つかっちゃうんだもの!」

「ふふ、ホリィママこそ! あっ、これも素敵!」

 

「承太郎もみてみて! 徐倫ちゃん、どれが似合うかしら!」

 

「……どれでもいい」

 

 かけられた母親の問いに思ったままを返す。

 するとなにがおかしいのか妻がくすくすと笑みを浮かべる。

 

「ふふ、そうね。『どれでも』可愛いものね」

 

「……ああ」

 

「ほんとね。もう! 徐倫ちゃん、何着せても可愛くってッ! 

 きゃー! もう! 女の子っていいわっ! わたしも娘が欲しかったのに!」

 

「……ちっとはおちつけ、おふくろ」

 

 座卓の傍に胡坐を組み新聞に手を伸ばしたところで、二人の大きな少女の着せ替え人形と化した娘がおれの顔を覗き込み、訊ねてくる。

 

「ねえ、パパ? かきょーいんは? かきょーいんはこないの?」

「あいつか? ああ。おらん」

「えー? どうして? おしごと?」

「あいつは……、そうだな」

 

 目に浮かべる。親友(ダチ)とその……

 

「……どこまでも世話のやけるお姫さんの、お迎えだ」

 

 それを受け、母親がバッと立ち上がる。

 

「承太郎、そ、それは……! もしかして、仁美ちゃん、目が……?」

 

 黙って、頷く。

 

「そう! そうなのね! ああ、なんてことかしら! 

 花京院君、仁美ちゃん! よかった! よかった……!」

 

 誰も、何も伝えてなどいない。

 ただ、あいつは事故で眠っている。と、それだけだ。

 しかし、鈍そうでいて勘の鋭いところのあるこの母親のこと。なにかしら、ずっと感じるところがあったのだろう。眼に光るものが浮かぶ。

 

「えー? かきょーいんのおひめさま……? ……やだ! おおきくなったらじょりーんがおよめさんになるんだよ!」

 

 一方、まるっこい頬をますますまるめ、不満げに訴える娘の頭に手を乗せつつ、いう。

 

「そう、いってやんな。今日は、花京院にとって……」

 

 

(……そして、おれにとっても……)

 

 

「あ……!」

「承太郎……!」

 

「あー! パパ! パパ、笑ってる! かわいい!」

 

「……うるせーな」

 

 

「ねぇ、パパ……?」

 

 いいつつ、紙面を広げたおれの膝の上にもぐり込んでくる。

 

「あのね、じょりーんね、かきょーいんのこと好きだけど……」

 

 そして、こそっと耳打ちする。

 

「……でも、パパのことは、もっとすき。

 ずっと、そんなかおしててくれるなら……

 およめさんにいくのやめて、ずっとパパのそばにいてあげてもいいよ?」

 

「……ちっ!」

 

 

「まぁ、それも……わるくねぇな」

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

「おかえりなさい、アヴ様!」

「ただいま。留守番すまないな。千那」

 

「どうだった? 花京院とあの娘」

「ああ。ふふ、だいじょうぶさ。あのふたりなら」

「そっか。そうだよね。

 あんなに(変態的に)すきなひとだもんね……」

 

 そういったあと、なにやらぽつりと少女は零す。

 

「……ちょっとうらやましいな。ぼくも、いつか……」

 

「ん? どうした?」

「……なんでもないよっ! 覚悟しといてね、アヴ様っ!!」

「な、なにを覚悟したらよいのか、よくわからんのだが……?」

「いいの!」

 

 彼女はそれ以上こたえず、話題を変える。

 

「あ、そういえば、彼女が目覚めた、あのときね。

 あの、空条さん? だっけ。

 あのひとの後ろに、視えたよ。ご先祖様」

 

「おお、そうなのか。どんなひとだったんだ?」

 

「ええとね、アメフト選手みたいに体が大きくて……でも、すごくやさしそうな、紳士さんと美人な奥様」

「ほお……」

 

「そのひと、いってたよ。

 

『エリナ、ありがとう。きみのおかげで……

 みんな……、たいせつな……ぼくの誇りだ』

 

 って」

 

「ッ!? ……そ、それは……まさか!」

 

「わらってた。ふたりで、しあわせそうに」

 

「……そうか」

 

 ジョースター家の一族。

 

 その首筋には皆、一様に星形の痣があるという。

 

 空条徐倫

 ジョルノ・ジョバーナ

 東方仗助

 空条承太郎

 ジョセフ・ジョースター

 

 そして……

 

 きっとあそこに……たしかに『いた』のだ。彼も。

 

 ──星々の光がひとつに集結するとき、『箱』は開くだろう──

 

(姉者の予言は……さすがだな)

 

 その顔を思い浮かべるとともに、近いうち吉報を報告がてらカイロの方の店に顔を出さねば。ついでに、久方ぶりにまた諸国をのんびり巡るのもよいかもな、などと思う。

 

 すると、カランカラン……というベルの音が鳴り響く。

 

「マスター! やってる?!」

「今日も来ちゃったよ! 一日の終わりはやっぱりここの紅茶でしめないと! 働いた後の御褒美ってやつだね!」

「ねぇ、マスター。わたしとうとう運命のひとに出逢っちゃったかも! 

 絶対恋人になりたい! ので、お願いアドバイスくださいッ!」

 

「お、おお! ……ふっ!」

 

 どうやら、わたしがゆっくりと旅に出られる日は……まだまだ訪れてはくれないようだ。

 

 

 

「フキュ~(ちっ、あいかわらず騒々しいな、この店はよ……ったく!)」

 

「クゥーン!」

 

「ワン! (まぁ、おれは、かわいー雌とこうして呑気に昼寝できりゃー、それでいいんだけどな!)」

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

 白を抜けると、一面の青。

 

「……ジョルノ、どーだった? 日本は」

 

 窓の外に果てなく広がる蒼穹。声をきっかけにそれから隣の座席に視線を移しながら、そこに腰掛ける自称『ぼくの保護者』に聞かれた質問にありのままを答える。

 

「ええ。まぁ、なかなかいい体験にはなりましたね」

「んなこといっちゃってぇ! 超楽しそうだったじゃん」

「……なんのことでしょうか?」

「ぷっ、ツンデレ……。ま、おめーも年相応だってわかって兄ちゃんは安心したわ」

「……髪の毛をぐりぐりしないでください。

 そして、貴方はぼくの兄などではありません、ポルナレフさん」

「かっかっか。なーんか似てきたな。オレに対する扱いが。師匠に」

「師匠? だれのことでしょうか」

「へっ、わかってるくせに」

「……。……あんなふうに恋人(アモーレ)にデレデレなひとを、ぼくは師と仰ぐ気はありません」

 

 言いつつ、右手をじっとみる。

 まだ残っている気がした。

 

 

 ──いつか、君がこまったとき……かならずや、力になると誓おう──

 

 

 最愛の女性を傍らに空港まで見送りに来てくれたそのひとが、そういって差し出す手を握り返した。

 

 その、ぬくもりが。

 

「……そんなことをしたら、また『借り』になってしまうじゃあないですか」

 

 

 それでも、やっぱり来てくれてしまうのだろう。あのひとは。

 

 

「……どーした? んな、ニヤけて」

「いいえ、なんでも。あと、にやけてなどいません」

「ぷっ! ……はいはい」

 

 性懲りもなくぼくの金髪を掻きまわしつつ笑う。

 そんなひとにふと思いついた事柄を聞き返してやることにする。

 

「ああ、そういえば……貴方には、『そーいうひと』はいないんですか? 

 いいかげん、貴方もいい歳でしょう?」

「え? オレか? そうだなぁ……」

 

「……オレは、駄目なんだよなぁ……」

 

「ポルナレフさん……?」

 

 その表情が……銀色の影が、そっと揺れた気がした。

 

「……ん? いや! だってさぁ! オレが誰か一人のものになっちゃったら全世界のレディが泣いちゃうじゃん? だから、オレはひとりがいい……ひとりでいいのさ」

 

 しかしそれは一瞬で……

 

「おおっ! 見ろ、ジョルノ! 

 あのアテンダントさんの脚、グンバツじゃね!? 

 むふふ、声かけてみよーかなぁ!」

 

「……」

 

 わざとらしく声を高める彼に、伝える。

 

「……忘れられては困りますが、貴方にもぼくは借りがある」

 

「っ!?」

 

「……完済させていただく。かならず」

 

「……へっ! ったく、生意気なガキんちょめ!」

 

「だから、ぼくはガキんちょなどではないと……」

 

 不本意な呼称に異議を唱えようとするも、やはり聞いてはいないようだ。笑いながらこんなことをいう。

 

「くく! 将来、おめー大物になるぜ」

「ええ、なりますよ。もちろん」

「けっ! そしたら、オレ、おまえの左団扇で暮らしてーな。呑気にな。予約しとこーかな」

「ふっ、ならば貴方には……ファミリーを和ませる……そんなマスコット的役割を担ってもらうとしましょうか。ポルナレフさん?」

「へへ……! なんだよ、それ……」

 

 

「……んなの、死んでもごめんだぜ!」

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

「あいつ、おせえな……」

 

 おれは今、孫を待っていた。

 

 待ち合わせ場所はホテルのロビーカフェ。

 しかし、なかなか待ち人は現れない。生真面目が過ぎるあいつにしては珍しいことだった。腕に目を落とすとすでに時計の針は約束の時間から四半時は過ぎた位置を示していた。

 

(それにしても、ボーナスでじいさん孝行しようだなんざ、義経もちっとは粋な事するようになったじゃあねーか……)

 

 きつい修行でべそをかいていた孫の幼き頃を懐かしく思い浮かべながらも、年々自分の若い頃に似てくるその姿を誇らしく思う。

 

(おれも、歳くっちまうわけだよなぁ……)

 

「……」

 

 

(……50年、か……)

 

 

 自分のなかには、どこかに、ぽっかりと空洞がある。

 

 みえそうで、みえない……ぼやけて、霞みがかった……あの広く大きな背中。

 

 足りない、かけらたち。

 

 それが何なのかすら、わからないまま……

 

 もう、ながいこと。

 

(ま、……贅沢ってもんさ)

 

 とうに諦めたことだった。

 

 この50年、しあわせだった。もちろん現在(いま)も。

 すぎるほど、しあわせなのだ。おれは、ずっと

 

 愛する家族……妻、娘……そして、孫たちにまで恵まれて。

 

 未来につながりゆく、受け継がれてゆく……魂。

 

 そう。これ以上、なにを望むというのか。

 

 

 

「……おっと!」

 

 そのときだった。

 横を通り過ぎようとしたひとりの男が座っているおれにぶつかる。

 

「……ふん。こんなに人が多いところでデカい肩いからせてぼーっとしとんじゃないわーい」

 

「はぁ!? なんだと……この野郎! てめーからぶつかってきたんだろうが!」

 

 とんだ言いがかりをつけてくる男に、おもわず立ち上がる。

 

 そっちの方こそ、やたらとガタイがいい……同年代くらいの初老の欧米人だった。

 どこかの富豪なのかもしれない。身に着けているスーツなども一級品であった……が、どこか軽そうな……

 

 若い頃は大層トッポイ感じだったにちがいない。

 

 理不尽極まりないその言い草は勿論ではあるがそれのほかに……その男をみた瞬間、なぜか、直感で思った。

 

 

 こいつ、いけ好かない……と。

 

 

 記憶にない男に対し、なぜそんなふうにおもったのか……自分でも戸惑っていた。

 

 

「……おおーっとぉッ!!」

 

 すると、信じられない出来事が起こる。

 

「……ぶはっ!!」

 

 男がよろけてテーブルにぶつかった瞬間、虹がみえた。

 

 噴水のように卓上のグラスから水が噴き出し、おれの顔に勢いよく降り注ぐ。

 

「……なっ!?」

 

(な、なんだ……? ……『手品』……? 

 いや……この……、感じ……、この、エネルギーは……)

 

「オーマイゴーッド! 急に水が!! 

 こりゃーいったいどうしたことじゃろうかぁ!? 

 たいへんじゃのーう! 

 ま、これが水もしたたるイイ男ってやつかのう! ししし……!」

 

「て、てめぇ! くそッ! ふざっ……」

 

「……しかたがない」

 

 しかし、どこまでもふざけているのかと思いきや……

 

 男は今までとうってかわった真剣な表情で懐から『なにか』を取り出す。

 

「……『それ』……、使っていいぞ」

 

 そして、いけ好かないそいつが投げてよこしたのは、一枚の……

 

「……こ……『これ』、は……ッ!?」

 

「わ、わかるのか……!?」

 

「……」

 

 沈黙ののち、どうにか、口を開く。

 

「……しらねーな。

 しらねーよ、こんな、古びた、布っきれなんて……」

 

「……。そうか。そうじゃな……。そうだよな……」

 

「まぁ……」

 

 

「……田舎者(イナカモン)のおまえには、お似合いだがな」

 

 

「……え!?」

 

「こんなもん……、後生大事に持ってんじゃねーよ……! ったく……」

 

 

「なぁ? ……JOJO?」

 

 

「お! おお!! 

 ああ! ああ!! そうだとも!!」

 

 

「……シーザー!!」

 

「……JOJO!!」

 

 

 

 

 

「まいったのー、心残りが、すべて解消してしもうたわい。

 わし、もうすぐ死ぬんじゃなかろーか……」

「へっ! らしくねーな。そんなこと心配してんのかよ、JOJO!」

 生きてる限り、楽しみなんてまだまだたくさん出てくるもんさ」

「……そうだな。また、新しくみつければいいんじゃ……な」

 

「なら、手始めは……シーザー、おまえの孫娘の花嫁姿かのう! にしし!!」

「ああ!? なんだと!? 

 んなの、許した覚えねーぞ!! 

 くそ! あいつ、おれのエンジェルを!!」

「え……?」

「まぁ、その……ちっとは骨のある野郎だってのは認めてやらんこともないが……

 いーや! しかし、おれの目の黒いうちは、指一本触れさせん! 

 んなことしてみろ! 真っ黒に感光させてやるぜ!」

「まじか……。

 憐れ……花京院。ほんに不憫な男じゃのう……。ぷっ!!」

 

 

「……アッ! そうだ、JOJO! リサリサ先生ッ!! 先生は御息災かッ?!」

「い、痛い痛い! おちつけってーの!! ふっ……ああ。勿論。嫌になっちゃうくらいな」

「そ、そうか!! 今度会わせてくれ! あ、ついでにエアサプレイーナ島にも行きてえな!」

「はぁ? あいかわらずマゾじゃのう。もうわし思い出したくもない……」

「おい! ずっと思い出せなかったおれの身にもなれよ」

「そっか。そーじゃったな! ししし……!」

「へっ! ……ったく!」

 

「よし! そうと決まったら、善は急げ、じゃ! 

 とっとと行くぞッ!!」

「はぁ!? い、今から!? 

 あッ! おい、まてよッ!!」

 

 いうがはやいか、すでに駆けだしている……親友、の、その背中に向け、呟く。

 

 

「へっ! 前言撤回。ちっとも変ってねーな、JOJOのやつ!!」

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

 キーンコーンカーンコーン……と鐘の音が鳴り響く。

 

「……よしきたッ! では僕はお先に失礼するッッ! お疲れ様!」

 

 その叫びと共に夕刻のオフィスに巻き起こる、一陣のつむじ風。

 

「……戻りましたー、って……うおっ?! あっちぃー!! い、今のは? フェーン現象?」

「ちがうちがう。主任よ。アンタの尊敬してやまない、主・任」

「しゅ、主任……? は、はっや……! あれ? あのひとが定時上がりなんて、珍しいっすね」

「ああ、今日はしかたないんじゃない? 奥さん有給とって早退してるし」

「あ、そっか、そうでしたね。それもまた珍しい……」

「そうね、いっつも遅くまでふたりで研究してるものね……いちゃいちゃと。本人らに自覚はないけれど」

「ええ。でも、またそれで結果出しちゃうのがすごいですよね。

 聞きました? 愛の結晶代わりの新しい論文、あの『ネイチャー』にアクセプト決まったらしいですよ」

「知ってる知ってる。研究所初の快挙だって、支部長のあんな浮かれ顔初めて見たわ」

「ほんと、我が部署の名物ばけもん夫婦ですよね……」

「……ふふっ、わたしたちの自慢の、ね!」

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

 茜色のぬくもりを背中に感じながら、家までのびる、ながいながい坂道を、歩く。

 

 かみしめるように、ゆっくりと。

 

 どうやって、伝えようか……そんなことを考えながら。

 

 ふしぎなものだ。

 まだ夢みたいなのに、こんなにもちがうものなのか。

 

 ふわふわしているのに、なんだか一歩一歩がとても、『おもいもの』にかんじた。

 

 

「……あ!」

 

 坂を登り切り、門に手をかけた瞬間、猛スピードで滑り込んでくるのに気づく。

 

 我が家の愛車が。

 

 慣れきったハンドル操作で(普段よりも二割増しの速さで)機敏に駐車を終えるなり、飛び出てきたひとに声をかける。

 

「おかえりなさい! おしごとお疲れさまでした!」

 

「……ふっ! ……ただいま」

 

 すると、なぜだかうれしそうにふわりとわらう彼。

 

(うっ……!)

 

 その表情に、いつまでたっても慣れない私。

 性懲りもなくこっそり胸を高鳴らせていると、私の手元に視線をうつした彼にいわれる。

 

「あ! もう! これからは買い物は僕がするっていったのに! 

 だめじゃあないか! ほら、荷物貸して!」

「えー? 荷物って……牛乳だけだよ? だいじょうぶだよ……もう。

 ……ありがと」

 

 私の手の中のものをやさしくすべて奪い取ったのち、逸る気持ちを抑えきれない様子でいう。

 

「で、その、……い、行ってきたかい? びょ……病院」

 

「……もちろん。

 ちゃんと、行ってきたよ」

 

「そ、それで……!? ど、どうだった?!」

 

「……うん、あのね……」

 

 

「……三ヶ月……だって」

 

 

「ほ、ほんとに!?」

 

「……うんっ!」

 

「やった……! やったッッ!! ばんざーい!!」

 

「きゃっ! ちょ、だ、だめだって! こ、ここまだ外っ! ご、ご近所さんに……」

「かまわんッ! かまうもんか!! こんなおめでたいことを前に、そんなこと気にしてられるかッ!」

「ふっ! もう……!」

 

「ここに……いるんだ。ほんとうに……僕たちの……」

 

「……うん」

 

 やさしく、そっとあてがわれたてのひらのぬくもりに、こころまでじんわりとあたためられていく。

 実感とともにふつふつと湧いてくる、よろこび。

 

「……待ち遠しいよ。来年の今頃には3人家族になるんだね」

 

「……あ」

「……ん?」

 

「……ごめん。それ、ちがう……」

「は?」

 

「……そうじゃないの」

「な、なに? どういうこと?」

 

「えっと……『3人』……じゃあ、ないみたいなんだ」

「……へ?」

 

「『ふたり』いるの。ここに」

 

「え!? そ、それって! ま、まさか……」

「うん。……双子、なんだって」

 

「ほ、ほんとうかい!?」

「ん、……ほんとう」

 

「……す、すごいな! どうしよう! 

 もう、嬉しさも幸せも……なにもかも完全に二倍増しじゃあないか!!」

「あっ! ちょ!! だ、だから、ここ外だって!!」

 

 再びぎゅっと抱きしめられる。

 

「……ああ、はやく、あいたいな。

 男の子かな? 女の子かな?」

「ふふ、……両方、だったりして」

「そ、そうか! その可能性もあるのか!」

 

「……うーん。なんか、そんな気がするんだよね……」

 

 お腹に手をあてつつ、応える。

 

「ふっ! きみの直感はあてになるからなぁ。

 ……そうかもね。

 まぁ……元気なら、どっちでもいい」

「……ん、私も……」

 

「……仁美」

 

 そうして、彼はこちらにむけてくれる。

 

 出逢ったあの頃となにひとつかわらない……

 

 私のだいすきな、きらきらとかがやく、まっすぐなまなざしを。

 

「……ありがとう。

 きみは、いつもくれる。……僕に、たいせつな……」

 

 微笑み涙ぐむ、彼のすがたをみて、じぶんもこみあげてくる、あたたかい……。

 

「……ふ、ふっ……!」

「……どうしたの?」

「ううん。またおんなじこと考えてたなぁって。

 そんなの、こちらこそ、だよ……。

 ほんとうに、ありがとう……典明くん」

 

 そう。あなたはいつも、私にくれるの。

 

「ああ、また、ふえちゃったなぁ……」

 

「ん? なにが?」

 

 たくさんの、かけがえのないもの。護りたいもの。

 

 そして……

 

 

「……私の生まれた理由」

 

 

 

 

 

 To be continued……

 

 

 

 ……in their gained radiant days , forever!! 

 

 

 

 

 

 *         *          *

 

 

 

 

 

「……そんなわけで、長い長い旅路の果てに、男は失ってしまった『たいせつななにか』をちゃんと取り戻すことができたのでした。めでたしめでたし。チャンチャン」

 

 僕の『おはなし』を聴き終えたのち、心優しい彼はいいにくそうに口を開いた。

 

「……えっと……、あのさ、父さん?」

 

「なんだい?」

 

「その『男』ってさ……父さんのことだよね?」

「さぁ? ご想像にお任せするよ」

「いや、想像も何も、普通に話の中で何回も『花京院典明』って父さん言っちゃってたじゃん……」

「そうだっけ? ふふ、忘れてしまったな」

「はぁ、まったく……」

 

「ちなみに、この男の現在だけど……

 取り戻した『愛するひと』と結婚して、かわいすぎる子どもたちを授かって……

 世界中のだれよりもしあわせに暮らしているらしいよ?」

 

「ああ、そうだろうね……すごくよくしってる。多分世界中で二番目か三番目くらいに」

 

 にやりとそんなふうに返してくる利発な彼に、伝える。

 

「……だから、心配しなくていい」

 

「……え?」

 

「きみは、母さんによく似て真面目で周囲に気を遣い過ぎてしまうから……今は『能力』のことが、重荷になっている。そうかもしれない」

 

「……」

 

「でも、明仁(あきひと)。きみにも……現れる。いつの日か、ちゃんと」

 

 

「このおはなしの『男』みたいに……ね」

 

 

「……ッ!」

 

 

「……ありがとう、父さん」

 

 

「ん? なんのことやら。

 さ、すっかり遅くなってしまったね。

 もう眠れるだろう?」

「うん」

「よかった。じゃあ……ゆっくりおやすみ」

 

「おやすみなさい」

 

 軽い足取りで階段をのぼる音が小さくなっていく。

 静けさを取り戻した部屋に、そのあとそっと響く、カチャリ、とドアノブを回す音。

 

「……やっぱり聞いていたのかい?」

「……ん」

 

「盗み聞きはよくないな」

「ふふ、ごめんね。

 ……ありがと」

「……なんのことやら。

 まったく、親子そろって同じことをいうんだから」

 

「ふふ……」

「ふっ……!」

 

 どちらともなくソファにいつものようにふたりならんで腰かけると、僕の肩にそっと頭をもたげる。

 抱き寄せて心地よい重みとあたたかさを感じながら、長くて艶やかな黒髪をさらさらと指ですいて楽しんでいると、上目遣いでみつめられる。

 

「ねえ、典明くん?」

「なんだい、仁美?」

 

「さっきのね、ひとつだけ、訂正を要求します」

「訂正? なにかな?」

 

 訊ね返すと何故だかとっても誇らしげに咲きほこる。

 

「……世界でいちばんしあわせなのは、私だよ?」

 

 僕の……僕だけの、一輪の花。

 

「ふっ! そうなの? でも、僕もそこは……ゆずれないな」

「私も、ゆずらない……ふふ」

 

 決しておわることのないふたりの口論の果てに、彼女からひとつの提案がもたらされる。

 

「しかたないなぁ。じゃあ、ふたりともいちばん……ってことで。どうかな?」

「ああ……」

 

 

「……それは実に、いいアイディアだ」

 

 

 

 失敗しても、失っても……

 

 乗り越えようと……

 取り戻そうと……

 

 あきらめなければ、いつかきっと。

 

 あせらなくてもいい。自分らしくでいいんだ。

 いつか、みつかるから。

 

 

 

 きみにも、『たいせつななにか』が。

 

 

 

 花京院典明は、失ったたいせつななにかを取り戻して……しあわせに暮らしているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




☆あとがき……と、お礼・懺悔・土下座ッ!!

エピローグまで閲覧ありがとうございます! 諸事情あり前回からの期間がべらぼうに空いてしまい申し訳ありません。これにて、一旦、『私が生まれた理由』、了。こんどこそ、おわりッ! ちゃんちゃん!! となります。やれやれだぜ、やっと終わりやがった……ですよねー! 長い! もうほんと無駄に長い!!
さて、あとがき……という体ではあるのですが、この場をお借りいたしまして、もうこの際だ、ぶっちゃけつるっといっちまえ! ということで、つらつらととりとめもなく拙作についていろいろ書かせていただこうかと思っております。駄文、戯言とさらっと流していただけたら幸いです。勢いで書いたのだ……どうにかおわったよろこびでな!! &作者の個人的こだわり、独断や偏見が大いにみられます。なにより我ながら、いろんな意味でイタすぎる、まじきもちわるい……ので、御不快に思われる方もいらっしゃるかと思いますので、すみません、以後閲覧はより一層自己責任にてお願いいたします……!

☆土下座と、このおはなしが生まれた理由。
まず、なにはなくとも、……ほんとうにすみませんでしたーッ!
もうね、土下座して、土下座して……そして土下座するしかないっすね! なにしてやがる……こいつ……ってかんじですよ。なんのためにやってんだよ……死ぬよりつらい目に遭わせてんじゃねーよ。とお怒りごもっともかと思います。かくいう私もあのへん(三部原作終了辺)自業自得なくせに、つらかった……相当悩みました。もういいじゃん、このまま何事もなかったのように日本に帰ってハピエンでさぁ……だれもこんな鬱展開望んでねーよ。気分悪いよ……と。でも、それを自分に許しては駄目かなと、どうにか思い留まりました。彼ら三人を偉大なる死から救う……とか、そんな大それたことがノーリスク、代償なしで出来てはいけないだろう、と。ただでさえ、なのにさらに原作の彼らに申し訳なさすぎて気がしてどうしてもできませんでした。すみません。
そもそも、このはなしをかこうと思ったきっかけは、ごくごくありふれたもので(内容その他もですが・汗)。スタクル勢……あんなイイ奴らがそろいもそろって全員、死んだり、ボケたり、カメになったり、一周まわって近い別人になってしまったり(?)……。はい。わかっています。原作が至高。私だってそうです。わかってはいるんです。だからこその、『人間賛歌』。すばらしい……それが彼らの格好良すぎる生き様である……と。でも、いやだ……やっぱりいやだーッ!! 無理だ! そんなの耐えられんッッ! ……ということで、妄想の世界に逃げ込んで事なきをえることにした私。花京院、アヴドゥル、イギーは死。残り三人は彼らとの死別に加え、承太郎→家庭不和、ポルナレフ→カメ化、じじい→親友シーザーさんとの喧嘩別れ・ついでに息子との初対面がちょっとぼけてしまってから……という、各々にふりかかる(一般的観点における)不幸をどうにかしてなかったことにして、彼らがずっと笑って暮らしている世界が並行世界のどっかにあってもいいじゃない! ……とこれまた安易に思ったわけですね。で、よくいわれていることで私もそう思うのですが、三人が死ななければ、残り三人の不幸はなかったんじゃあないかと。よし、ならばやることはひとつだ。オリキャラ、きみに決めた。頑張って『三人を死なせない』というきみに課せられた使命を果たしてくれい! ……と、そんなこんなで生まれたのが『仁美ちゃん』です。でも前述のように、そのためにはそれに代わるなにか、が必要なわけで……。となると彼女には、順番的に花京院を救ったのち、死に等しい不幸が降りかかることになるわけですよね。で、そんなことになったら……そりゃあなんというかふつうに……惚れてまうやろー!!……と。そんなありがちすぎるベタ展開……昔の少女漫画の主人公のような、旅でたいせつなもの、仲間たちetc……を得て、そしてその絆をきっかけに『成長』した花京院がDIO様を華麗にぶちのめす……そして、もはやそんな花京院ならざる花京院が苦難の末に取り戻した彼女と結ばれる……というおはなしが自分で読みたくなり、こそこそと書き始めたわけでした。当初こんなに恋愛面を押し出す気はなかったのに……勝手にこいつらいちゃいちゃしおって……困りました。まぁ、7年分ということで勘弁してやってください。

☆拙作主人公、花京院典明とオリキャラについて

「……ジョジョの花京院? ああ、あのカブト虫食べる人でしょっ?!」

この知人のどや顔での一言を私は忘れることができません。嗚呼、なんたる風評被害……ッ!
このとき私は決意しました。原作において、事あるごとに健気すぎる内助の功を果たしている割に、いまいち苦労が報われていない気がする(死神13とか黄の節制とか……。だがそんなとこがいい!という意見には大賛成ですが・笑)……どうせやるなら、そんな花京院の影なる努力をどうにか実らせてあげたい、と。それが13話や26話だったりするのですが、む、報われているだそうか……?
んなこといいながら、7年、長い……とんでもない苦痛を味わせてしまうのは心苦しくて仕方がなかった……のですが、まぁ、しかし、それは、花京院、きみのせいだ!きみが悪いんだ! 原作であんなにも綺麗な最期を飾りおって……。遺された者……承太郎、ポルナレフ、ジョセフやご両親……そしてきみのファンたちがどんだけ心を痛めたか! ちょっとはわかってくれましたかねぇ? っていう、ただのしかえしだったりして……とは流石に冗談にしろ、生き残るならそういうつらさも彼に知ってほしかった、というのはありますね。つーか、こんなんじゃ、逆に生き恥さらしているだけじゃね……? ってどこかで書いた気がしますが、でも、生きるってそういうもんなのかなと。結局のところ、皆根底では孤独だったり、失敗したり、恥をかいたり、上手くいかないことばっかりで、苦しいことの方が多いかもしれない。けれど、そんなふうにしんどくて格好悪かったりすることも、意外といつか時間が経ったら笑い飛ばせたりするもんだし、困難ともがいて足掻いて、闘って……だからこそ、そうして必死に勝ち得たしあわせはかけがえのないものになるのかな、と思います。ながい旅を経て、ようやく、念願過ぎる『きもちが通じ合える仲間』を得て……本当に、本当にこれから……! というところで、儚く美しく格好良く散ってしまった彼に、それを味わってほしかった。そして否定したくなってしまったんです。「ぼくは己を知っている」……私が個人的に大好きだけど胸が苦しくなってしまう、あの原作の彼の台詞を。まだ高校生だろ? なにいってんだよ。きみはまだまだ、ぜんっぜん、こんなもんじゃないってーの! と。良い意味でも、悪い意味でも、人生の主役をもっと生きてほしかったんですよね……。ってぇ、なーにを私なんぞが偉そうにッ! バーカバーカ、てめーが○んでつぐなえッ!
で、そんなさらなる苦労をかけてしまう罪滅ぼしも兼ねて、せっかくだ、この際、花京院よ、貴様にはとことんしあわせになっていただくッ! と、嫁、オリキャラは、メアリー上等! なんといわれようが(あくまで拙作の)花京院にとっての理想……健気で一途で素直で清楚で美人かつ可愛い……こんな女現実にいねーよ……ばりの、彼にとって都合の良すぎる女にしてやろう! ……と、そう意気込んでみた。そう思ってはいたはずなのです……ほんとうに。が、蓋をあけたら、なんてことだ……。うん、まぁ、健気で……のくだりはともかくとしてもですよ。別の問題が……! 無自覚に、もう振り回す振り回す! 超めんどくせえ女になっちまいました。どうしてこうなった……重ね重ねごめんネ、花京院。まぁ、拙作のパラ京院なら、そんな苦労もまた、たのしんでくれるかと思いますが。
あ、お気づきかもしれませんが、この世界の花京院の一人称が『ぼく』でも『わたし』でもなく『僕』なのはあくまで、原作の彼とは別人……というせめてもの懺悔の証です。似ても似つかないよ! もうここでの彼は原作の彼ではない! ……ってことで、やたら世話焼きかつ心配性……一途すぎ……話長すぎ……。めちゃめちゃかっこいいはずなのに、なんかどっか変!!(注・褒め言葉です。作者よ、心配せずともおまえが一番頭おかしいわ!)そんなイメージで書いてました。
その極みたるものが最終回ですね……すみません。……台詞長すぎ。つーか、台詞ばっかりやないか! やりすぎた感はある! ……が反省はしていないッ! だっていつも勝手にしゃべるんだ、あいつらみんな!(とか友人に言ったら無事サイコパス認定されました……ですよねー)……はい、きもい。いやー、じつはオリキャラ、当初、私にとっては本当に三人を死なせないためだけに生まれた娘だったんですよねー、前述の通り。でも彼にとってはそうではなかったようで……。あの台詞により、ああ、そうか。そうだったんだ。……って私も改心させられたという……。はいはい、きもいきもい。

☆『成長』した法皇について。および、DIO様についての懺悔。
名前は『世界を超えた法皇の緑(ハイエロファント・グリーン・オーバー・ザ・ワールド)』……うーん、ゴロ悪ッ!
彼女を失ったことをきっかけに覚醒。『成長』した『法皇の緑』。
外見は、想像にお任せした方がよかろうと敢えて描写しなかったのですが(苦しい言い訳)、王冠、マント、錫杖装備の、輝き2割増し! なハイエロファント……というところでしょうか。うーん、まぶしい。
だれも感知することすらできない『時間のすきま』に触手を伸ばすことが可能に。張り巡らして罠にしたもの(要はみえない法皇の結界)が『法皇の磔刑』。拘束だけでなく避けることのできない攻撃も可能。その基本パワーも格段にアップ。スプラッシュの強化版が『エメラルドデリュージュ』です。ちなみに『デリュージュ』とは、かの有名なノアさんの箱舟の際に起きた大洪水のことだそうですよ。はいはい、チートチート。いや、溜めに時間かかる、消費が激しいので連投不可……とかいう弱点もあるんすよ、一応。
法皇っぽさと、なにより花京院らしさを重要視しつつ、DIO様を超えるにはどうしたら……と考えあぐねた結果編み出した『成長』……なのですが、うーん、あまり主役の使う技でないですかね。でも何が一番困ったかってチートすぎて、対抗できる敵が思いつかないっていうですね……承太郎さんもそうですが。その気になれば気づかれないうちに瞬殺でしょうよ、どんな敵も……。後半(成長後)、ウッカリノリアキが多発しているのはそんな大人の事情によるものだったりしてね……あはは。今後は嫁が目覚めたため、回避不可のステルス技に先読み絶対防御が加わって、より一層手がつけられなくなってしまいそうです。どうしてくれよう……。やぁ、最強兵器夫婦を手に入れたSPW財団日本支部超常現象研究科は今日も平和ですね(他人事)。

あと、DIO様について……これがまた一番の心残りだったりします……。本作は花京院および仁美ちゃんの一人称視点が中心であるがゆえ、どうしても、最後まで敢えて悪役道を貫いていただきました……すみません。その反動と罪滅ぼしで、ジョルノ君と花京院とはやたら仲良しにしてしまったというですね。しかしDIO様すごいですよね。皆に好かれる、悪役中の悪役……。私も御多分に漏れず、三人の仇で絶対ゆるせないのに、どうしても心底は嫌いになれないでいます……ちっくしょー! なので、いつかどうにか……もっと修行して、DIO様サイドの話とかもかけたらなぁ……という気持ちだけはあります。うーん、無理そう。精進あるのみですね。

☆オリキャラについてもうすこし、および護る一族……について
彼女自身についてはあの男が最終回で大体のプロフは暴露してくれたので、もはやあまりいうことはないのですが、護る一族について少々補足させてください。
代々女性のみに『予知夢』で、『先』を知らせて『護る』スタンド……が発現する一族。初代が感染したスタンドウイルスが原因で性染色体上の遺伝子が変異を起こし、それが代々伝わっているため女子のみに発現。男子には発現しない……とか、そんな感じですかね。たぶん。こまけーこたぁ(以下略)。彼女はそーいうのが研究したくて、今の大学に進学したそうです。就職、結婚後もメインは旦那のサポートですが、自分の研究も旦那のアドバイスのもと、コツコツと続けているようです。
初代からしばらくその能力を利用し、生業としていたが、それにかねてから疑問を抱いていた仁美ちゃんのおばあちゃん(シーザーの嫁・家出同然の諸国放浪の旅にてシーザーと出逢う)の代で断絶。以降娘にはあえて、本体を護る以外の性能があることを伝えなかったため、現在の状況(スタンド? なにそれ?)に。予知夢もですし、皆、一様に運命の『相手』をもっていて、その相手のことを夢でうっすらとイメージさせてくれたりと、『夢』と関わりが深いスタンドでもあります。全知全能……セシリア万能説。はいはい、御都合御都合。
あくまで本体を護るのがその意義ですが、心を護る……という体で、たいせつなひとの命の危機を知らせてくれて、それを護るか否かの選択をさせてくれる。そして、歴代皆、死もしくは生命の危機に瀕する……というのが、護る一族の『血の運命』。なのですが、あれ、ってことはこの一族に好かれたら皆死にかけるってことじゃね? なんてはた迷惑な……ww。期待されていたであろう、生まれ変わりとか、未来人とか、原作読んでトリップしてきたとかいう素敵設定でなくてごめんなさい……この世界をふつうに生きてきたスタンド使いです。いつか、頑張ってそういうのも書けるようになりた(以下略)。
はい、そのとおりです。すべてはシーザーにも生きていてほしくて……、そして、自らを犠牲にしようとも三人を救うという気概、未来への意思……花京院の嫁、『仁美ちゃん』は潜在的にそのツェペリ魂を受け継いだ孫。……ってことにしたい! だってこんなへっぽこだけど、せっかく一応ジョジョだし! ……という、すべてはその一心でこんな設定になりました。つまり、私が介入させた『オリキャラのスタンド使い(女)』というのは正確には『仁美ちゃん』ではなくシーザーの嫁、『彼女のおばあちゃん』だったりします。

あと、私の力不足で全然描写しきれていないと思いますので、『仁美ちゃん』の設定等をせっかくなので追記しときますね。
外見は敢えてあまり描写していない(苦しい言い訳その2)のですが、まぁ、あの超絶イケメン波紋戦士シーザーの孫娘(娘の娘)なので、押して知るべしというやつですね……。が、あまり化粧っけがない、かつ兄より父似なので、遠目には地味め。でも、よく見ると、あれ……超可愛くね……? というなんとまぁ王道。……え? 最初っから可愛かったですけど?(By花京院)……というのは、つまりそういうことです(笑)。兄妹そろって髪の色は父譲りの黒(母は金髪)ですが、瞳の色はシーザー譲りの碧色です。あれ? ……地味……?
基本、性格も地味。とても素直で真面目。奥ゆかしく、温厚……というか、普段はわりとぼんやりしている。外では頑張って優等生しているが、地はうっかり屋さんで天然ボケ属性。やたらと心配している人間がいますが、あの旅でどうにかやっていけるくらいなので、一般女性よりは遥かに知力体力ともに優秀です。単に承太郎や花京院が規格外すぎるんだよ……
あと、かなりやきもち焼きです。それゆえか、ただ単にすきすぎるからなのか……一歩間違えればストーカーまがいな花京院の行動も彼女にとっては天上の歓びにすぎないようです。
体型はスレンダーで貧乳疑惑あり……本人とてもコンプレックスに思っているようですが、主観情報ばかりが錯綜しており真実は不明。①着やせしていてそう見えるだけで実際はある&周囲が大きすぎて相対的に小さいと思い込んでいる(本人および承太郎の認識が)②逆に花京院の基準が低い(というかそのあたりはもはやどっちだっていい)だけ。……さてどちらがいいですか? どちらにせよ、必要十分条件は過分に満たしているようなので、気にすることないのにね!
趣味は読書、漫画、ゲーム……これまた後述の理由もあり独り遊び得意。あと、素振り……テニスの。野球も好きで、投球論に興味を示すなど、おなごにしてはマニアックな知識持ち。つーか、たぶん全体的にかなりのオタク気質。
ずっと家族に心配、迷惑をかけていると思い、ものすごく恩義を感じているので、学費をなるべく自分で稼ぎたいと、根底の人間不信のコミュ障を押し殺し、……これは演技だ、仮面をかぶるのよ(注:石ではない。WRYYYYYYY――ッ!!)と自分に言い聞かせつつ、ケーキ屋のバイトに勤しんでいる。
何事も最初は不器用ですが、叱責を素直に受け入れるし、継続は力なり……な大器晩成タイプです。
戦闘でも地味な性格ゆえに、あまり出しゃばらず、役目をきっちり果たすことに集中していました。よって、DIOの館まではほぼ、必要最低限の改変に……とどまりました……かね……?
花京院とは後述のとおり同じような孤独(もちろん、比するまでなく花京院の方がつらかったでしょうけれど)を抱えているので、共感しあいやすかったわけですが、にもかかわらず、じぶんとはちがう、恐怖を乗り超えようとする……取り返そうとする勇気にすごく尊敬の念を抱いたようです。
ちなみに、その他もけっこう似たもの同士。ふたりとも基本、優等生でとても聡いのに肝心なとこにはニブいとか……ちょっとずれているとか……。
スタンド発現は小二。それからしばらくたって、小学校高学年で、厳しい経験をする。これが根底でトラウマ化しており、人と深く関わることを避けていた。その影響で、それなりに人間関係はこなしていたが、『本当の友人』をつくれたことがない。もちろん恋愛経験も皆無。こんな自分が人と真に心を通わすことは『不可能なこと』だと思い込んでいる(正しくは、思い込もうとしている。……もう傷つきたくないので)。それゆえ、自己評価がものすごく低く、平気で自らをないがしろにしてまで他人を優先して護る。そうすることでしか自分に価値を見出すことができなかった……ずっと。
自らを低くみるが、他者のことはものすごく大切に扱う。特に、家族や仲間、代々伝わる自分のスタンドや能力のことはとても大事かつ誇りに思っていて、それらが傷つけられたり、けなされたりといった、不当に扱われることを嫌い、そのような場合、感情をあらわにすることも。本気でキレると、普段口数が少ないわりに饒舌になる傾向がある。
同様に、他人の心の機微には敏感で慈しむが、自分のこととなると鈍感でなおざり。自己防御の意味合いもあるが、自分にとことん自信がなく、私なんかが好意を寄せられるわけがないと、本気で思っている。(何度も異性に言い寄られたことはあるが、すべて『社交辞令』。万一本気だとしたら……一体私の何を知って、そんなことを言っているのかと……毎回不思議に思っていた。感謝できず、そんな風に思ってしまう自分に嫌気もさしつつ……)家族の努力か、その素直さは失われなかったが、ベクトルが全部自分を責める方向にいっちゃったようです……。
そんな彼女だったわけですが、旅で得た信頼できる仲間と想いを寄せるひととのかかわりを通じて、少しずつ変わった……よね? そうだといって! ちなみに花京院とは最初からわりと素で接せていますが、『運命の車輪』以降はそれまでのカタさが少しとれ、皆の前でも地の性格が徐々に出るようになっています。その『運命の車輪』戦後のあれ……『他者より自分を一番大切にしろ』と、自分にはできない、してはいけないと思っている(でも本当は家族以外の『だれか』から一番言ってほしかった)言葉をくれて、本気で心配し、叱ってくれたことで陥落、恋心を自覚した。が、自覚後も自分が好意を寄せられる価値のある人間ではない……と思っている点は変わらず。そばにいられるだけで幸せ……という持ち前の奥ゆかしさで、密かに(本人以外には自覚前からバレてるですけどね……)想うことを誓う。終盤でもそのスタンスは変わらず、むしろ強固になっていく……。というのは実は、自分にこれから起こるであろう事柄をなんとなく察知しているからでもある……(母に『血の運命』のことは聞いて知っていた)。やさしくて情愛深い、強いけど、弱い、彼女が愛するひとはそんなひと。自分の存在になど縛られず、しあわせに生きてほしかったのですね……。

……と、こんな、ただただ花京院がすきすぎる、どーしよーもない娘です。が、そんな娘こそ可愛い……というやつなのでしょうか? 今では私にもすっかり愛着がわいてしまいました。いろいろ酷い目にあわせてごめんネ。でもやっと目ざめて、これからは、今度こそ、たいせつなひとのそばで、真にじぶんをたいせつにできるようになるのではないでしょうか。いいお母さんになってね! そしてきみ自身もしあわせにな! あ、心配ないかwww。





なんやかんだ、またもや長々とすみません! 各話ごとの振り返り裏話とか、他キャラの話もしたいところですが、このへんで……。すみません、最後まで本当にうっとーしい……!

それでは、あらためまして、この花京院メインのながいながいはなしはこれにて一応完結です。
実は処女作にもかかわらず、自分の中で幾度となく、……未完ッッ!、……おれたちのたたかいはこれからだ(ているずおぶえたーにあ)!! ……の危機に瀕していたこの拙作、どうにか一応の決着をつけることができて、ほっとしています。いやはや、思い起こせば、いろいろありました……。カツカツの人員で回している職場の上司が原因不明の病に侵され、一ヶ月程度強大な組織と足りなさすぎる戦力で闘い抜く事態になったり……自らも原因不明の嘔吐に悩まされ、はじめての胃カメラ(ハイエロファントの侵入)☆を体験して泣きをみる羽目になったり……某天満宮へ参らせていただいたツーリングの帰り道に事故ったり(※単独)……おかげさまでStill Alive……どうやら終わっていないようで、まだ生きています……ありがとうございます、神様。そもそも、もっと早くとっくに終わってるはずだったのにね。あはは……。うん、わらっていられるだけ幸せ者ですね……。支えていただいた周囲の方々に本当に感謝です。

そしてそして! アンケート御回答ありがとうございました! 参考になります! 一応もう少し置いておきますが、か、書いていいんすか(*´Д`)ハァハァ……ということで、次回作としてまず「4部に侵入。クルセイダース+シーザーが杜王町で大暴れ!」を優先的に制作させていただこうと思います。いやはや、『死ね(はぁと)!』といって下さる神が思いの外多く、うれしすぎてそれこそ死ぬかと思いました(笑)! ありがたく、これからは(も?)徒然なるままに、ふたりの最終回後の話(番外編?)やら、クロスオーバーやら、双子の活躍する平行時空のifストやらも、好き勝手書かせて頂こうと思います!! で、かたちになり次第ちょこちょこ投稿できたらしますね。が、周知の通り遅筆の文才なさすぎ野郎なので、人様に見せられるようになるのがいつになるやら……。もしももしも、待っていて下さる奇特な方がいらっしゃったらすみません。万一再びお目にかかることがあれば、またやってやがる……と、鼻で笑いつつ、御一読いただけたらとてもうれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。

最後に……公開を勧めてくれた三部あんまり知らないのに無理矢理こんなのをいつも読まされているなけなしの我が心の友、および、あたたかくみまもってくれた家族……いつもすみません。そして読んでくださったすべての皆様方……そして、なんとももったいない、あたたかすぎる感想やお気に入り、評価、をいただいて……。精神的に続けるのがつらくて心が折れそうな時期、すごく励まされ、それだけを支えにここまで頑張ることができました。

約三年以上に渡るお目汚し……本当に申し訳ありませんでした。

どれか一話でも読んでくださった方。
ずっと長い間おつきあいくださった方。
評価やお気に入り登録をしてくださった方。
あたたかい感想をくださった方。

皆様のおかげで、どうにか走り切ることができました! 感謝の言葉もありません。

本当に本当に、ありがとうございましたーッ!!

それでは、いつか、また……だといいな。

この小説を読んでくださった方々が、皆、いつまでも、しあわせでありますように!!

もうすぐこのお話も完結です……が、性懲りもなく次回作も本作品にちなんだものにする可能性が高いです。どんなのだったら、また読んでやってもいいぜ? と思って頂けるでしょうか?

  • そのまま4部にクルセイダース達突入
  • 花京院と彼女のその後の日常ラブコメ
  • 花京院の息子と娘が三部にトリップする話
  • 花京院が他作品の世界へ。クロスオーバー。
  • 読んでほしいなら死ぬ気で全部書きやがれ!
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