異世界攻略のススメ   作:渡久地 耕助

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対峙

「やぁ 昨日ぶりだな、私の名前を知っているかね? 錬金術師(金食い虫)君?」

 

 年下の癖に、何だその口の聞き方は? 

相手は身分が上だからしゃあないが姫さんやアリシア、リンは敬語だったぞ彼女らを見習え!

 いや、本来、これ位がスタンダードかも知れん。

 それでも一応、あんた等の女神様の契約者かも(・・)という認識がある筈だが?

 

「……ええ 確か宰相の息子のシャルル殿下ですよね。確か国王の甥に当たりますね。」

「ああ、間違いないよ。王位継承権第3位ということも付け加えておきたまえ。泥棒猫くん?」

 

 金食い虫の次は泥棒猫か。

 なんか俺がヒモか間男みたいな扱いだなオイ。

 

 つか大臣が二位で王女が三位だろそんなに権力が欲しいか?

 あと、泥棒猫って普通、女性に使う言葉では?

 それに散々放蕩して女遊びに励んでるアンタに言われたくない。

 というか…言葉には本当、気をつけたほうがいい。

 

 ウン、ツッコミ所が多い。

 

 隣のナミは顔には出していないが、

 パス越しに彼女が怒っているのを感じる。

 

 コノ死に急ぎ君はキザなポーズをとる前に急いでここから逃げ出すべきだ。

 君の命は今、風前の灯だよ?

 

 と、いいますかナミさん?

 俺のことに関することだけ沸点が低すぎやしませんか?

 オイ!

 

「ああクラリス王女に私が婿入りする件ですか……

 国王の真意は計りかねますが私ごときを高く買っていただいて身に余る光栄ですね。」

 

 とりあえず、隣で噴火寸前の荒ぶる女神の溜飲を下げる為に皮肉で返す。

 

 ポッとでの俺に婚約者候補としての障害、

 しかも彼女の治療のために呼ばれた最近有名な術師が現れたら都合も悪いだろう。

 まぁ彼らから見たら王家を利用しようとする成り上がりを画策する虫に見えるのだろう。

 

 歴史と伝統を誇る貴族達には俺は心底目障りなやつだろうな。 

 多少気持ちは分からないでもないがな。

 

「ふん! 伯父上も困った方だ。彼女に最もふさわしい存在がここに居るのに。」

「全くですな」 

「その通りです殿下」

 

 後ろの護衛は太鼓持ちかゴマをする。

 彼らも大変だな。

 

「それで私に何かご用ですか?」

 

 あんたの名前も知っていたし、今のところ俺へのイヤミと愚痴しか聞いてないぞ?

 

「ああ、そうだ彼女の容態が心配でね。

 担当医の君に彼女と二人きりでの面会できるよう取り計らってもらおうと思ってね?」

 

 ホゥ? 

 彼女のことを曲がりなりにも心配していたのか。

 だが二人きりだと?

 このバカは嫁入り前の娘の部屋に野獣とふたりっきりなんてさせるとでも思ってんのか?

 しかも散々俺をコケにしておいてそれか?

 ふざけんなよゴラ!

 

 いや、落ち着け。

 本当に心配してツンデレっている可能性もある。

 実際、許可を取りに来ているんだ。

 野菜の星、猿の惑星出身のプライドの高い王子のツンデレと思えば許容できる。

 

「面会は許可できませんが、彼女の容態は落ち着いていますのでご安心を。

 あなたが心配していたとだけお伝えしておきます。」

 

「どうやら勘違いしているようだが是れはお願いではなく命令だ。

 逆らうと為にならんぞ?」

 

 あ、やっぱりバカだ。

 バカ王子だ。

 許可を貰いにきたとか行ってたのに命令になってるよ。

 

「私は義父(国王)から王女の治療を頼まれたのですよ。

 コレに反することは王命に反すること。

 今の発言は王への反逆ともとれますねぇ? 

 後、彼女の身を害する者を遠ざけるのは医者としても婚約者としても当然のことですよ?

 シャルル殿下?」

 

 お~怒ってる怒ってる。 プークスクス

 赤面して蟀谷がピクピクしてるね~ 

 ウケル、超ウケる~

 

「……どうあっても引かないか?」

「引く理由がアリマセンネェ~」

「フン、お前たちやってしまえ!」

 

 そう言って護衛の後ろに下がる馬鹿。

部下に任せるんかい!

 

 しかも、部下も宮殿内で抜剣か 

 つか俺を殺すとクラリスの治療が続けられないんだが?

 

「オイオイ 武器を持たない学者相手に抜剣か随分カッコイイねぇ

 プークスクス どうするんです?

 俺を殺すと姫様の治療ができないんですが?それにアンタらもタダじゃ済まないが?」

 

 今の俺、傍からみたら、スゲーむかつくんだろうなぁ

 

「フン 心配せずともお前如き詐欺師に王女の病が治せるものか、

 死体も証拠も残さんお前の助手も私の元で侍らして飼ってやるから心配するな。」

 

 おいおい知らないとはいえ相手はお前らが信仰している女神さまだよ~

 末代まで祟られるどころか即、殺されるぞ? 

 

 さて、このまま放置すれば、ナミがこの三人をブっ転がしかねないので、

 不本意ながら彼らを助ける為

 

 この馬鹿にはちょっと地獄の苦しみを味あわせますか。

 

 それに、このバカは俺の前で口にしてはならんことを言ったな。

 

 さ~て一応 監視の目(・・・・)もあるし、

 強いとこあんま見せたくなかったんだよな~ ハァ

 一瞬で相手の懐に潜り込み【源呼吸】で強化した手刀で取り巻きたちの剣を叩き斬り、

 

 即座に元の位置に戻る。

 

「プークスクス そんな剣で俺を殺せるの? 器用ですなぁ」

「な! 精霊よ! 我の命に従い」

 

 精霊魔法かよ。

 こんなやつに従う精霊もかわいそうだなぁ。

 

「させんよ」

 

 大精霊が此方についている以上、精霊が彼に力を貸すことは無い。

 それだと俺が大精霊の契約者である決定的証拠になりかねんので……別の手段を使う。

 瞬時に護衛達をすり抜けバカの鳩尾に【拳闘術】の【ボディーブロー】を叩き込む。

 

 ズドン!

 うん!拳を打ち込んで出る擬音じゃないね☆彡 

 

 ギリギリ死なないよう気絶しないように苦しみを感じさせる絶妙な一撃だ。 

 衝撃を逃がさず体内に残す弩Sの貴公子のみが使える奥義だね。

 

「いかに優れた魔術師といえど呪文詠唱ができなければどうしようもあるまい?」

「が、げぇ」

 

 バカが崩れ落ち、腹を押さえていろいろ吐き出す。

 うわ~胃酸くせ~。

 

「貴様!」

「よくも殿下を」

 

 おいおいアンタらは馬鹿に無理やり従わせられたと思って武器破壊で済ませてやったのに向かってくるか? 

 

 力量の差に気づけよ。 

 ところで俺はさっきから何回オイオイ言ったり思ったりしたかな?

 暇があったら誰か数えてくれ。

 

「あべし!」

「ヒデブ!!」

 

 まぁ死なない程度にボコにする。

 

「さて、シアちゃん? このバカ共さっさと拘束してね~。」

「やはり気づいていましたか。(シアちゃん?)」

 

 物陰からアリシアがあらわれる。

 

「全く俺が襲われてんのに監視決め込むんだもん お兄さんびっくり。」

「あなたの豹変に私も驚きですが…

 いえ 申し訳ありません。

 このバカの先ほどの発言をしっかり聞く必要があったので。

 本当に危なかったら止めに入るつもりでした。

 とにかく今は彼らを拘束し牢屋にでも放り込みます。」

 

 手際よく、どこらか出した縄と手械で馬鹿三人を拘束するアリシア。

 ふむ……これだけだとチト物足りない。

 

 

「あ、こいつらの顔に落書きしていい?」

 

 定番は抑えておくべきだろう。

 さ~て オーソドックスに額に肉でも書くかな?

 


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