異世界攻略のススメ   作:渡久地 耕助

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拾う神

 異世界に落ちて2ヶ月経った。

 才能の格差に全俺が涙した!

 

 マグドレア神父の娘、クレアちゃん…

 

 なんと彼女は一度見た技能を完全に再現、会得する才能を持っていることが【魔改造】スキルの観察眼で判明!

 開花させたところ、俺より早く【白魔法】【黒魔法】【源呼吸】を会得しました。

 

 とにかく彼女のその【観察眼】【洞察眼】【魔力同調】【魔力感知】を統合したスキル【神眼】が開眼し

 晴れて最強の少女(ロリ)(12)を爆誕した。

 

 グレアム神父はというと

 

「さすが私とマリアの娘だ!」と親バカ炸裂。

 自分の技、知識を教え込んでいます。(仕事しろ。)

 

 俺はというと才能の格差を見せつけられ、涙目になったが、

 子供の才能を開花させたと、気持ちを切り替え、

 残りの期間を子供たちと特製ポーションと携帯保存食を作ったり、遊んだり、学習したりして過ごした。

 

 本当だぞ、悔しくなんて無いんだからね!! 勘違いするなよ!?

 

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

 ……で別れの日

 

「また遊びに来てね!おじさん!」 

 

 子共たちに最後までオジサン呼ばわりされながら教会を後にし、荷馬車にお土産(ポーション)をのせてギルドへ向かいます。

 

 

 魔法、源呼吸を習得しここで温めてきた計画を実行に移す。

 

 本格的攻略に移行する。

 

 ①ゾンビ、ゴーレム、悪魔などレベル差に関係なく狩れる弱点を有する魔物を乱獲しレベルを上げる。

 

 ②世界情勢を探り、帰還方法を見つけるため、各地の王家、教会、古代遺跡を調査する。

 

 ③俺と同じ境遇の者の捜索、保護

 

 ④協力者、仲間を作る。

 

 ⑤異世界人とバレないようにする。

 

 

 

 

 

 ①は概念崩壊の法則で弱点を突きまくる、片手剣と鞘に毒の代わりに特性ポーションそれも薬効と教会の聖水をブレンドした一品を仕込む。

 

 ②は帰還方法の手がかり捜索。

 

 ③、④は協力者が必要だが、自重しない馬鹿、危険思想を持っている者がいる場合もあるので情報収集は怠らないようにすべきだろう。

 

 ⑤は③に矛盾するが身の安全のためだ。まだ情報が出揃ってない上で俺の特異性を明かすのは危険だ。

 

 ほとぼりがまだ冷めていないかもしれないのでフードを深く被って、ギルドの裏手の厩に止めて、ギルドの職員に特性ポーションと携帯保存食を出荷し、代金をもらってギルドに入ると何やら騒ぎが起きていた。 なんだろ?

 

 

「頼む! 誰か助けてくれよ!仲間がまだダンジョンに取り残されてんだ救助隊を編成してくれ!!」

 

 ザワザワ

 

「死都に行ったそうだぞ?」

「ラミアテイルズの実力じゃ無謀だろう・・・欲に目がくらんだ冒険者の末路だな。」

「あの亡者の巣窟か・・・・・・ろくな死に方しないと思ったがまさか喰い殺されるとはなぁ」

 

 何だか、物騒な単語が羅列された会話だな。

 

「何かあったんですか? ガーコルト、アニ。」

「ああ アキラか! 何でも高レベルのダンジョンに一山当てようと身の丈に合わないダンジョンに潜って、罠にかかって仲間たちが取り残されたそうだ……

 一人あいつだけ生きて帰ったきたんだが、他の奴らは・・・・・・」

 

「……生存は絶望的 今から救援に行っても犠牲者が増えるだけ。」

 

 ガコライが濁した言葉をはっきり口にするアニ。

 

「ギルドは何て?」

「ギルドは基本不干渉だ。

 こういうのは自己責任だろ? 民間人の救出なら行くが、ギルドメンバーの救出はギルドの依頼内容に不備があったり、依頼外の犯罪に巻き込まれない限り、ここでの生き死には関与しない。 

 規約を破って身の丈に合わない仕事にいった、あいつらの自業自得ってわけだ。」

 

 見ると、教会に行く前にもめてた連中の一人だな

 ……なんかあの中でもパシリが似合いそうな悪ガキ風の少年だ。よく生き残れたな。

 

 それにしても、死都か。

 確か原因不明の魔力災害の後、疫病や不死者の爆発的感染で隔離され、打ち捨てられてダンジョン化した廃墟だな。

 

 これは修行の成果を試すチャンスか?

 最悪、魔改造という保健を使えば死ぬことは無いし、試す価値はある。

 

 あのバカどもを救う義理はないのだが、見殺しは寝覚めが悪い。

 目立つことになってしまうが強くなりレベルを上げていく以上、隠蔽に限界も出てくる。

 

 それに、概念崩壊の法則がこの世界で有効か確かめる必要もある。

 まぁ①と②を同時にこなせるし、行くか。

 

 人集をかき分け、少年の前に躍り出る。

 

 

 

 ■■■■■■■

 

 

「あ あんたは」

 

 少年が泣きはらしてクシャクシャになった顔で黒ずくめの男を見上げる。

 

「救助隊に名乗りを上げよう。 冒険者ランクE アキラ これより、死都に取り残された蛇女の尻尾(ラミアテイル)の救助に向かう。」

 

 騒ぎが静まる

 

 少年は自分達が馬鹿にしていた雑務専門の冒険者が名乗りを上げてくれた。 

 そして遅れて魔女っ子と片手剣の男が続く。

 

「・・・・・・アニ・スコールハート 右に同じく。」

「だぁあああ もう!! ガーコルト・イエーガー右に同じ!」

 

「……俺一人で十分なんだが?」

「……心配」

「どっからその自信が出てくんだよお前は! やばくなったら直ぐに引き返すぞ!」

 

「あ アンタたち……」

「さっさと案内しろ。 仲間を救うんだろ?」

「あ、ああ!」

 

 少年は袖で涙を吹きながら立ち上がる。

 

 ◆◆◆◆◆◆

 

「氷結の魔女と猟犬のコンビの銀狼の牙(シルバーファング)に、薬師の黒執事が……」

「アキラさん アニさん! 分かっているんですか?高レベルダンジョンの死都はB-のダンジョン化しています。 あなた達だけでは死にに行くだけです! 」

 

「あの リィーンちゃん俺の心配は?」

 

 流石に止めるか、危険に飛び込むのに一応レベルに見合わない仕事や依頼は断られる。Eランクの俺では受けれてDランクまでが妥当だろう、危険と判断された場合、警告と制止を呼びかけるのだが、アイツ等はそれを無視して死都に向かったんだろう。

 

 それにしても B-クラスか 凄腕の悪魔祓いのグレアムさんがB+相当だから相当なものだろう。

 

 銀狼の牙(シルバーファング)はこのギルドの若手のエースだ それでもランクはC-

 

 その上、生きていても負傷しているであろう救助者がいるんだから生還は厳しいというより普通に考えて不可能だな。

 

「アキラさん……」

「どう死のうが自己責任ですよね。 まぁ死ぬ気は毛頭もありませんが。」

 

 リィーンが俺を止めようと立ちはだかる。

 

「ホント 既視感を感じるよ。」

 

【囮】【認識阻害】【隠行】

 

 デコイを出し、気づかれずに横を通り抜ける。

 デコイが消え、リィーンとギルドの一同が驚く。

 

「じゃ 行ってきます。 」

 

 今度は、いってらっしゃいの声は聞こえなかった。

 

 ■■■■■■■■■■

 

 

 死都 亡者の街 財宝と骸が眠るダンジョン

 

「同心円状に三つの区画に分けられているんだけどその第1層と第2層の中間地点にある朽ち果てた宿屋に立てこもってるはずだ。」

 

「まぁ 生きていれば亡者共がその建物に集まってんだろ? 行きはいいが帰りがなぁ」

 

「ガーコちゃんは怖がりだね~」

 

「……大丈夫あなたは死なないわ。私が守るもの」

 

「うっせ! バカにすんな!」

 

 そうして目的地に向かう俺たち

 

「つか戦力分析したいんだが アキラはどれだけできるんだ?ギルドで見せた残像からそこそこ行けると踏んでいるが実際どうなんだ?」

「本気を出せばスライムと引き分けることができるぞ?」

「笑えねぇよ」

「まぁ 実戦はこれが初めてだな!」

「ほんとに笑えねぇ!!」

 

 まぁガコライが攻撃、盾にしてアニが魔法攻撃、俺が体力、魔法力を薬で回復とオーソドックスなPTだ。

 それに俺には切り札があるし、実験したいこともある。

 

【魔改造】のスキルでパーティー全員の戦闘力、経験値取得量も格段に増えている。

 

 ガーコルトは俺と同じ軽戦士らしく素早い剣さばきでゾンビを翻弄し、アニは炎でゾンビを焼き払っていく。 

 トビ……生き残りの少年は荷物持ち。

 

 二人ともいつも以上の調子の良さ、絶好調の状態に驚いていたが、命の掛かった状況だからと納得したようだ。 

 そして俺は鞘と刀身に仕込んだポーションと聖水ブレンドの剣撃を試し、一撃で仕留めることに成功する。

 どうやら概念崩壊の法則は有効だ。

 

 この辺はゲームみたいだが、後々研究する必要があるな。

 

 

 回復薬、白魔法の回復魔法、治療薬がゾンビには一撃で浄化できる劇薬だ。

 はたから見たら、一撃で狩る凄腕冒険者だ。

 

「人の悪い冗談言いやがって余裕じゃないか!」

「……すごい」

「すげえっす!」

「……先を急ごう。」

 

 なんだろう、別に悪事を働いている訳では何のに罪悪感を感じるね。 

 不思議だ。

 

 

 薄暗い霧に包まれた街 死都 日が暮れれば厄介になる。遭遇するゾンビは殆ど、俺が始末した。

 源呼吸で魔力の霧(ミスト)が充満しているこの地に置いては俺は無尽蔵に魔力が使える。

 遭遇しても白魔法を剣に込めて【首狩り】で狩っていく。

 

 しかも透明化しての奇襲攻撃、遠くにいるものも見つけ次第、【投擲】で投石攻撃で潰していく。

 時折、ゾンビ犬、ゾンビ烏が襲いかかってきてもアニと俺が黒魔法で焼き払い消していく。

 

 そうこうしているうちに目的地へ到着 

 

 宿屋には次々と先ほどとは比べ物にならない紫のオーラを放つゾンビが群れで宿屋を囲み侵入している最中だ。

 

「あの中か?」

 

 トビが頷く

 

【念話】はこのミストの中では通じないから、確かめようがないからな……

 

 結界石か魔物よけの香を焚いているのか持ちこたえているようだが時間の問題だな。

 よしんばあの魔物の群れを突破し、救出しても紫オーラの個体が複数いる。

 雑魚と違い動きが素早く、筋力、耐久力も桁違いに強い。 

 怪我人は足でまといになる。

 

「紫オーラは不味いぜ、見たらすぐに逃げろだ!Bクラス以上の魔素を持ってる。それが三体はいるぞ!」

 

 まぁ普通にやっちゃ不味いよなァ。だが!俺には切り札がある!

 

「まぁ特製ポーションはちゃ~んと用意しているがね?」

「な なんだ? そのおどろおどろしいのは?」

「ふっふっふ 効果だけを重視しして開発した罰ゲー厶用 健康青汁ポーションだ。

 あまりの不味さに花畑が見える程の幻覚効果があるのがたまにキズだが効果は抜群だ。」

「いや それってモロに毒じゃねーか? あのゾンビ共より禍々しいオーラを放っているんだが?」

 

 取り出したポーションは紫オーラのように禍々しいオーラを放つだけでない。

 ボコボコと泡立ち、怨霊のようなオーラと効果音を放っている。

 

 そんなもんあいつらに飲ませる気か? 

 と心配するがゾンビ化していたら味もわからないかと見当違いのことを考えているであろうガーコルト。

 

「ふふふ だからいいのだよ!じゃ行ってくるから、安全確保したら合図するから。」

 

 対アンデッド用に作った人間には劇薬のポーションを剣に塗りたくり、【隠行】で近づき一撃で狩っていく。

 

 ゾンビ化の治療薬はもしもの為に取っておく為だ。

【囮】で幻影では無く、フェロモン、血液の匂いを混ぜた煙幕で注意を引き、纏めて【首狩り】で飛ばし一気に狩っていく。

 

 そして宿屋に入っていきゾンビの群れの中 【完全ステルス】状態で無双しまくる。

 

 結界を張られた一室以外の動くもの全てをサクサクと作業の様に急所を差しまくって行き、

 結界で形成した安全地帯の入口に群がる腐った肉塊どもを血液の匂いを放つフェロモンの煙幕で引き離し、各個撃破していく。

 

 ヒャッハーーー汚物は消毒だ!

 

 作業を済ませ、結界石で封じられた安全地帯へと入る。

 疲労困憊&瀕死状態の蛇女の尻尾の面々が確かにいた。 

 まぁこの極限状態の中、救助が来るまで、自殺もせずに此処まで持ったものだ…少しは見所もあるようだな。

 

 俺を見て、安心したのか気を失ったり、涙を流して喜びだす面々。

 とりあえず、ゾンビの治療薬入りポーションを飲ませて事なきを得た。

 

 どうやら彼らがここまで生き残れたのは逃げ込んだ宿屋の倉庫に打ち捨てられた結界石や古びたアイテムがあったからみたいだな。

 

 窓を割り合図を送り、

 ガーコルトたちと合流、特性ポーションと保存携帯食を泣きながら口に含む面々。

 そしてコクコクとどさくさに紛れてポーションと保存食料を食べるアニ

 

 いや いいけどね?

 

「かたじけねぇ かたじけねぇ!」

 

 生きていることに実感するもの、気を失った者、感謝する者 まぁ最初ムカつく奴らで自業自得ではあったが、自身を犠牲にして仲間を逃す心意気に免じて過去のことは水に流してやるか。

 

 ガーコルトたちはまさか一人であのホラーマンションと化した宿屋のゾンビを全滅させるとは思わなかったらしく、せいぜい俺が囮になって惹きつけているうちに救出するものだとばかり思っていたそうだ。

 

「今回は本当に助かった。執事の兄ちゃんもこの前は済まなかった!そしてありがとう!そうだ!これさっきの宿屋で見つけたアイテムだがアンタらに譲るよ。ほんの礼だ受け取ってくれ。」

「ありがとうございます! 俺の助けを聞いてくれて!本当にありがとうございます!」

 

 ガーコルトは照れてるのかそっぽを向き、アニは携帯保存食の新味、ポテト味に夢中だ。だから代わりに応対する。

 

「同じギルドの仲間なんですから助け合うのは当然ですよ。」

 

 そう言ってアイテム 【道具袋】を受け取った。

 まぁ実際そんな互助精神はあまり無い俺だが、まぁ、ここは空気を読んでおこう。

 

 ■■■■■■■■■■■

 

 その後

 

 凱旋した俺と銀狼の牙は一躍英雄になった。

 

 リィーネさんが涙を流して俺の胸をポカポカ殴り、みんなから生暖かい視線を向けられる。

 

 俺のランクはE-からCまで上がり、銀狼の牙の二人も同じくC評価に上昇した。

 ラミアテイルのリーダーがくれた【道具袋】だがどうやら4次元ポケットのように空間が圧縮された魔法アイテムのようだ。

 

 これを譲ってもらう代わりに、ガーコルトには俺の自作の片手剣を、アニにたらふく奢らされたが、まぁいい収入になったかな?

 

 さて次の目標は②の遺跡調査と情報収集だな。

 同じく死者の巣窟とされる黄泉の入口だな 明日にでも新しい片手剣と今日の魔素を吸い取れるアイテムを用意して 

 攻略に向かうとするか!

 


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