ソードアートオンライン ー正義の味方に憧れた者ー 作:Yukikaze1105
会合と転生
僕には小さい頃からとても好きな本がある。何度も何度も読んだその本は今はもう廃れてしまった。その本の題はアーサー王伝説。ブリテンを統べるアーサー王、円卓の騎士、そして滅びまでが書かれたこの本は3歳の子供が読むにはいささか難しい内容かもしれない、でも僕はこのお話が大好きだった。
時は流れて2017年。僕は高校生になった。部活は剣術部に所属し、趣味は読書。様々なジャンルに手を出しては見たものの、子供の頃から好きだったアーサー王伝説のせいか、fateにとてもハマってしまっている。ちなみに剣術の腕は全国大会で優勝するくらいには努力している。
そんな何も変わらない日常の中、ふと今日は何か起きないかなと思った矢先それは起きると同時にそこからは先は何も見えなくなった。
心地の良い風にに当てられ目を覚ますとそこは何も無い草原だった。いや、一つあった。それは石に刺さった一つの剣。fate好きには忘れるわけもないこれは……
「選定の剣!?なんでここに、というかここは?夢……なのか?」
突然起きた非現実に僕の頭はテンパり、自分はここまで中二病患者だったのかと知りたくもなかった現実をも知って項垂れていた。この草原に一人だけと思っていた僕に突然声がかかる。
「やっとお目覚めか。今回の転生者は随分と寝坊助なのだな」
随分と皮肉を込められた声がした方を振り向くと赤い弓兵が腕組みをしながら僕のことを見ていた。そしてその人の事を僕はよく知っていた。
「あ、アーチャー?何でここに……やっぱり夢なのか、うんだって小説のキャラクターがここにいるんだから」
アーチャーの登場に狼狽えやはり中二病だったのかと再確認をする僕を尻目に彼はとんでもないことを言い出した。
「まあ、夢だったのならそっちの方が良かったんだがな。率直に言う君は死んだ。そして私は君達とは違う世界に現界を果たした英霊だ。……まあ君たちの世界では架空の話となっているみたいだがそれと同じ人物だと思ってくれていい」
「僕が死んだ?どう……して?……それに別の世界っていきなり過ぎてわけがわからないよ」
僕は俯き、やり残したことと思われる事が頭の中次々と浮かぶ。
「簡単に言うと爆破テロに君は巻き込まれた。ふむ、訳が分からないのも無理はない。だが私が先程言ったことは事実だ」
「……そうですか。まだまだやらなければならない事が沢山あった、ごめんな、父さん、母さん、雪菜、僕死んじゃったよ」
家族との思い出が次々とフラッシュバックする。手に落ちる雫を見て自分が泣いていることに気がついた。
そんな僕を見てため息を吐いた赤い弓兵。
「自分より家族を思う心は見上げたものだが。……いやだからこそかお前には二択の選択肢がある」
「……選択肢?」
呆然と僕は呟く。
「そうだ。一つ目はこのまま本当に死ぬか。2つ……」
「まって!僕はまだ死んでないのか!?なら……」
「話は最後まで聞け小僧。まず先に言っておくがお前のいた世界に戻ることなど不可能だ」
「す、すみません。やっぱりですか」
「そう悲観するな、だからこそ二つの選択なのだ。二つ目はそこにある選定の剣。その剣は一種の霊剣でね。剣を抜けば剣に記録されてる武器、知識、記憶、技をそうだなここでは選抜されてはいるが英霊の力と思ってくれていい、それを自分体の中に取り込むことが出来る。中々に出来すぎた代物だと思わないか?そしてそれを持って様々な世界に転生する旅に出る。それが二つ目だ」
「英霊の力……転生の旅。その転生には武器が必要なくらいには危険ということですか?」
「その解釈で間違ってはいない。転生する世界はあの女神の気まぐれで決まるからな。……さて君はどうする?このまま死後の世界に行くか、それとも選定の剣を抜き転生を果たすか二つに一つだ」
もう答えなんか決まっていた。僕は静かに選定の剣の前に立つ。
「もう元には戻れないのなら……僕は転生の旅を選ぶ!!」
涙を拭い僕は選定の剣を引き抜いた。次の瞬間 、この霊剣の中に入っている英霊達の記憶が流れ込んできた。
「ふむ、転生を選ぶか……さて私の役目はこれで終わりだ。数秒後君は転生を果たすだろう。……その力上手く使ってくれる事を祈ってるよ。なんせ私の力も入っているのでね」
「ありがとう……ございます、僕は必ず貴方達みたいな英雄になってみせます」
「……ふっ、彼らはともかく私はそんな大層な英霊ではないのだがな。最後にアドバイスだが視野を広く、周りを見ることだ。時には仲間に頼ることも忘れぬ事だな。じゃないと正義の味方の枯れ果てになってしまうからな。さて、これからの君の旅に幸運を祈る、その先に答えを見つけられるといいな」
笑みを浮かべながら檄を飛ばすエミヤさんを最後に僕は光に包まれた。
そして草原に残った赤い弓兵以外の声がこだまする。
「ほら、やっぱり彼は転生を選んだでしょ!彼は優しいだけじゃなくて精神力も凄いんだから!賭けは私の勝ちね士郎」
声とともに女神と言う言葉が当てはまるであろう女性が現れる。
「ふむ、まあいい。それよりもイシュタル、君自身が見送ららなくてよかったのかね?わざわざ座から私を呼び出したと思えば彼の見送りとはな」
「とても美しい女神の私は忙しいのよ?それにイシュタルじゃなくて凛って呼びなさいよ!相変わらずひねくれちゃってまあ」
「やれやれ君は変わらないな。さて楽しみだな彼が今後どうなるのか」
「そうね、貴方のもだけど英霊の力と言っても殆ど円卓の騎士達何だけどね。力を貸してくれないが聞いたら我先にと集まっちゃって。でもみんな超一流の英霊よ。そんな彼らの力を使ってこれから彼はどう物語を紡ぐのか楽しみね」
「まあ見守るしかないのだがね。それに彼女と彼らならきっといい方向に導いてくれるさ。……さて私も帰るとするよ。じゃあな凛。あまり無理するなよ?」
最後士郎に戻った彼は光に包まれ自分のあるべき場所へと戻った。
「……素直じゃないんだからまったく。ほんと、士郎そっくりね彼は。だからこそ……」
その言葉を最後に草原には誰もいなくなったのだった。
いかがでしょうか?アドバイス、感想等お待ちしておりますm(_ _)m