連載中の小説の息抜きで書こうと思います。
現在進行形で悩む少年が一人いた。彼は公園のベンチに座り頭を抱え唸っている。外傷的に頭が痛いわけではない、頭の痛い問題なのは変わらないが。
「えっ、でなんなのお前……」
少年は疲れたように呟く。しかし深夜の公園には誰もいなく、月の光が木々を照すばかりで人の気配はない。しかし少年は続けて口を開く。
「なに幽霊的な感じなの?」
『まぁ、そんな感じである』
それに答えるは声は少年だけに聞こえるものだ。脳内に直接発せられるそれに少年は項垂れる。突然声が聞こえたと思ったら誰もいない。再び歩き出すとまた声がするけど姿がない。
「で、なに?俺になんの用?」
『用と言うか取りついた的な感じだな、ほら悪霊に憑かれたように思ってもらえれば良い』
「良い、って全然良くないじゃないのそれ。本当で霊なの?」
『あぁ、これが我の個性だ』
「えっ、そうなの?じゃあ、元の……」
『肉体は既にない』
「わぁぁ……マジかぁ……」
肉体はない、これ即ち帰る場所が存在しない。まさに霊だ。少年はいよいよヤバイのではないかと思う。何より首を動かすぐらいはできるが立つことがでず体の自由がきかないのだ。
落ち着いて話そうと霊に言われると急に自分の体が意思に反して動き出したのだ。乗っ取られるの言葉が少年の脳内に出現する。
『安心しろ乗っ取る気は今のところない』
「そうなの?……へー……よかった。服脱いで腹躍りでもされたら困るし」
『乗っ取られて困ることって、それだけなのか?えらく軽いヤツであるな。普通は怖がったり拒絶するものだぞ』
「いやぁさぁ、怖いよ?どうでもいい物にお金使われたりしたら生活が悲惨なことになるし」
『……お前変わっているな……』
「そうかな?結構平凡でつまらないヤツだよ、俺は」
淡々と答える少年に逆に困惑する霊。そしてフッとビニール袋から見える中身に目が入った。縄だ、細すぎず太すぎない縄。それと手紙を書く用の筆ペンと紙。
霊は何故か嫌な予感がした。それの疑問を少年に投げ掛ける。
『おい、何に使うだこれ?』
「ん?首を吊る用の縄と遺書を書くための手紙セット」
『うぉぉ…………マジか』
今度は霊が静かに悲鳴をあげる。
やべぇよ……自殺志願者に憑いてしまったとミスったなぁと思う霊。だからこんなに無気力そうなのかとしたくないが納得する。
『なぁ、お前なんで自殺しようと思うんだ?』
「えー……、特に理由ないなぁ」
『……ないのか。こう誰かに虐められたとか虐待をされたとかでなく何となく自殺?』
「うん、そう言ったことはないね」
『どうしよう、コレ』と霊は思う。一番面倒で手のつけようのないパターンだ。虐めなら励ましてやることも出来るが、何となく自殺しようとするヤツに何を言えばいいのだろ。少年が世界に絶望した感じはない。普通の何処にでもいる背景とかす少年Aモブだ。
『い、生きてあれば良いことあるぜ?』
「霊にそれを言われても実感ないね。それに別にいいことがあって欲しい訳でもないよ」
『そう言うな、生きていればその内生き甲斐を見つられるぞ?』
「いいよ、疲れるし」
『…………』
打つ手なしの空振り。
『あぁぁぁーー!!兎に角家に帰るぞ!』
「そうだね、遺書を書きたいし」
『違うが……まぁ、いい』
すると少年の体が自由に動かせるようになる。少年はビニール袋を持ち帰宅路を歩く。その間に少年を説得する霊。
「ならさっ、君にあげるよ」
『はぁ?』
「どうせ、捨てる命だから君が使えばいい。変なことをされるのは恥ずかしいから止めて欲しいけど、要らないから君にあげる」
『……お前……。あぁ、いいさ!貰ってやるよ!この鬱野郎ー!!』
「なんで怒ってるの?」
これが霊と少年の出会いであった。
超不定期更新です。スットクは全く無いので書いたら更新といった感じになります。