魔法少女まどか☆オーバーロード   作:クニクニ

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お久しぶりです。
だいぶ期間があきましたが久々の更新です。


第7話 魔女VS魔法詠唱者

「・・・あ、あれは誰なの?」

 

「分からない。私もわからないよ。」

 

さやかとまどかは突然現れた謎の人物に戸惑いを感じ、そしてまどかの腕のなかで抱かれているキュゥべえも困惑していた。

 

「あれは一体・・・?

あんなの見たことも聞いたこともない。

それにあの禍々しい力、あれは人間なのかい!?」

 

キュゥべえたちの目には写っている人物は漆黒よりなお濃い黒のローブを纏い、異界から闇とともにこぼれ落ちたような存在感だった。

仮面の穴から見える瞳は濁った炎のような赤い揺らめきがあり、冷たく目の前にいる魔女を見据えていた。

 

片手には神々しくも恐ろしい、この世の美を結集させたような黄金の美しい杖を握り締めていた。

 

そのあまりの絶対者の存在感に空気一体が凍りつく。

 

そしてその絶対者であるアインズは後ろで困惑しているの者たちのことは気にも止めず、正面を向いたままアインズは魔女と相対する。

 

「こいつが今回の魔女か・・・。」

 

前回の魔女とは違い、目の前には先ほどまで可愛らしい人形の姿だったのが巴マミとの戦闘により一変して大蛇のような黒くて長く先ほどとは打って変わってかなりの巨体へと変化した姿だった。

恐らく弱そうな外見をして相手の隙をついた瞬間にあの口にある鋭い牙で噛みつくつもりだったのだろう。

 

しかし、あと少しでマミの首がなくなりそうな所を運良くアインズの魔法によりそれは阻止された。

 

お菓子の魔女はマミを噛みつこうとしたところをアインズによって邪魔されたのでアインズを敵と識別したのかアインズに向かって再び口を大きく開けて勢いよく突進を仕掛けた。

 

アインズからは恐ろしい雰囲気を放っているのだが、アインズの相手であるお菓子の魔女はアインズによる防御の壁に激突した影響なのかふらついた為なのか、新たに現れたアインズを敵として認識し、攻撃を仕掛けるため

咄嗟に体を動かしアインズに向かって突進し始めた。

 

「闇雲にただの突進・・・。

知能がないのか、それともなにか秘策があるのか?」

 

そしてアインズは避けることもせずただその場に立ち尽くして片手を前に突き出してお菓子の魔女の攻撃による突進を勢いよく受けてアインズを中心に衝撃波が広がった。

 

しかし、アインズはまるで何事もなかったかのように平然と立っており、衣類にすら傷一つなかった。

 

「ふむ、傷もダメージを負った感覚もないな。

どうやらこちらの世界でもスキルの使用は問題はないな。」

 

アインズの持つ〈上位物理無効化Ⅲ〉により低レベルの武器や低位のモンスターの攻撃による負傷を、完全に無効化するスキルを発動していた為、魔女による突進攻撃は完全に無効化されていたため、アインズは平然としていた。

 

「▲△※□◆%%#?」

 

一方で攻撃を仕掛けたにもかかわらず何ともないかの様に立つアインズの姿をみた魔女はすぐさま追撃するかのように口を開き、今度はアインズを捕食しようとする。

 

「あぶない!」

 

魔女がアインズに向かって補食しようと接近しているなかアインズは動こうともせず立ち尽くしていた。

マミはアインズが何もできず立ち竦んでいるかと思い、咄嗟に助けようと動くが急いでもアインズの元には間に合わないだろう。

 

そしてマミの予想通りに魔女の補食攻撃は動かないアインズに向かって地面へと一直線に突っ込み、

周りに強い衝撃を与え、さらに周囲には砂塵が舞った。

 

「そんな・・・!」

 

マミは魔女がアインズに向かって、絶望的な表情を浮かべる。

いくら赤の他人とはいえ、自分は手助けすることはできず目の前で魔女による攻撃で命を奪われてしまったのだとマミは自分の無力さを悔いながらも、マミは武器を取り出し魔女にその銃口を向けた。

 

しかし、なぜか魔女の様子がおかしく、地面で尻尾をばたつかせながらもがいているように見えた。

 

「一体何を・・・?」

 

砂塵で魔女の様子は見えず、マミは警戒しながら魔女の行動をじっと見据える

 

そして少しずつ砂塵が晴れてくると、そこには驚くべき光景があった。

 

晴れた砂塵からはアインズの片手がお菓子の魔女の歯を掴んでおり、そしてアインズによって掴まれているお菓子の魔女は動けずもがいていた。

 

「#○▼◆%%#▲△※□!?」

 

お菓子の魔女は口を閉じることもできず、離れることも出来ないことに戸惑いながらも何とかしようと一生懸命にもがくがまるで固定されているかのように力一杯身をよじったり抵抗をするが結局何一つ効果はなかった。

 

「やれやれ、出会っていきなり補食しようとは随分とお腹が空いているようじゃないか。」

 

アインズはいまだにもがき続けているお菓子の魔女の歯を掴んでいる手を少しずつ力み始める。

 

「だが、私はあまり補食されるのは好きではないのでね。」

 

そして、アインズは歯を掴んでいる手を軽く握るとお菓子の魔女の歯は砕け散った・・・。

 

「~▼#♯□※△▲!!!!??」

 

お菓子の魔女は歯が砕け散った痛みが神経を伝って駆け巡り痛みによりお菓子の魔女は地面でのたうち回る。

 

「ああ、すまない。

軽く握ったつもりなのだが砕いてしまったか。

しかし、貴様が異形種だから手加減してやろうと考えていたのだが・・・。」

 

アインズは仮面の奥にあるのたうち回る魔女を冷たい視線で見下す。

 

「先に仕掛けたのはそちらなんだ。

やられたら倍でやり返す。文句はないだろう?」

 

その冷たい視線に魔女は恐怖を感じとりその場から離れようとアインズから距離をとりはじめた。

 

「今頃になって怖じ気付いたか。

もう少し早ければ気が変わっていたのかもしれないな。

・・・ああそれと、暁美ほむら。」

 

「呼んだかしら?」

 

アインズはほむらの名を呼ぶと時魔法を使ったのかアインズのそばへと現れた。

 

「こいつは私が相手する。

お前は後ろにいるのを守ってやれ。」

 

「ええ、

どうやら私の手は必要はないみたいわね。」

 

そういって暁美ほむらはまどか達のところへと向かった。

 

(相変わらずドライな性格の女だな。)

 

アインズはほんの少し暁美ほむらの素っ気ない態度に好感が持てず、口には出さず心のなかで愚痴を言うのであった。

 

「さて、では今度はこちらの番だな。」

 

アインズは片腕を前へと伸ばして指を突き出すと魔方陣のようなものが浮かび上がり、魔方陣の輪っかの中心がお菓子の魔女を捉える。

 

お菓子の魔女はアインズによって歯を砕かれた痛みはいまだにあるが、今は目の前にいる人物に対しての恐怖が上回っていた。

そしてお菓子の魔女はここでようやく自分の犯した過ちに気がつくことができた。

 

咄嗟に敵と判断して襲ったが痛みと恐怖により目が覚めて自分が相手しているのがどういう存在なのかを。

それは弱肉強食でいう強者。

いや、強者ですらなんて生温いものではない。

それどころか相手にすることこそがそもそもの間違いであると。

 

お菓子の魔女は目の前の人物から黒いオーラのようなものを発してから身体が恐怖に包まれて今すぐここから逃げなくてはと警告のアラームが体の中で鳴り響く。

 

そしてお菓子の魔女は少しでも逃げるようにとアインズから距離をあけて逃げる。

 

しかし、そんなのに気づくのははいまさらであり、もうすでにアインズの手からは魔方陣が魔女に向かって展開されていた。

 

「どこへいくのだ?

言っただろう、"楽しませてもらおう"と。」

 

《ファイヤーボール/火球》

 

アインズの突きつけた指の先で炎の玉が膨れ上がり、お菓子の魔女に向かって火球が打ち出される。

 

そして火球は見事にお菓子の魔女の胴体へと着弾し、火球を形成していた炎はお菓子の魔女に当たった衝撃で弾け飛び、内部に溜め込んだ炎が一気にはじけた。

 

そして、はじけた火球の炎が周辺一帯を嘗め尽くす。

 

 

それもすべて一瞬のこと。

 

 

燃え広がった炎は少しずつ収まり、周りにはかろうじて原型が残っている構造物があるが、ほとんどが崩れてしまったお菓子や飾りを残して焦げており、お菓子の空間はもう見る影も形もなかった。

 

そしてアインズの後ろにいるまどかたちはアインズによる魔法の障壁によって守られているが、

もしアインズより前に出ていれば炎に飲み込まれて黒焦げ、もしくは燃えかすの仲間入りになっていただろう。

 

しかし、幸いにもアインズの魔法の威力の強さに度肝を抜かれ、まどかたちは呆然としており、その場から動くことさえしていなかった。

 

そして肝心の魔女だが・・・、

運が良いのか炎のなかで苦しんでいるがお菓子の魔女の口から同じ体のお菓子の魔女が現れ、捨てられた体はまるで脱け殻のように炎に包まれて燃えていった。

 

「ほぅ、外皮に一定のダメージが入ると外皮を捨てて新しい体を出すのか。

まるで脱皮だな。

だが向こうの世界とは違って丈夫だな。

では、他の魔法でも試してみるとしよう。」

 

アインズは気分が良くなってきたのか、再び魔女に向かって指を突きつけるが、魔女はすぐさま察し攻撃があたらないようにするため空間内を素早く動き回り始める。

 

「せっかくだ、嫌でも実験に付き合ってもらうぞ。《ドラゴン・ライトニング/龍電》!」

 

アインズの放った電撃は以前にも人間の兵士に放ったことのあるドラゴンの形を模した電撃が放たれ、お菓子の魔女に向かって一直線に駆け、お菓子の魔女に電撃が当たると、お菓子の魔女の体に電撃が駆け回りやがて、事切れたかのように地面へと崩れ落ちた。

 

しかし、さすがは魔女というべきなのか古い体の口から弱々しくも新しい体が這い出てきた。

 

見るからにもう虫の息というレベルにも関わらず、

アインズはさらに次の魔法を放つ準備をする。

 

「ふふふ、素晴らしい。

これだけ魔法を放っても生きているとは凄まじい生命力だ。だがまだまだ終わらないぞ。」

 

それからもアインズは気の赴くまま魔法を放ち、お菓子の魔女に攻撃を続ける。

そしていくつか魔法を放ち終わったあと、思い出したかのように魔法を放つのをやめる。

 

「おや。

いかんな、つい楽しくなって順番を無視してしまった。

さあ、いまさらだが私の番は終わった。

次はお前の番だぞ。どこからでも来るがよい。」

 

アインズはどこからでもこいと立ってお菓子の魔女の攻撃を待つがお菓子の魔女はアインズによる魔法で身体中がボロボロになっており、先程までとは違いもう動く気力すら残っていなかった。

魔女がアインズの強力な魔法にやられながらも生きているのは生命力が強いからなのか、それとも自身の能力のお陰であろうか。

しかし、今回はそれが不幸にも自分の心身ともにボロボロにされ続ける結果となってしまい、いまでは恐怖に包まれているのか、震えていながら弱々しく地面に転がっていた。

 

「・・・もう来ないのか。

はぁ、もういい。来ないのならもう用は済んだ。」

 

魔女に対して興味が一気に失せたのかアインズはお菓子の魔女に止めを刺すために腕を伸ばす。

 

人間ではなく異形種のため魔女を見逃してやることもできたがアインズには仇には仇を、恩には恩を返すをモットーにしているため敵となって攻撃してきた魔女は生かす必要はないと感じてアンデッドであるアインズは冷徹に魔女に止めを指すため最後の魔法を発動する。

 

《グラスプ・ハート/心臓掌握》

 

パキンッ!!!!

アインズがお菓子の魔女に《グラスプ・ハート/心臓掌握》を使って止めを刺してお菓子の魔女は力なく地面へと倒れた。

地面へと倒れた。

 

(・・・?

いまの感覚は?)

 

しかし、そんな中アインズは止めを刺すため自分が得意とする魔法の1つとである《グラスプ・ハート/心臓掌握》を魔女に向けて放ったがお菓子の魔女の心臓は生物の持つ心臓とは違っていた。

 

(今までの《グラスプ・ハート/心臓掌握》とは違った。

まるで金属?、いやオブジェのようなものを潰した感覚だった。

あれが魔女の心臓なのか?)

 

魔女の体を解明しようとしたかったが、事切れた魔女の体は灰に変わり果てて崩れていった。

 

そして崩れ落ちた魔女の体が砂のようになり消え去ると同時に空間が歪みはじめて次第に先程までいた病院の外に戻っていた。

 

(どうやら戻ったようだな。)

 

さきほどま病院の壁にあった空間の割れ目は綺麗さっぱりなくなっており、魔女は消滅していることは確認できた。

 

(あ、しまった~、考えずに始末してしまったが、

あの魔女の体で死霊系の魔法を使ったらどうなるか試してみればよかったな。勿体ないことしたな。)

 

アインズはいまさらになって少しばかりおしいことをしたと後悔しているなか、

魔法少女のひとりである巴マミがアインズに恐る恐ると話しかけてきた。

 

「あ、あの、あなたは一体・・・。」

 

マミはアインズに警戒と恐怖を含めながらアインズに問いかける。

 

「先程名乗ったのだが、どうやら聞こえていなかったのでは仕方がない。

我が名はアインズ・ウール・ゴウン。魔法詠唱者だ。」

 

「アインズ・ウール・ゴウン・・・。」

 

「魔法詠唱者?」

 

アインズ・ウール・ゴウンという名前は伝わっているようだが、魔法詠唱者はどうやら伝わっていないらしく、さやかは頭を傾けていた。

 

「そうだな。魔法使いだと思ってくれればいい。」

 

「助けてもらいありがとうございました。」

 

「気にしなくてもよい。

単に私が魔女にようがあっただけだ。」

(本当は君たち魔法少女がどれ程のものか見るためだけどね。)

 

実際にみて思ったのは暁美ほむら、そして巴マミ。

両者ともに魔法少女としての実力はあるが戦闘においては注意力が足りない。

 

その為、彼女たちには魔法をいくつか見せてしまったが、そのお陰でこうして彼女たちと会話のきっかけを得たので良しとしよう。

 

いざというときには記憶を消すか、始末することは考えておこう。

記憶を消すのは少しだけでも魔力がごっそりと持っていかれるから、どちらかと言えば始末の方が手間が省ける。

 

「さて、では私がここにいる意味はもうないのでこれで失礼する。」

 

アインズはスタッフ・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを掲げて魔法を発動する。

 

《グレーター・テレポーテーション/上位転移》

 

「消えた!?」

 

アインズの姿は一瞬で消え、その場にいた少女たちは驚きを隠せず周辺をキョロキョロしてアインズの姿を探すが、もうその場には少女たちの姿しかなかった。

 

アインズが突然いなくなり静まり返った空間のなか暁美ほむらの足元になにか落ちていることにいまさらだが気がつき、足元に視線を向けた。

 

「これは・・・。」

 

地面にあるものを暁美ほむらが手にしたのは先程アインズが倒したであろうお菓子の魔女から出てきたグリーフシードであった。

 

ほむらはグリーフシードをじっと見つめたあと、グリーフシードをマミの元へと投げた。

 

「そのグリーフシードは貴女にあげるわ。」

 

「えっ!?」

 

マミは咄嗟にほむらから渡されたグリーフシードを受けとると同時にほむらは踵を返し、その場を後にしようとした。

 

「待って!」

 

「・・・何か用かしら?」

 

しかし、暁美ほむらもこの場から去ろうとしていた時、それを巴マミほむらに呼び掛けては止めるのであった。

 

「あなた、彼のことを知っているの?

それに彼は何者なの?あんな規格外の力は一体どこから・・・。」

 

「・・・さあ、私は知らないわ。」

 

マミはアインズという規格外な存在に不安を隠せず、ほむらに質問するが帰ってきた答えは相変わらず淡白な答えだった。

答える気がないのかそれとも本当に知らないのか。

 

どちらにせよほむらはこちらにたいして質問に答えることはないだろう。

 

「そう・・・、ならこれは貴方が持っているといいわ。」

 

マミはさきほどほむらから渡されたグリーフシードをほむらへと投げ返して渡した。

 

「・・・どういうつもり?」

 

「あなたがあの人とどういう関係かわからないけれど、貴方がつれてきてくれたお陰で私は助かったわ。

それはそのお礼よ。」

 

「・・・。」

 

ほむらは特になにも言わず。

グリーフシードを受け取ったまま再び踵を返した後、魔法を使い時間を止めてその場を後にした。

 

「マミさん、よかったんですかあれあいつに渡して?」

 

「ええ、彼女があの魔法使いをつれてきたのは間違いはないわ。いくら友好的ではないとはいえお礼は返さなくてはね。

仮に、次に敵としてきたならば貸し借りはないほうがいいわ。」

 

「あ、あのマミさん。」

 

「どうかしたの鹿目さん。」

 

しかし先程まで会話にあまり入ってこなかった鹿目まどかがマミに声を掛けるが、まどかの様子がどこかソワソワしており何かに怯えているようだった。

 

「どうしたのまどか?」

 

「あの・・・、さっきの魔法使いの人。アインズさんだっけ?

あの人・・・なんだか凄く怖い感じがしたの。」

 

「怖い?」

 

「何て言ったらいいんだろう・・・、

えっと、何かあの人に黒いもの・・・かな?

あまり良くないものを感じたの。」

 

「まどか、あんた大丈夫?

別に私はあの人としゃべったけど何ともなかったよ。

まあ、あの人が魔女をやっつけていたときは強い人だなとは思ったけど。」

 

「そうね。

私も美樹さんと同じように強い感じなのとあとは底知れぬなにかがあるくらいかしらね。」

 

「でも、マミさんならあの魔法使いでも勝てるでしょ。」

 

「いいえ、美樹さんそれは無理ね。」

 

「えっ!?」

 

「美樹さんはまだ魔力がどういうものかを感じてないから気がついてないのかもしれないけど、さっきあの人が使っていた魔法はどれも飛び抜けて威力が違っていたわ。

私が戦っても一撃を当てられるかどうか。」

 

 

アインズの放った攻撃。

それはどれも熟練の魔法少女でも放てるかわからない上級の魔法以上だとマミは想像する。

 

しかし、それがアインズにとってはそれほどでもない魔法だとは知るよしもなかった。

 

「キュゥべえはあの人のことは知らないの?」

 

「いや、あれは僕も知らない。

それどころか今まであったことすらないよ。」

 

「キュゥべえでも知らない。

暁美さんは彼とはどういうものか関係なのかしら?」

 

「ほむらちゃん・・・。」

 

謎の魔法使いアインズ・ウール・ゴウン。

少女たちはその謎めいた存在に疑問を抱きつつ、マミたち一行もその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに余談であるが、アインズはお菓子の魔女のグリーフシードの存在のことはすっかり忘れているのであった。

 

 

 

 

 

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アインズは魔法を行使して先程までいた病院の敷地から、この間手に入れた屋敷の中へと転移していた。

 

「お帰りなさいませアインズ様。」

 

屋敷の広間ではアリッサが待機しており、

 

「アリッサか。私がいない間なに変わったことはなかったか?」

 

「いえ、何も異常はございませんでした。」

 

「そうか、では私は部屋で少し休ませてもらうとしよう。」

 

「かしこまりました。なにかご用意いたしましょうか?」

 

「いや、不要だ。

何かあれば呼ぶ、それまで普段どおりにしてよい。」

 

「かしこまりました。」

 

アインズはアリッサと別れて部屋の中へと入り、ベッドにタイブして横たわる。

 

「あー、疲れた。

ナザリックの時とは違ってここでは常に支配者としての態度をしなくてもいいけど、

こっちはこっちで問題があり過ぎだよ。

いや、首を突っ込んで苦労しているのは自業自得だし、あの場合は介入せざるを得ないからな。」

 

アインズは愚痴をこぼしながらベッドで右へゴロゴロ左へゴロゴロと着ているローブに皺をつけながら寝転がる。

 

「しかし、あの巴マミを見殺しにして介入した後、生き返らせようと思ったけど、そうすればせっかく取引できた暁美ほむらとの関係に支障ができてしまうからな。」

 

ほむらと関係を繋ぐことはできたがあのまま、マミの戦いをただ棒立ちでみていれば隣にいたほむらに不審がられただろう。

できればあまり手の内を見せたくはなかったが、介入と蘇生を天秤にかけたらどちらが面倒かははっきりしている。

 

「だが、これでようやく魔法少女との信頼関係は築けた。」

 

「あと暁美ほむら・・・だったかな?

強引なやり方だったが結果は順調だ。

あとは信頼を築きつつ、魔法少女と魔女。この二つを有効活用しなければな。」

 

「魔法少女は巴マミ、暁美ほむら。ああ、あと候補として鹿目まどかと美樹さやかも信頼を築く必要があるな。

だが、やはりこの中で一番の壁となるのは暁美ほむらだろうな。」

 

学校への潜入の時も魔法少女としての戦いの時も常にドライな性格をしており、取引して半ば無理矢理だが協力関係ではあるもののこれから信頼を築くには一番の壁となるだろう。

 

「まったく、最近の学生は一体どんな生活をしているんだ?

あそこまでドライに徹底するなんてまるで、なにかを経験してきたような感じだけど・・・。

ま、よくある家庭環境がひどいとかだろう。」

 

「それにしてもどうしようか、まどかをだしに使うか?

いやそれだと、信頼はマイナスに行くし・・・ブツブツ。」

 

アインズは頭の中で魔法少女たちとの友好関係を築くためのデモンストレーションを何度も構想するも、面倒になってきて枕に顔を沈ませる。

本来なら眠気に襲われ、寝るところであるが、生憎アインズはアンデッド。

それ故に疲れがたまらないのだ。

人間としての生活を経験していたため睡眠による欲求は募るばかりであるなかアインズはあることを思い出す。

 

「おっと、せっかくあるのだ有効活用しなくては。」

 

アインズはアイテムボックスから『ヒューマンリング/人間指輪』を取り出し指へと嵌めると骨であった体はみるみる人間の体の皮が現れ、見た目は完全に人間の体へとなった。

 

「この指輪のお陰でアンデッドになってから忘れかけてた睡眠という欲望が解消できる。」

 

アインズは人間の体へと変化したことにより、疲労のないアンデッドではできなかった睡眠を堪能するためにアインズは重くなった瞼を閉じ、ベットに身を委ねながら眠りにつくのであった。

 

 




アニメ『オーバーロードⅢ』が放送した上に、オーバーロードのゲームが出るらしいですね。
楽しみです。

次回も頑張って執筆していますのでご期待ください(汗)

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