魔剣物語異聞録~フラグメンツ・オブ・ラウム~   作:朝陽祭

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ちょっとダイスを多めに振った結果ネタが湧いてきたので。
今回のノリは下記のような感じです。

ダイス降る→どこにこのキャラぶっこもうか→そういや甘粕が居る国ってやらない夫みたいに活躍が埋もれてる英雄いそうだな。剪定事象だしぶちこもう。




四塔統べし姫の国の【英雄】のお話

 

 

 

七星国家が一国、四条貴音が治める国。

 

かの国には、『異世界から来た』とされる英雄、『甘粕正彦』が存在する。

 

――だが、彼の威光のみが大きく知れ渡っているが、その影に潜む英雄も勿論存在する。

 

 

これは、そんな英雄の一人である、彼女の物語だ。

 

 

 

 

 

 

「――スターライト、ブレイカァァァッッッッ!!!」

 

 

流星煌(スターライト)の名を冠する攻撃魔法が、司祭級(ビショップクラス)の邪龍達を消し炭にしていく。

 

それだけの【魔砲】を放つのは、白き戦服を纏い、金色の魔杖を掲げる一人の少女だ。

 

 

「こちら壱番星(スターズ・ワン)司祭級(ビショップクラス)の殲滅完了。弐番星(スターズ・ツー)から陸番星(スターズ・シックス)は部隊を率いて兵士級(ポーンクラス)を叩け。」

 

『了解!ところで馬鹿(アマカス)とやらない夫さんはどうしましょう?』

 

「どうせ城砦級(ルーククラス)とか騎士級(ナイトクラス)相手にやらない夫君囮にしてトレイン爆撃してるんでしょ?やらない夫君がピンチだったらフェイトちゃん向かわせるから放置でいいよ。フェイトちゃんは頼めるかな?」

 

『任せて、なのは。』

 

「本当はフェイトちゃんもあんまり前線には出してくないんだけどね……はぁ、やだやだ薄氷どころじゃないんだけどなぁ今の状況。」

 

 

分割思考(マルチタスク)を駆使し、最前線で指揮をする彼女の名は、『高町なのは』。

 

とある商会の娘でありながら、その類まれなる魔導の才能と統率力で、最前線を指揮する守備隊長の任についている。

 

同じく軍に所属する貴族の娘『フェイト・ハラオウン』と親友になり、それぞれ『星光の戦乙女(スター・ヴァルキリー)』と『雷光の戦乙女(ライトニング・ヴァルキリー)』という異名を持つ程だが、その名を知るものは多くはない。

 

なぜならば、上層部の意向により国中へ伝えられるのは、『異世界の英雄』という肩書を持ち、圧倒的な武力と魔力を誇る甘粕正彦の活躍だからだ。

 

無論、政治に疎いなのはでもそのこと自体に異論はない(……が、なまじ政治にも強いが故に親友のフェイトが胃を痛めてるのはどうにかならないかと常々思っている)。

 

だが、これでよいのだろうか、と思うことは常々ある。

 

 

 

――もし、甘粕正彦という『太陽』が堕ちた時。この国を守りきれるのだろうかと。

 

 

 

なのはは上層部に居るなのはに軍略と魔道の力を教えた師匠――太公望の姿を思い返す。

 

前に休暇で会った時は、いつもの飄々としたうさんくささで桃を食べていたものの、その目が諦めの色に染まっていた。

 

あぁ、認めよう。現状のままではこの国に先はない。

 

なぜならばこの国は、『大魔王達がいない』邪龍達に『拮抗』しているだけだ。

 

大魔王が参戦するだけで、邪龍達に新たな戦力が増えるだけで、いともたやすく拮抗は崩れるだろう。

 

 

 

「……師匠は諦めきってるけど、それでも私は諦めたくないんだよね。だから、見ててくださいよ師匠!」

 

 

 

そう自らに激を入れると、なのはは地上の城砦級(ルーククラス)へと砲撃を放っていく。

 

こうして自分達が頑張っていれば、いつかあの師匠の瞳にも輝きが戻るかもしれない。そんな淡い夢を見ながら。

 

 

 

『おい、待てなのは!その城砦級(ルーククラス)達は俺が吹き飛ばそうと誘導していてだな……』

 

「甘粕君、あんまり煩いとフローに言いつけるよ?あ、フェイトちゃんそろそろ撤収するからやらない夫君の回収よろしくー!」

 

『それは止めて!?』

 

『すまねぇなのは、助かった!』

 

『こっちもやらない夫君とは合流したから、帰還するね!』

 

「はーい、じゃあ撤退の援護は任せてね!ディバインバスター!」

 

 

 

砲撃で追いかけてこようとする城砦級(ルーククラス)を撃ち抜いていき、前線ではフェイトが大剣を振るい、道を切り開いていく。

 

なのはの顔には、諦めなど微塵もない笑顔が浮かんでいたのだった。

 

 

 

 

――これは、『太陽』の光に隠れた、『星』の物語。

 

だが、例えその輝きが見えないとしても……『星』は、そこに輝いているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、現場ではそんな感じなのですか。情報をありがとうございますなのは。あの二人からでは聞けないこともありますので。」

 

「んーんー、いいよいいよ別に。二人のこと気になるんだもんねフローは?」

 

ジャキッ

 

「おーけーおーけー、わかったから銃は置こうフロー?照れ隠しに暴力はよくないよっ!?私魔法以外だとフローよりも弱いからっ!?」

 

「なのはがからかったりするから……」

 

 

 

戦闘が終わり、なのはの実家である商会が経営している飲食店。

 

そこでは、なのは、フェイトと共に医務スタッフであるフローレンスが女子会を行っていた。

 

緊急招集に備える為に武装を持ち込んでいるからか、ちょっとしたそんなトラブルがあったりはするがそれはさておいて。

 

 

 

「でー、フローはどっちが本命なの?甘粕君?やらない夫君?」

 

「……お二人はどうなのですか?商会の娘と貴族の娘ならば、縁談なんてそれこそ山のようにあると思いますが。」

 

「おっとまさかのカウンターが来た!?」

 

「私は婚約者が居るけど、結婚はもうしばらく先だろうなぁ……」

 

「フェイトちゃんの裏切り者っ!?お幸せにね!?私はねー、なんでだろうねー?そういった縁談まったく来てないんだよねー!もう部下からいい人見つけちゃおうかな!」

 

「おや、意外ですね。」

 

「なのは、鬼教官としても有名だからそれは厳しいんじゃないかな……?」

 

「なんでっ!?ほら、魔力以外はか弱い乙女だよ私!?」

 

 

 

……そんな風に、他愛もない話で盛り上がりながら、彼女達は女子会を進めていく。

 

日々の疲れを癒やすように。未来へと希望を持つ為に。

 

 

 

続く?

 




余談:それぞれのキャラダイス

高町なのは
【素質:【1D10:5】】
【武勇:【1D100:21】】 【魔力:【1D100:92】+30】 【統率:【1D100:92】+30】
【政治:【1D100:20】】 【財力:【1D100:80】】 【天運:【1D100:29】】

フェイト
【素質:【1D10:5】】
【武勇:【1D100:77】+30】 【魔力:【1D100:16】】 【統率:【1D100:38】】
【政治:【1D100:96】】 【財力:【1D100:89】】 【天運:【1D100:61】+30】

この見事にお互いをカバーし合う感じだやったぜ
それはそれとして甘粕に二人がかりで挑んでも武勇と魔力じゃ勝てない()

ちなみに1000年前のディアーチェ組とは何の関係もないはず、多分

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