それは俺でもわからない
萬子:一二三四五六七八九
索子:123456789
筒子:①②③④⑤⑥⑦⑧⑨
字牌はそのまま
にしてありますのでご了承ください
「ロン、立直・一発・タンヤオ・ドラ3、跳満だ」
「またかよっ!なんだよそのチートは!」
「知るか、神様なんだったら自分で考えろ」
俺は今神様たちと麻雀を打っている。
白い部屋でのやりとりの後、なんだかんだで麻雀を打っているのだが、はてさて何時間やっているだろうか。おそらく神がいる世界だからだろうか、疲労や空腹感などを一切感じない。何時間、何日やっていても大丈夫なくらいだ。
「なあ?」
次の打牌を何にするか思案していると、対面の神(アテナ)が話しかけてきた。
「なに?」
「お前は、元の世界に戻りたいとは思わないのか」
「う~ん」
そう、俺はどうやらこの天界に迷い込んできたらしい。
交通事故で死んでしまった俺は、輪廻転生をするはずがどうやら迷い込んできてしまい、元には戻れないらしい。
なんでも、「一度外れた魂は、戻すが不可能」だとか
そんなわけで行くあてもなくここで麻雀を打っているのだが・・・
正直言って戻れるのなら戻りたい。
だってまだまだやり残したことが山ほどあるじゃん。それこそ、麻雀とかさ。
俺の生きていた世界はそこまで有名じゃなかったが、オンラインゲームなどもあり、そこそこ充実した麻雀ライフだった。
できれば、もう一度現世で麻雀を打ちたい。
「ふーん、なるほどな」
「・・・・・って、人の心を勝手に読むなよ!」
「だって神だもん」
ゼウスが俺たちの話を聞いていたのか話に割り込んできた
その厄介な読心術のせいで何回満貫や跳満を和了られたと思ってるんだ。まぁ、そのおかげで無心で打つことができたんだけどな。
「そこまで戻りたいなら戻らせてあげてもいいけど」
「・・・・はい?」
「転生してみる?」
「・・・・マジですか?」
「大マジです」
「よろしくお願いしまあああぁぁぁぁぁす」
俺は「夏の戦争」に出てくる主人公ばりの大声でジャンピング土下座をした。
「ハハハハハハ、しかしタダでさせるわけにもいかない。私たちと麻雀をしてその点数で転生時の特典を決めようじゃないか、しかし君が最下位ならこの話はなかったことにして君は永遠に輪廻の中には戻れない。それでもするかい?」
「・・・・いいね、そっちの方がスゲー燃えるよ」
「よし、じゃあメンツを呼んでくるからちょっと待ってて」
どうやらこれが天界での最後の麻雀になりそうだ
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
東:ゼウス
南:天照大御神
西:オーディン
北:オレ
あれ?死亡フラグじゃね?
いろんな国の最高神が集まってるとか、そんなツッコミは置いといて
これ完璧に死亡フラグだろ!なんかオーディンとか覇気だしてるし
あーもう!こりゃ腹くくるしかねぇな!
東一局:親・ゼウス:ドラ東
「リーチ」
まだ三巡目だぞ!天照引き良すぎだろ。
俺は相手の捨て牌を手堅く捨てていく。他の神たちも手堅く捨てていく。
しかし・・・
「ツモ」
223344参四五六七東東 ツモ:八
「立直・一発・面前ツモ・風牌・一盃口・ドラ2、30符7翻」
天照はこっちを見てドヤ顔をしている。
「6000オール、18000」
やべぇ、こいつ強いぞ・・・・おらぁワクワクしてきただ
東4局:親・俺:ドラ東
点数の確認をしてみよう
ゼウス:35000
天照大御神:30000
オーディン:30000
オレ:5000
おかしいぞ
こんなに神たちって強かったのか?そもそも俺と打っていたときは本気じゃなかったのか?
背中から嫌な汗が吹き出し止まらない。今すごく逃げ出したい、ここから逃げてしまいたい。
ネガティブな考えが俺の頭をよぎる。こんな点差ひっくり返せるのか?いままで一度も上がってないぞ、それで、そんなことで勝てるのか?
ここで勝てなくてもいいんじゃないか?別に困るわけじゃないし
「少年」
俺を呼ぶ声に意識が覚醒する。顔を上げるとゼウスがいつもしない真面目な顔をしていた。
「少年・・・麻雀つーのはさ、そんな顔でするもんじゃねぇよ」
俺はそんなにひどい顔をしていたのか
「麻雀は楽しいもんだ、そんな顔でしていたら勝てるもんも勝てなくなっちまう。何より気持ちで負けてたら終わりだぜ」
その言葉は俺の胸に響いた。
「麻雀を楽しむ・・・・か」
せめて、この麻雀が最後の麻雀だとしても・・・
楽しんでみるか
ゼウスside
お、雰囲気が変わったねぇ
なんか絶望しているような顔をしていたからさ、アドバイスしてみたけど
うまく効いてくれたみたいだ
なぁ少年、君は麻雀に何を欲す?
金か?名誉か?絶対的な力か?
そんなもののために麻雀をしていたらつまんないよな
楽しもうぜ少年
いまはとにかく麻雀を楽しもう
他の事なんか後でだってできる
でも、楽しむことは今だけだ
せいぜい俺を楽しませてくれよ?
side out
12223四五五五六六六③
まだだ、まだ上を狙える
この圧倒的な点差の中、ちまちま上がったって何にもなりゃしねぇ
ここは一発逆転を狙ってこそだろ
『楽しむ』ってことは案外真剣勝負になればなるほど忘れがちになるけど大切なものなのかもしれねぇな
22233四五五五六六六③
もっと上だ
222333五五五六六六③
きた!俺はこれに全てを賭ける
「立直!」
四暗刻単騎待ち、リーチする必要なんかないがここはあえてする。
俺はリーチした時の方がよく上がれそうな気がするんだ
「させねぇよ」
すかさずオーディンもリーチをかける
絶対あいつは一発で上がってくる、つまり俺はツモ牌で上がらないと勝てないっつうことだ。・・・・・なんかワクワクするなこんな事なんか前世を含めてあっただろうか
「ゼウス・・・・」
「ん?どうした」
「ありがとよ」
そういいながら俺は勢いよく牌を取った。
「この麻雀楽しめたぜ」
「それは何より」
俺のツモ牌は3ピンだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「何か言うことはあるかい」
「いや無いよ」
俺が今いるのは転生室というところらしい、安直だな。
あのあと見事逆転1位になったことにより、転生することになった。
オマケで何かしらの能力をくれるらしい、楽しみである
「どこ見てるんだ?少年」
「ん、いや別に」
「お茶の間ってやつかい?この物語もついにアニメ化するのか~」
頭がおかしいのかコイツ
「いや待てよ、もしアニメ化したらこの俺の素晴らしいイケメンさにお茶の間の奥様達をメロメロ、虜にしてしまうんじゃねぇの!?」
「うるさいです、ゼウス様」
「ごめんなさい・・・」
幼女の天使に諭される最高神って
「なんかごめんなゼウス」
「謝るなよ!惨めになんだろ!」
「ごめんゼウス」
「ごめんなさいねゼウス」
「みんなひどいやぁ~!!!(泣)」
俺に続いてオーディン、天照大御神にいじられ拗ねるゼウス、キモイからやめてくれ
「はいはいゼウス様いいから早くしてください」
「うん、そうだね」
立ち直り早っ!
「えーオホン、ン、ン゛ッン、お主は転生することになったのじゃ」
「な、なんだってー」
「もっと驚いて!お願い!」
「な、なんだってー!」
ノリ大事
「そこでお主には能力を与えようと思う、その内容は・・・」
「私たちの能力の一部を渡そうと思うわ}
「こら、そこセリフ取らない!」
「ゼウス様しっかり」
「はい・・・」
幼女恐るべき
「私からはコレをあげるわ」
そういうと天照の手から光る玉が出てきてそのまま俺の目に入ってきた。
「その力は『神功眼』といって自分の欲しい牌がどこにあるのかを見分けることができるほかに、お前のような能力を使う奴を解析したり、能力自体を解析することもできる」
「へ?俺って能力持ってたの?」
「・・・・気づかなかったの?」
驚いた、どうやら俺は能力を持っていたらしい。
能力、または異能というが、これはいわゆる超常現象を起こす力のことだ。海底牌をツモったり、嶺上開花しまくったり、流れを読んだり・・・・・
要するにチートだ
「ちなみに君の能力は『龍統者』という」
「龍を統べる者・・・・・」
「龍を統べる君にとって役満はおそらく珍しくなくなるだろう、龍とは力であり強さの象徴でもあるんだよ。ドラが君のもとに舞い降り力になってくれることは間違いない」
「大事にするんだよ、龍は気まぐれだからね」
嬉しい誤算だこれは、現世ではプロになれるかも・・・・
「次は俺だな」
腕を組みながら俺の前にオーディンがやってきた。
「俺からはこれだ」
そういうと天照がやったように光の玉が俺の右腕に入ってきた。
「それは『黄金の右腕』だ、ここぞという時あらゆる牌を引き込む。天照の『神功眼』と組み合わせると正しく無双だろう」
「なんていうチート・・・」
「さて最後に俺だが・・・」
「あ、いらないです」
「ひどい扱いだなっ!おい!」
「嘘ですよ嘘、・・・・半分は」
「もう半分はどこに!?」
ふざけてないでさっさと本題を聞こう
「で?なんですか?」
「なぜに上から目線・・・・・」
「早くしてください」
「ふんっ、いいもんね!神様だから!!心広いから!」
なにこれ面白い
「こ、こほん。お主にはこれを渡そう」
「これは・・・」
「そう頭脳、知力だよ」
「というと?」
「なんて先も考えられる、わかりやすく言うと将棋の棋士みたいに相手の何手先も読んだり、どこに牌があるか考えたり、相手の特性を読んだり・・・・まぁいろいろと役に立つ、はず」
「なんだよそれ」
「さぁ・・・・」
「・・・・・・」
みんなの間に流れる沈黙。どう処理すんだよ
「まあ、なんというか・・・・・・ありがとう」
「いいってことさ、勝ったのは君だからね。・・・・それじゃ行くかい?」
「ああ」
足元の魔法陣が光をおびていく、もうすぐこの天界を離れなければならない
俺は、今まで世話になった神様たちに別れを告げた。
「天照」
「はい」
「指導ありがとな」
「どういたしまして」
「オーディン」
「うむ」
「世話になったな」
「気にすんな、また来いよ」
「ゼウス」
「おう」
「世話かけたな」
「全くだ・・・・でも、嫌じゃなかったぜ」
魔法陣の光が最高潮に達し俺の体が段々と透けていった。この世界にいるのもあと何十秒か
「じゃあな少年、いい来世を!」
俺が目覚めるとそこは再び知らない天井だった。