~うどんげ放浪記~   作:sin_nosin

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うどんげが自分探しをするお話。スタートです。


第1話

………ありえない。

 

鈴仙は永遠亭で課された最後の仕事である

 

皿洗いをしながら、困惑していた。

 

いつもなら薬で抑えつけるような人なのに…

 

しかし、彼女の上司でもあり医者でもある永琳はそれを

 

しなかった。

 

彼女の精神に良くないと考えたからだ。

 

現在の彼女の精神は、ストレスに蝕まれている。

 

それを無下に抑えるのは良いことではない。

 

だから、永琳は鈴仙を放浪させる事にしたのだ。

 

精神の修復もできるし、社会勉強にもなる。

 

まさに一石二鳥である。

 

「よし…終わりっと」

 

大きく伸びをする。

 

「お疲れ様」

 

永琳が様子を確認しに来た。

 

「あ、師匠ありがとうございます」

 

「お礼を言うのはこちらこそよ」

 

「貴方は長い間よく頑張ってくれたわ」

 

「義務を果たしたまでですよ」エヘヘ

 

「今回は薬で抑えつけるような訳にもいかないしね」

 

「休みを楽しみなさい」

 

「はい!師匠!」ビシッ

 

しっかりと敬礼をする。

 

安心したように永琳はその場を去っていった。

 

師匠と話したこともあり、彼女の困惑は消えていた。

 

…………………………

 

永遠亭を出る準備をする。

 

あまり荷物はないが、すぐに去るのも味気がない。

 

自分の居場所だった場所を改めて見返す。

 

楽しい事もあったが、辛いこともあった。

 

今までの思い出をじっと、かみしめる。

 

そんなとき、襖が開いた。

 

「ここにいたのね~」

 

永遠亭の主である輝夜の姿があった。

 

「姫。お疲れ様です」

 

「貴方がいないと寂しくなるわ…

 

「永遠の別れじゃないんですから」

 

「まあ、貴方が早く良くなるのを願ってるわよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「私はここで失礼するわね」

 

「ありがとうございました」

 

パタンと襖が閉まる。

 

意外とあっさりしてたなぁ…

 

元からそういう人だけど。

 

心の中でそう思うと、一人挨拶をしてない相手を思い出し

 

た。

 

 

「てゐ~?」

 

そう叫ぶと目の前に一匹の妖怪兎が現れた。

 

「まだいたのかい」

 

「もう行くわよ」

 

「あっさりしてるねぇ~?」

 

「悪かったわね、あっさりしていて」

 

「…いつもどるの。」

 

「わからないわよ」

 

「寂しくなるよ…」

 

「しょうがないじゃない」

 

「そうだ!ついていってもいい?」

 

「これは、私が私を見つける旅なの。」

 

「貴方を連れていきたいけど、それは出来ないの。」

 

「そっか…」

 

「私は、待ってるよ。」

 

「頑張ってね、鈴仙。」

 

「ありがとね、てゐ」

 

荷物を持って、外に出る。

 

目の前には竹林が広がっている。

 

後ろには自分が過ごした家がある。

 

そして、鈴仙は一歩踏み出した。

 

自分自身を見つける為の旅路に………




エンディングは新宝島かな?
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