ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
テメェ…殺すぞ…!
アーシアがリアス先輩の眷属となってから数日が経った。
俺は堕天使との戦闘が嘘のようないつも通りの平和な毎日をおくっている。
アーシアもアーシアで、学校の生活を楽しみ、悪魔の仕事についても人一倍頑張っているようだ。
そして、今日も普通に学校に登校して授業を受け、放課後に部活動、悪魔の仕事をすると言ういつも通りの日だと思っていたのだが、
「私の処女をもらってちょうだい。早急にお願いするわ」
突如、魔法陣が出現したと思ったら、そこからリアス先輩が現れ、俺に詰め寄って言い放った。
「は?…え、どうなってんだ…?」
あまりの出来事に少しの間放心状態となっていた。
そんな俺には構わず、リアス先輩は着ている服を脱ぎ捨てていく。
「ちょ、リアス先輩、何やってるんですか⁉」
俺は急いでリアス先輩を止めようとするが、
「お願いイッセー、私の言う通りにして。これしかもう方法がないの…」
方法…?
「おわっ!」
考えをまとめようとしていると、リアス先輩にベッドの方へ押し倒され、下着姿のリアス先輩が俺の上に覆い被さるような状態になっている。
「さあイッセー、私を…」
「待ってください、リアス先輩!」
「私では不満? やっぱり黒歌や白音の方が…」
「そういう事じゃなくて、自分を大切にしてください!」
「そんな事気にしないで? これは私の為なの、だからイッ…」
あんたって人は…
「やめろって言ってんだろっ!」
「⁉」
俺がいきなり大声をあげたせいで、リアス先輩は驚いた。
「何があったんですか? いつもの先輩らしくないですよ…」
「私は…」
「先輩さっき、方法とか言ってましたよね… その方法をやらなきゃいけない原因を教えてくれませんか? 俺も力を合わせれば解決出来るかもしれません」
「イッセー… こ…」
リアス先輩が何かを言おうとした瞬間、床が光だしてグレモリー眷属の魔法陣が現れた。
そこから現れたのは、銀髪にメイド服をきた女性だった。
「誰だ、テメェ…!」
俺はすぐにリアス先輩を庇うように前に出る。
(気をつけろ、イッセー…こいつかなり強いぞ…)
(堕天使どもとでは格が違うな…)
俺は圧倒的な気を感じて、警戒を高めていく。
「イッセー、大丈夫よ。あの人は
敵ではないわ。グレイフィア?」
リアス先輩がそう言うと、俺は警戒を解く。そして、
「初めまして。私はグレモリー家に仕えるメイド、グレイフィアと申します」
「あ、どうもご丁寧に… 俺は兵藤一誠、リアス・グレモリー様のポーンを務めています」
メイド服を着た女性、グレイフィアさんは綺麗に頭を下げて礼をしたため、俺も同じように頭を下げた。
「今代の赤龍帝ですね。お話は聞き及んでいます」
「で、あなたがここに来たのはあなたの意志? グレモリー家の意志? それともお兄様の意志?」
リアス先輩が少しへそを曲げた感じでグレイフィアさんに聞くと、
「全部です」
グレイフィアさんは即答で返事をした。
「そうよね、お兄様のクイーンであるあなたが人間界に来るほどだものね…… 分かったわ。グレイフィア、私の根城で話し合いましょう。朱乃を同行させてもいいわね?」
「『雷の巫女』ですか。構いません。上級悪魔がクイーンを連れるのは当たり前のことですから」
リアス先輩がそう言うと、グレイフィアさんもそれを承諾した。
「今夜はごめんなさいね、イッセー……明日、また部室で会いましょう」
リアス先輩はそう言うと、グレイフィアさんが展開した魔法陣の中に消えていった。
「先輩に何があったんだ…」
俺はその夜、その事が気がかりで眠る事が出来なかった。
翌日の放課後、アーシアと黒歌、白音と共に部室に向かっていると、たまたま祐斗と合流したから昨日の事について何か心当たりがないかを聞いてみたら、
「昨日の夜にそんな事があったなんて…」
「知らなかったにゃー」
気づいてたら、お前らはすぐ部屋に来てるもんな。
「部長のお悩み事か…… それは多分、グレモリー家に関わることじゃないかな?」
「そうかもしんねぇな…」
あの時のリアス先輩の様子やあのグレイフィアさんの様子からして、祐斗の予想は当たってるかもな。
「朱乃なら何か知ってるかもしれないにゃ!」
「そうかもしれません。朱乃さんは部長の懐刀ですから、もう情報を渡ってるかもしれない」
と、祐斗は一人手に頷いていた。
「もしそうなら、朱乃先輩に聞いてみましょう。何か分かるかもしれません」
「そうだな、それが手っ取り早い」
俺は白音の提案に賛成しながら歩いていると
(ドライグ、この気配…)
(ああ。お前の思った通りだと思うぞ…)
「イッセーさん、どうかしましたか?」
「いや、何でもない」
そう言って俺は旧校舎へ中へと入っていった。
俺たちは部室の扉の前で立ち止まっている。
「僕がここまで近づいてやっと気配に気付くなんて…」
祐斗はそう言いながら目を細めている。
「私は旧校舎に入る前から気付いてたにゃー」
「私も何かただならぬ気配を感じていましたが…」
「お前達も感じていたのか…」
「??」
アーシアはそんな俺達の会話を聞きながら、クエスチョンマークを浮かべている。
「こんな所で立ち止まってても仕方がねぇ。ささっと入ろうぜ」
そう言って俺が部室の扉を開ける。
すると、室内にはかなり機嫌が悪そうなリアス先輩に、顔はニコニコと笑顔を浮かべているが、背中が寒くなる程の雰囲気を醸し出している朱乃先輩…そして、昨日俺の家にやって来たグレイフィアさんがいた。
「全員揃ったわね。いきなり申し訳ないけど、あなた達に話があるの」
話か… 昨日は話してくれなかったからな。
リアス先輩の表情を見て、穏やかな話ではないのはすぐにわかった。
「実はね・・・」
リアス先輩が話を始めようとしたその瞬間、部室の床に魔方陣が現れた。
この紋様…グレモリーのものじゃねぇな…
「これは…フェニックス・・・」
横にいた祐斗が小さく呟いた。
フェニックス…?
ボォォォ!
その見た事がない紋様の魔法陣から炎が溢れだしてきて、熱気が室内を覆いつくす。
「チッ⁉ 何なんだ、いきなり!」
キュィィン!
俺はすぐにアーシア達の前に出て、螺旋力でシールドを創って熱気を遮る。
すると、その炎の中から人の様なものが現れ、腕を横に振った瞬間に周囲の炎が振り払われた。
「ふぅ、人間界は久しぶりだな」
赤いスーツを着崩したイケメン風の男がそこにいた。その男はリアス先輩を見つけると、ゆっくりとした足取りで近づいていき、。
「愛しのリアス、会いにきたぜ」
「……」
話しかけていた。しかし、リアス先輩は話しかけられても、不機嫌な表情を浮かべながら無視していた。
そんな光景を見ながら俺は事情を知っていると思われる、グレイフィアさんに少し苛立ちながら質問する。
「グレイフィアさん、あのいけ好かない野郎は誰なんすか?」
「失礼ですよ、兵藤一誠様。あの方はライザー・フェニックス様、お嬢様と同じく純血の上級悪魔であり、古い家柄を持つフェニックス家のご三男でございます。そして…」
「そして?」
「リアスお嬢様の婚約者でございます」
「はぁ…?」
先輩の婚約者…⁉
そう思いながら俺はリアス先輩の方を見てみると、
「リアスは相変わらず綺麗だな、見惚れるよ」
ライザーはリアス先輩の隣に座り、馴れ馴れしくしていた。
「いやぁ、リアスのクイーンが淹れてくれたお茶は美味しいな」
「お褒めいただき光栄ですわ」
イイ笑顔を浮かべながら朱乃先輩がライザーにお茶を振舞っていた。
朱乃先輩、怖すぎだろ…
それを見てアーシアと白音が俺をつかんで離さないんだけど…
そんな中、とうとうリアスは勝手な事ばかりするライザーに怒りを爆発させた。
「いい加減にしてちょうだい! ライザー、あなたとは結婚しないと以前にも言ったはずよ!」
感情が高ぶっているリアス先輩に対して、ライザーは冷静に言葉を発していく。
「それは以前にも聞いたよ。だが、そういうわけにもいかないだろ。君のところの御家事情は切羽詰まっていると思うんだが?」
「それこそ余計なお世話だわ!私が次期当主である以上、自分で婿相手を見つけるわよ!お父様もお兄様も…一族の者も事を急ぎ過ぎなのよ、当初の予定では私が人間界の大学を卒業するまで好きにさせてくれるという話だったのに…」
「しかし君のお兄様は家を出た身だ。そして、グレモリー家には君以外に当主となるものはいない…君は自分の代でグレモリー家を潰す気か?」
「家は潰さないわ!婿養子だって迎え入れるつもりよ」
「さすがリアスだな!じゃあ、早速俺とけ…」
「でも、あなたとは結婚はしない! 私は私が良いと思った人と結婚する。古い家柄の悪魔にだってそれぐらいの権利はあるわ」
リアス先輩はハッキリと婚約の拒否をライザーに告げた。
すると…ライザーの機嫌が悪くなっていき、
「俺もな、リアス。フェニックス家の看板を背負った悪魔なんだよ。この名前に泥をかけられるわけにもいかない…だから、人間界のこんな狭くてボロい建物なんかにもわざわざ足を運んだんだ。そもそも俺は人間界があまり好きじゃない。この世界の炎と風は汚なすぎる…!炎と風を司る悪魔としては、こんなものは耐えがたいんだよ!」
ボォォォ!
ライザーの周囲に炎が現れ、室内に火の粉が舞い散る。
「俺は君の下僕を全部燃やし尽くしてでも君を冥界に連れ帰るぞ」
ライザーが殺気と敵意をあらわにする。
あぁ…? あいつ今、何て言いやがった?
「イッセーさん(兄様)…?」
アーシアと白音が何かを感じ取った事など知らずに俺はいけ好かないクソ野郎に話しかけた。
「おい、ライザー・フェニックス」
「何だ貴様は…ッ⁉」
「リアス・グレモリーの眷属に手を出してみろ……テメェ、殺すぞ…!」
俺は殺気をライザーにぶつける。
「イッセー…⁉」
(何て殺気なの…)
「貴様っ! 俺を誰だと思ってるっ!」
「テメェが誰だろうと知ったことか…!」
俺とライザーの掛け合いにより、室内の空気が張り詰めて一触即発の状態になるが…
「イッセー様、ライザー様、落ち着いてください……これ以上やるなら私も黙って見ているわけにはいきません」
グレイフィアさんがそう言うと、ライザーは殺気を消して、
「最強の女王と称されるあなたにそんなこと言われたら、俺もさすがに大人しくされてもらいますよ。強者揃いと評判の魔王、ザーゼクス様の眷属とは絶対に相手などしたく…ッ⁉」
あの野郎が何か驚いてるようだが、俺は無視して、
「だから何なんですか? 俺は、こいつが手を出さないと約束するなら、落ち着きもしますよ」
俺はグレイフィアさんにも全開の殺気をぶつける。
「⁉」
(あの方並みの殺気… 今代の赤龍帝はこれほどの力を持っているのですか…!)
少し冷や汗をかいているように見えるグレイフィアさん。
「で、どうなんだ…ライザー・フェニックス」
「……分かった、手を出さない」
(下級悪魔に恐れを抱いているのか…この俺がっ⁉)
それを聞いて俺はさっきまでの殺気を消す。
それを見たグレイフィアさんはこうなる事が分かっていたような面持ちで一つの提案を話し始めた。
「こうなることは、旦那様もサーゼクス様もフェニックス家の方々も予測しておりました。少し想定外の事も起こりましたが…」
そう言ってグレイフィアさんは俺の方を見たような気がした。
「正直申し上げますと、これがお二人の最後の話し合いの場だったのです。これで収集がつかない場合のことを皆様方は考え、最終手段を取り入れることとしました」
「最終手段?」
「お嬢様、ご自分の意思を押し通すのでしたら、ライザー様と『レーティングゲーム』にて決着をつけるのはいかがでしょうか?」
「っ!?」
グレイフィアさんの意見にリアス先輩は言葉を失い、顔をしたに向けた。
レーティングゲーム…?
しかし、リアス先輩はすぐに顔をあげて、
「いいわ。レーティングゲームでこの決着をつけるわ」
「俺もそれで構わない」
リアス先輩とライザーはその案を了承した。
「わかりました。ご両家の皆さんには私の方よりお伝えいたします」
両方の了承を確認した後、グレイフィアさんは綺麗に頭を下げた。
そして、ライザーは俺たちグレモリー眷属を見渡して
「しかし、いいのかリアス? 君のその眷属たちでは話にならないんじゃないか? 君の女王である、雷の巫女ぐらいしか俺の可愛い下僕たちに対抗できそうにないだろう」
そう言ってライザーはパチンと指を鳴らす。すると、部室の魔方陣が光り出し、光の中から多数の人影が現れる。
「これが俺の眷属たちだ」
その正体は悪魔の駒をフルに使った、総勢十五人のライザー下僕達だった。そして、その全てが女で構成されている。
全員女か…少し闘いにくいが、仕方ねぇな。
「こっちはこのとおり駒の数だけ眷属がいる。それも数だけじゃない、実力差も経験の差も全てにおいて俺は君に勝っている。それでもこのゲームをやるのかい?」
ライザーの話を聞いて、部長は悔しそうに歯を食い縛り、拳が白くなるほどに強く握っている。
だが、そこで黙っていられる俺ではない。
「だから何だ? そんなバカ丸出しの王に俺たちの王が負けるわけねぇだろ」
「何だとっ⁉」
俺はバカにされて怒るライザーを無視して、リアス先輩の方を向く。
「先輩、あなたが…王がであるリアス・グレモリーが諦めない限り、俺は闘い続けます。だからあなたは最後まで前を向いて、自由という名の勝利を掴み取ってください」
「イッセー…」
俺がこんな事を言うとは思ってなかったのか、リアス先輩は驚いた表情で俺を見つめている。
「哀れだな!哀れすぎて涙が出てくるぞっ!圧倒的の力の差の前にそんな根性論でどうにかなるわけないだ…」
「ぴーぴー喚きやがって、うるせぇんだよ。焼き鳥は網で焼かれてろ!」
「焼き鳥だとっ!」
「テメェのようなやつには不死鳥なんて言葉もったいねぇんだよ。所詮、テメェは火の鳥フェニックス(笑)…まさに焼き鳥でいいんだよ!」
その言葉に黒歌は爆笑、他のグレモリー眷属もクスクスと笑い出した。
それを見てライザーは激昂し、
「この下級悪魔風情が上級悪魔である俺に向かって焼き鳥だとっ⁉ リアス、下級悪魔の教育がなってないぞ!」
怒鳴られたリアス先輩はそんな事知るかと言わんばかりにそっぽを向いている。
「無視されちまったな、焼き鳥さん?」
「貴様っ! ミラ、あいつを潰せ!」
「はい、ライザー様!」
ライザーの命令を受け、ライザー眷属から少女が武器らしき棍を構えてこちらに攻め込んできた。
「兄様!」
「下がってろ、これは俺のケンカだ」
俺は前に出ようとする白音を止めて、相手が向かって来るのを待つ。
「はぁぁ!」
攻撃範囲に入ると、少女は棍を使って渾身の突き放ってきた。
「ふんっ!」
俺は胸を狙ってきたその突きを螺旋力で強化した片手で掴んだ。
「なっ⁉…」
少女は止められた事に驚きを隠せないようだ。
「隙ありだぜ?」
「しまっ⁉…」
俺はその瞬間を見逃さず、足払いをかけて少女を地面に抑えつける。
そして、ライザーの方を向き、
「俺を狙ってくれて良かったぜ。もし俺以外の仲間をお前が狙ってたら…テメェら全員殺し尽くすところだったぜ…?」
俺はライザーに再度殺気をぶつける。
「おやめください、イッセー様」
とんでもない殺気を俺にぶつけてくるグレイフィアさん。
やっぱり、魔王様の女王は伊達じゃないってか…
「すいません、熱くなり過ぎました」
そう言って俺は少女の拘束を解き、元居た場所に戻る。
「では、レーティングゲームの日取りはどう致しますか?」
「リアス、レーティングゲームは10日後にしないか?今やってもいいが、それだと俺は面白くない」
そんな事言うライザーに俺とリアス先輩は、
「私の眷属たちをあまり舐めない方がいいわよ、ライザー?」
「お前も強くなって俺を楽しませくれよ、焼き鳥くん?」
「チッ!……それじゃあリアス、10日後にまた会おう」
そう言ってライザーは魔法陣で転移した。それに続き、グレイフィアさんも俺たちに頭を下げた後に転移していった。
「あと10日か…」
(お前はまだしも10日程度であの者達は大丈夫なのか?)
(分からない…でも、やれる事は全部やってやるさ、勝つ為ならな…!)
(それでこそ、私のイッセーだ!)
(俺はお前の所有物じゃねぇ、相棒だ)
そんな会話をドライグとしていると、
「みんな…ライザーに勝つ為、私に力を貸してちょうだい。そして、ライザーを倒してやりましょう!」
『はい!』
リアス先輩の想いに俺達は大きな声で応える。
俺たちの不死鳥との戦いが始まった。