ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
俺が屋上に着いた時、俺の目に飛び込んできたものは、炎の玉がリアス先輩に当たりそうになっていた。
「間に合えよっ!」
俺は螺旋力で盾を創る。そしてリアス先輩と炎の玉の間に割って入り、炎の玉を受け止めた。
「イッ…セー…」
後ろにいるリアス先輩が恐る恐る目を開け、俺の名を呟いていた。
「先輩、後は俺に任せてください」
俺はリアス先輩の方を向いて笑みを浮かべた。
「イッセーさん!」
「遅れてすまねぇ。アーシアはリアス先輩の治療を頼む」
「分かりました!」
俺がそう言うと、アーシアは女神の微笑みでリアス先輩を回復させていく。
これで大丈夫だな…
リアス先輩の怪我が治っていくのを確認し、俺はライザーの前に立つ。
「来やがったな、下級悪魔」
「おう。来てやったぜ、焼き鳥」
互いに挨拶を交わしながら、殺気を浴びせる。
「お前には前に愚弄されたからな…俺が直々に潰してやるよ」
「いいぜ。かかって来い、不死鳥さんよ…」
感情の高ぶりと共に、螺旋力が体から少しずつ漏れていく。
「ここは俺がやるんで、先輩は下がっててくださいね」
回復が終わったリアス先輩がこちらにくる前に止めた。
「何を言ってるの、イッセー⁉」
「例え体が回復しても、疲労は回復しませんからね…少しふらついてますよ、先輩。それに、俺にも先輩の為に良い格好させてくださいよ」
祐斗が、白音が、黒歌が、朱乃先輩が、アーシアが…戦ってるんだ。ここで俺が戦わないわけにはいかねぇだろ!
俺がそう言うと、リアス先輩は心配そうに俺を見て、
「必ず…必ず、勝ちなさい…!」
それだけ言ってリアス先輩はアーシアを連れて離れていく。
「俺の命に賭けて…」
絶対に勝つ…!
想いを胸に刻み、ライザーを迎え撃つ。
「俺相手にサシで勝負とはな…笑えない話だ」
「上には上がいるって事を、お前に教えてやるよ…」
俺は獰猛な笑みを浮かべて拳を構える。
「ふっ…なら俺はその儚い幻想ごと、お前を消し炭にしてやるっ!」
ボォォォ!
ライザーは手に炎の玉を発現させ、俺目掛けて撃ち放った。
「よっと!」
俺は難なく避け、ライザーの懐へと飛び込む。
「くっ!」
ライザーは懐に飛び込まれる前に再度炎の玉を撃ち放った。しかし、俺はそれをギリギリ当たらないの所で躱し、
「ふっ! はぁ! らぁ!」
バキッ! ドゴッ! ドゴォォンッ!
俺はライザーの腹部に拳を放って動きを止め、ライザーの全身に連続蹴りを繰り出した。そして、締めとばかりにサマーソルトキックから、ライザーの顔面に零距離ドラゴンショットを放ってやった。
「貴様ぁ…やってくれたな!」
ドラゴンショットを零距離でくらい、頭部と上半身が血だらけとなっている。しかし、紅の炎にライザーが包まれていくと、全ての傷が完全に回復していた。
さすが不死身ってところか…
そんな事を思いながら、俺は螺旋力でドリルを創り出し、
「ドリル…トルネードッ!」
ドリルを高速回転させて強烈な竜巻を起こす。
「くっ!」
ライザーはその竜巻に呑まれ、身動きがとれなくなってしまった。
そこを俺が見逃すわけもなく、
「これもくらってろ!」
ブーメランを二つ創り出すと、竜巻目掛けて投げつけた。
そのブーメランは竜巻の中に入ると、縦横無尽に動き回ってライザーを切り刻んでいく。
「くっ…!…舐めるなっ!」
ライザーは炎を周りに発現させると、竜巻を掻き消した。
「この程度か、下きゅ…」
「どこ見てんだよ、焼き鳥」
ライザーが竜巻から解放された頃に、俺は右腕に螺旋力を溜め、ライザーの後ろに回り込んでいた。
「スカルブレイクッ!」
「がぁぁ!」
拳をライザーに命中させた瞬間にドリルを展開し、ライザーの体に巨大な風穴を開ける。
俺はこのまま一気に畳み掛けようとする。
しかし、
ガシッ!
「捕まえたぞ!」
「しまっ…」
こいつ、自分の体を囮にしやがった…⁉
俺の突き出していた腕を掴んだライザーは次々と近距離で炎を放ち続けた。
「ぐぁ…!…離し…やがれっ!」
俺は空いている腕にドリルを展開し、ライザーの頭部を削り、ライザーから距離を置いた。
しかし、ライザーはまたもや再生し、炎の玉を連続で放ってくる。
「不死身だからこそ、あんな事が出来るってか…」
でも、俺があの程度の攻撃でくたばるかっての!
俺は炎の玉を避けながら距離を置く。
「無駄だというのがどうやら分からんようだな、貴様は…!」
ライザーは先程よりも巨大な炎の玉を放った。
「生憎、俺は諦めが悪いんだよ!」
俺は螺旋力を溜めた拳で殴り、炎の玉を掻き消した。
「イッセー…」
遠くには心配そうに見守るリアス先輩が見える。
はぁ…俺が先輩を心配させてどうすんだよ。
「さっさと決めるか…」
そう言って俺は地面に降り立った。
「なんだ?俺の力を思い知って恐怖したか、兵士くん?」
上空から憎たらしい笑みを浮かべて俺を見下ろすライザー。
俺はそんなライザーを鼻で笑い、
「はっ! いいや違うぜ。俺はただ俺の勝利を待ち望んでいる人がいるんでな、さっさと決めさせてもらうだけだ…!」
俺はそう言いながら赤龍帝の籠手を装着する。
「ドライグ…アレをやるぞ!」
(アレとは何だ?)
「決まってるだろ…
合体だぁっ!」
ドゴォォォンッ!
掛け声と共に俺の体から赤き魔力のオーラと緑の螺旋力が噴き出していき、赤龍帝の籠手の輝きが一段と増していく。
「合体⁉」
「何ですって…⁉」
「そんな事出来るわけがない!」
(正確には合体ではないがな…)
そんなチンケな事を気にすんな!
「さぁ…いくぜ、ドライグ…!」
(あぁ、私たちの力を見せつける時だ)
俺の強さの源である…かつて戦ったあの姿を…思い返す。
「はぁぁぁぁ!」
赤龍帝の籠手は最大級に輝きだし、
(今こそ更なる進化へ至ろう…)
「「禁手(バランスブレイク)ッ!」」
俺がそう唱えた瞬間、目が眩むほどの光が空間すべてを包み込んだ。
『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!!!!!』
機械音と共に俺の体は赤の装甲に包まれ、空間の全てを赤色が染めていく。
そして、光が止むと…
「人と龍の二つの道が…捻じって交わる螺旋道っ!」
俺の全身は赤の鎧に覆われ、胸に頭部の他にもう一つ、サングラスをかけた巨大な顔があり、
(無二の友と運命を砕き、女の明日をこの手で掴むっ!)
頭部には日輪を破砕した三日月のような形状の兜を被っている。
「「共鳴合体! グレンラガンッ! ! 俺(私)を誰だと思ってやがるっ!」」
俺たちが叫ぶと、周辺の空間へと衝撃が走った。
「またこれで戦えるなんてな…」
俺が思い出に耽っていると、
「何なんだよ、それは…」
今起こった事態を理解しきれずにライザーは俺に問いただした。
「これは俺の神器、赤龍帝の籠手の亜種禁手化(イレギュラーバランスブレイカー)…赤龍帝の紅蓮の鎧(ブーステッド・ギア・ブレイズメイル)だっ!」
そう言って俺は腕を組んで仁王立ちする。
この鎧は倍加と螺旋力の力を極限まで引き出すことが出来る。それに、時間制限もこの頃ドライグと鍛練してたおかげか、何もしなけりゃ一ヶ月、全力で戦っても二日程度もつほど長くなった。
(しかし、イッセーは頑なにこの形態をグレンラガンと呼んでいるがな…)
余談だが、合体時のドライグが話す時は胸の顔が話すようになっている。
「お前も気に入った!って言って、一緒に呼んでるじゃねぇかよ、ドライグ」
まあ、見た目はまんまグレンラガンだからな。そう呼ばないといけないだろ、かつて使ってた男としてはさ。何よりも俺がそう呼びたいっ!
「貴様がなぜそんな物を持っているんだ!
ライザーが驚愕と恐怖が入り混じった表情を浮かべている。
良い具合に驚いてるな、焼き鳥くんは…
「まあ、これも運命って事だ、受け入れな。さぁ、続きを始めるぞ、フェニックスさんよ!」
背中のウィングを使って一気にライザーの懐まで迫る。
「ッ⁉…速すぎ…」
「おらぁっ!」
「げふっ!」
ライザーが言い終わる前に、真横から顔面を殴り、グラウンドの上空の方へと吹き飛ばした。
「遅いぞっと!」
「がはぁ!」
ドォォォン!
俺は先回りし、踵落としでライザーを叩き落とす。
地面にはライザーが落下した所を中心にクレーターが出来ていた。
しかし、ライザーはいつまでも倒れているわけもなく、
「下級悪魔に…この俺がぁぁぁ!」
咆哮をあげ、背中に巨大な炎の翼を発現させて、こっちに高速で突っ込んでくるライザー。
「不死鳥フェニックスと称えられた我が一族の業火!その身に焼き付けろぉ!」
どんどんスピードを上げ、不死鳥を形どった炎がライザーを包み込んだ。
それに対して、
「ギガァァァ…ドリルゥゥゥ」
俺は右腕にドリルを展開し、螺旋力を溜めていく…そして、
「ブラスタァァァァ!」
緑の極太の光線に変え、ライザーに撃ち出した。
(これはヤバイ!)
「ぐぉぉぉぉ!」
その光線をライザーは避けようとするが、回避しきれずに右半身を消し飛ばされた。
「ちっ! そのまま消滅してくれれば良かったってのに…」
もしあれが普通のビームだったら、あいつは避けるなんて事はせずに突っ込んでただろうしな。
「はぁ…くそ…!」
体は元に戻るが、精神はそうはいかない。疲れが見え始め、ライザーは全く余裕がなさそうだ。
ここらで幕引きといくか…
「このまま押し込む!」
俺はライザーに瞬時に接近し、
「ここからは俺の独壇場だ…お前の出番は回ってこないぜ?」
バキッ! ドゴッ! ボキッ!…
ライザーには目にも止まらないスピードで俺は螺旋力を纏った拳、足で攻撃し続ける。
「はぁぁぁぁ!」
〈Boost! Boost! Boost!…〉
そして、締めとばかりに拳に螺旋力を溜めて、倍加させていく。
「バーストスピニング…パァァンチッ!!」
〈explosion!!!!〉
「ぐぁぁぁぁぁ!」
ライザーの隙だらけの腹部に強烈なアッパーを繰り出した。
ライザーは螺旋状のエネルギーの奔流の中を飛ばされ、上空で爆発した。
「こ、こんな所で…!」
煙が立ち込めるその中からライザーが出てきた。しかし、所々に傷が見受けられ、さっき受けたダメージが完全には治っていなかった。その影響か、炎も先程より小さくなってきている。
俺の攻撃はあいつの回復を上回ってきてるな。
「あと少しって所か…ならアレでいくぜ!」
俺はグレンブーメランを取り外し、ライザーに投げつける。
「ひっさぁぁつっっ!」
ブーメランは途中で二つに分離し、ライザーを斬りつけた後、空中に拘束した。
「くそ! 外れんっ!」
何とか逃げようとするが、今のライザーでは逃げる力も残されていなかった。
「これで終わりだ、ライザー・フェニックス…!」
俺は体中から無数のドリルを突き出す。
「ま、待て!分かっているのか⁉ この婚約は悪魔の未来のために必要で大事なものなんだぞ⁉ お前の様な何も知らない下級悪魔どうこうするようなことじゃないんだっ!」
「んなもん知った事かっ! 先輩の悲しむ顔なんて見たくねぇ…だから俺は! こんな婚約なんて風穴開けてぶっ壊してやるんだよぉぉぉ!」
キュィィィィンッ!
俺は右腕を天へと向ける。すると、体中から右腕にドリルが集まっていき、
「ギガァァァァ…」
超大型のドリルへと変化していく。そしてそれを捕らえられたライザーの上空に構え、
「ドリルゥゥゥゥ…」
自身をドリルもろとも高速回転させながら、頭から突貫した。
「ブレイクゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!」
ギュィィィィィィン!
「ぎゃ…」
ドゴォォォォォォンッッッッ!!!!
超巨大なドリルの回転に負けて回復が間に合わずにライザーは消し飛ばされる。
そして、ライザーが存在した場所では大爆発が発生した。
地上に佇んでいるグレンラガンの背景には宇宙が浮かび、巨大な螺旋を示す渦巻銀河が浮かび上がっていた。
そして、爆発後にブーメランが元の場所へと戻ってくると、
「先輩の信じた俺は、お前なんかに負けねぇんだよ…!」
俺は今ここにはいないライザーに向けて言い放った。
そして、
『ライザー・フェニックス様投了…リアス・グレモリー様の勝利です』
この空間全てにアナウンスが響き渡った。