ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男   作:パーシヴァルヴレイヴ

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では、始めようか

紅い結界に囲まれながら、俺と祐斗、対峙するように俺たちの前にいるゼノヴィア、イリナちゃんがいる。

 

結局の所、ゼノヴィアたちもやる気になってしまったので、腕試しというリアス先輩の提案で事は何とか収まった。

そのため、現在の状況に至ると言う訳だ。

 

「では、始めようか」

 

そう言って、イリナちゃんとゼノヴィアは白いローブを脱ぎ捨て、黒いボンテージのような戦闘服姿となった。

そして、俺の前にイリナちゃん、祐斗の前にはゼノヴィアが立つ。

 

「本当は君に神の裁きを与えてやりたかったのだがな。それよりも、彼…先輩とやらの力が気になるのでな、そちらはイリナに任せて私はこちらの相手をしよう」

ゼノヴィアは俺の方を向きながら言った。

 

祐斗はすでに神器を発動し、周囲に魔剣を数本出現させて不気味な笑みを浮かべている。

 

「笑っているのか?」

ゼノヴィアが祐斗に尋ねると、

 

「そうだよ。ずっと壊したくて仕方なかったものが目の前に現れたんだからね、笑いが止まらないよ。まさか、こんなにも早く巡り合えるなんてね、これも君たちの好きな神様のお陰かな?」

祐斗は聖剣に対する憎悪が混じったような殺気を発していた。

 

「我らが神を侮辱するなっ!」

 

「死んでいった皆のために…この力で聖剣を超えるっ!」

そして、ゼノヴィアと祐斗の戦いが始まった。

 

祐斗、呑まれすぎるなよ…

 

その様子を見てから、俺の前に立つイリナちゃんに視線を移すと、

 

「兵藤一誠くん…久しぶりに再会した懐かしの男の子が悪魔になっていたなんて、ショックだわ。でも、これも神が与えし試練なのよ!」

いきなり話し始めた。

 

「そんな事はどうでもいい。俺はただお前たちを倒せればな…!」

 

〈Boost! Explosion!〉!

 

俺は赤龍帝の籠手で一度倍加しながら言い放った。

 

「赤龍帝の籠手…まさかまた現れていたなんて…!」

イリナちゃんが驚いてるようだが、俺はそんな事は気にせずに飛び出す。

 

「今はあまり戦いたくなかったが、やるしかねぇ…!」

アーシアにあんな事言われて黙ってられるかよ!

 

「こっちもいくよ、イッセーくん!」

俺とイリナちゃんの距離は縮まっていき…

 

「「はぁぁ!」」

エクスカリバーと最小限の螺旋力を纏った拳がぶつかり合った。

 

「エクスカリバーが止められた⁉」

相手から見たら、只の拳でエクスカリバーが止められているんだから驚くに決まってる。

 

「流石聖剣だな。でも、螺旋力も負けてねぇよ!」

俺はエクスカリバーを払い除けて、イリナちゃんを攻撃しようとするが、

 

「くっ⁉…まだだよ!」

辛うじで避けてから、エクスカリバーの形態を切り替えたのか、切っ先が枝分かれして俺に襲いかかってくる。

 

「そんな事も出来んのかよっ!」

流石に数が増えては拳では防ぎきれないので、俺は絶えず体を動かして回避していく。

 

ガキィィィン!!

 

激しい金属音が響いた後に、祐斗の魔剣の刀身が砕かれて宙を舞う。

 

「私のエクスカリバーの特性は破壊…先ほど言ったはずだが?」

ゼノヴィアは間髪いれずに祐斗に追撃として聖剣を振り下ろす。

 

「くっ⁉」

祐斗はそこから後ろに下がると、エクスカリバーは地面に振り下ろされた。

 

ドカァァァァン!

 

振り下ろされた場所には、衝撃音と共にクレーターが出来ている。

 

「破壊の聖剣はすべてを破壊する。砕けぬものなどこの世には存在しない…」

 

「流石は聖剣と言ったところだね」

そうは言ったものの、祐斗の表情は険しくなっている。

 

祐斗の奴、あんな戦い方で勝てんのかよ!

 

「余所見してる場合かしら!」

イリナちゃんは一気に俺との距離を詰めて後ろから迫っていた。

 

「いや、ちゃんと見てるぜ?」

イリナちゃんの斬撃をわざとギリギリで避ける。

 

「そんなっ⁉」

 

「これがお前の精一杯か、イリナちゃん?」

隙だらけになったイリナちゃんに拳底を放つ。

 

「ぐぅ!」

何とかエクスカリバーで拳底は防いだが、衝撃までは抜け切らなかったのか、イリナちゃんは少し動きが鈍った。それを俺は見逃さず、

 

「おりゃあっ!」

エクスカリバーの腹の部分に蹴りを繰り出して弾き飛ばした。

 

「何て威力なのよ!」

イリナちゃんはすぐさまエクスカリバーを方へ跳び、手に取るが…

 

「あっ⁉」

先ほどの蹴りの衝撃のせいで手が痺れてしまい、手からエクスカリバーが落ちてしまった。

しかし、もう一度手に取って構えようとした所で、

 

「終わりだ」

イリナちゃんの目の前に移動し、俺はイリナちゃんの首にドリルを突き立てた。

 

「エクスカリバーがどれだけ強いかは知らねぇが、使うやつが弱かったらガラクタ同然だな」

 

「……私の負けよ」

エクスカリバーから手を離し、唇を噛み締めながら地面に膝をついた。

 

 

「そう落ち込むなよ。イリナちゃんとの勝負、楽しかったぜ!強くなったら、またの勝負待ってるからな?」

俺は笑みを浮かべながら、イリナちゃんに手を差し出す。

 

「こ、今度は私が勝つんだから!」

イリナちゃんは少し顔を赤くしながら俺の手を取って立ち上がった。

 

こっちは終わったけど、祐斗はどうなった?

祐斗の方へ視線を向けると、

 

「君の聖剣の破壊力と僕の魔剣の破壊力、どちらが上か勝負だ!」

そう言うと、祐斗の手にはまがまがしいオーラを放ち、2メートル程の巨大な魔剣が握られていた。

 

あのバカッ! 何でパワーで押し込むんだよ!

 

ガキィィィンッ!

 

祐斗の魔剣とゼノヴィアの聖剣は少しの間、拮抗していたが…

 

「判断を誤ったな…」

次の瞬間、

 

バキッ!

 

均衡は崩れ、木場の巨大な魔剣はエクスカリバーに砕かれた。

 

そして、ゼノヴィアは少しの不満気な表情を浮かべ、

 

「キミの武器は多彩な魔剣とその俊足のはずだ。その巨大な剣は君の自慢の足を止める。何故破壊力を求めた?」

 

ドゴォ!

 

ゼノヴィアは瞬時に木場の腹部に聖剣の柄を叩き込んだ。

 

「がはっ!」

祐斗は攻撃に耐えきれず、その場に崩れ落ちる。

 

それを見たゼノヴィアは祐斗から背を向け、こちらへと歩き出した。

 

「イリナは負けたのか。仕方ない、今回は引き分けと言う事にしようか。イリナ、退くぞ」

そう言ってゼノヴィアはこの場を去っていく。

 

「あ、待ってよ、ゼノヴィア!」

イリナちゃんもゼノヴィアを追いかけてこの場を離れていった。

 

ふう、俺と戦うとか言い出さなくて良かったぜ。

……戦ってたら俺が手加減できなかった。

 

そんな事を思っていると、

 

 

 

 

「待ちなさい、祐斗!」

リアス先輩の制止する声が聞こえてくる。

 

聞こえてきた方へ顔を向けてみると、そこにはその場を立ち去ろうとしている祐斗とそれを止めているリアス先輩の姿があった。

 

「私のもとを離れるなんてこと許さないわ!あなたはグレモリー眷属の騎士なのよ、はぐれになってもらっては困るの。戻りなさい!」

 

「僕は、同志たちのおかげであそこから逃げることができた。だからこそ、彼らの恨みを魔剣に込めないといけないんだ…」

それだけ言うと、祐斗はその場から消えた。

 

「裕斗、どうして…」

リアス先輩の悲痛な声が、悲しみの表情が俺の目に映る。

 

 

 

 

祐斗、テメェは必ず俺が…!

 

それを見た瞬間、俺の次にやるべき事が決まった。

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