ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男   作:パーシヴァルヴレイヴ

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大人しくしなさい…!

翌日

 

「で、俺を呼び出した理由ってのは?」

休日、俺は匙を駅前に呼びだしていた。

 

「そうです。兄様たちは何をするつもりだったんですか?」

白音が俺の腕に抱きついて離れない。

何かを感づいていたらしく、駅前に向かう途中で捕まってしまってここまで着いてきた。

 

「聖剣ぶっ潰すんだよ。教会の奴らから許可もらってな」

俺が笑いながら言うと、

 

「「……」」

二人は目を丸くして呆然としていた。だが次の瞬間、

 

「頑張れっ!」

そう言って匙は逃げ出した。

 

ガシッ

 

「何言ってんだよ、お前も手伝うに決まってるだろ?」

 

「嫌だぁぁぁぁっ!俺は帰るんだぁぁぁっ!」

俺は匙の襟首を持って逃げられないようにする。

 

「で、お前はどうする?」

今でも腕に抱きついている白音に聞くと、

 

「手伝います。兄様のために、なにより祐斗先輩のために…」

そう言って白音はニコッと笑った。

 

「ありがとな、白音」

そんな会話をしていると、

 

「俺に拒否権はないのか⁉ それ以前に、これはおまえらの眷属の問題だろうが⁉ 俺はシトリー眷属だぞ!俺とは無関係じゃねえかぁぁ!」

少し泣きべそをかきながら俺に訴える匙。

 

「だって仕方ねぇだろ、お前ぐらいしか協力してくれる奴が浮かばなかったんだからさ。それに、いつでも頼りにしろって言ったのはお前だろ?」

 

「それとこれとは別の話だっ! 手伝ったりしたら会長に殺されるぅぅぅっ!」

 

「まあそう言うなって!いざとなったら俺も会長に謝ってやるからさ。 さあ、あいつら探すとしようぜ!」

 

「そうですね」

 

「俺の話を聞けぇぇぇぇ!」

俺は匙を引っ張りながら、白音と共に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

探すこと数分…

 

「どうかこの迷える子羊にお恵みを!」

 

「天の父に代わって哀れな私達にお慈悲を!」

 

あいつらは案外早く見つかった。

 

「これが先進国である日本の現実か。これだから信仰の匂いがしない国は嫌なんだ…」

 

「そんな文句言わないでよ。その異教徒からの慈悲なしでは私たち、パンの一つも買えないのよ?」

 

「何を言うか。元はと言えば、お前が詐欺まがいの絵画を買ったのがいけないんだろ」

 

俺の幼馴染はいつの間にそんなバカになったのだろうか…?

 

「何を言ってるのよ! この絵には聖なるお方が書かれているのよ!展示会の関係者だってそんなことを言ってたわ」

 

「ほう…じゃあこれが誰かイリナには分かるのか? 私には誰一人として一致しないぞ」

 

「多分……ペトロ様?」

 

「ふざけるな、聖ペトロがこんなもの訳がないだろ!」

 

「いいえ、こんなものよ!私には分かるもん!」

 

「どうしてこんなのが私のパートナーなんだ… 我が主よ、これも私への試練なのですか?」

 

「頭なんて抱え込まないでよ。ゼノヴィアって沈む時はとことん沈むわよね…」

 

「うるさい!これだからプロテスタントは異教徒だと言うのだ!我々カトリック教徒とは価値観が違いすぎる!」

 

「何よ!古いしきたりに縛られるカトリックのほうがおかしいんじゃないの⁉」

 

「「やるの(か)⁉」」

おいおい、止める前に喧嘩始まったよ。

 

「探してたのって、この二人ですよね?」

そんな二人を白い目で見ている白音が言った。

 

「はぁ…取り敢えず場所を移すか…」

俺は頭を抱えながら、二人の元へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うまい! 日本の食事はうま過ぎる!」

 

「うんうん!これよ、これが故郷の味なのよ!」

 

「ファミレスに故郷も関係ねぇだろ…」

二人は腹が減っていたのか、すごい勢いで頼んだメニューを平らげていく。

 

「兄様、お金は大丈夫なんですか?」

 

「ああ、余裕余裕」

正直言ったら痛い出費だけど、白音たちに払わせるわけにはいかねぇだろ。

財布の中を白音に見られないように確認していると、

 

「すまないな、助かったよ」

 

「ご馳走様でしたっ!」

そう言って二人は十字を切った。

すると、

 

「「「うぅぅ…!」」」

俺たち三人は痛みで頭を抱えた。

どうも慣れねぇな、この感じはよ。

 

「ごめんごめん、ついいつもみたいにやっちゃった!」

そう言ってイリナちゃんは舌を出して謝った。

 

「それで、私たちに接触した理由は?」

ゼノヴィアはいきなり話を切り出した。

やっぱり気づいてるよな…ならさっさと本題に入るか。

 

「単刀直入に言わせてもらう。俺たちもエクスカリバー奪還に加えて欲しいんだ。お前ら二人じゃ流石にきつい所とあるだろ?」

俺は何も取り繕いもせずにストレートに言葉をぶつけた。

 

すると、目を丸くして驚いたゼノヴィアだったが、少し考えると返答が返ってきた。

 

「分かった。その提案、受けよう」

ゼノヴィアはあっさり了承した。

 

「いいの? 相手は悪魔なのよ?」

それにイリナちゃんは反対するが、

 

「正直、私達だけでエクスカリバー3本の回収は難しい。それに、相手にコカビエルがいるとなれば、無事に帰れる確率は3割程と言ったところだろう」

 

「それでも高い確率だと思った私達は覚悟してこの国に来たはずだったよね?」

 

「そうだな。上にも任務遂行して来いと送り出された。自己犠牲に等しい」

 

「それこそ、私達の本懐じゃない」

俺たちは置いていって二人の世界に入ってしまった。

 

「そうかもしれないが、少し気が変わった」

 

「何なのよ、それ! 信仰心が微妙におかしいわ!」

 

 

「否定はしないよ。だけど、任務を遂行して無事帰ること。それこそが、本当の信仰だと私は信じる。そして、私達の主の為に戦う。こう言うのも信仰ではないか?」

 

「…違わない、それも信仰よ」

 

「だからドラゴンの力を借りるとしよう。上は悪魔の力は借りるなとは言ったが、ドラゴンの力を借りるなとは言ってないのだからな」

 

「そんなのヘリクツすぎるわよ! 変過ぎるわよ、あなたは!」

 

「別に私は変でいいよ。しかし、君の幼馴染である兵藤一誠のドラゴンの力…信じてみようじゃないか」

そう言ってゼノヴィアは俺に目線を移した。

 

「任せろ、俺を誰だと思ってやがる。だから、お前たちの知ってる事を話してくれ」

 

あいつを呼び出して、俺たちは話し合いを始めていく事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「話はだいたい理解したよ」

呼び出した人物とは祐斗だった。

こいつを入れないと、俺がエクスカリバー奪還に加わる意味がないからな。

 

「正直言って聖剣使いに破壊を承認されるのは全くの遺憾だけどね…」

 

「随分な言いようだね。そちらがはぐれ悪魔だったら、問答無用で斬り捨てているところだと言うのに…」

売り言葉に買い言葉により、祐斗とゼノヴィアが睨み合った状態となっている。

どうもこの二人は馬が合わないらしいな。

 

「喧嘩してる場合じゃねえだろうが。で、その聖剣計画の被験者たちを何で殺したりしたんだ? そこまでする必要はなかったはずだ」

俺がそう言うと、ゼノヴィアたちは嫌悪感を表しながら、

 

「その事件は、私達の間でも最大級に嫌悪されたものだ。処分を決定した当時の責任者は異端の烙印を押され、今では堕天使側の住人さ」

 

「そいつの名は?」

 

「バルパー・ガリレイ…皆殺しの大司教と呼ばれた男だ」

 

「そいつが…僕を…皆を…!」

祐斗の怒りが憎悪共に増していくように見える。

 

「ちょっと言いか?」

匙が何か気になったのか、横槍をいれてきた。

 

「俺は全然知らねえから聞きたいんだけどさ、木場とエクスカリバーってどんな関係があるんだ?」

疑問を問いかけた匙。

俺は祐斗の方を見ると、

 

「少し話しておこうか。ついでに報告したい事もあるしね…」

 

祐斗は自分の過去と先日に外道神父、フリード・セルゼンに出会ったことを話した。

 

前者の時には、匙が号泣しながら祐斗に手を貸すと言い、エクスカリバー奪還にすごく協力的になった。

 

後者の場合、聖剣の素養を持たないフリードがエクスカリバーを使っていたことにより、裏で聖剣計画を行っていたバルパー・ガリレイが関与している可能性が浮上してきた。その時の祐斗は怒りと憎しみでいっぱいで見てられなかった。

 

「さて、一通り話し終えたことだし、俺たちはそろそろ行くわ」

 

「それなら我々も任務に戻るとしようか」

俺たちは会計を済ましてから店を出ると、反対方向に歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何でこんなことをしたんだい、イッセーくん」

ゼノヴィア達から離れたところで祐斗は唐突に俺に向けて疑問を投げかけた。

 

「仲間を助けるのに、理由なんていらねぇだろ?」

俺がそう言うと、祐斗はポカーンとしていた。

そんなに驚くことか?

 

「私、祐斗先輩がいなくなると悲しいです。だから勝手に何処かに行かないでくださいね」

悲しげな表情で祐斗に自分の想いを口に出した白音。

 

それを聞いて、祐斗は苦笑いし、

 

「…ははは、まいったね。白音ちゃんとイッセーくんにそんなことを言われたら、僕も無茶はできない………だから、二人の好意に甘えさせてもらおうと思う。一緒にエクスカリバーを倒そう」

やっと少しずつだが、いつもの祐斗が戻ってきたようだ。

 

「おう! 俺も力を貸すぜ!」

そこに気合をいれまくった匙も参加し、俺たちとゼノヴィアたちの共闘作戦が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日、俺たちはなんとか調達した神父服を着て、街を徘徊して外道神父を探しだしていた。

 

しかし、成果は出ずに日だけが過ぎていっている。

 

 

「今日も収穫なしか…」

気落ちするように匙が言う。

 

「ったく、どこにいるんだよ、あの外道神父……っ⁉」

俺も匙と同じように考えていると、一つの気配を感じる。

 

「兄様…」

 

「あぁ」

やっと来やがったぜ…!

 

「来たぞ、上だっ!」

俺の声と同時に全員が上空へ視線を向けると、そこには長剣をかまえた外道神父が迫ってきていた。

 

「神父ご一行にご加護をってね!」

 

「待ち兼ねたよ!」

 

キィィィィンッ

 

祐斗は神父服を脱ぎ捨てて、すぐさま魔剣を創造し、フリードの一撃を防いでいた。

 

「来やがったな、クソ神父!」

 

「おぉ、愛しのイッセーくんじゃないか! さぁ、早速殺し合おうじゃんっ!」

そう言ってフリードは俺に一直線に向かってくるが、

 

「殺してやりたいのは山々だが、今回は俺の出番じゃねえんだよな」

俺は動きにくい神父服を脱ぎ捨てて、後ろに下がる。

俺と交代で匙が飛び出し、

 

「伸びろ、ラインよっ!」

匙の手の甲にトカゲの顔らしきものが装着されていた。そして、口から伸びた黒く細い触手のようなものが俺に飛び掛ってきたフリードへと向かっていく。

 

「うぜぇっス!」

フリードがそれを聖剣で斬り払おうとしたが、斬撃が当たる前に軌道を変えてフリードの足を捕らえた。

 

「そいつはちょっとやそっとじゃ斬れないぜ。これが俺の神器、黒い龍脈(アブソリュート・ライン)! こいつに繋がれた以上、お前がぶっ倒れるまで力を奪ってやる!だから、木場、今のうちにやっちまえ!」

 

やっぱり、匙を連れて来て正解だったな。

 

「ありがとう、匙くん!」

祐斗は数多の魔剣を創造してフリードを攻め立てていく。

 

「はぁぁぁ!」

 

「そんな駄作が、俺のエクスカリバーに勝てると思ってんの⁉」

フリードは次々と繰り出す魔剣の攻撃をエクスカリバー一本で破壊していく。

 

「俺様の天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)の前じゃあ、テメェの斬撃なんて止まって見えるんだよ!」

 

「くそっ!」

祐斗は苦悶の声をあげる。

 

「それと、この気持ち悪いの邪魔!」

フリードがそう言うと、エクスカリバーは光のオーラが放ち、匙の神器を切り裂いた。

 

「祐斗、下がれ!」

 

「今度は私達が相手をします!」

俺と白音がそう言って前に出ようとするが、

 

「ダメだ! ここは僕が…!」

そう言って祐斗は魔剣を創り出し、フリードに再度突っ込もうとした時、

 

「ほう、魔剣創造か… 面白いものを持っているな」

突然、第三者の声が俺達の耳に届く。その声の方向に視線を移すと、そこには神父服に身を包んだ初老の男が佇んでいた。

 

「…バルパーのじいさんか」

このジジイがバルパー・ガリレイか…

 

「バルパー・ガリレイッ!」

祐斗が憎悪に染まった瞳でその男を睨み付ける。

 

「フリード、戻るぞ。そろそろ本格的に行動を起こす」

そんな祐斗を気にもせず、フリードに撤退を呼びかけた。

 

「あいよ! じゃあ、イッセーくん、また会おうぜ!」

フリードが逃亡を図ろうとするが、

 

「逃がさん!」

 

声と共に、俺の横を何かが通り抜けてた。

やっと来たか、ゼノヴィア。

 

キィィィィンッ!

 

ゼノヴィアの聖剣とフリードの聖剣がぶつかり合い、火花を散らしている。

 

「遅いご到着だな」

 

「何とか間に合ったみたいで良かったよ」

少し息が荒いイリナちゃんが俺の横に立った。

 

「フリード・セルゼン、バルパー・ガリレイ…お前達を神の名のもとに断罪する!」

 

「くそが!バルパーのじいさん、分が悪い! 帰って、堕天使の旦那に報告しに行くぜ!」

 

「そうするしかなさそうだな…」

バルパーが賛同したのと同時に、フリードは丸い球を取り出し、地面に投げつけた。

 

「みんな、目を塞げっ!」

俺の声と同時に眩い光が周囲を包み込んだ。

そして、光が治まっていくと、二人の姿は見当たらなかった。

 

「ちっ! 追うぞ、イリナ!」

 

「分かってるわ!」

ゼノヴィアとイリナちゃんはすぐにフリード達の後を追うため、走り出した。

 

「逃がすものか、バルパー・ガリレイッ!」

それに続いて、祐斗もその後を追っていった。

 

「おい、テメェら!待ちやがれっ!」

 

「追いましょう、兄様!」

俺達も三人の後を追おうとするが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「力の流れが不規則になっていると思ったら…」

 

「これは…困ったものね」

 

「「「っ⁉」」」

後ろから聞こえてきた声に俺たちは驚きを隠せなかった。

 

ゆっくりと後ろを振り向くと、

 

「これはどういう事かしら…イッセー、白音?」

 

「洗いざらい全てを話しなさい、サジ」

険しい表情を浮かべたリアス先輩とソーナ会長がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エクスカリバーの破壊って、あなた達ね…」

俺たちが包み隠さずに全てを話すと、額に手を当てながらリアス先輩の機嫌が悪くなっている。

 

「サジ、あなたはこんなにも勝手なことをしていたのですね… 本当に困った子です」

 

「うっ⁉ すいません、会長」

あちらでは、ソーナ会長が冷たい表情で匙に詰め寄っていた。

 

それを見た俺は、

 

「会長、匙を怒るのはやめてあげてください。嫌がっていたこいつと白音を無理矢理連れてきたのは俺です。なので説教をするなら、俺にお願いします!」

そう言って、リアス先輩とソーナ会長に頭を下げた。

 

「「兵藤(兄様)…」」

そんな俺を心配そうに見つめる匙と白音。

 

「……はぁ、分かったわ。イッセー、今回の事は許すから頭をあげてちょうだい」

俺たちを見てから、ため息を吐いてリアス先輩は許してくれた。

 

「はい、ありがとうございます!」

 

「いいお友達を持ちましたね、サジ」

そう言いながらソーナ会長は匙を見る。

 

「はい…ありがとな、兵藤」

 

「兄様、ありがとうございます」

匙と白音が俺に礼を言ってくるが、

 

「いざとなったら助けるって言ったろ?」

俺がそう言っていると、

 

 

 

「でも、罰は与えるわよ?」

 

「「「えっ?」」」

許してくれたんじゃないのか…?

 

「許すのは許すけど、罰がないとは言ってないわよ?」

 

「リアスの言う通りね。サジ、お尻を出しなさい」

そう言って魔力を手のひらに貯めるリアス先輩とソーナ会長。

 

ダメだ、リアス先輩たちの目が本気だ!

 

二人とも分かっているな…!

 

ああ、いつでもいいぜ…!

 

やるしかないです…!

 

 

「「「……散開っ!」」」

俺たちはアイコンタクトを交わして、瞬時に逃げ出すが…

 

 

 

「「だーめ(だめです)…!」」

 

「「「ぐぁ⁉」」」

俺たちはすぐに二人に捕まり…

 

「「大人しくしなさい…!」」

 

 

 

パァァァン…パァァァン…!

 

 

 

 

 

 

 

「「「ぎゃぁぁぁぁぁ!」」」

 

俺たちの悲鳴が響き渡った。

 

 

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