ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
リアス先輩から罰を受けた俺たちは日が暮れてくらくなってきたので、取り敢えず家に帰宅する事になった。
「ただいま帰りました」
「まだケツが痛ぇ…」
「私もです…」
俺と白音がケツをさすりながら家に入ると、
「やっと帰ってきたわね。イッセー、こっち来なさい」
台所の方からお袋が顔を覗かせて、手招きしていた。
言われた通りに行ってみると、
「ほら、二人とも」
「「お帰りなさい、イッセー(さん)」」
そこにはエプロンを着たアーシアと黒歌がいたのだが、
「何で裸エプロンなんだよ⁉」
エプロンはエプロンでも、裸エプロンだった。
「き、桐生さんに教わりました。日本のキッチンに立つ時は裸にエプロンだって…恥ずかしいですけど、日本の文化に慣れる為ですから…」
「あのバカ…!」
俺が桐生の事で頭を抱えていると、
「あたしはイッセーに喜んでもらおうと思ってやったの。どうにゃ?」
そう言って黒歌は俺に正面から抱きついてきた。
黒歌はスタイルいいから体の輪郭がクッキリ分かるし、黒歌の豊満な胸が俺の胸板で変形している。
「あぁ…可愛いし、すげぇ柔らか…」
「兄様…?」
ビクッ!
後ろを振り向くと、そこには無表情の白音がいて、ジト目でこちらを見つめていた。
「く、黒歌、そろそろ離れてくれないか? 可愛いのは分かったからさ…な?」
俺が冷や汗を掻きながら言うと、
「分かったにゃ」
(あれ以上やってたら、あたしも白音に何をされるか分からなかった…)
黒歌も冷や汗を掻きながら俺から離れていった。
そんな事をしていると、
「イッセー、私も着てきたけど、どうかしら?」
台所の方からアーシア達以上にきわどい裸エプロン姿のリアス先輩がやってきた。
「な、なんて格好してんですか⁉ それ以前にいつの間に着替えてたんだよ…」
俺がリアス先輩を見ていると、
「私も着てきます…!」
そう言って白音はエプロンに着替えようとしていたが、
「ダメだ! お前はそのままのお前でいてくれ!」
ここでお前は着替えられたら…!
そう思い、俺は白音がどこにも行かないようにがっしりを後ろからホールドした。
「「「あぁぁ⁉」」」
「で、でも…」
(兄様に抱きしめられてる…!)
まだ諦めねぇか…
「頼む、白音…」
俺は真剣な眼差しで白音を見つめると、
「わ、分かりました…」
(そんな目で見つめられたら…断れない)
俺の説得でなんとか留まってくれたようだ。
「料理に取り掛かるわよ、黒歌、アーシア」
「はい」
「分かったにゃ」
三人はぶすっとして面持ちで夕食の調理を開始し始めた。
「にゃー♡」
白音は白音で幸せそうな表情を浮かべてるし…
その後、リアス先輩たちと一緒に寝ると言う約束を(先輩達が強制的に)取り付けて、やっと機嫌を直してくれた。
深夜
「っ⁉…何だ…!」
俺が先輩達に囲まれながら寝ていると、急に強烈なプレッシャーを感じて飛び起きた。
「イッセー!」
先輩達をさっきのを感じて起きたようだ。
「あのクソ神父か…!」
窓から外を見ると、家の前にはフリードが嫌な笑みを浮かべて立っていた。
あいつは祐斗たちに追いかけられてたはず… なのに何で俺の家に……まさか祐斗達が…いや、そんな事はありえねぇ。あいつらだって引き際くらいは心得てるはずだ。
それにさっき感じたプレッシャー、あいつが出したにしてはでか過ぎる…て事は誰だ…?
「さっきの感じ…堕天使ね」
そう言いながら、いつの間にか制服に着替え終わったリアス先輩が言った。
堕天使か…だとしたら、ゼノヴィア達が言ってたコカビエルって奴が放ったと見て間違いなさそうだな。
俺はすぐに着替えを終えてリアス先輩たちと共に外へ飛び出した。
「やあ! 深夜に失礼しますね、悪魔さんたち! もしかして夜更かしの真っ最中でしたか?それはそれは大変失礼致しやした」
ゲラゲラと笑い声をあげるフリード。
「テメェに用はねぇよ、クソ神父。用があんのは…あいつだよ」
そう言って俺は真上に浮かぶ月を見た。
そこには月を背景にして、黒いローブに身を包み、漆黒の十枚の翼に生やした男の堕天使。
「テメェが神の子を見張る者の幹部、コカビエルだよな?」
堕天使は俺、そしてリアス先輩を見ると、獰猛な笑みを浮かべ、
「はじめましてかな、赤龍帝。そして、グレモリー家の娘。紅髪が麗しいものだ…忌々しい兄君を思い出して反吐が出そうだよ」
それを聞いてリアス先輩を黙っておらず、
「ごきげんよう、堕ちた天使の幹部、コカビエル。私の名前はリアス・グレモリー…お見知りおきを。この場で政治的なやり取りに私との接触を求めるなら無駄よ」
コカビエルに対して凛とした面持ちで言い放った。
「いや、俺は土産を渡しにきただけだ」
コカビエルは腕に抱えていた何かをこちらに投げつけた。
あれって、まさか…⁉
俺は衝撃を与えないようにそれを受け止める。
「イリナちゃん…」
投げつけられたのは全身が傷だらけのイリナちゃんだった。
「俺達の根城まで来たのでな、それなりに歓迎をした。まあ、2匹逃がしたがな」
コカビエルは嘲笑を浮かべながら言い放つ。
「アーシア、頼む」
「はい!」
イリナちゃんをアーシアの近くへと下ろすと、アーシアはすぐに治療を開始した。すると、少しずつ表情も緩和していき、呼吸も穏やかになっていく。
それを見て、リアス先輩達が安堵していると、
「魔王と交渉などというバカげたことはしない。まあ、妹を犯してから殺せば、サーゼクスの激情が俺に向けられるかもしれないな。それも悪くない」
「………」
「コカビエル…!」
俺は怒りを、リアス先輩は侮蔑したような目でコカビエルを睨む。
「…それで、私との接触の目的は何かしら?」
「お前の根城である駒王学園を中心にしてこの街で暴れさせてもらおうと思ってな。そうすればサーゼクスも出てくるだろう?」
「っ⁉」
リアス先輩は驚きを隠しながら言った。
「そんなことをすれば、堕天使と神、悪魔との戦争が再び勃発するわよ?」
「それこそ本望だな。エクスカリバーを盗めばミカエルが戦争をしかけてくると思ったのだが、寄越したのは雑魚のエクソシストと聖剣使い二名、つまらん話だ。だから、サーゼクスの妹の根城で暴れるんだよ。楽しめるだろう?」
「戦争狂め…!」
リアス先輩が忌々しそうにつぶやいた後、俺が口を開く。
「何でそこまで戦争にこだわる? 悪魔や天使を倒して、堕天使だけの世界でも創るってのか?」
そう聞くと、コカビエルは狂喜の笑みを浮かべながら、
「そんなの退屈だったからに決まってるだろう。俺は三つ巴の戦争が終わってから退屈で退屈で仕方なかった!アザゼルとシェハザムは次の戦争に消極的でな。それどころかアザゼルは、神器なんて訳の分からん物を集め、研究に没頭し始めた。 そんな事をするなど、余りにもつまらな過ぎる…だから俺は戦争起こすのだよ。自らの快楽のためにな、単純だろう?」
それを聞いたリアス先輩はますます顔を怒りで染めていく。
「くだらねぇ…」
体中から緑の光が溢れ出していく。
「そんなくだらない事のために…イリナちゃんを…戦争を起こすのかっ!」
ドォッ!
「「イッセーっ⁉」」
「兄様っ!」
俺が普通では尋常ではない殺気をコカビエルに放つが、
「ふっ、今代の赤龍帝は中々の殺気を放つものだな。これは楽しめそうだ!」
そんなのは物ともせずに話していくコカビエル。
「では俺はお前の根城で聖剣をめぐる戦いをさせてもらうぞ、リアス・グレモリー。魔王の妹が二人も通う学び舎だ。さぞ、魔力の波動が立ち込めていて、混沌が楽しめるだろう!エクスカリバー本来の力を解放するのにも最適だろうしな、戦場としてはちょうどいい。さあ、戦争をしようではないか、赤龍帝、魔王サーゼクス・ルシファーの妹リアス・グレモリーよ!」
その言葉と同時に周囲が眩い光に包まれた。どうやら近くにいたフリードが閃光弾のようなものを投げたようだ。
光が治まると、そこにはコカビエルとフリードの姿はなかった。
「先輩、行きましょう」
俺はそう呟いて学校へと走り出した。
「イッセー、待ちなさい! もうっ! 私達も追いかけるわよ!」
「「はい」」
「イッセー、一人で突っ走ったらダメにゃ!」
そんな言葉は俺には届かず、リアス先輩たちも俺を追いかけるように学校へと向かっていった。
コカビエル…お前は俺が叩き潰す…!
こうして、堕天使との決戦が始まろうとしていた。