ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男   作:パーシヴァルヴレイヴ

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僕の想いに応えてくれ

「じゃあ、あなたは今全力を出せないのね、イッセー?」

 

「はい、今まで黙っててすいません」

 

俺は走ってる最中、今の俺の状況を先輩たちに話していた。

 

「気にしないで、イッセーが悪いわけではないわ。イッセーの力が頼りに出来ない以上、今回はイッセーを援護に回して私たちが主体で戦うわよ」

 

「「「「はい!」」」」

ドライグ、まだなのか…!

 

 

学校に近づくと、生徒会の皆がいた。

 

「リアス先輩、学園を大きな結界で覆っています。これでよほどのことがない限りは外に被害は出ません」

匙がリアス先輩に現状を報告する。

 

俺たちが学校付近に到着すると、ソーナ会長たち、生徒会が被害を最小限に抑えるため、学校全体に結界を貼ってくれていた。

 

「しかし、この結界も気休めにすぎません。コカビエルが本気を出せば、街だけでなくこの地方都市そのものが崩壊します」

 

俺たちの街を壊させてたまるか…!

 

「任せてください、あいつの好きにはさせませんから…」

俺は怒りを胸に会長に言った。

 

「ありがとう、ソーナ。あとは私達でなんとかするわ」

 

「リアス、こう言ってはあれですが、相手の力は桁違いです。今からでも遅くありません、あなたのお兄様に助力を…」

ソーナ会長の提案にリアス先輩は首を縦には振らず、

 

「あなただって、お姉様を呼ばなかったじゃない」

 

「私のところは…わかってるでしょう? ですが、あなたのお兄様、サーゼクス様ならあなたの為に必ず動いてくれます。だか…」

 

「すでにサーゼクス様には打診しましたわ」

二人の会話を遮るように朱乃先輩が告げた。

 

「朱乃!」

リアス先輩は怒りの表情を浮かべて声をあげた。

しかし、朱乃先輩も真剣な表情を浮かべ、

 

「リアス、あなたがサーゼクス様にご迷惑をおかけしたくないのはわかるわ。それにあなたの領土、あなたの根城で起こったことでもあるものね。けれど、堕天使の幹部が出てきたなら別よ。あなた個人の解決できるレベルを遥かに超えてるわ。ここは魔王の力を借りましょう」

朱乃先輩がそう言い放つと、リアス先輩も何か言いたげだったが、大きな息を吐いて冷静になると、首を縦に振った。

 

リアス先輩が納得したのを見てまたニコニコな顔に戻った。

 

「お話を理解してくれてありがとうございます、部長。ソーナ様、サーゼクス様の加勢が到着するのは1時間後だそうですわ」

 

 

「1時間…分かりました。その間、私達生徒会がシトリー眷属の名において結界を張り切ってみせます」

そんなソーナ会長を見て、

 

「魔王様が来ない内に終わらせてみせますよ。ソーナ会長に負担はかけさせません」

俺がそう言うと、

 

「頼りにしてます」

ソーナ会長は笑みを浮かべた。

 

「さあ、行くわよ! 私達は結界の中に入ってコカビエル達の注意を引くわ!これはフェニックス戦と違い死戦よ!でも、死ぬことは許さない!生きて帰ってあの学園に通うわよ、皆!」

 

『はい!』

リアス先輩の喝に俺たちは声をあげて応える。

 

「兵藤、中の事は頼んだぜ!」

 

「任せろ…!」

俺は匙と拳を合わせ、互いの健闘を祈った。

 

 

「待ってろ、コカビエル…!」

 

(イッセー!)

 

「ドライグか⁉」

 

(調整の途中だが、大きな気配を感じたのでな。表に出てきたのだが、大変な事になっているようだな)

 

「ああ。で、調整の状況は?」

 

(ダメだ、まだ時間がかかる)

 

「そうか」

今の力で何とかするしかないか…

 

(今からは調整の片手間だが、私もお前のサポートに回る)

 

「わかった! いくぜ、ドライグ!」

 

(あぁ!)

 

俺たちは急いで校門をくぐっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の正門から校庭へと入っていく。すると、校庭の中央には4本のエクスカリバーが神々しい光を発しながら宙に浮いており、聖剣を中心として巨大な魔方陣が校庭全体に描かれている。

そして、その真ん中にバルパーが佇んでいた。

 

「これで何をするつもりだ?」

 

「4本のエクスカリバーを1つにするのだよ」

俺がそれを見ながら言うと、バルパーがおもしろおかしそうに答えを返してきた。

 

「バルパー、あとどれくらいでエクスカリバーは統合する?」

上空には宙に浮いている椅子に座っているコカビエルの姿があった。

 

「5分もいらんよ、コカビエル」

コカビエルの質問にバルパーがそう答えると、

 

「そうか…では、頼むぞ」

コカビエルが視線を俺たちに移した。

 

「サーゼクスが来るのか? それともセラフォルーか?」

 

「お兄様とレヴィアタン様に代わりに私達が…」

リアス先輩がコカビエルの問いに返そうとした瞬間、巨大な光の槍を生み出し、リアス先輩の方へと投合した。

 

 

「ッ⁉」

 

「リアス先輩を狙ってんじゃねぇ!」

俺は高速で飛んでいる光の槍の前に先回りにし、螺旋力を纏った拳で殴りつけた。

 

ピキ…ピキピキッ…パキィィィィン!

 

光の槍には罅が入り始め、最終的に砕け散った。

 

「イッセー!」

心配そうに俺をリアス先輩が見てくるが、

 

「先輩に攻撃してんじゃねぇっ! テメェの相手は俺が務めてやるよっ!」

 

(大丈夫か、イッセー⁉)

 

(何とかな。でも、今はさっきのを止めるのでも精一杯だった)

 

俺が苦しい表情などみせずにコカビエルを睨めつける。

 

「今の槍を止めるか…ふっ、面白い。しかし、まずは余興からいくとしよう。さて、地獄から連れてきた俺のペットと遊んでもらおうか。倒せたら戦ってやれなくもない」

そう言うと、コカビエルが指を鳴らした。すると、闇夜の奥から体長10mほどの三つ首で真っ黒な巨体の犬の姿が露わになった。

 

「ケルベロス…」

リアス先輩がそう言った。

 

ケルベロス…地獄の番犬と呼ばれる魔獣だったな。本当は地獄にいるってリアス先輩が言ってたような…

 

「本来は地獄、冥界へ続く門の周辺に生息しているはずなのに、人間界に持ち込むなんて!」

 

「どけ、犬っころ」

 

〈boost! boost! explosion!!〉

 

リアス先輩が驚いてるのを尻目に、俺は赤龍帝の籠手に倍加を二回掛けてケルベロスへと駆けていく。

 

ケルベロスは俺と言う獲物を目にし、

 

ギャオオオオオオオオオオオォォォォォォォっ!!!

 

辺り一帯を震わせるほどの威嚇の咆哮をあげた。

 

「うるせぇんだよ…!」

しかし、俺はそれで止まる事はなく、

 

「おらぁっ!」

一気に懐に飛びこび、真下から上へとアッパーを繰り出した。すると、ケルベロスは少し上へと吹き飛ばされて身動きが取れなくなる。

 

「くらってろ!」

そこに間髪いれずに俺は顔の真正面に跳び、紅い光線を撃ち放った。

 

 

「ドラゴン…ブラスタァァ!」

 

ドゴォォォォォン!

 

 

紅き光線がケルベロスを飲みこみ、消し飛ばした。

 

 

 

それを見てコカビエルは、

 

「ほう、ケルベロスを消滅させるとはな…しかし、疲れが見えるぞ、赤龍帝」

そう言ってコカビエルが再度指を鳴らすと、ケルベロスが今度は三体出現した。

 

「そんな…わけねぇだろ…!」

俺がケルベロスに立ち向かおうとした時、背後からリアス先輩達が飛び出していた。

 

「こっちの二体を私達が、もう一体は黒歌達が相手をするわ! あなたは少し休んでなさい!」

 

「行きますわよ、わんちゃん?」

 

「行くにゃ、白音!」

 

「はい!」

そう言って黒歌と白音は一体のケルベロスに走り出していた。

 

「せめてこれを受け取ってください!」

〈Boost! overgift!〉

 

俺は倍加の力をリアス先輩たちに譲渡した。

 

「これは…!」

 

「力が漲りますわ!」

 

「赤龍帝の籠手の新しい能力、赤龍帝の籠手の譲渡(ブーステッド・ギア・ギフト)です。 これで先輩たちに倍加の力を譲渡しました!」

体が思うように動いてくれないが、俺の目に映る全ての者に力を譲渡出来る能力、赤龍帝の籠手の譲渡を使って俺はリアス先輩達の援護に徹した。

 

「この力ならいけるわっ!」

リアス先輩達は増加した魔力を用いてケルベロスを屠っていく。

 

 

 

(ここはリアス嬢たちに任せて少し休め!)

 

「でも、俺と…止まってられ…」

 

その瞬間、

 

ザシュッ…バァァァァン!

 

 

ケルベロスの三体の内の一体が無数の剣と一振りの巨大な剣に切り裂かれ、その体は塵芥と化して、宙へ霧散していった。

 

その光景を見て、不覚にも俺は顔がニヤついてしまった。

 

 

「来るのがおせーんだよ、テメェら…!」

そして、いつの間にか目の前に見える二つの影に話しかけていた。

 

 

「遅れすまないな」

 

「待たせちゃったみたいだね」

そこには祐斗とゼノヴィアが立っていた。

 

 

しかし、それと同時に…

 

 

「完成だ…!」

バルパーの声が響き渡り、校庭の真ん中にあった四本のエクスカリバーが眩いほどの光を発し始めた。

 

「四本のエクスカリバーが一本になる」

神々しいほどの光が発し、四本の聖剣は一本へと形を変えていく。そして、光が治まると、そこには異様なオーラを放った、一本のエクスカリバーとなっていた。

 

「エクスカリバーが一本になったおかげで下の術式も完成した。あと20分もしないうちにこの街は崩壊する。それを止めるにはコカビエルを倒すしかない」

 

20分か…結局、俺たちで何とかしてやるしかないな。

 

「フリード」

 

「何でしょう、ボス」

コカビエルがクソ神父の名を呼ぶと、暗闇からクソ神父が現れた。

 

「陣のエクスカリバーを使え。最後の余興だ。4本の力を得たエクスカリバーで戦ってみせろ」

 

「へいへーい。俺のボスは人使いが荒いねぇ。でもさ、素敵仕様のエクスなカリバーちゃんが使えるからよしとしましょうか!これでお前ら悪魔ちゃんの首をチョンパしてやりますよー!」

フリードがイカれた笑みを浮かべながら、魔法陣にあるエクスカリバーを握り、その剣先を俺たちに向けた。

俺はそんなクソ神父に振り向きもせず、コカビエルの方へと足を向ける。

 

「あいつと戦う余力は今の俺にはねぇ。だから祐斗、あっちは頼んだぜ?」

 

「…任せて」

 

「待て、共同戦線をしてるからには私もエクスカリバー破壊には参加させてもらうぞ」

 

「分かった、頼むよ」

祐斗とゼノヴィアがフリードの前に出る。

 

「聖剣であって、聖剣ではなくなっているな… 出来れば原形のまま取り戻したかったのだが、仕方が無い。破壊してかけらだけでも持ち帰ればいいだろう」

 

 

「ふふふ…」

そんな二人のやり取り聞いてなのか、バルパーが笑い始めた。

 

「バルパー・ガリレイ、僕は聖剣計画の生き残り…いや、正確にはあなたに殺された身だ」

祐斗は淡々と告げたように見えたが、その瞳には憎悪が宿っていた。

 

「ほう…あの計画の生き残りか。これは数奇なものだな」

バルパーは祐斗を小馬鹿にするかのように言う。そして、バルパーは何やら聖剣について語り始めた。

 

「私はな、聖剣が好きなのだよ。それこそ夢に見るほどに心を躍らせたからなんだろうな。だからこそ、適性が無いと知った時の絶望といったら無かったよ。自分で使えない…それなら、使える者を人工的に作ろうと思ったのだ。そして君たちのおかげでとうとう私の実験は完成した」

 

「何を言っている? あの計画は失敗して、僕たちを処分したはずだ」

祐斗はそう言うが、バルパーは話を続けていく。

 

「聖剣を扱うのに必要な因子があることに気付いた私は、その因子の数値を調べた。だが、どれもこれもエクスカリバーを扱える数値に満たなかった……そこで私は考えたのだ、因子だけを抽出し、集めることは出来ないか? とな」

 

「そう言う事か…読めたぞ。聖剣使いが祝福を受けるとき、体に入れられるのは…」

真相にいち早く気がついたゼノヴィアは唇を噛み締めていた。

 

「そういうことだ。持ち主から因子を抜き取り、結晶を作ったのだ」

バルパーが懐から聖なるオーラが迸る光輝く球体を取り出した。

 

「これによって聖剣使いの研究は飛躍的に向上した。にもかかわらず、教会の者どもは私を異端として排除し、果てには私の研究成果を利用したのだ! 私を断罪したにも関わらずにな…しかし、あのミカエルも被験者から因子を抜き出しても殺してはいないところを見ると、私よりは人道的と言えるか。はっはっはっ…」

バルパーはそう言うと、愉快に笑いだした。

 

「あなたは…どれだけの同志を…命を弄べば気が済むんだ…!」

祐斗は怒りや憎しみに身体を震わし、魔力のオーラを纏っている。

 

「そこまで言うのなら、それは貴様にくれてやろう。その結晶は貴様の同志から抜き取った因子から創りだしたものだ。研究は現在のところ、環境さえ整えば量産は可能だからな」

そうバルパーは言い捨て、結晶を祐斗の方へと投げ捨てた。

 

結晶はコロコロと地面を転がり、やがて祐斗の足元に行き着いた。祐斗は結晶を手に取ると、愛おしそうに抱きしめた。

 

「みん…な…」

慈愛の表情と共に、祐斗の瞳から涙が溢れ出していく。

 

その時、祐斗の持つ結晶が淡い光を発し、校庭を包み込んだ。

そして、祐斗を取り囲むようにそれぞれが青白い淡い光を放つ少年少女が現れた。

 

その内の一人の少年が、

 

『自分達のことはもういい。君だけでも生きてくれ』

少年はそう言っているのが口元を見れば分かった。その言葉を聞いた祐斗の瞳からはとめどなく涙が溢れだしていく。

 

「僕は…僕は! ずっと、思っていたんだ。僕よりも夢を持った子がいたのに…僕よりも生きたかった子がいたのに…僕だけが平和な暮らしを過ごしていいのかって…」

 

祐斗が呟いた悲痛な言葉に、少年はそっと微笑むと、魂の少年少女達が口がリズミカルに動かし始めた。

 

「…聖歌…」

アーシアがそう言った。

 

いい歌じゃねぇか…心に響いてくる。

 

すると祐斗も少年達と共に聖歌の口ずさみ始めた。それと同時に少年達から放たれる光が祐斗を優しく包み込んでいく。

 

『僕らは、1人ではダメだった』

 

『私達は聖剣を扱える因子が足りなかった。けど・・・』

 

『皆が集まれば、きっと大丈夫』

 

聖歌は俺たちに本当なら苦しみを与えるのに対し、少年達のこの声は俺たちに暖かさを感じさせた。

 

『聖剣を受け入れるんだ』

 

『怖くなんてない』

 

『たとえ、神がいなくても』

 

『神が見ていなくても』

 

『僕達はいつだって…』

 

「ひとつだ」

 

少年達の魂が天へと昇っていき、一つの大きな光となると、祐斗の元へと降り注いでいって包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

(イッセー、あれは…)

 

「分かってる……祐斗は至ったんだよな」

 

 

神器の別の領域…禁手(バランス・ブレイク)へと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「彼らは死んだ…もういない…!」

 

祐斗は涙を拭い、立ち上がる。

 

 

「だけど、僕の背中に…この胸に…! 一つになって生き続けるっ!」

 

 

「皆を護れる剣となる… 最後までこの想いを貫き通せたら、僕の勝ちっ!」

 

「僕を誰だと思ってる… 僕は木場祐斗だ。皆の代わりじゃない…僕は僕だ!」

 

「リアス・グレモリーの騎士、木場祐斗だぁぁぁ!」

 

 

「だから、僕の想いに応えろ! 魔剣創造ッッ!!」

 

祐斗の手に一本の剣が現れる。その剣は神々しい輝きと禍々しい気を放つ1本の剣。あれが、祐斗の禁手化。

 

 

「禁手、双覇の聖魔剣『ソード・オブ・ビトレイヤー』。聖と魔を有する聖魔剣の力、その身で受け止めるといい」




話をだいぶ変えさせていただきました。
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