ハイスクールD×D 主人公に憑依してしまったドリルの男 作:パーシヴァルヴレイヴ
第三者side
「行くよ」
祐斗はフリード目掛けて走り出した。
「さっきも言ったじゃないっすか〜 そんな駄剣でこのエクスカリバーに勝てるわけねぇってね!」
ガキィィィン!
聖魔剣とエクスカリバーがぶつかり合う。
互角の勝負をしているように見える二人。しかし、フリードの持つエクスカリバーの神々しいオーラは祐斗の聖魔剣によってかき消されていく。
「本家を超えるってんですか、その駄剣はっ⁉」
「確かにそれが真のエクスカリバーだったら危なかったよ。でも、そのエクスカリバーに僕たちの想いは絶てはしない!」
「うっせえんだよ!」
フリードのエクスカリバーがまるで意思を持ったように動き始め、祐斗の元へ迫っていく。
『擬態の聖剣』の能力
「甘いね」
(こんなの、あの時のイッセーくんに比べたら…)
祐斗は冷静に伸び縮みするエクスカリバーを全てさばいていった。
それを見たフリードは、エクスカリバーの剣先を枝分かれされ、それぞれで祐斗へと攻撃を繰り出す。
しかし、祐斗はそれも全て対処していく。
「何で当たらないんだよっ! 昔から語り継がれてきた最強の聖剣様だろ!何とかしやがれ!」
焦ったフリードは違う聖剣の能力を発動した。
『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』の能力
その能力によって、エクスカリバーが全て見えなくなる。
「透明になるのは厄介だけど、そんな殺気の出し方だと…」
キィン! キィン! キィン!
「全て丸分かりだよ」
透明となったエクスカリバーと祐斗の聖魔剣が何度もぶつかり合い、火花を散らす。
「チィ⁉」
焦りの次に、驚愕していくフリード。
「そのまま抑えておけよ」
木場とフリードの真横からゼノヴィアが介入していき、ゼノヴィアが右手を宙へと広げる。
「ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ…我が声に耳を傾けてくれ」
その瞬間、空間が歪み始め、ゼノヴィアが歪みに中心へと手を入れると、その空間より一本のとてつもない聖のオーラを放つ剣を引き抜いた。
「この刃に宿りしセイントの御名において、我は解放する。デュランダル!」
デュランダル…『絶世の名剣』と呼ばれし聖剣。これがゼノヴィアの切り札であった。
「デュランダルだと⁉ 貴様、エクスカリバーの所有者ではなかったのか!」
その光景を見ていたバルパーは驚きを隠せずにいた。
「私は数少ない天然物のデュランダル使いでな。エクスカリバーは兼任していたに過ぎない」
そう言いながらゼノヴィアはフリードへと一気に近づいていく。
「フリード・セルゼン、私は今、エクスカリバーとデュランダルの頂上決戦ができることに心が躍っているんだ。たった一太刀で終わってくれるなよ!」
ゼノヴィアの感情の高ぶりと共に更なる聖のオーラを放っていくデュランダル。
「そんなのありですかい⁉ 今更そんな設定いらねぇんだよ、クソビッチがっ!」
透明となったエクスカリバーの刀身が枝分かれしてゼノヴィアに迫る。
「はぁぁ!」
キィィィィン!
デュランダルの一振りは刀身を全て粉砕した。
「所詮は折れた聖剣か…つまらん、後は任せる」
ゼノヴィアがつまらなそうに吐き捨てると、フリードから離れた。
「畜生がぁぁぁ!」
自分に背を向けるゼノヴィアにエクスカリバーを振り下ろそうとするが、
「これで終わりにしよう」
フリードと距離を一気に詰めた祐斗は聖魔剣を振り降ろした。
ガキィィィンッ!
それを何とかエクスカリバーで受け止めたフリードだったが、
パキィィィィンッ!!
「見てくれてるかい? 今、僕たちはエクスカリバーを超えたよ」
聖魔剣は見事にエクスカリバーを叩き折った。
ズシャッ
その勢いにのったまま、祐斗はフリードを切り捨てた。
祐斗は、自身の…同志の力を得て、エクスカリバーを超えてみせた。
「せ、聖魔剣だと…?あり得ない、反発しあう聖と魔のふたつの要素がまじり合うなんてことはあるはずがないのだ…」
今の光景を目の当たりにしたバルパーは表情を強張らせた。
「バルパー・ガリレイ、覚悟を決めてもらおう」
(この因縁に決着を…!)
祐斗は聖魔剣を構えてバルパーを斬り込む。
「……そ、そうか、わかったぞ!聖と魔、それらをつかさどる存在のバランスが大きく崩れているとするならば説明はつく!つまり、魔王だけではなく、神も…」
ズシュッ
何かの真実に辿り着いたかに見えたバルパーの胸部に光の槍が貫いていた。
「バルパー、やはりお前は優秀だったな。それ故にお前はその事実に行き着いた。だが、俺には本来お前などは不要だった、最初から1人で充分だったのだ」
バルパーは口から大量の血を吐き出すと、そのまま崩れ落ち、絶命した。
光の槍を投げた本人、コカビエルは椅子から立ち上がり、その足を地に付けた。
「楽しい余興は終わりにしてそろそろ俺…」
「黙ってろ」
〈boost! explosion!〉
そのコカビエルの後ろには緑と赤の閃光が迫っていた。
ドゴォォォォォン
「その程度か、 赤龍帝?」
コカビエルの目線の先には、地面に拳を振り抜いたイッセーがいた。
「他の者では相手にはならんから、お前には少し期待をしていたのだがな」
獰猛な笑みを浮かべるコカビエル。
「ふざけないで!」
リアスが滅びの一撃をコカビエルに撃ちこむが、
「相手にならんと言っているだろうが!」
バチンッ!
コカビエルはその一撃を腕の一振りで払いのけた。
「邪魔立てをするな、ルシファーいも…」
「デュランダルの一撃、その身で確かめてみるがいい!」
「聖魔剣の力、味わうといいよっ!」
リアスの一撃と同時に駆けだした祐斗とゼノヴィアが左右から回り込んでいた。二人は聖魔剣とデュランダルを同時に振り下ろす。
「甘いな」
コカビエルには聖魔剣を人差し指と中指で受け止められ、デュランダルはもう一方の手から魔力の波動を放ってその動きを止められてしまった。
「話にならんと言ってるのが分からんのか?」
ドガァン! ドゴォッ!
「ぐぅ!」
「がっ!」
ゼノヴィアは腹部に蹴りを、祐斗は拳を打ちこまれていた。そのダメージで身動きの取れないゼノヴィアたちはそのまま蹴り飛ばされ、地面へと吹っ飛ばされた。
「聖魔剣使いにデュランダル使い、この程度か…」
コカビエルは上空から見下しながらつまらなそうに吐き捨てた。
「雷よっ!」
間髪いれずに朱乃がコカビエル雷を落とす。
「ふんっ!」
バサァッ!
しかし、コカビエルの漆黒の翼に遮られてしまう。
「バラキエルの力を宿すお前でも俺に痛みを与える事は出来んよ」
「あの者と私を…一緒にするなぁぁぁ!」
コカビエルの言葉に朱乃は目を見開いて激昂し、雷による攻撃を繰り出すが、
「攻撃が単調になっているぞ、バラキエルの娘よ」
コカビエルは魔力弾を朱乃に撃ち込んだ。
「しまっ⁉」
防御が間に合わずに攻撃をくらったかに見えたが、
「はぁっ!」
腕にドリルを展開したイッセーが朱乃の前で現れ、別の方向へ魔力弾を弾いた。
「何とか間に合って良かったです」
回復したおかげか、イッセーは先程よりかはだいぶ回復しているように見える。
そして、イッセーはコカビエルの方へと歩み始めた。
「先輩達は下がっててください。ここからは俺がやります」
「何を言ってるの、イッセー⁉ あなたの今の力じゃ…」
イッセーがコカビエルの前に立つと、リアスは言葉を紡ぐが、
「あの者たちよりかは楽しませくれよ、赤龍帝」
コカビエルは獰猛な笑みを浮かべて待ち構えていた。
「ダメよ、イッセー! 私が戦うからあなたは下がってなさ…」
「先輩!」
「ッ⁉」
「ここは、俺にやらせてください。必ず倒してみせますから…!」
イッセーは覚悟の炎が灯った瞳をリアスに向けた。
「………分かった、あなたを信じるわ」
そう言ってリアスは後ろへと下がって行った。
それを見届けたイッセーはコカビエルの方を向き直す。
「さあ始めようか、赤龍帝」
そう言って漆黒の翼を広げるコカビエル。
(ドライグ、禁手するぞ)
(な、何を言っているか分かっているのか、イッセー⁉ ただでさえ力を使えない上に禁手なんてしたらお前が体が持たないぞ!)
(例えそうだとしても、こいつは今までの奴とは訳が違う。それに、無理を通して道理を蹴っ飛ばす……それが俺のやり方だって知ってるだろ?)
(……今の状態では持って三分だ。それまでに決着をつけろ。つけなければ強制的に解除する)
「ありがとよ、ドライグ……禁手ッ!」
イッセーは赤い光に包まれていく。そして、光が止むと、
「「人龍合体! グレンラガンッ!」」
赤龍帝の籠手の禁手、赤龍帝の紅蓮の鎧を展開したイッセーがいた。
「いくぞ、コカビエルッ!」
「楽しませろよ、赤龍帝っ!」
赤龍帝と堕天使、両者の死闘が今、始まった。